Fate/Grand Order CCC tearDrop   作:アマシロ

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第2話:邂逅/再会

 

 

 

 

 

 

―――――なんか既にサーヴァントを失ってらっしゃるー!?

 

 

 

 そ、れは。

 いくらBBの先輩という超級マスターでも無理かもしれない。

 

 ただし、再召喚などの手段がなければだが。

 

 

 

「いいえ、それ以前の問題です。再召喚のためにはリソースであるSm(サクラメント)が必要です。けれどSmを獲得するために新たに聖杯戦争の舞台となったSE.RA.PH.黎明領域に出ることは、サーヴァントなしでは自殺行為です」

 

 

 

 

 そんな―――――。

 

 

 じゃあやっぱり捨て身でこっそりやるしかないか。

 大丈夫、割とよくある。

 ヘラクレスに追いかけられるのに比べれば大概のエネミーは鈍足である。

 

 

 

「そんなの、自殺行為です! サーヴァントがいなければ黎明領域への突入は許可できません!」

 

 

 

「フ、フハハ、フハハハハ――――――! どうやら我の出番のようだな!」

 

 

 

 

―――――って、こ、この声は――――!?

 

 

 

 どこかで聞いた覚えのありすぎる、見事なまでの三段笑い!

 忘れもしない、黄金にして最強、厳しくも慈悲深き人類最古の英雄王!

 

 

 

―――――ギ、ギルガメッシュ王!?

 

 

 

「よい、よいぞ。我と我の雑種の陣営に無断で乗り込む不逞の輩がいるというので足を運ばされ、この我の怒りをどう鎮めようかと思っていたが――――貴様であったか、藤丸」

 

 

 

―――――もしかして、ギルガメッシュ王も事態の解決のために!?

 

 

 サーヴァントを失ったと聞いてどうなることやらと思ったが、流石はギルガメッシュ王。既に裁定のために来ていたらしい。すごい、流石BBの先輩凄い。英雄王なら百人力(英雄基準で)だ。

 

 いや、というか我の雑種って何!?

 

 

 

 

 

 見れば、眩い黄金に輝く英雄王の背後に半ば隠れるようにして茶色の髪の少女が桜と同じ制服を着て立っていた。……流石に英雄王と比べると地味だが、それにしたってかなりの美少女である。

 

 

 

――――えーと、我の雑種ってそういう感じなんですかギルガメッシュ王。

「その人は知り合いなの、ギルガメッシュ」

 

 

 

 むむ、この人怪しい……。互いに互いを訝しむような目で見合う。

 いや、サーヴァントとのコミュニケーションで鍛え上げられた観察力によるとこの人、若干拗ねてらっしゃる……? いや、俺もマシュが知らない人と親しげだったら気になるのでそんなものかもしれない。

 

 

 

 

「そうさな、白野は令呪3画と命を賭けて我を求めおったので仕方なく今生のみ、その生き様を見届けてやろうと決めたまでのこと」

 

 

 

―――――普通の聖杯戦争では令呪は補充できないと聞く。でも確かにギルガメッシュ王は令呪3画などより価値あるサーヴァントだろうが素晴らしい決断力……って、命も?

 

 というかなんか今生とかいうとんでもワードが聞こえたような。

 

 

 

「委細は省くが、全身がほぼ消し飛んでも前に進む稀有な雑種だ」

 

 

 

 

――――それもう稀有というかオンリーワンでいいんじゃないでしょうか。サーヴァントじゃないのに戦闘続行スキルをお持ちで?

 

 

 

「フハハ、そら言われておるぞ白野。ちなみにそこな藤丸はウルクの客人……いや民……まあ今の我は機嫌がいい。賓客くらいにはしておいてやろう」

 

 

 

 

―――――ギルガメッシュ王に賓客扱いしてもらえるのは光栄というか、若干民に憧れるような。

 

 

「ほう、わかっておるではないか藤丸。そら我と我が雑種のために励めよ、働きに応じて名誉ウルク民ランクを上げてやろうではないか」

 

「こ、この民大好きなギルガメッシュにウルク民認定されてる―――!? 一体どんな偉業を成し遂げたというのか。自分なんて月の裏側から脱出してもまだ雑種扱いなのに!?」

 

 

 

 

 あ、意外とこの人楽しい人かもしれない。

 

 

 

「そこな藤丸はウルクで働き、ウルクの飯を食べ、ウルクのために身体を張って原初の女神たるティアマトに立ち向かいウルクを救った。……まあ望むのなら大使館で働かせてやるくらいの男よ」

 

「それってものすごい高評価では」

 

 

 その大使館の実際の業務はなんでも屋ですけどね!

 

 

 

「王たるこの我は、認めるべき者は認める。それだけのことであろう。――――しかし何か、我の雑種扱いに不満があると?」

 

「いや、不満はない―――――不満はないけれど。自分もギルガメッシュからすればまだまだみたいだから、気持ちを引き締めただけ」

 

 

 

 負けず嫌いなのか、静かに闘志を燃やす岸波さんにギルガメッシュ王が楽しげに笑う。

 いや、なんというか。シドゥリさんと同じ……ではなさそうだけど、王様が楽しそうでなによりである。王様を楽しませる稀有な人みたいだし。

 

 

 

 

「――――ところで、そこの……えっと、桜?」

「あ、はい。以前いた桜は黎明領域に異動してますので、新しくこの月海原学園保健室を任されました。よろしくお願いしますね、岸波先輩」

 

 

 

 ぺこり、と頭を下げる桜に岸波さんが僅かに微笑む。

 その、どこかマシュを思わせるような儚げな微笑みに、俺は違和感を――――既視感を覚えた。

 

 と、その岸波さんと目があった。

 …………ふむ。

 

 

 

 

「私の名前はフランシスコ・ザビエル――――!」

――――私の名前はルイス・フロイス――――!

 

 

 

 

 

―――――なんてことだ。こんなところでザビエルさんに会えるなんて。お久しぶりです。

 

 

「元気そうで何よりだよ、ルイス君」

 

 

 

「えっと………先輩? その挨拶、流行ってるんですか……?」

「いや、生憎流行には疎いけど流行ってない。はず」

 

 

 

 ここはBB曰く時間が違うらしいのでこちらもさっぱりだが、少なくとも2020年時点では全く流行の兆しはない。

 

 

 

――――英霊(ご本人)に会う可能性を考えるとブラックなジョークだよね。

 

 

 

「そのとおり。だが私は止めない。もしご本人にお会いしたら許可を貰うつもりまである」

 

 

 

――――くっ、この先輩強い…。カルデア式だと本当にそのうち来そうなのでなんなら話を繋ごうか。

 

 まさかこの先輩がフランシスコ・ザビエルの疑似サーヴァントにはならないだろうし。それこそどこかのマスターみたいに実は幻創種とかで戦闘能力でも無い限り。

 

 

 

 

「なん……だと。同士フロイス君、今日からは仲良くしよう」

「ありがとうございます、同士ザビエルさん」

 

 

「う、うーん、この空間は一体……」

「フフフ、ハハハ、フハハハハ! そんなことだから魂がおっさんなどと言われるのだ白野よ!」

 

 

「いやちょっと待ってほしい。流石に花の女子高生に向かってその暴言は聞き捨てならない」

 

 

 

 

 困り顔の桜と、爆笑するギルガメッシュが印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

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