仮面ライダーヒーロー   作:NORI

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よし、書こうと思ってもついつい、スマホを見てしまう。
俺のバカ。
もっと頑張れよ。
というわけでどうぞ。
※追記同じく11月16日修正しました。


勝己と出久

 「すごいでしょ!?私のドッ可愛いベイビーたちは?このベイビーたちで、いつも出久さんをサポートしているんですよ!」

 

 ハイテンション笑顔で回りに並ぶ装置を解説しまくる彼女は、発目明。

 ドレッドヘアーのようにまとまった癖のあるピンク髪とスコープのような瞳が特徴的な女性だ。

 それをポカーンとした( ゚д゚)顔で見る咎彦とハァ~と(;´д`)ため息をつく出久。

 

 二人は今、咎彦の取材のために、出久、明が所属する事務所にある、ラボに来ていた。このラボで日夜彼女はサポートアイテム(彼女の言葉を借りるなら、ドッ可愛いベイビー)を制作、修理、出久のサポートを行っている。

 

 「あ、あぁ~、なるほど。じゃあ、出久さんが変身に使うあのベルトも発目さんが、制作したものなんですねー」

 

 ようやくフリーズから復帰した咎彦が納得したように言う。

 それならば、あのベルトから彼女の声が聞こえたのも納得がいく。咎彦はそう考えたようだが、返答は否定のものだった。

 

 「いいえ、確かに制作は手伝いましたけど、あれの元となったプロトタイプやデータは出久さんのみで開発したものです」

 

 どういう事だと出久の方を振り向く咎彦に、彼はもじゃもじゃ頭を掻きながら説明し始めた。

 

 「あれは、元々僕の亡き父が研究していたもので、僕はそれを引き継いで「仮面ライダー」を完成させたんだよ。けど父の研究を利用した奴がいた。そいつを父を殺し、研究データの一部を盗んで『ショッカーベルト』を完成させた」

 

 出久のその一言で一気にラボ内は不穏な空気に包まれた。

 

 「・・・・・じゃあ、今町に出回っているベルトって?」

 「全部、奴によって制作されたものだろうね」

 

 咎彦の質問に、遥か彼方を睨みながら答える出久。

 この町に起きている異変。

 それは、一年前から起こり始めた。

 

 装着するだけで、身体能力上昇、個性能力上昇、個性の多様変化などが起きる。しかし、使用するリスクは大きい。使用を続ければ、知能の低下、戦闘欲の増大などが起きる。そのベルトを装着したものを「怪人」「ショッカー」と呼ぶ。

 当然ショッカー及びショッカーベルトは違法であり、危険なものだ。

 それに専門的に対抗しているのが出久、「仮面ライダー」だ。

 

 「そして、そのベルトを回収するために緑谷さんは仮面ライダーに。私は、出久さんのサポーターになっているんですよね」

 「なーるほど、ほんじゃ、出久さんはこの事件を収束させるために、ヒーローになったんですか?」

 

 ヒーローはヒーロー免許を取得すれば、誰でもヒーローになれる。

 出久自身も、仮面ライダーの技術を用いてヒーロー免許を取得した。

 その発端が今回の事件だろうと、咎彦は思ったが。

 

 「いや・・・僕の場合、ヒーローになったのは私怨なんだよ。ベルトを回収しているのは、父の研究を引き継いだ僕しか、あのベルトに対する専門家がいないからだよ」

 

 私怨、その言葉を使った瞬間、出久は過去に投げつけられた数々の言葉を思い出した。

 『諦めた方がいいね』『無個性のお前がヒーローになんて、なれるわけねぇだろ』『出久、ごめんね』『無個性のくせに、ヒーロー気取りか、デク!!』

 無関心、罵倒、哀れみ、夢への否定。出久の脳裏に刻みつけられたトラウマ。

 それらに負けないように強く拳を握る。

 

 「・・・・・僕が、ヒーローになったのは、許せないからさ。『無個性には夢をみる権利すらない。』そんなのが当たり前なこの社会が憎い。理不尽で不平等な世界が許せない。だから、僕はヒーローになった。無個性というだけで、馬鹿にし、見下してきた奴らを見返すために」

 

 怒気をはらんだ声で語る出久。それを聞いていた咎彦は、ボイスレコードで録音していた。

 

 「世界を見返すためにヒーローになった。ダークヒーローっぽくてかっこいいっすね!じゃあ、そこらへんもっと詳しく話してください!!」

 

 キラキラした瞳でグイグイ来る咎彦。

 思わずのけぞる出久。

 

 「た、助けて発目さん」

 

 明に助けを求めるも、彼女はすでに何かの研究に取り組んでいて、出久のこと等、お構いなしという感じだ。

 どうしたものかと出久が、頭を悩ませていると。

 

 「あ、そういえば、こないだ人質にされていた子から、出久さん宛てにお手紙がきてましたよ」

 

 思い出したかのように言う明に思わず「へ?」と口をそろえる出久と咎彦。

 彼女から渡された封筒には、警察から聞かされていたあの少年の名前『榎宮和樹』の名前があった。

 でかでかと歪に書かれた文体から少年、和樹が自分で名前を書いたことがうかがえる。

 

 それを見た時、《もしかしたら、あの時上手く助けれなかった自分に対する恨み事が書かれてあるのでは》という予感が出久にはあった。

 あの時の事件からすでに五日目。

 そもそも、すぐに謝りに行こうと考えていた出久だが、仕事の忙しさや和樹本人の気持ちがまだ収まっていないという警察からの連絡を受け、今まで和樹自身に会えずにいた。

 

 とは言え、謝罪出来なかったのは事実。そこにどんなことが書かれていようと甘んじて受け入れよう。

 出久はそう思い、深呼吸で気持ちを落ち着け、封筒を開き手紙を読み始める。

 

 『ヒーローのお兄さんへ、あの時助けてくれてありがとうございました。ぼくはむこせいなんですが、お兄さんもむこせいのヒーローだと聞いてびっくりしました。ぼくもいつかお兄さんみたいなヒーローになりたいです。』

 

 読み終えた出久は静かに手紙を封筒に戻した。

 

 《僕には、礼を言われる資格がない。あの時ちゃんと助けられなかったんだから。そもそも、あの子をヒーローとして助けたのは、完全な私怨なんだ。個性社会に対する復讐のために戦っているんだから。》

 

 本人は気づいてないが、そもそも私怨だけで戦っているのならば、和樹に対して罪悪感や責任感など、ないはずだ。

 つまり出久が、私怨以外の感情で戦っているということになるが。本人がそれに気づくのはもう少し後の話しになる。

 出久がずっと黙っているので、咎彦が首をかしげていると。

 「ビーッ!ビーッ!」

 

 けたたましいサイレン音が近くに置いてあるパソコンから鳴り響いた。

作業中の明がその音に素早く反応し、パソコンを確認する。

 このパソコンは事務所の連絡網と連携していて、ショッカーの出現情報のみ、限定して連絡される。

 そのパソコンがサイレン音を鳴らした。ということは、つまり。

 

 「出久さん!ショッカーです!」

 

 明のその指示を受け、出久は現場へと、出動する。

 出久の専用バイク、『ブラックホッパー』で現場に直行した出久。

 その場所は森林公園の入り口だ。

 

 雑木林が立ち並ぶこの場所に、人の怒号と衝撃音が鳴り響く。

 現場の周辺に野次馬がむらがり、それを各ヒーローが対処している。

 出久は自分の方を誰も見てないことを確認すると、出久は一旦人の周辺を離れた。

 森林公園の裏手、住宅街の壁と挟まったこの場所には、まだ誰も来ていない。

 

 「ここでいいか」

 

 一人呟いた出久は懐からシルバーのベルト「ライダーベルト」を取り出し腰に装着する。

 上部のボタンを押すと、中央のフィンが風を吸収するかのように、回転し始める。

 変身モーションが開始されたのだ。

 

 「ライダー・・・・・変身ッ!」

 

 出久が静かに叫ぶと、再度ベルト上部のスイッチを押す。

 瞬間、緑色の竜巻が生まれた。

 事務所ラボ内にある『仮面ライダースーツ』がベルトの転送システムにより、転送及び出久の肉体への装着がなされたことにより、起きる現象である。

 

 つまり、出久が無個性ヒーロー『仮面ライダー』へと変身したのだ。

 竜巻がやむと、そこに現れたのは黒い鎧をまとったバッタのような戦士がいた。

 出久、仮面ライダーは拳を握りしめ、待ち構える戦場へと、赴いた。

 

 戦場は思ったよりも過酷なようだ。

 出久から見て後方にヒーローが二人、負傷し座り込んでいる。

 その前方には、あの爆心地が二人を守るかのように立っていた。爆心地もこの現場に出動していたようだ。

 その彼が睨みつけるは、蟹のような姿をした怪人だった。

 

 燃えるような赤いボディーに腰にはショッカーの証の「ショッカーベルト」。そして両手の大きな鋏を威嚇するかのように、振り回している。

 名づけるとしたら『怪人蟹男』というところだろう。

 現状を二秒で確認を終えた出久は爆心地のそばに駆け寄る。

 

 「爆心地、すいません。遅くなりました。僕も戦います」

 

 しかし、爆心地は出久の方を見向きもせず。

 

 「テメェは邪魔だ。後ろの奴ら連れて、逃げてろ」

 

 と、冷たく言い放った。

 しかし、正論だ。

 ここで出久が戦うよりも、人質になりうりそうな後ろの二人を逃がした方が、ヒーロー側の勝率があがる。

 

 出久もそれを承知していた。

 ただ、それでも。

 出久の脳裏に和樹の顔が思い浮かぶ。

 

 《僕は怒りと憎しみで戦っている。これからも、それは変わらない。でも、・・・・・それでもあの子が僕に対して憧れをもってくれたんだったら。せめて、その気持ちには答えたい。それが出来なきゃ、自分には戦う資格すらない!!》

 

 出久の中で、怒り以上に強い感情が生まれた。その感情の名は『勇気』。 

 

 「・・・いえ、ここは自分に任せてください。そもそも怪人に対する仕事は僕が専門です」

 

 出久は爆心地に対して静かに、しかし強く言った。

 当然それだけが、出久の戦う理由ではないのだが。その一言を聞き、爆心地も何かを察したのだろう。後方に下がり、うずくまっていた二人を両肩に担ぐ。

 

 「戻ってきてまだ片付いてなかったら、その時は今度こそ、下がれ」

 

 振り返らずその一言だけ残して、爆心地は去っていた。

 

 《無茶言ってくれるな。この公園の出入り口にたどり着くまでは、1分もかからないってのに》

 

 出久は苦笑しながらも、内心気遣ってくれた爆心地に対して、感謝していた。

 出久は、思考を切り替え、怪人蟹男の方に集中する。

 

 「なんだよ、なんだよぉ?イライラするなぁ、すごくイライラする。せっかくナンバーワンヒーローが来てくれたってのに。雑魚キャラの登場かよ。邪魔すんなよぉ、マジでイライラするぅ」

 

 蟹男が対面して初めて発声した。その声は20代ほどの青年男性のようだ。

 《会話が可能か》と出久が分析を始めると、一つ出久には気になる点があった。

 

 「雑魚キャラって。僕のこと?なんで僕が雑魚キャラなの?」

 

 出久の質問に対して蟹男はどこか不満げに答えた。

 

 「お前以外に誰がいんの?知ってるよお前の事。あれでしょ?無個性が調子にのってヒーローになったんでしょ?最近のヒーローもぬるくなったよなぁ。無個性でもヒーローになれるんだからさ」

 

 蟹男の差別的で明らかに見下したような発言に、出久は強い苛立ちを感じた。

 

 「無個性がどんだけ頑張っても、無力なのよ。雑魚キャラは雑魚キャラらしく、身の程をわきまえてろよ。お前みたいな奴は生まれた瞬間から社会のお荷物なんd」

 

 言葉が途中で途切れたのは出久が蟹男に右の掌打をくらわせたからだ。

 よろけながら、数歩下がる蟹男に出久は指さした。

 

 「随分とおしゃべりな蟹だな。そんなおしゃべり蟹さんに朗報だ。今からお前は、お前が馬鹿にした無力な雑魚キャラに負けるんだよ」

 「やってみれば?」

 

 出久の挑発に蟹男は好戦的な態度をみせる。

 無個性に対する差別的な発言の連発で出久は大分苛立っていたが、深呼吸して感情を落ち着ける。

 右手を手刀に前に突き出し、左手は拳を作り、腹回りに添える。出久の構えだ。

 蟹男は両手の鋏をブンブンと振り回し、気を窺っている。

 

 やがて、どちらともなく駆け出した。

 大柄な見た目とは裏腹に細かく動き、鋏で確実に攻撃を仕掛けてくる蟹男。それに対し出久は鋏を躱さず、拳や掌打で鋏の側面を叩き、攻撃から逃れる。

 

 「八ッ!」

 

 短い発声とともにマシンガンが如く打ち出される拳の連続突き。それを鋏でガードする蟹男。

 出久が一瞬拳を引いたその瞬間、その隙を狙って蟹男が体勢を低くし、足元を鋏で狙ってきた。しかし、それを見切った出久は、跳躍し蟹男の後方に降り立つと同時に、回し蹴りを蟹男にくらわす。

 

 「ぐっ!」

 

 苦し気な声を押し殺し蟹男は一旦出久から、距離をとる。

 

 《意外と戦いなれているな、こいつ・・・。なら、少し試してみるか》

 「おい」

 

 少し思案した出久は蟹男に話しかけてみることにした。

 

 「お前、案外弱いな。実はそんなに大したことないんじゃないかな?イキってかっこつけてたけど、もうボロボロじゃん。恥ずかしいやつ」

 

 出久が鼻で笑うと、蟹男が肩をぶるぶると震わせる。出久の挑発に引っかかったようだ。

 

 「は?は?はぁ?ふっざけんてんじゃねえぞぉ?無個性ごときが個性もちに逆らってんじゃねえよぉ!」

 

 蟹男が鋏を振り回し、出久の方に向かってきた。それを出久は静かに迎え撃つ。

 先ほどとは打って変わって乱雑になった蟹男の攻撃。出久はそれらをはじきながら、確実に蟹男に攻撃を重ねていく。

 

 《声から推定するにこいつはまだ20代。しかもベルトの副作用で凶暴性が増している。感情コントロールなんて難しいだろう。その所為で簡単に挑発に引っかかたな。おかげで、随分と戦いやすくなった。しかし、こいつさっきから》

 

 出久が淡々と冷静に思案していく中、蟹男の方は全く攻撃が入らず、逆にカウンターで返されていくことに、苛立ちを隠せないでいた。

 

 「くそ!くそ!くそ!マジでふざけんじゃねえぞ!?無個性が!社会のごみが!?大人しく切られてろ!!」

 

 蟹男の無個性に対する差別的な発言の連続で、出久はいい加減に堪忍袋の緒が切れそうになっていた。

 

 「このぉ!調子にのってんじゃねえぞぉ!!無個性がぁああああ!!!」

 

 蟹男の鋏と言葉の中傷が出久の胸を、遂に切り裂いた。

 真一文字に切り裂かれた胸から火花が飛び散る。出久が何とかギリギリでよけたため、装甲を切られるだけで済んだようだが。

 しかし、蟹男はやってしまった。蟹男が真に切ったのは出久の胸ではない。その奥に秘めたる堪忍袋の緒だ。

 

 「無個性をなめるなぁ!!」

 

 電光石火の如く、出久は駆け出した。

 出久の怒りの拳が蟹男に届きそうになる、しかし、蟹男は寸前に鋏でガードした。だが、そんなガードなど無意味。

 

 出久の拳は鋏を木っ端微塵にし、蟹男の鳩尾に拳を叩きこむ。

 蟹男の装甲がひび割れ、蟹男は後方へと、吹き飛ぶ。

 だが、ダメージは出久の方にもあった。蟹男の堅い装甲を殴ったせいで右腕の装甲はひび割れ、内部の機械が露出している。右腕はもう使えそうもない。

 

 「はぁ、はぁ、ざ、残念だったな。もう腕、使いもんになんないじゃん。それでそうやって勝つ気なわけぇ?」

 

 蟹男が息も絶え絶えに、出久を挑発するが、当の本人は静かだった。あまりの怒り故にもはや単純な煽りでは、出久自身は動じなかった。

 

 「無個性が、無力かどうか、お前のその身体で確かめてみるとよい」

 

 出久がそういうと、ボディーに走るネオングリーンのラインが強く輝きだした。それはまるで、出久の憤怒に呼応するかのように。

 出久はベルト両側のスイッチを押す。

 緑色のエネルギーが出久の両足に蓄積されていく。

 

 「ライダージャンプ!」

 

 短い発声と共に、天空へと跳躍する出久。空中で体勢を変え蹴りの姿勢をとる。

 

 「ライダーキック!」

 

 再びの発声と共に、今度はベルト上部のスイッチを押した。

 背中部分が僅かに展開し、ジェットエンジンのようなものが露出する。

 ジェットエンジンは炎を吐き出し、出久の身体を蟹男の方へと押し出す。

 この時、蟹男はよけることができなかった。

 あまりの行動の速さについていけなかったのだ。

 

 緑の風を纏った出久の蹴りが蟹男に命中した。

 蟹男はそのまま地面に倒れ伏し、衝撃と体重で地面に穿った。

 出久の方は蹴りを食らわせた後、すぐに立ち上がり蟹男から数歩離れると、蟹男が爆発した。

 正確には、蟹男の装甲のみだが。

 

 出久の蹴りによって『仮面ライダースーツ』のエネルギーが足を通して蟹男に伝わり、蟹男の装甲のみを破壊したのだ。

 だが、この必殺技もかなりエネルギーを使う。

 もう今日は『ライダーキック』を使うことが出来ない。

 だが怪人を倒した今では、問題ない。

 

 蟹男の方は装甲が木っ端みじんになり、生身の状態になっている。完全に、相手は沈黙したのだ。

 出久は相手が気絶しているか、しっかり確認をとった後、唯一破損せずに残った『ショッカーベルト』を取り外した。

 

 「無個性だからといって、見くびるなよ」

 

 出久はもう物言わぬ相手に対して吐き捨てるようにつぶやいた。

 

 「随分と粗末な戦い方だな」

 

 出久に声をかけてきたのは、爆心地だった。

 木を背もたれにし、腕を組んで出久の方を睨んでいる。

 どうやら今までの戦いを静観されていたようだ。

 

 《観察されていたのに、全く気付かなかったな》

 

 出久はとりあえず、事が済んだことと、怪我人を運んでくれたこと、自分に戦いを譲ってくれたことに対する礼を爆心地に述べた。

 だが、当の爆心地はそれだけ聞くと、蟹男だった者を拾い上げ、どこかへと去っていった。男を警察に引き渡しにいったようだ。

 

 《やっと終わったか。それにしても元いじめっ子の彼がナンバーワンヒーローで、昔からひたむきに努力してきた自分はランキング最下位ヒーローか・・・。世の中どうかしてるよ》

 

 出久がランキング最下位ヒーローなのは、無個性には戦闘能力、人命救助力がないと判断され、最近までショッカー退治以外まともな仕事を回してもらえていなかった所がある。その肝心のショッカー退治も最近になってようやく許可が下りたのだ。しかしながら、ショッカー退治以外の仕事があまり回ってこないというのが、現状だ。

 

 出久は静かに変身を解除し、空を見上げた。

 彼の瞳に映るのは、和樹の笑顔だった。

 

 《でも、これで少しは君に対して誇れる戦いが出来たかな》

 

 出久は届かぬ想いを胸に帰路についた。

 しかし、その後ろ姿を怪しい二人組が、見ていたことには気づかなかった。

 

 後ほど、出久は咎彦から先ほどの戦いについて、質問攻めにあったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




仮面ライダーヒーロー設定話
爆心地ことかっちゃんは、昔はかなり乱暴な口調で年上に対してもタメ口だったけど、轟くんから「爆轟、お前敬語使えないのか?よかったら俺が教えてやろうか?」という無自覚天然煽りを受け、本人ブチ切れ。そっから敬語を使うようになった。
でも同期や目下の人間に対しては、通常運転だよ。
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