ポケモンと言えばカレー!
タマムシ学園 高等科 家庭科室
ここに、三人の美少女がいる。
緑色の長髪の東北ずん子。
紫髪の短髪の結月ゆかり。
金髪で巨乳の弦巻マキ。
ずん子「・・・・・・・・・。」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
マキ「・・・・・・・・・。」
ずん子には怒りの表情が浮かんでいる。
怒りの矛先は、結月ゆかり。
少し前に血飛沫が飛ぶほどのバトルをした相手だ。
割と癇癪持ちなところがあるずん子は、大切なことを口にしないタイプのゆかりと衝突する事が多く、二人と友人同士である弦巻マキは、いつも二人の仲裁にまわる立場だ。
が、マキの苦笑が浮かぶ顔を見る限り、今回ばかりは毛色が違うらしい……。
ずん子「・・・・・・・・・ゆかり。これは何ですか?」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
普段ずん子になにを言われても飄々としているゆかりだが、今回は決してずん子の目を見ようとせず、顔には冷や汗。
姿勢は正座。手はお膝。完全なる反省スタイルである。
クーガ「マキ、窓ガラスは今日中に付けて貰えるらしいロト。
壁のススはハイドロポンプでも撃った方が早いから、スマホから着替えてウォッシュしとくロト。」
マキ「うん。ありがとう。クーガ…」
学園の家庭科室は、生徒なら誰でも使える施設である。
そこでは生徒がポロックを作ったり、ポフィンを作ったりする。
そして、本作で俺ツエーしまくる結月ゆかりさんの作った物は
ゆかり「・・・・・・・・・……カレー」
ずん子「へえ、カレーねえ?」
ゆかり「・・・・・・・・・…」
ずん子「
ずん子が真っ黒く、歪み、そして、ケミカルに輝くナニかを指差した。
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「ゆかり?あのアローラベトベトンみたいな汚濁を、あなたはカレーと呼ぶんですか?」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「都合が悪いとだんまりが貴女のクセですが、今回ばかりは許しませんよ?」
マキ「ゆかりちゃん、こんなに料理苦手だったっけ?
昔は普通にカレー作ってたと思うけどなあ」
ずん子「それは、これが原因ですよ!」
ゆかり「・・・・・・!!」
ずん子は多少強引にゆかりの腕を取り、袖を捲る。
すると、色が変色したゆかりの腕が露わになる。
マキ「ゆ、ゆかりちゃん・・・この腕は!?」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「はあ・・・・・・わたしも先週、入院していた病院で偶然気付いたんです。」
どうせゆかりが話す訳が無いと、ため息をつくずん子。
マキ「ロケット団戦のダメージで入院してた時だね。」
ずん子「ええ。同室でしたから、色々と観察の機会は有りましたから。」
そんな友人達の非難の目を他所に、話は終わったと袖を戻した。
ずん子「思い返せば、きりたんとバトルしたときから、明らかに物理法則にツバを吐くようなボールを投げてましたよね?」
マキ「ずん子ちゃんとのバトルの時も・・・だね。」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「・・・・・・・・・。」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「ゆかり、アナタが何をやっていてそんなケガをしているのかとか、性格やバトルスタイルが明らかに陰キャだとか、人間性に欠点がある狂人だー色々言いたいことはありますけどね・・・・・・」
ゆかり「ずんだに狂ったヤツに狂人扱いされたくないですが」
ずん子「今回初めて口聞いたと思ったらそれか絶壁!!?ぶっ殺してやる!!!」
マキ「まあまあ・・・・・・!」
マキは調子が戻ってきた友人に頭を悩ませながら、どうにか宥めていく。
泣きそうな自分を誰か助けて欲しいと願いながら。
ずん子「はあ・・・はあ・・・!」
ゆかり「・・・・・・・・・(つーん)」
マキ「・・・・・・・・・(泣)」
ずん子「アンタもう・・・本当にもう・・・・・・ちょっとはわたしに『可愛い女の子』であれる配慮とかですねえ・・・・・・!」
ゆかり「ないもーーーむぐっ!??」
マキ「ゆかりちゃんお願い。もうお話を聞いて上げて。そろそろ茶化さずにお話を聞いて上げて。
私の方が持たない。
ずん子ちゃんももういい加減にケンカしないで。」
神速でゆかりの口を覆ったマキは、半泣きで黙らせにかかる。
もう良いだろう。頼むからもう止めてくれと。
ゆかり「・・・・・・・・・。」
ずん子「・・・・・・・・・。」
マキ「・・・・・・・・・(睨み涙目)」
ゆかり「・・・・・・・・・・・・・・・・・・で、何だって?」
ずん子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・い。」
ゆかり「はあ?」
ずん子「・・・・・・・・・ケガしたり、寝不足だったり、一人で背負い込んで大怪我するくらいなら・・・・・・・・・・・・ちょっとくらい頼ってこい。・・・・・・バカ」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
マキ(ずん子ちゃん・・・・・・)
ずん子「わたしの方が料理上手いし、眠いなら寝る時間くらい稼げるし・・・・・・ケガは、ほら。
なによりわたしの責任なんだし。
ゆかりの身の回りの世話は、わ、わたしの役目だから!!」
ゆかり「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
マキ「ずん子ちゃん・・・・・・」
(あのメンヘラと癇癪とずんだ餅で出来たようなずん子ちゃんが、こんなに思ったことを言い切れるなんて・・・・・・)
友達の成長に、感動と喜びを覚えるマキ。
しかし、二つ忘れる事なかれ。
一つは、なにもずん子が落とし前を付けなければならないのは『結月ゆかり』だけではないこと。
弦巻マキの所持する伝説のポケモン『フリーザー』の【マヒャド】を自身の【ポケスキル】で乗っ取り、操ったこと。
それ自体は、マキ本人が【マヒャド】の意志にある程度委ねるとし、現在きりたんの『ハガネール』の【ハガネまる】と共に戦闘時のダメージを回復させたのち、話をするとして、保留になった。
そして一つは
ゆかり「・・・・・・」
マキ「ゆ・・・ゆかりちゃん・・・・・・?」
東北ずん子の言葉を聞いた結月ゆかりが、特に心に響いている様子が無いことだ。
マキ(ゆかりちゃん・・・・・・まさか、変なこと言わないよね・・・・・・??)
ゆかり「・・・・・・・・・・・・分かりました。じゃあ、頼るとしましょうか。」
ずん子「ーー!!」
マキ「ゆかりちゃん」
ゆかり「ここはもう使えませんから、学園の外でカレー作ってきて下さい。」
ずん子「・・・・・・え?カレー??」
ゆかり「そろそろ初等部の森の試験が始まって一時間半。早ければガキどもが戻ってくるころで・・・・・・」
突如、学園放送が流れる。
《緊急警報です。現在【試験の森】で異常事態発生。学内の技術士の方は至急、【試験の森】ゴール地点までお越し下さい。繰り返しますーー》
ずん子「緊急警報!?」
マキ「技術士を呼んだってことは機械系のトラブルかな?」
ゆかり「・・・・・・・・・。」
二人が放送について話し始めると、ゆかりはすぐに踵を返して部屋を出る。
ずん子「ちょっとゆかり?何処行くの?」
ゆかり「修理費について、早めに話入れてきます・・・・・・カレー、任せましたよ。ずんだ。
間違ってもグリーンカレーなんてほざいてずんだなんか入れないで下さいよ。」
ずん子「みんなで食べる物にずんだを入れたことはないですよ!」
背中を見送るずん子。
クーガ「マキ。ハイドロポンプで水洗いと、ぼうふうとオーバーヒートで乾燥終わったロト。
」
マキ「あ。ありがとうクーガ。」
クーガ「背後でゆるゆりされてる中静かに掃除を完了させるボクは超優秀ロト。」
マキ「うん。すごく助かったよ。クーガ。せっかくだから、ずん子ちゃんのカレー作りも手伝って上げて欲しいな。」
クーガ「ショッピングから調理までお任せロト~」
マキ「よろしくね、クーガ。」
マキ「・・・・・・私も、ゆかりちゃんに着いていってみよう」」
ちゃんとゆかきりは忘れてねえから!!