葵ちゃんが頑張る展開がついに来ましたよ(多分)
【試験の森】某所
{琴葉葵・音街ウナ}視点
入学式で微塵たりとも説明を聞いていなかった二人は、自分体以外の参加者に試験の内容を確認する為に森の中を歩いていた。
小さな子どもが歩くには整備が全くされていない、発生しそのままの森を特に苦も無く歩く二人。
ウナ「これは夢か…葵パイセンが2話連続で出演しているだと!?」
葵「ねえウナちゃん。私泣くよ?いい加減泣いちゃうよ!?
妹は意地悪されると挫けちゃうんだよ!?」
ウナ「葵パイセンは、殺されかけてもキモいロン毛のおじさんに啖呵切った
葵「……私、あの子嫌い…。」
ウナ「ふーん。」
特に気にした風でもない感じで言いながら、ウナは先に進む。
ウナ「ところで、葵パイセンって、意外に体力あるのなー」
葵「え?どうしたの急に…」
ウナ「いや~森の中の散歩って大人でもキツいもんだからさ。
ウナはアイドルって言う見た目よりずっと体力勝負な仕事してるから、時々体力トレーニングのために森に来てて慣れてる。
葵パイセンは全然疲れた様子も無くウナに着いてきてるじゃん?」
前を行くウナは、慣れた手つきで木々の枝を手折り、危ない足場を踏みならして歩いている。
今現在も坂を上がっている最中だが、後に続く葵は、周囲の警戒をしながら誰か近くに居ないものかと見渡している。
背が低いが洞察力があるウナと、背が高いが敢えて植物の多いところを避けていた葵。
お互いが補い合い、役割をこなす。
葵「そう言えば言ったこと無かったっけ。私は『ポケモンコーディネーター』なんだよ。
ウナちゃんが人間の魅力を魅せるなら、私達はポケモンの魅力を魅せるの。」
ウナ「ああ、だから葵パイセンはバトル慣れしてなかったのなー」
葵「バトル慣れしていないかな?コーディネーターもコンテストバトルはするんだけど……」
ウナ「それは『魅せプレイ』同士の魅せ合いでしょ?
お互いに”相手を倒すこと”が1番の目的じゃない。決まった場所で、用意ドンで始まるから、心の準備も出来るし、対策だって立てられる。
それって『試合』であっても『バトル』じゃないよね?」
葵「・・・・・・・・・だから、私が弱いって言いたいの?」
ウナ「『試合』に勝てるからって『バトル』で勝てるわけじゃないから、気を付けてねってことウナ。
もしまた、ロケット団とかが襲ってきて、一人きりだったら葵パイセンは戦わない方が良いよ。」
葵「あ、あの時は、マキ先輩とのバトルで【トリトディア】がいなかったからだよ!
あの子と一緒だったらもっと活躍してたよ!!」
ウナ「ウナもあの時【しらすどん】がいなくて全然戦えなかったけど、それって言い訳にはならないんじゃ無いかな……例えば茜パイセンは変な鳴き声の『メタモン』と一緒にジャキラってヤツと戦ってたよね?」
葵「そうだね。色んなポケモンに『へんしん』したりして『エルレイド』と戦ってた。
アレだって『ひんし状態』でも無理矢理戦わせる『ダークポケモン』ってヤツじゃ無かったらお姉ちゃんの勝ちだったよ。」
ウナ「でも、結局は茜パイセンの『メタモン』は倒れた。」
葵「相手が卑怯だっただけだよ」
ウナ「アレは卑怯とかって生やさしいものじゃないけどな。
まあ、問題はそんなことじゃないウナ。茜パイセンはその後も『エンティ』とか『ライコウ』とか戦えるポケモンがいたし、きりちゃんとの連携もあって、結果的にジャキラを倒したけど。
今はそれが
もし、それがあの戦いの前だったら、マキパイセンも、ささらちゃんも足止めされてて、ウナ達みんな殺されてたかもしれないわけだし。」
まあ、ウナが焚き付けといて何言ってんだコイツって感じだと思うけど…と続けて。
ウナ「”言い訳したって、殺されたら死ぬから意味ない”よね?ってこと」
葵「それは……だって…っ」
何か言いたいのは負けず嫌いゆえか。認めたくないからなのか。
どのみち言の葉を紡ぐことが出来ず、葵は俯くだけだった。
悔しいのか、情け無いのか?本人にも分からない感情の泥が心の奥底で蠢く。
葵「わ…私は……」
ウナ「と、言うわけで!ウナ達は手持ちポケモンを増やして鍛えていく必要があると思うウナ!!」
葵「・・・・・・・・・え??(;゜ロ゜)」
ウナ「ウナと葵パイセンの弱点は同じ!戦力が少ない!!切り札一極化!!
そんな初代ポケモンを始めたばかりのマスター達のみたいな博士から貰ったポケモンだけ育ててたら相性悪いジムリーダーで詰んだみたいな状況をいつまでも放置して置くわけにはいかない!!!」
葵「ねえ、まってウナちゃん。今そんな話してたの!?脈絡なさ過ぎない?!」
ウナ「だってウナにはシリアスな雰囲気が合わないんだもん。」
葵「それにしたってそんなえげつない方向修正あるかな!?」
ウナ「まあ、足下にこんなのあったら報告したくなるよね。」
葵「え?」
言いながら、ウナは足下の何かを器用に足で蹴り上げてキャッチして見せる。
葵「それ、モンスターボールじゃん!
先生に預けたはずなのに何で!?」
ウナ「実はさっきから稀に良く見つけてて…」
手には更に二つのモンスターボール。合計三つ。
葵「どうして…?」
ウナ「2度あった偶然が、3度目なら必然。
意図的に学園が撒いたって考えるのが自然だと思うな。
もう30分は歩きっぱなのに、ポケモンは出て来ない。なのにモンスターボールはもう三つ。
これってモンスターボールは試験に使うってことじゃないかな?」
葵「ポケモンがいないのに、モンスターボールを使う……??
的当てでもするのかな?」
ウナ「くっそ的外れな」
葵「何でよ!?」
ウナ「ほら、よく見てよ。ボールの中。もうポケモンが入ってるよ。」
モゾモゾと何かが動いている。
葵「そうなんだ。じゃあ、中身を見てみようよ。」
ウナ「そうだね。それじゃあ……」
ウナがボールの開閉スイッチに指をーーー
ついな「うっっっぎゃあああああああああああああああーーーー!!!!!??助けてえええええええええーーーー!!!!!」
ウナ・葵「ゑ??」
とても少女の声帯が出して良いものとは思えない絶叫を吼えながら逃げ惑う如月ついなの方を見ると……
ついな「ちょ!!そこのお嬢ちゃん達!!早う逃げるんや!!死ぬで!!!」
「ポッチャマアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!!」
超莫迦デカいポッチャマに追いかけ回されていた。
キャラクター設定
琴葉茜(12)
ホウオウの巫女。
かつて、とある場所で捕まり、失い、喪い、戦い、そして、選ばれた少女。
結月ゆかりをお姉ちゃんと呼ぶが、本人は隠しているつもりらしい。
本作で最も面倒な経歴を持った少女組の少女。
手持ち
【エビフライ】メタモン
???
絶対に明かさないと決めた秘密を持つが、既に一人は明かされていて、いずれ一人が知ることになり、そして周知の秘密になる。
その時、琴葉茜がどうなるのか・・・・・・・・・それは、あんまり考えていない。(作者)
これからメインとして活躍するロリ組ですが、現在アナタがこの小説で1番好きなキャラに投票して下さい
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東北きりたん
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琴葉茜
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琴葉葵
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音街ウナ
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役ついな