問題児と共に行く世界の破壊者   作:英雄に憧れた一般人

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前回までのディケイドと問題児は




レティシア「私登場だ」
十六夜「金髪ロリとかそのまんま過ぎだろ」
大樹「仲間を盾にされてるとはいえ、色んな顔を見る事ができたね」
白夜叉「フン。あんな奴本来なら何ともないわ」
士「今は触れてやるな。海東の登場に少しホッとしてたんだからな」
白夜叉「それを言うでないわ!」
飛鳥「白夜叉の泣き顔とか見たいわね」
耀「そろそろ復活したい。みんなだけ羨ましい」
士「お前はもう少し待ってろ。そんな訳で第9話だ」
大樹「僕の活躍に酔いしれてくれ」
十六夜「キザ」
飛鳥「カッコつけ」
耀「ナルシスト」
白夜叉「コソ泥」
士「ストーカー」
大樹「みんなしていじめないでくれよ」




第9話「仲間」

大樹達が来る少し前。

屋敷へ戻ろうとした時、妖しい褐色の光を士達は目視した。

黒ウサギとレティシアはその光が何かを瞬時に理解し、レティシアは3人の前に立ち壁になろうとした。

だが士はそれよりも速くカードを1枚ベルトへ差し込み、閉じた。

 

ATTACK RIDE!DEFEND!

 

すると4人の前に壁が突如現れ、光を遮る。

光がおさまり壁を崩すと、ゴーゴンの首を掲げた旗印である“ペルセウス”の者達が()()()()()()()

翼の生えた空駆ける靴を装着した騎士風の男達であり、その数はかなりのものだった。

 

男「いたぞ!吸血鬼はまだ石化出来いない!ただちに捕獲しろ!」

男「例の“ノーネーム”もいるようだがどうする!?」

男「邪魔するようなら構わん、斬り捨てろ!」

 

その言葉を聞いた十六夜と士は不機嫌そうに、かつ獰猛に笑って呟く。

 

十六夜「まいったな、生まれて初めておまけに扱われたぜ。手を叩いて喜べばいいのか、怒りに任せて叩き潰せばいいのか」

士「俺もおまけに扱われるのは初めてだ。それにここに勝手に入って来たんだ、礼をしないとな」

黒ウサギ「はい?」

 

黒ウサギがキョトンと士を見れば、士はまたベルトにカードを差し込んでいた。

 

ATTACK RIDE!GRAVITY!

 

ベルトがそう告げると、魔法陣が男達の下に現れ、男達は地へ落ちた。

男達は何が起こったのか分からない様子であったが、体を起こそうにもかなりの重力がかかっているようで全く起き上がる事が出来なかった。

 

士「この世界にも不法侵入くらいはあるだろ」

十六夜「ハハッ。確かにこれは正当防衛だな。ていうかお前まじで何でも出来るんだな」

士「ま、世界の破壊者だからな」

黒ウサギ「何やってくれてんですか!?」

2人「「正当防衛」」

黒ウサギ「このお馬鹿さん達!」

 

黒ウサギは何処からかハリセンを取り出し、士と十六夜の頭を叩いたが、2人とも全くダメージを受けていないようでケロっとしている。

男達は憎しげに士達の方を見る。

 

男「貴様ら、何をしたか分かっているのか!」

士「飛んでいた蠅を落としただけだ」

男「我々“ペルセウス”を蠅扱いだと!?」

男「余程命が惜しくないらしいな!」

士「この程度か、“ペルセウス”ってのは」

 

男達は意地でも立ち上がろうとする。

その時、大樹が白夜叉とルイオスを連れて帰って来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルイオス「一体、どういう事か説明してくれるかな」

士「不法侵入してきた蠅を落としただけだ。そうカッカするな、あー、ルイボス?」

ルイオス「ルイオスだ!それに蠅だと?僕達“ペルセウス”を蠅だと?」

士「ん?礼儀も知らず人の敷地に入ってくる時点でそれは虫や鳥と一緒だろ」

ルイオス「“名無し”風情が、つけ上がるのもいい加減にしろよ!」

 

ルイオスは自分を侮辱され、それが“ノーネーム”にされた事に怒り心頭であった。

かたや大手コミュニティ“サウザンドアイズ”の幹部。かたや名も旗も奪われた“名無し”。圧倒的な格下に侮辱され、怒らないわけがなかった。

それに、部下は百人近くいたはずなのに、そのどれもがやられていることもルイオスを怒らせる原因であった。

 

白夜叉「双方落ち着け。まずは状況の整理と行くべきじゃろ」

 

白夜叉がそう告げ、2人は渋々黙る。

 

白夜叉「まず、ギフトゲームを開催しようとしていた“ペルセウス”はそのギフトゲームを中止にした。その理由が金を積まれたから。合っておるな?」

ルイオス「まあね。言い方は気に食わないけどその通りだし」

 

白夜叉は少し睨むが、ルイオスはまた素知らぬ顔をする。

 

白夜叉「じゃが、ギフトゲームの商品の予定であったレティシアは自身がかつて所属していた“ノーネーム”が気にかかり、わしが手伝い逃した」

レティシア「ああ」

白夜叉「それに気づいたおんしらはレティシアを取り返そうとして、“ノーネーム”を襲撃した」

大樹「だけどそこへ返り討ちに合うどころかまさかの惨敗をしたと。ほんと面白いよ士」

 

大樹は愉快だと言うように笑う。

士は少し不機嫌になるが気にしない様子である。

 

ルイオス「確かに勝手に君達の所へ侵入したのは悪かったよ。だけど、君達は完全に僕ら“ペルセウス”に喧嘩を売ったんだ。その意味が理解出来てるよね?」

黒ウサギ「そ、それは………」

十六夜「喧嘩なら大歓迎だぜ。それを買い取ってくれるなんて、ありがたくてしょうがねえ。ちなみに利子はトイチだぜ?」」

大樹「元々そのつもりだったし、理解が早くて助かるよ」

黒ウサギ「お2人とも!」

ルイオス「そうか。だけどね、僕も“サウザンドアイズ”の幹部という立場なんだよ。“名無し”の提示する物なんてたかが知れている」

十六夜「それ相応の物が必要だってか?」

ルイオス「ああ。そして、それは今ここにいるよね」

 

ルイオスの言葉にレティシアと黒ウサギはハッとする。ルイオスの狙いが、“箱庭の騎士”ではなく“箱庭の貴族”たる黒ウサギであるとその目は語っていた。

 

士「なんだ。元々お前さんもそのつもりだったんじゃないか。いいだろう。その条件を呑んでやる」

黒ウサギ「つ、士さん!?」

ルイオス「上からなのも気に入らないし、あっさりとしているのはもっと気に入らない。何様のつもりなの?」

士「俺様」

大樹「僕様」

十六夜「十六夜様だ!」

黒ウサギ「なんでこんなシリアスな時にネタに走ってるんですか!」

 

ハリセンにて3人の頭を叩く黒ウサギ。

 

十六夜「いやだってな。“ペルセウス”のリーダーがこんなんだぜ?ちょっとどころかかなり名前負けしてるのがあまりにもガッカリでよ」

大樹「確かに。まあ上に立つ人間の器では無いね」

ルイオス「………こっちが黙っていれば!」

 

激怒したルイオスは自分のギフトカードから大鎌を取り出した。

それを振るおうとした時、白夜叉が止める。

 

白夜叉「やめんか戯け共!話し合いで解決出来ぬのなら門前に放り出すぞ!」

 

双方やる気満々であったが、白夜叉の一喝により矛を収めた。ルイオスは不満だったが、部下達を立たせ本拠へと帰る事にした。レティシアは白夜叉預かりとなり、レティシアの処遇は1週間後となった。

“ペルセウス”が帰った後、残された者達はというと。

 

大樹「さて、僕は彼らの持つギフトが今回のお宝何だけど、彼らにふっかけれるギフトゲームとか無いかな?」

白夜叉「おんし、やはりそれが狙いか」

 

大樹の狙いはルイオスの持つギフト、それに“ペルセウス”の所有するギフトであった。士と大樹もペルセウスという英雄、その伝説については知っていたこともあり、大樹がギフト狙いであるという事は簡単に予想が出来た。

故に何度も喧嘩を売ろうとしていたのだ。

 

白夜叉「ある事にはある。じゃが、いくらおんしらでも1週間では無理────」

大樹「なら聞かせたまえ。君は僕に貸しがあるはずだよ」

 

白夜叉とルイオスを連れて来たのは、士が“ペルセウス”の面々を倒しているという事実を突き付けるためと、白夜叉への恩を売るためであった。

あのままでは白夜叉は本当に部下を失う可能性があり、それを失くした大樹には借りを作ってしまった。

その事を白夜叉も理解しているため、仕方ないと言わんばかりに教える。

 

白夜叉「“ペルセウス”の伝説になぞらえたギフトゲームがある。じゃが、それに挑戦するためには2つのギフトゲームをクリアする必要がある」

大樹「なるほど。ペルセウスの伝説から察するに、“クラーケン”と“グライアイ”の打倒ということかな」

白夜叉「そうじゃ」

 

理解のはやい大樹に少し驚きつつも少しばかり説明をした。十六夜もその話を聞き、まるで新しい玩具を見つけた子供のように目を輝かせた。

 

十六夜「へえ?どっちも面白そうじゃねえか」

白夜叉「本気か、おんしら」

 

白夜叉は2人が全く危機感も抱いていない事に心配となった。黒ウサギの同志として彼らはその行動が何を意味するのか分かっていないようであったからだ。

だが、その意図を汲んだ大樹は少し怒ったように白夜叉へ忠告する。

 

大樹「君は僕らを舐めすぎだ、白夜叉。勝算が無い無謀な試合なんてはなからしないさ。それに、泥棒に目の前の宝を盗るなって言うのは意味ない事だと理解していると思ったけど?」

白夜叉「そうか。覚悟があるのならば止めはせんさ。その2体がおるのはこの場所とこの場所じゃ。命だけは、粗末に扱うなよ」

大樹「安心したまえ。命の大切さはこれ以上無い程に知ってるからね」

 

大樹はそう言って銀色のカーテンを出し、姿を消す。

十六夜もついていき、2人で手分けしてギフトゲームへ挑むようである。

事の中心人物であるレティシアはずっと黙ったままであり、それも自身が原因だと理解しているからだろう。かつての仲間をまた危険に晒そうというのだ。負い目を感じないはずがなかった。

そんなレティシアを見かねた士はレティシアへと告げる。

 

士「お前のすべきことは1つだけだ」

レティシア「………何?」

士「信じろ。アイツらは、必ず勝つ。心配しても疲れるだけだ」

レティシア「しかし………」

士「あんな雑魚に負ける程、俺達が弱く見えるなら、その曇りきった目はしっかりと磨いておけ」

 

士はポンポンっとレティシアの頭に手を当て、本拠へと戻っていった。

その会話を聞いていた黒ウサギと白夜叉も、“ペルセウス”を雑魚と言った“世界の破壊者”と規格外な少年、そして泥棒の彼に希望を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛鳥「で、そんな面白そうな事を私には黙ってしていたのね?」

黒ウサギ「いえ全く面白くなど無いのでございますヨ!?」

士「実に面白かったぞ」

飛鳥「なら私も呼びなさいよ!」

士「まあ次のギフトゲームは十中八九“ペルセウス”のギフトゲームだ。楽しみに待っておけ」

飛鳥「そうさせてもらうわ」

 

飛鳥は外で何かあったのは感じていたが、ジンや他の子供達、それに重傷の耀を放っておいて外に出るわけにはいかなかった。

だが、帰ってきた士に広間で話を聞けばあまりに愉しそうな展開に、飛鳥は羨ましそうに士へ八つ当たりした。いや、正当な怒りかも知れない。

 

士「そういえば黒ウサギ。伝説になぞらえたギフトゲームっていうのはどんなんだ」

黒ウサギ「………それは」

耀「待って、私も聞きたい」

黒ウサギ「耀さん!?」

 

黒ウサギが説明しようとした矢先、寝ていたはずの耀が起き上がってきた。あと数日は安静にしておくべきなのだが、ジンも横についている事を見て耀とジンも交えて説明を始めた。

 

黒ウサギ「皆様は、ペルセウスのゴーゴン退治を御存じですか?」

飛鳥「ペルセウスは星座の名前しか知らないわ。ゴーゴンは蛇の髪を持つ化け物だったかしら?」

士「大体ならな。飛鳥の言うゴーゴンを倒したのが確かペルセウスっていう騎士だったはずだ」

 

───ペルセウスのゴーゴン退治の伝説。

ギリシャの神々から4つの“恩恵(ギフト)”を授かり、ゴーゴンを退治する旅に出る。

輝く翼を持つ、ヘルメスの靴。

神霊を殺す鎌、ハルパー。

死国の王の兜、ハデスの兜。

戦神アテナから授かった、アテナの盾。

ただ、アテナの盾は箱庭において消失しているようである。

それらの強大なギフトを駆使し、ペルセウスはゴーゴン退治を行おうとしたが、ゴーゴンには力及ばぬ事をしり、ハデスの兜で不可視となり、ゴーゴンの寝首を掻く事に成功する。

そして皮肉な事に、ゴーゴンの生首は彼の生涯を成功へと導く最大のギフトとなる。

 

飛鳥「そう。それで、その伝説とギフトゲームとどう関係あるのかしら?」

ジン「力のあるコミュニティは自分達の伝説を誇示するため、伝説を再現したギフトゲームを用意することがあります。彼らは特定の条件を満たしたプレイヤーにのみ、そのギフトゲームへの挑戦を許すのです」

黒ウサギ「自らの持つ伝説と───旗印を掲げて」

 

飛鳥と耀は合点がいったように息を呑んだ。

 

士「つまり、今、十六夜と海東がそれに挑戦する資格を得るために取りに行ってるわけだ。その証しとやらを」

黒ウサギ「はい。ですが、いくらあのお2人でもあの厳しい試練にこの数日でクリアするなど、出来るはずが─────」

大樹「案外簡単だったよ」

十六夜「思ったよりつまんなかったわ」

 

銀のカーテンから先程別れたばかりである大樹と十六夜がそこにはいた。大きな風呂敷を抱え、その中にはおそらく、目当てである物があるのだろう。

 

黒ウサギ「い、いくら何でも速すぎます!?」

士「ま、これであとは春日部の回復を待てば準備は整うわけだ」

黒ウサギ「………本当によろしいのですか?」

 

不意に黒ウサギは尋ねる。

これで、本当に良いのか。

レティシアというかつての仲間が帰ってくるのは嬉しい事だ。しかし、それに彼らは巻き込まれた形である。それを快く思わないのではないか。彼らの意思を尊重していないのではないか。

そういった様々な不安が黒ウサギをおそう。

 

十六夜「お前、馬鹿だろ?」

黒ウサギ「へ?」

十六夜「俺は俺の好きな事、やりたい事をやってる。それがたまたまお前の目的と同じだった。それだけだろ」

 

十六夜は今さらだと言わんばかりに伝える。

それに他の者達も続く。

 

大樹「僕も好き勝手させてもらってるよ。それに、この世界のお宝はどれも良い。盗み甲斐があるよ」

飛鳥「私もこの世界に来てから楽しませてもらってるわ。普通では味わえなかった事をさせてもらってるんだもの。楽しくて仕方ないわ」

耀「ここに来て、たくさん友達出来た。それに、私はみんなといて楽しい」

 

彼らはハッキリと言った。

 

()()()()()箱庭(ここ)にいるのだと。

 

その言葉は黒ウサギにもジンにも響いた。

彼らを呼んで、本当に良かった。

 

十六夜「さて、ギフトゲーム(喧嘩)の準備も出来たし、俺はまた世界の果てとか行ってみるわ」

大樹「僕もまたお宝探しに行ってくるね」

士「世界を破壊しに行くか」

飛鳥「面白そうね。今度は私も連れて行ってね?」

耀「………みんなばかり、ズルイ」

黒ウサギ「いや、さっきまでの感動返してください!」

 

今日もハリセンの音が箱庭に響いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様読んでいただきありがとうございます、
UA5000達成いたしました。ありがとうございます。
海東がだいぶ干渉してきましたね。ペルセウスとか格好の餌食ですよね。
士の今回使ったのはウィザードの『ディフェンド』と『グラビティ』です。変身しなくても使えるのは士のギフト“ Journey through the Decade”の能力です。直訳が『10年を通しての旅』ということですので、様々な旅で得た力を使う事が出来るというようにしています。説明下手ですみません。
海東と十六夜なら討伐系は瞬殺で、多分十六夜が原作で時間がかかったのは移動や探したりする時間だと思ったので今回はこれだけ早くて終わらせました。

次回は耀も復活して“ペルセウス”へ挑みに行く予定です。
次回も楽しみにしていただけると幸いです。
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