夏海「士くん、それどうしたんですか?」
士「さぁな。だが向こうはもうお呼びのようだ」
ユウスケ「今度はどんな世界なんだよ…」
士「あっ」
第1話「“箱庭の世界”」
士「カメラは無事か。まさか防水機能にされていたとは、帰ったら感謝するか」
カメラが無事であったため、一先ず安堵した。
それから状況を確認するため周囲を見ると、そこは森の中であり、そして同じように連れてこられたであろう少年少女が同じくびしょ濡れでいた。
飛鳥「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」
十六夜「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
士「石の中だとまた面倒だと思うが?」
十六夜「俺は問題ない」
飛鳥「そう。身勝手ね」
とりあえず全員が湖から上がり、服の端を絞る。
耀「此処、どこだろう?」
十六夜「さぁな。まぁ世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねぇか?」
士「かもな。とりあえず写真を撮ったが見るか?」
十六夜「おう、見る見る」
飛鳥「私も見させてもらっても良いかしら?」
耀「私も」
士「あぁ、別に良いさ」
4人が士の撮った写真を見たが、その写真はいつものように歪んでいる。
飛鳥「………何これ?」
耀「写真、下手」
十六夜「お前才能ねぇな」
士「この世界が俺に撮られたがっていないらしい」
十六夜「クハハハハ、お前おもしれぇな」
とりあえず4人は写真から顔を上げ、それぞれの顔を見合わせた。
お互い考えてることは同じらしく状況整理を始める。
士「ところでお前らにも変な手紙が来たのか?」
飛鳥「そうだけど、あなたもそこの彼もまずは“オマエ”って呼び方を訂正して」
士「了解した」
飛鳥「なら良いわ。私は久遠飛鳥よ。そこの猫を抱えてる貴方は?」
耀「春日部耀。以下同文」
飛鳥「そう。よろしく春日部さん。それで、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
十六夜「高圧的な自己紹介ありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれるお嬢様」
飛鳥「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君。で、最後にそこの貴方は?」
士「門矢士だ。写真を撮ること以外なら何でも出来る世界の破壊者だ」
十六夜「へぇ〜、なら俺とどっちが強いか試さねぇか?世界の破壊者さんよ」
士「相手はまたいつかしてやる。とりあえずはそこの茂みに隠れてる奴に話を聞いてみないか?」
このままでは本当に戦いに発展しそうになるため、とりあえずはこの状況を最も説明できるであろう人物に声をかけた。
黒ウサギ(ギクッ!)
十六夜「何だ、気づいてたのか」
飛鳥「あら?貴方も気づいてたの?」
十六夜「当然。そっちの猫抱いてる奴も気づいていたんだろ?」
耀「風上にたたれたら嫌でもわかる」
十六夜「………へぇ?お前も面白いな」
士「とりあえず出てきて挨拶ぐらいしたらどうだ?」
そう言われ、黒ウサギは気まずそうに4人の前に姿を現した。
その視線はとても冷ややかなものであることもあり、殺気すらも感じてしまっていたためであった。
しかし、その視線は黒ウサギを見るや否や、一転して興味津々な視線へと変わった。
そう、黒ウサギの姿が自前のウサ耳と尻尾、そして服がバニー服であるからである。なお、黒ウサギ自身は獲物を見るような目で見られているため彼らの心の中など分かるはずもないのだが。
黒ウサギ「や、やだなあ皆様方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便にお話を聞いていただけたら嬉しいでございますョ?」
十六夜「断る」
飛鳥「却下」
耀「お断りします」
士「結構だ」
黒ウサギ「あっは、取りつくシマもないですね♪」
その後、耀、十六夜、飛鳥の3人が黒ウサギの耳やら尻尾やらを掴まれ、その様子を士はカメラで撮るといういかにもカオスな状況であった。
*
黒ウサギ「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは」
士「撮った写真いるか?」
耀「これも下手。でも貰う」
飛鳥「私もいただくわ。まぁ記念にとでも思えば良いものね」
十六夜「俺も貰っておくわ。こんなのもこの世界でも需要はあるだろ」
黒ウサギ「皆様話を聞くのですよ!というか黒ウサギの写真を勝手に撮って勝手に配らないでください!」
士「それは無理な相談だ。それよりもさっさと進めろ。長い話は嫌いなんだ」
耀「右に同じく」
飛鳥「同意見」
十六夜「以下同文」
黒ウサギは涙目になりながらも問題児な彼らに“箱庭の世界”について説明を始めた。
“箱庭の世界”
修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた“
またギフト保有者は箱庭で生活するに辺り、“コミュニティ”に必ず属すること。
『ギフトゲーム』の勝者はゲームの“
“主催者”は様々な存在がおり、また参加するためにもチップを用意する必要があること。
負ければ、そのチップが奪われること。
十六夜「俺も質問していいか?」
十六夜の顔からは軽薄な笑顔は無くなり、威圧的な声を上げた。
黒ウサギもそれに気づき、構えるように聞き返す。
黒ウサギ「…………どういった質問です?ルールですか?ゲームそのものですか?」
十六夜「そんなのは
思わず黒ウサギは冷や汗をかきながらも十六夜の言葉を待った。ここで彼が何かとんでもない発言をする可能性が高く、外面は平然を装っているが、内心は気が気でいられないのだ。
だが次の言葉でそれは杞憂だったと納得する。
十六夜「この世界は………
その質問を聞き、黒ウサギは確信した。
彼らならきっと、私たちの“コミュニティ”を救ってくれるに違いないと。
だからこそ、黒ウサギは満面の笑みで答えた。
その中に含まれている不安も、恐怖も押し殺して。
黒ウサギ「──YES。『ギフトゲーム』は人を超えた者たちだけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界よりも格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」
その解答に、十六夜、飛鳥、耀は笑みを浮かべる。
そこには未知に対する不安よりも、新しき世界に対する期待のが10割であった。
ただ1人、世界の破壊者たる士はこの世界を破壊すべきか否か、1人見極めている。
修羅神仏が集い、命すらもかける『ギフトゲーム』がある“箱庭の世界”。
だが、そんな世界に士自身も心の奥底で期待を感じていた。
この世界なら、世界の破壊者すらも受け入れるのではないか?と。
士「そうか、大体分かった。ならまずはあんたの“コミュニティ”とやらを紹介してもらおうか」
黒ウサギ「YES♪では我らがリーダーの元まで案内するのですよ」
そうして彼らは歩き出した。
先に待つ、道に心躍らせながら。
ただ1人、十六夜だけがとある1つの存在に気づいた、がそれよりも世界の果ての方が気になったため黒ウサギに気づかれないように駆け出していた。
他の3人には口止めをして。
皆様読んでいただきありがとうございます。
今回から士と問題児たちが絡み始め、黒ウサギも登場し、役者は揃いました。
士はすでにジオウの世界も周り終わっています。
そのため、ディケイドライバーはネオディケイドライバーとなっており、最強コンプリートフォームはオリジナル設定でネオコンプリートフォームとして考えています。出てくるかは未定です。
次回からは我らが頼もしいリーダーと外道虎が出てきます。あともしかしたらロリっ子も出すかもです。
楽しみに待っていただけると幸いです。