問題児と共に行く世界の破壊者   作:英雄に憧れた一般人

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前回までのディケイドと問題児は

十六夜「俺様超活躍」
飛鳥「私の影が薄かったんだけど」
大樹「原作改変にチート能力で僕の株も爆上がりかな」
士「お前はおいしいところを持って行っただけだろ」
黒ウサギ「またですか皆さん!真面目にしてください!」
全員「「「「断る!」」」」
黒ウサギ「何でそんなに息が合ってるんですか!?しかも冒頭部分も少し変えてますし!」
十六夜「ディケイドばかり目立つのは腹が立つからな」
飛鳥「原作は私達なのだから目立つ権利は当然よ」
士「お前達では役不足だからな」
十六夜「なら俺にも変身させやがれ作者!」
飛鳥「私も変身したいわ。そうね、読者に感想で書いてもらってもいいかもね」
黒ウサギ「勝手なことを言わないでください!皆様方はもう少し自重してください!全く、では今回は彼女が登場する第8話!お楽しみに!」
十六夜「あ、最後もっていかれた!」





第8話「箱庭の騎士」

十六夜達は本拠へと戻り、耀の様子を見に行った。

2、3日で回復するという事により皆安堵し、次は十六夜が参加するというギフトゲームについての話となった。

ただそのギフトゲームが延期になったと黒ウサギは知り、他の面々もつまらなさそうにする。

特に十六夜は不機嫌極まりない態度である。

 

十六夜「“サウザンドアイズ”は巨大なコミュニティじゃなかったのか?プライドはねえのかよ」

黒ウサギ「仕方ないですよ。“サウザンドアイズ”は群体コミュニティです。白夜叉様のように直轄の幹部が半分、傘下のコミュニティが半分です。今回の主催は“サウザンドアイズ”の傘下コミュニティの幹部、“ペルセウス”。双女神の看板に傷が付く事も気にならないほどのお金やギフトを得れば、ゲームの撤回ぐらいやるでしょう」

 

その説明に、士や十六夜は呆れた様にため息をついた。

 

士「まさしく三流だな」

十六夜「もはや五流もいいところだぜ」

大樹「まあ決まってしまった事は悔やんでも仕方ないさ。僕はまたお宝を探しに行くよ」

 

大樹はまたいつもの様に出かけようとしたが、飛鳥はふと抱いた疑問をぶつけた。

 

飛鳥「そう言えば貴方のギフトは全然見ないわね。見してはくれないのかしら?」

大樹「そう簡単に手の内は晒すものじゃないさ。じゃあね」

 

大樹はそう言って談話室を退室した。

十六夜は楽しみがなくなり、今にも暇過ぎて死にそうという顔をしており、飛鳥は“ペルセウス”というコミュニティに少し嫌悪感を抱き、ジンと黒ウサギは頭ではギフトゲームがこの世界の法律であるという事を理解しているが、今回で仲間を取り戻せると考えていた事もあり、悔しさとショックで俯いている。

士としても仲間の大切さについては理解していることもあり、彼らが落ち込んでいる理由もわかるため、今はそっとしておくべきだと思いお茶を(すす)る。

飛鳥とジンはギフトゲームで疲れていたこともあり、先に休むため部屋へと戻った。士は疲労がそこまでなかったため、黒ウサギと十六夜と共に話を続ける。

 

士「その仲間ってのはどんなやつなんだ?」

黒ウサギ「一言で言えば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのです」

十六夜「へえ?よくわからんが見応えはありそうだな」

黒ウサギ「加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。近くに居るのならせめて1度お話ししたかったのですけど………」

士「それなら今出来そうだが?」

???「そうだな。それに、嬉しい事を言ってくれるじゃないか」

 

士の言葉と共に2人ははっと窓の外を見た。コンコンと叩くガラスの向こうで、にこやかに笑う金髪の少女が浮いていた。飛び上がって驚いた黒ウサギは急いで窓に駆けよる。

 

黒ウサギ「レ、レティシア様!?」

レティシア「様はよせ。今の私は他人に所有される身分。“箱庭の貴族”ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」

 

レティシアは黒ウサギが開けた窓から苦笑しながら入る。

美麗な金の髪を特注のリボンで結び、紅いレザージャケットに拘束具を彷彿させるロングスカートを着た彼女は、黒ウサギの先輩と呼ぶには随分と幼く見えた。

 

レティシア「こんな場所からすまない。ジンには見つからずに黒ウサギと会いたかったんだ」

黒ウサギ「そ、そうでしたか。あ、すぐにお茶を淹れますので少々お待ちください!」

 

黒ウサギは昔の仲間と会えたことにより、小躍りするようなステップで茶室へと向かう。

レティシアは十六夜と士が座っていたソファとは反対のソファへと座る。

十六夜とレティシアは少しばかり言葉を交わし、お互いにどのような人物なのかを見極めようとしていた。

黒ウサギもすぐに戻って来て、レティシアの目的を尋ねることにした。

 

レティシア「用件というほどのものじゃない。新生コミュニティがどの程度の力を持っているのか、それを見に来たんだ。ジンに会いたくないというのは合わせる顔がないからだよ。お前達の仲間を傷つける結果になってしまったからな」

 

箱庭において、“純血”の吸血鬼は太陽の光を浴び、平穏と誇りを胸に生活できる箱庭を守る姿から、“箱庭の騎士”と呼び称される存在である。

実際、様々な功績を挙げており、アナザーディケイド襲撃の際も修羅神仏や多くのコミュニティと共に手を合わせ多くの怪人達を屠ってきた。

彼らは箱庭の誇りと言っても過言でないのだ。

 

レティシア「黒ウサギ達が“ノーネーム”の再建を掲げたと聞いた時、なんと愚かな真似を………と憤ったよ。それがどれほど茨の道であるか、お前がわかっていないはずがなかったからな」

士「だが黒ウサギ達に文句を言おうとした時に、俺達のことを知ったわけだ」

レティシア「ああ。コミュニティの解散を説得しようとしに行こうとした時に、偶々な。そしてお前達が神格級のギフト保持者を、同志としてコミュニティに参加したとな」

 

黒ウサギの視線はレティシアから反射的に十六夜と士に移った。おそらく白夜叉に聞いたのだろう。

レティシアがここまで来れたのも白夜叉の手招きがあったからであろうと黒ウサギも考えた。

 

レティシア「そこで私は1つ試したくなった。その新人達がコミュニティを救えるだけの力を秘めているのかどうかを」

十六夜「結果は?」

レティシア「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。ゲームに参加した彼女達はまだまだ青い果実で判断に困る。ただ、ガルドが怪人化したのは予想外だったが、同時によかったよ。何せ、“世界の破壊者”の力を見ることが出来たからな」

士「それはどうも」

レティシア「過去の悪夢を再び繰り返すのかとも思ったが、その心配は無さそうだ。それに、“世界の破壊者”としての力は健在であることも喜ばしい」

 

そう言っているレティシアの表情は暗く、そこから士はレティシアの想いを読み取った。

 

士「だが、飛鳥達はまだ成長過程にあり、未だに不安要素なのがここにいるコイツと、海東って訳か」

レティシア「ああ。まだ1度も力を見ていないからな。白夜叉から聞いてはいるが、それでもこのコミュニティを本当に再建出来るのかが不安なのだ」

十六夜「ならその不安を拭う方法が1つだけあるぜ」

 

十六夜の言葉に全員が視線を向ける。

その顔には真剣でありながらも、楽しそうに笑っていた。

 

十六夜「実に簡単な話だ。アンタは“ノーネーム”が魔王相手に戦えるのが不安で仕方がない。ならその身で、その力を試せばいい。─────どうだい、元・魔王様?」

 

その部屋には士のお茶を飲む音だけが響いた。

レティシアは十六夜の意図をすぐに理解し、唖然とした顔をすぐに哄笑に変えた。

 

レティシア「ふふ………それは思いつかなんだ。実に分かりやすい」

黒ウサギ「ちょ、ちょっと御2人様?」

士「黒ウサギ、ここは黙って見ておくところだ」

黒ウサギ「し、しかし」

士「安心しろ。2人とも本気でやり合う訳じゃない。それに2人はもう外に出たぞ」

黒ウサギ「あ、2人とも!」

 

外ではすでに翼の生やしたレティシアが、金と紅と黒のコントラストで彩られたギフトカードから投擲用の光のランスを顕現させる。

そして、レティシアは呼吸を整え、翼を大きく広げる。

 

レティシア「ハァア!!!」

 

全身を(しな)らせた反動でランスを打ち出す事で、その衝撃は空気中に視認できるほど巨大な波紋が広がり、怒号と共に放たれた槍は瞬く間に摩擦で熱を帯び、一直線に十六夜に落下していく。

流星の如く大気を揺らし、十六夜目掛けて舞い落ちる。

十六夜はその槍を見ても楽しそうに、牙を剥いて笑う。

 

十六夜「カッ────しゃらくせえ!」

 

()()()()()

 

2人「「───は………!??」」

士「ほう、言うだけはあるな」

 

素っ頓狂な声を上げる黒ウサギとレティシアを尻目に士は十六夜の方を興味深そうに見る。

あれだけいつも大口を叩いていたが、それに見合う実力を持っていたのは確かであったようだ。

十六夜に砕かれた槍は只の鉄塊と化し、散弾銃のようにレティシアに向けられた。

 

レティシア(ま、まずい………!)

 

レティシアは悟った。

これは受けられず、避けることもできない。

いや、頭では理解していた。

だが身体は反応できなかった。

思考と肉体の乖離により、レティシアは次の瞬間には血みどろとなって落ちるだろう。

 

士「お前にはまだ色々と聞かないといけない事があるらしい。これで貸し1つとしてやろう」

 

レティシアが覚悟を決めて目を瞑ろうとした時、いつの間にか現れた士によりお姫様抱っこをされ、凶弾はライドブッカーガンモードにてある程度撃ち落としていた。

地上にも何事も無かったように降り、黒ウサギは慌ててレティシアへと駆け寄った。

 

黒ウサギ「だ、大丈夫でしたか!?いえ、それもですが、これは!?」

 

黒ウサギはレティシアの手を握ると同時にギフトカードを掠め取った。

レティシアは思わず目を背けた。

ギフトネームが変わっていた。

彼女は本来なら神格を得ていた。

しかし、そこには鬼種のギフトと僅かな武具しか残っていなかった。

十六夜はそれがわかると白けたように舌打ちをし、不満を漏らす。

 

十六夜「他人に所有されたらギフトまで奪われるのかよ」

黒ウサギ「いいえ………魔王がコミュニティから奪ったのは人材であってギフトではありません。武具などの顕現しているギフトと違い、“恩恵”とは様々な神仏や精霊から受けた奇跡、いわば魂の一部です。隷属させた相手から合意なしにギフトを奪う事は出来ません」

士「つまり、ソイツは自分からその神格のギフトを差し出したわけだ」

 

3人の視線を受け、レティシアは苦虫を噛み潰したような顔で目を逸らす。

 

十六夜「とりあえず、話をするためにも屋敷に戻ろうぜ」

黒ウサギ「………そう、ですね」

 

2人は沈鬱そうに頷き、十六夜と士について行くように屋敷へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、“サウザンドアイズ”

 

白夜叉は離れにある家屋を訪れた。

そこには亜麻色の髪に蛇皮の上着を来た線の細い男、“ペルセウス”の次期リーダーであるルイオスがいた。

白夜叉と同じく“サウザンドアイズ”の幹部であるルイオスは白夜叉を見てニコリと笑いかける。側に2人の女性を侍らせながら。

 

ルイオス「随分待たせてくれるね。コミュニティの同志をほっぽり出してまで接客する大事な客で?」

白夜叉「呵ッ、何が同志だ戯け。成り上がり風情がウチの娘共を侍らせるのはいい度胸だの!ほれ、お前達、もうよいから閉店作業に戻るが良い」

店員「は、はい」

 

女性達は着崩していた着物を正し、そそくさと退場する。

ルイオスはつまらなさそうに白夜叉へ文句を言う。

 

ルイオス「残念。せっかく愉しんでたのに。ああいう気品のある大人しい娘って“ペルセウス”にはいないからなあ。同じ幹部のよしみで売ってくれない?」

白夜叉「………私は無礼には決闘をもって返すぞ、ルイオス殿」

 

ゾワ、っと白夜叉の白髪が戦慄(わなな)く。その声音には明確な怒気が含まれており、何よりも同志を大事にする白夜叉にとって“仲間を金銭で譲れ”というのは侮辱以外の何物でもないのだ。

ルイオスは肩を竦ませておどける。

まるで意に介していなかった。

 

ルイオス「失礼。逆鱗に触れたというのなら謝りましょ」

白夜叉「フン───して、“ペルセウス”を継ぐルイオスお坊ちゃんが私に何用だ」

ルイオス「それはあなたの方が知っていると思いますがね」

 

言うまでもなくレティシアの事である。レティシアを逃したのは白夜叉で、白夜叉自身もその事を隠すことはなかった。むしろ先に“サウザンドアイズ”の看板に泥を塗ったルイオス達を責める。

ルイオスはその事を自覚しつつも参加予定だった者達にも納得は得ており、レティシアの居場所もすでに把握済みであるため余裕に構えていた。

 

白夜叉「何?ならば何故私の元に?すぐにでも連れ戻しに行けばよかろう」

ルイオス「部下に向かわせてるから、程無く見つけるでしょうよ」

 

ルイオスは出されていた茶菓子を頬張り、その茶菓子をさの乗っていた白皿を扉へと投げつけた。

パリン、と割れて散らかった破片を踏み砕き、明確な敵意を込めた声で白夜叉は問う。

 

白夜叉「小僧。どういうつもりだ?」

ルイオス「こんな事が2度と起こらないようにしておこう、という僕なりの配慮だよ。今回の脱走劇の原因は、古巣のコミュニティに対する執着だ。その執着を断っておかないと取引相手のところで迷惑かけるかもしれないだろ?」

 

ルイオスの言葉を少し置いて白夜叉は理解した。

 

白夜叉「まさか貴様………“ノーネーム”を襲うつもりか!?」

ルイオス「襲うなんて失敬な。我らの所持品を盗み出した“ノーネーム”に天誅を!───とまあ、名目はこんなところかな?名無しのコミュが潰れたところで誰も怒ったりしないだろ?あーちなみに。出入り口は僕がもう細工しちゃったから」

白夜叉「この、小僧………!よほど命が惜しくないらしいな!?」

 

白夜叉は今までにない程の殺気をルイオスへ向ける。

しかし、ルイオスはどこ吹く風のようにその殺気を受け流していた。

 

ルイオス「あれ?同志を殺しちゃうの?同志殺しは重罪だぜ?それに、“白き夜の魔王”と謳われた白夜叉様が相手じゃ僕も死んじゃうだろうなあ………けど殺される前に、この店1つ無くすくらいはしてみせるぜ?可愛い部下が粉々に砕かれるのはきっと辛いと思うな?」

 

ルイオスは首のチョーカーにぶら下げた金の装飾をちらつかせる。この生首のような形をした飾りこそが、魔王に匹敵する“ペルセウス”の最強のギフトであった。

白夜叉は歯噛みをして睨む。ルイオスは真正面から受け止める。

勝ちを確信したルイオスは蛇皮の上着を正しながら、ニヒャっと端正な顔を歪める。

だが、そこへ1人の笑い声が聞こえた。

貴賓室の扉が開き、そこには白夜叉もよく知る泥棒がいた。

 

大樹「あははははっ!いや、とっても笑わせてもらったよ」

ルイオス「誰だ?」

大樹「僕かい?“ノーネーム”の海東大樹さ。よろしくね」

 

大樹の名乗りを聞きルイオスは納得すると同時に疑問が出た。

 

ルイオス「“ノーネーム”の?出入り口には細工をしていたはずだけど?」

大樹「そんなもの簡単に壊せたさ。それに、君は“ノーネーム”を襲うみたいだけど、急ぐべきなのは君の方じゃないかな?」

ルイオス「は?」

 

訳がわからないといった表情である。

白夜叉もどういう事か説明を求めるように大樹を見る。

 

大樹「ん?商品の過去はキッチリ調べるんだろ?そんな事も出来ていないのに幹部なんだ?“サウザンドアイズ”ってもっと凄いところだと思ってたけど、検討はずれかな」

ルイオス「“名無し”風情が、僕を馬鹿にするなよ?」

 

大樹は敢えて挑発するように発言をし、それにルイオスは乗る。格下相手からの挑発はルイオスのプライドがゆるさなかった。

 

大樹「おや、馬鹿にされてるというのは理解出来るんだ。なら、君は今すぐその“名無し”の元に駆けつけるといい。仲間が無惨な姿で見つからないうちにね」

ルイオス「おいおい、僕達“ペルセウス”が“名無し”風情に負けるって?冗談きついよ」

大樹「ふーん。なら仕方ないから皆で行くとしようか」

ルイオス「は?」

白夜叉「ん?」

 

大樹は銀のカーテンを出現させ、2人と共に“ノーネーム”本拠まで移動した。

ルイオスも白夜叉も驚いたが、それよりも目の前の光景の方に驚かされた。

何せ、ゴーゴンの首を掲げた旗印の“ペルセウス”の者達が、地に伏しており商品であるレティシアは石化すらされていなかった。

 

士「この程度か、“ペルセウス”ってのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様読んでいただきありがとうございます。
UA4000達成いたしました。皆様ありがとうございます。
皆様に楽しんで頂けていることを嬉しく思います。
やっとレティシア様出せました。
あと、ペルセウスのギフトゲームは十六夜大活躍もありますが、海東も出す予定です。

今回は短いですがこれまで。
質問・感想は受け付けてます。
次回も楽しみにしていただければ幸いです。
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