一年草の忘念記   作:604技術開発隊

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ステイメン格闘コンボで迫ってくるプレイヤーは恐らく作者です


3.それは間違いなく君のモノ

プレゼントは案外あっさり決まった。

試作二号機のプランも完成の目処が立ち、余裕があったので適当に作ってみた。

アイツはウサギが好きなんだとか……聞き流してはいたが一応覚えてはいる。

そこでウサ耳と呼ばれるものを私なりに開発してみようと着手してみたのだがこれが予想以上に面白かった。

私の兵器以外の作品の中では自信作であると胸を張って言える。

アイツの誕生日は明後日………面倒なので明日の登校時に渡すことにしよう。

 

 

 

 

 

「あ!あきちゃーん!!!」

 

大声で此方に走ってきているのが篠ノ之束。

私の天敵であり私が近所付き合いを強いられている要因の一人である。

篠ノ之母に一応こやつを学校に登校させてくれないかと頼まれこうして毎日迎えに行っている。

 

「…………乗れ」

 

小学低学年にして自転車の二人乗り

法的に駄目なんだそうだが知ったことではない……

 

「あれ?何かいつもよりあきちゃんが優しい………?」

 

「…………知るか」

 

普段なら乗せずに300mほど歩かせていた。

そうしなかったのは例の物を渡す為だ。

 

「………ほれ」

 

「え?何?」

 

「やる」

 

「な、何かなぁ……」

 

箱の中に入っているのは金属製のウサ耳

 

「これ………えっと……」

 

「お前はウサギが好きだと以前言っていた。その金属製ウサギ耳には色々とギミックを入れさせてもらった。バラすなよ……」

 

「ギミック?」

 

「例えばそのウサ耳には新エネルギーが内蔵されており、着用者の脳波に反応しその感情によって発光する。集音機能もあるしで中々に便利な代物だ………難点は一年に一度エネルギーを交換しなければならないとと、それに合わせてメンテナンスの必要があることか」

 

「ねぇ、これあきちゃんが作ってくれたの?」

 

「………………両親に言われてな」

 

「私の為に?」

 

「…………まぁ、違いはない」

 

「私の為に………あきちゃん……」

 

「……………ちなみにそいつは誕生日プレゼントというやつだ」

 

「へ?」

 

「………………『誕生日おめでとう』と言っておこう」

 

「あきちゃん…………」

 

少々小学低学年らしからぬ登校雰囲気になっているが………まぁ、やるべきことはやった。

これからはいつものように私は一人静かに研究、開発に没頭することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日は篠ノ之束の誕生日…………しかしながら私はやるべきことは既に済ませてあるので普段通り教室にて授業中だろうが休憩時間になろうが給食時間であろうが何だろうが試作三号機の設計を続けていた。

篠ノ之の奴はあれ以来件のウサギ耳を着用している。

そしてあれ以来研究の妨害をされることが減った。

しかしながら遠目に見られることが多くなった。

授業中であろうが休憩時間になろうが給食時間になろうがアイツともう一人の視線が突き刺さってくる。

もう一人の方は言わずもがなあのお節介焼きである。

 

さて、そんなことはさておき丁度試作三号機の特殊防御機構の設計が完成したところだ。

アイアノスフィアプロテクトエネルギーフィールドジェネレーター

長いので略してIフィールドジェネレーターとしておこう。

まだ小さいジェネレーターなので兵器として使用するには無理があるがこれから何とかすれば良いだろう。

実弾、レーザー兵器等々を弾くフィールドの発生装置で、少々エネルギーは喰うが問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然聞きなれた声が教室内で響いた。

フィッと首を曲げてみると見慣れた人間が崩れるように床に座っていた。

周りには数名の人間………中には少々性格に難のある人間がいる。

ふと彼女の頭に少々前まであったものがなくなっていることに気付く。

どうしたのだろうか………流石にアレは私の傑作でもある。

彼女の所有物になったとは言えど製作者である私が気にならない道理はない。

そう思った私は席を立ち彼女に声をかけた。

 

「………………どうした」

 

普段通り何とも無機質な声がボソリと発せられる。

彼女の体がビクリと震え、此方を向いた

私がここまで驚いたのも、そして彼女の泣き顔をみたのもこれが初めてだった。

彼女の手には私の最高傑作だったモノ………

 

「………………どうした」

 

再度問いかける

彼女はやることなすこと理解に苦しむ事ばかりだが約束を破る人間ではない………と、彼女を天敵と見なしている私は思っている。

彼女はコレを私から受け取り頭に着用した際に一生大事にすると大袈裟にいってのけた。

…………少なくとも2日で約束を破るような奴ではないだろう。

 

「…………………どうした」

 

泣くばかりで返事をしようとしない彼女に私は再び問いかける。

こればかりはどうしようもない。

先程逃げようとした要注意人物Aを椅子に拘束したが状況が進展した訳ではない。

 

「………………………どうし「っ…そこの男子達が篠ノ之さんの壊したんだ」………情報提供感謝しよう…織斑千冬さん」

 

逃げようとした生徒を全員椅子に拘束した。

私の傑作を破壊した罪は重いぞ………しかしながら……

 

「……迂闊……強度について考えていなかった」

 

強度については盲点だった。

私が普段開発しているのは兵器なので自然と装甲等による強度問題はクリアされていた。

しかしアクセサリーなのであまり重くなるのは問題、必要最低限の金属で構成していたのが不味かったか……

 

「……………篠ノ之、問題はない……私が今日の授業終了までに直しておいてやる」

 

未だ泣いており、織斑千冬に宥められている篠ノ之の手から傑作品を回収し、席に戻った。

今現在は昼休憩。

本日は五時限授業なので授業終了まで残り一時限少し。

よもやこんなことで小型Iフィールドジェネレーターの試作品を使用するとは思わなかった…………。

ちなみにあえて男子生徒共の拘束はしたままにしてある。

余程の教師じゃなければ外せないだろう……その拘束具は私ですら十秒程唸ってしまった知恵の輪でできているのだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウサギ耳の修理と改良は見事下校に間に合い、小型Iフィールドジェネレーターにより新しい機能(着用者は本体ごと防御壁により守られる)が加えられ篠ノ之の頭に戻った。

Iフィールドジェネレーターのエネルギー喰いによってエネルギー交換&メンテナンスが一年から半年になってしまったが問題はないだろう。

 

そんなこんなで面倒な誕生日騒動は幕を閉じたのだった。




ええ、いろいろとガンダムとは違ってます
Iフィールドの正式名称はあんなのではありませんしそもそも実弾ははじけません。
ちなみに
アイアノスフィア【iónosphere】
とは、電離層のことです。
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