リコンスト 世界に嫌われた子供たちが世界を救う話 作:林檎アメ
戦争が始まった。それは一目でわかった。
高いビルの屋上から町全体を見渡す。この時間を邪魔する人はいない。このビルの屋上への道は、空を飛ぶしかない。
僕はちゃんと空を飛んでここまできた。空を飛べる羽で。昔にはなかった羽で。
(いつからこんなになっただろうか)
いつもと変わらぬ思いで、いつもと変わらぬため息をつく。いつもと変わっているのは時々爆撃や刃物の交わる音がすることだけ。たったそれだけ。
(今度の戦争は大きいな)
仲間の隣国の兵器たちやリコンストの1号や軍曹が戦ってるのを見て思う。この戦争は本気だ。今回の敵は知らないが強敵なのだろう。
僕も一応はリコンストだ。だが、ただの試作品でしかない。あの1号や2号たちの生みの親とも言える科学者の試作品。ちゃんと戦闘でも使えるように羽は分裂し、刃物のように鋭く切り裂く。だが、それらを操るのはめんどくさいため表舞台にはでない。せいぜい参謀ぐらいしかできないだろう。だが、
『僕の空想通りに終わらせるよ!』
昔の僕が放った一言が、言葉が、僕を・・・リコンストの参謀を支えている。
それだけじゃない。
『すっげぇな! ホントのホントにお前の言うとおりだったぜ!』
『うん・・・おかげで助かった。ありがとう。ちょっとした恩人だね』
『ひえぇぇ! さすがだね! 私なんか足元にも及ばないくらいだよ!』
ああ。あのころが懐かしい。まだ学生で、それぞれに問題を抱えた僕ら。皆で相談とか雑談とかしたりして、いっしょに勉強会もして、楽しかった。
中学2年に上がって、初めて一緒のクラスになって。
いじめられてた僕をかばってくれた、第一線でキャタピラーを操り、敵をなぎ倒してく男の子も。一緒になって、孤独だった僕の友達に進んでなってくれた殺し屋の男の子も。好奇心が強くて・・・まあついてこられるのには参ったけど、とっても明るくて、リコンスト最強であって、最恐であって、最凶で最狂の女の子も。
(僕も頑張らないと。僕は所詮、空想通りに駒を進めることしかできない参謀なのだから)
仕舞い込んでいた羽を勢いよく伸ばす。特別な鋼で出来ているせいで羽ばたくことはできないから、グライダーのように飛ぶ。
(この戦争の状況といくつか考えた作戦を科学者さんに伝えて、そのあと隣国まで飛んでって、そこの兵団長にも状況と作戦を伝える。今の僕にはそれしかできないから)
リコンスト0号は空中を滑るように飛んでいった。
(暇だなぁ。ああ、マカロン食べたい! 1号ちゃんの作ったマカロン食べたい! 食べながら2号ちゃんと駄弁って0号ちゃんをからかいたい! そいから軍曹さんと科学者さんとも喋ってみたいなぁ。特に軍曹さんはからかいようがありそうやな・・・)
身長がゆうに2メートルは超えているであろう少女は見た途端改造されてるなと分かるような長く、骨組が見えている足を地団太・・・は天井が低くてできないので心の中で地団太をしながらものすごいことを考えている。
(うちのこれはただの妄想やからねぇ・・・ 0号ちゃんのアレはすごいわぁ もう予期しているとしか思えないもん)
少女は足と同じように骨組が見える長い腕をシュッシュッとパンチのように動かしながらうちの出番はまだかなぁなどと考えている。
(ふふっ この戦争が終わったら1号ちゃんのマカロン食べて2号ちゃんと駄弁って0号ちゃんをからかって軍曹さんと科学者さんたちとも喋ろう♪)
リコンスト(いろんな意味で)サイキョウの女の子はこれからのことを考えて、にやにやしているのであった・・・。
3「なんでうちのこと3号って紹介してくれへんの? しかもうちにやにやなんてしてへんし! にこにこしてただけやし!」
作「あーはいはい」