「サッカー!ファルコーン!どこいったのお前らー!」
大声を張り上げるも、あの2体からの返事はない。ううむ、もしかして反対側に行っちゃってるんだろうか。
さっきのデュエルから、かれこれ1時間ほど経っただろうか。どこかにいるであろう他のデュエリストを探すため出てきてもらった2体の精霊がいつまでたっても帰ってこないので探しにきたのはいいんだけど、もののみごとに誰もいない。
『ったく、どこまで行っちまったんだあいつら』
「ホントにねえ。こうなったら、のんびり歩いて探すのもなしにしようかなっ、と」
いつものデュエルアカデミアでは目立ちすぎるから自重してたけど、実は僕には1回でいいからやってみたかったことがある。今こそそれをやる時だろう。
「青氷の白夜龍、召喚!」
攻撃力3000、という破壊力、そしてそのサイズ。破壊力に関しては別に危なくないところで出せばいいだけなんだけど、さすがにサイズはごまかしようがない。こんなのをビュンビュン飛び回らせてたら、さすがにソリッドビジョンですって言い張るのも無理が来る。いや、それだけならまだいい。ただ、さすがに。
「お願い白夜龍、一生のお願いっ!…………上、乗せてくれる?」
こんなことやってたら、どう頑張っても言い訳なんて無理だろう。なにせ、ソリッとビジョンはあくまでもビジョンであり、上に乗るどころか触ることさえできないものなんだから。
「キャッホー!いや、たーのしいねえ!」
『ガキかお前は!?』
『そうは言うがな、空を飛ぶためだけにこの5000年、一体何人の人間がその短い生を無念と諦めのうちに閉じてきたか………それを考えてみたらどうだ?私としては感慨深い話だ』
『とか何とか言ってその無念の感情エサにしてたんだろお前ら』
『うむ。美味しくいただいたな』
後ろの方でぼそぼそと難しそうな話をしている2人(?)は放っておくとして、あんまり楽しんでばかりというわけにもいくまい。そもそも空を飛んでるのも、同じく飛行系のファルコンあたりが見つからないかという考えあってのことなわけで。
「ん~………おっ、海だ海」
『毎日見てるけどな、海』
そういえばそうだ。でも、この世界にも海があるってわかってちょっとうれしい。
『清明。真下に人がいるな』
「え、どこ?……あっ、デュエリスト見ーっけ」
ちらりとだが、チャクチャルさんの言葉に従って下を見ると確かに腕にデュエルディスクらしきものをつけた人影が見えた。ごめんよ、サッカーにファルコン。ま、またこれ終わったら探しに行くから!
「あーらよっ、と」
白夜龍の背中から飛び降りざまに精霊実体化を解除してカードの中に戻し、そのまま砂浜に着地―――――ドブン。
最後のドブンは、別に砂浜がドブンと音を立てたわけではない。飛び降りる位置がずれていたせいで、海の中にダイブしただけだ。
「ぶあっ、しょっぱ!」
『「何やってんだお前」』
「キレイにハモられた!?それと見てるんなら助けてよっ!」
まったくもう、初対面の人に見せる礼儀っちゅーもんも知らんのかね。ぶつくさ心の中でつぶやきながらなんとか砂浜に上がり、やれやれと一息つく。ああよしよし、デッキは無事だ。ならまあ何も問題ない。
「ええと………どちら様ですか?」
押し寄せる波をのんびり眺めてちょっとぼうっとしてるとそこにいたもう一人の方、女の子が声をかけてきた。
確かに考えてみれば、空からいきなり人間が海にダイブして陸で服を乾かしてるのだ。さぞかし怪しく見えただろう。
「ええっと………」
まあ、難しいことは考えないでおこう。こっちの立場やらなんやらを言えばいいんだし。
「………ってわけ。それじゃ、デュエルしようか!」
『いきなりだなー』
「ふむ、結。お前が行っていいぞ」
「あら、いいの?じゃあ遠慮なく」
どうやら、僕の2番目の相手はあっちの女の子……結さんらしい。
もっとも誰であろうと手を抜くつもりはないし、ぱあっと派手にやらせてもらうけどね。
「「デュエル!」」
「僕のターン、ドロー………モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンド」
相手のデッキはわからないが、おそらくはあのシンクロモンスターやエクシーズモンスターとやらを出してくるんだろう。それを持っていない僕が対抗するには、プレイングと読みでカバーするしかない。
………正直、苦手分野です。
「私のターン!……よっし、《海皇の重装兵》を召喚!」
海皇の重装兵
ATK:0
「重装兵がフィールドに表側表示で存在するとき、私は海竜族モンスター限定でもう一度通常召喚できる!《深海のディーヴァ》を召喚!」
深海のディーヴァ
ATK:200
「ディーヴァが召喚されたとき、デッキからレベル3以下の海竜族モンスターを特殊召喚できる!私が召喚するのは《海皇の狙撃兵》!」
海皇の狙撃兵
ATK:1400
ぽけーっと見ている間に並ぶ、3体のモンスター。このまま攻撃してくれるならまだ平和なんだけども当然、それで済むはずもなく。
「レベル2の重装兵とレベル3の狙撃兵に、レベル2のディーヴァをチューニング!氷結界に封じられし二又の撃槍よ、すべてを貫け!シンクロ召喚《氷結界の龍グングニール》!」
氷結界の龍グングニール
ATK:2500
真っ白いドラゴン。効果なんて知らない、ただあのモンスターは危険だと僕のデュエリストの端くれとしての本能が叫んでいた。
「もうシンクロにはひっかかんないよっと!トラップ発動、奈落の落とし穴!そのモンスターの攻撃力は1500以上、だから破壊して除外!」
「あらら~。しょうがないわね。カードを二枚伏せてターンエンドよ」
清明 LP4000 手札:3
モンスター:???(セット)
魔法・罠:1(伏せ)
結 LP4000 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:2(伏せ)
2枚の伏せは気になるけど、気にしてどうにかなるものでもない。なら、今の状況でできることをするだけさ!
「僕のターン、まずは水晶の占い師を反転召喚してリバース効果発動!デッキトップを2枚めくって1枚手札に入れて、もう1枚をデッキの1番下に戻すんだけど………めくったカードはシャーク・サッカーとサルベージ、ね。じゃあサッカーを手札に加えて、水晶の占い師をリリース!氷帝メビウスの効果で、その2枚の伏せカードを破壊!」
水晶の占い師 攻100
氷帝メビウス 攻2400
「チェーンで《アビスフィアー》と《威嚇する咆哮》を発動!デッキから
「いいや、トラップ発動、魔宮の賄賂!アビスフィアーの発動と効果を無効にする代わりに、相手はカードを1枚ドローするよ」
「うっ………まあ、強欲な瓶を発動したと思えばいいわね。賄賂もこの序盤で使わせられたし」
「咆哮の効果は素通ししたから、このターン僕はバトルできない……カードをセットして、ターンエンド」
「私のターン!…………ターン終了」
「え?」
清明 LP4000 手札:4
モンスター:氷帝メビウス(攻)
魔法・罠:1(伏せ)
結 LP4000 手札:4
モンスター:なし
魔法・罠:なし
多分、去年の僕ならさては事故ったかと喜んで突撃していただろう。だけど今は違う、ちゃんと迷ってから全力で突撃するのだ。やってることは変わらないけど、まあ気分の問題もあるしね。
「ふむ……何をたくらんでるかは知らないけどここは前進あるのみ!フィールド魔法、忘却の都 レミューリアを発動。そしてブリザード・ファルコンを通常召喚してバトル!2体のモンスターでダイレクトアタック!」
氷帝メビウス 攻2400→2600 守1000→1200
ブリザード・ファルコン 攻1500→1700 守1500→1700
「甘いわね、手札から速攻のかかしの効果発動!直接攻撃を受ける場合、バトルフェイズを終了させるわよ」
「む、さすがにそううまくはいかないか。ならメイン2、ブリザード・ファルコンの効果発動!このカードの攻撃力が通常よりアップしているとき、1度だけ相手に1500のダメージを与える!」
「きゃあっ!」
結 LP4000→2500
「僕はこれで、ターンエンドっと」
「私のターン。水精鱗―アビスパイクを召喚。このモンスターが召喚・特殊召喚に成功した時、手札の水属性モンスターを捨てることでデッキからレベル3の水属性モンスターを手札に加えることができる。海皇の狙撃兵を手札に」
水精鱗―アビスパイク
ATK:1600→1800
「さらにアビスパイクの効果で墓地に送った水精鱗―アビスヒルデの効果発動!このカードが墓地へ送られたとき、手札の水精鱗を特殊召喚できる!頼むわよ、ルカ!」
『任せてください』
「水精鱗―メガロアビスを召喚!」
水精鱗―メガロアビス
ATK:2400→2600
「装備魔法アビスケイル―ケーストをメガロアビスに装備!攻撃力を800ポイントアップさせるわ!」
水精鱗―メガロアビス
ATK:2600→3400
「さらに、メガロアビスの効果発動!私の場の水属性モンスターをリリースすることでこのターンのバトルフェイズ中に二回攻撃ができる!アビスパイクをリリース!」
アビスパイクが光に包まれ、姿を消すとメガロアビスに力が流れ込む。
「バトル!メガロアビスでメビウスを攻撃!クリア・クラッシュ!」
清明 LP4000→3200
「次はブリザードファルコンに追撃!クリア・クラッシュⅡ!」
清明 LP3200→1500
刹那の2連撃に切り裂かれる、メビウスとファルコン。あっという間に形勢逆転されてしまった。
「カードを一枚伏せてターンエンドよ。さあ、君の実力をもっと見せてね」
清明 LP1500 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:1(伏せ)
場:忘却の都 レミューリア
結:2500
手札1
水精鱗―メガロアビス(ケースト装備)
伏せ1
「下手な抵抗しても、さっきの2回攻撃がまた来たら沈む、か。まったく、僕の周りには強い人が多いなぁ………だけど、耐えるってのも時には大事だよね。ハンマー・シャークを通常召喚、さらに魚族のハンマーを召喚したことでシャーク・サッカーを特殊召喚!と、ここでハンマーの効果を発動、自分のレベルを1下げて手札のレベル3以下水属性、フィッシュボーグーアーチャー特殊召喚!」
ハンマー・シャーク 守1500→1700 守1700→1500
シャーク・サッカー 守1000→1200 攻200→400
フィッシュボーグーアーチャー 守300→500 攻300→500
「細工は流々、仕上げをなんちゃらってね。カードをセットして、ターンエンド」
「う~ん、壁を増やしてきたかあ。でも、それじゃあ意味ないわよ?私は狙撃兵を通常召喚」
海皇の狙撃兵
ATK:1400→1600
「狙撃兵をリリース。メガロアビスにもう一度二回攻撃の力を。そして狙撃兵の効果発動」
リリースされた狙撃兵が、海の中から再び現れる。
「水属性モンスターの効果を発動するためにこのカードが墓地へ送られたとき、相手のセットカードを一枚破壊するわ。伏せられているカードは発動しなかったから、さっき伏せたカードを破壊するわ♪」
「くっ……!」
なるほど、合理的な読みだ。実はこの最初から伏せてあるカードは白銀のスナイパーで、破壊してもらわない限りどうしようもないカードなのだ。そして今破壊されたのはポセイドン・ウェーブ。はっきり言って、最悪の形になってしまった。
「メガロアビスでハンマーシャークとフィッシュボーグ・アーチャーに攻撃!クリア・クラッシュ二連撃!」
そして放たれる2連撃。辛うじてサッカーだけは場に残せたものの、次のドローによっては、あるいは。
「ターンエンドよ」
清明 LP1500 手札:1
モンスター:シャーク・サッカー
魔法・罠:1(伏せ)
場:忘却の都 レミューリア
結:LP2500
手札1
メガロアビス(ケースト装備)
伏せ1
「まだまだ、負けるもんか!僕のターン………ドロー!よし、サルベージを発動して、墓地から攻撃力100の水晶の占い師とブリザード・ファルコンを手札に戻してっと。そして強欲なウツボを発動、今戻した2体をそのままデッキに戻して3枚のカードをドローする!」
「なるほど、その3枚で起死回生を狙うわけね?」
「その通り!いよしっ、魔法カード、スター・ブラストを発動!僕のライフを500払って、手札にいる超古深海王シーラカンスのレベルを7から6にダウンさせる。そして場のサッカーをリリースして、シーラカンスをアドバンス召喚!」
清明 LP1500→1000
超古深海王シーラカンス ☆7→6 攻2800→3000 守2200→2400
「へえ、やるじゃない。でも、今のメガロアビスの方が攻撃力は上よ?」
「もちろんさ。だから僕は、こういう手を使うんだよ。魔法カード、アクア・ジェットを発動!このカードの効果で、シーラカンスの攻撃力はさらに1000ポイントアップ!」
超古深海王シーラカンス 攻3000→4000
ユーノいわく、マジックコンボ。去年から何度も聞いてきてるけど、いまだにこれのどこをどうすればコンボになるのかがさっぱりわからない。ユーノ相手ならよくあることだから別に気にしてないけど。いちいち気にしてたらこっちの身が持たない。
「さあ、バトルと洒落込もうか!メガロアビスに攻撃、ジェットマリン・ポロロッカ!」
超古深海王シーラカンス 攻4000→水精鱗―メガロアビス 攻3400(破壊)
結 LP2500→1900
「このエンドフェイズに、シーラカンスのレベルは7に戻る。これで、ターンエンド」
「私のターン。う~ん、ちょっと厳しいかな。アビスリンデを召喚。ターンエンド」
清明 LP1000 手札:0
モンスター:超古深海王シーラカンス
魔法・罠:1(伏せ)
場:忘却の都 レミューリア
結:LP1900
手札1
アビスリンデ
伏せ1
「僕のターン、ドローしたカードをそのまま墓地に送ってシーラカンスの効果発動、魚介王の咆哮!デッキからレベル4以下の魚族を一斉に特殊召喚するよ!来て、シャクトパス!オイスターマイスター!ハリマンボウ!竜宮の白タウナギ!」
シャクトパス 守800→1000 攻1600→1800
オイスターマイスター 守200 攻1600→1800
ハリマンボウ 守100→300 攻1500→1700
竜宮の白タウナギ 守1000→1200 攻1700→1900
「よしよし、ここから巻き返すよ!バトル、ジェットマリン・ポロロッカ!」
超古深海王シーラカンス 攻4000→水精鱗-アビスリンデ 守1400(破壊)
「これでそっちの場はがら空きになった………ん?」
「今破壊されたアビスリンデの効果を発動するわよ。破壊された時にデッキの水精鱗を1体……アビスマンダーを特殊召喚するわ」
水精鱗-アビスマンダー 守2000→2200 攻100→300
「守備力2200!?固いなあ、ターンエンドっ!」
僕の中で下級魚族の守備力って言ったらヒゲアンコウかツーヘッド・シャークの1600止まりだったのに………世の中いろんなモンスターがいるもんだ。
「私のターン!これで決めるわ。手札の瀑征竜―タイダルと水属性モンスター水精鱗―アビスグンデを捨ててタイダルの効果発動!デッキのモンスター1体を墓地へ送る。水精鱗―リードアビスを墓地へ。さらにアビスグンデが墓地へと送られたことで、効果発動!墓地の水精鱗を復活させる。今度はルイ、あなたの出番よ!」
『おっけい!』
「復活!水精鱗―リードアビス!」
水精鱗―リードアビス
ATK:2700→2900
「そして、リバースカードオープン!アビスコール!墓地の水精鱗を3体を守備表示で特殊召喚するわ!メガロパイク!アビスグンデ!アビスヒルデ!」
水精鱗―メガロパイク
DEF:1900→2100
水精鱗―アビスグンデ
DEF:800→1000
水精鱗―アビスヒルデ
DEF:400→600
「私はレベル7のメガロアビスとリードアビスでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!大海の魔王竜よ、今こそ長き眠りより目覚めなさい!エクシーズ召喚!
ランク7/水属性/海竜族/エクシーズ/ATK2900 DFE2200
水属性レベル7モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功したとき、自分の墓地の『水精鱗』と名のつくモンスターを2枚まで選択し、デッキに戻す。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1枚取り除いて発動する。デッキの上からカードを5枚めくり、その中の「水精鱗」と名のついたカードの数だけ、フィールド上のカードを破壊する。その後、カードをデッキに戻しシャッフルする。この効果を使用したターン、このカードの攻撃力は破壊したカード1枚につき、200ポイントダウンする。
ATK:2900→3100
『なっ……!?俺の、俺の知らないカードだと!?』
驚いてるユーノだけど、そもそもさっきのデュエルでシンクロモンスターやモンスターエクシーズを初めて見たくせにいまさら何言ってんだこいつ。僕はもう驚かないぞ、うん。
「リヴァイアビスの効果発動!エクシーズ召喚に成功したとき、自分の墓地の『水精鱗』と名のつくモンスターを2枚まで選択し、デッキに戻す。私はアビスリンデとアビスパイクをデッキに戻す」
「さらに、レミューリアの効果発動!私の場の水属性モンスターは4体。よってレベルを4つ上げるわ」
水精鱗―アビスヒルデ
☆3→7
水精鱗―アビスグンデ
☆3→7
水精鱗―アビスマンダー
☆4→8
「レベル7になったルカとルイでオーバーレイ!」
『いきますよ!』
『うん!』
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!水精鱗を統べる海神、水精鱗―ガイオアビス!」
水精鱗―ガイオアビス
ATK:2800→3000
「さあ、いくわよ!リヴァイアビスの効果発動!1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1枚取り除いて発動する。デッキの上からカードを5枚めくり、その中の「水精鱗」と名のついたカードの数だけ、フィールド上のカードを破壊する。ドロー!……引いたカードの中にはアビスパイクとアビスリンデがあったわ。シーラカンスとシャクトパスを破壊!魔王の激葬!そしてリヴァイアビスの攻撃力はこの効果で破壊したカード一枚に付き200ポイントダウンしてしまうわ」
ATK:3100→2700
「リヴァイアビスでハリマンボウを、ガイオアビスで竜宮の白タウナギを攻撃!ターンエンドよ」
水精鱗龍-リヴァイアビス 攻2700→ハリマンボウ 守300(破壊)
水精鱗―ガイオアビス 攻3000→竜宮の白タウナギ 守1200(破壊)
「なら、ハリマンボウの効果発動!このカードが墓地に送られたことで、相手モンスター1体………ここはガイオアビスの攻撃力をダウンさせるよっと」
水精鱗―ガイオアビス 攻3000→2500
せめてもの抵抗。まさか、せっかく出したシーラカンスがこの短期間で2回も、しかもあんなにあっけなく倒されるなんて………つくづく、恐ろしいところに来ちゃったもんだ。
清明 LP1000 手札:0
モンスター:オイスターマイスター(守)
魔法・罠:1(伏せ)
場:忘却の都 レミューリア
結:LP1900
手札0
水精鱗―ガイオアビス(ATK)
水精鱗―アビスマンダー(DEF)
「僕のターン、ドロー!よし、ここで来た!魔法カード、ブラック・ホールを発動!これで場のモンスターは、すべて破壊されるよ」
「自分のモンスターも?いえ、オイスターマイスターの効果は!」
「その通り!オイスターマイスターがバトル以外の方法で場から墓地に送られた時、オイスタートークンは特殊召喚される。当然僕は、これを守備表示で特殊召喚」
オイスタートークン 守0→200 攻0→200
「これでターンエンド、さ。次のそっちのターンでこのトークンがいなくなったら僕の負けはほぼ確定、だけどそこさえ切り抜ければ僕にはまだ可能性がある。さあ、勝負!」
「ふふ、面白いじゃない。私のターン!このドローがデュエルの分かれ目!」
結:手札0→1
「魔法カード貪欲な壺!私は墓地のリヴァイアビス、ガイオアビス、アビスヒルデ、アビスリンデ、深海のディーヴァをデッキに戻して、二枚ドロー!」
結:手札0→2
「来た!ディーヴァを召喚!効果でデッキから真海皇トライドンを特殊召喚!」
真海皇トライドン
ATK:1600→1800
「さあ、私の最後の切り札を見せましょう!トライドンの効果発動!このカードと自分フィールド上の海竜族モンスター1体をリリースすることで、手札・デッキから「海皇龍 ポセイドラ」1体を特殊召喚する!来て、大海の覇者、ポセイドラ!!」
海皇龍 ポセイドラ
ATK:2800→3000
「たった一枚のカードで上級モンスターを召喚した!?」
「まだよ!墓地のタイダルの効果発動!水属性モンスターディーヴァとトライドンを除外することで墓地から特殊召喚する!」
瀑征竜-タイダル
ATK:2600→2800
「まだまだあ!墓地からキラー・ラブカの効果発動、僕の場の魚族、オイスタートークンが攻撃対象になったことでこのカードを除外、そしてその攻撃を無効にして攻撃力を500ポイントダウンさせる!」
爆征竜ータイダル 攻2800→2300
「1回耐えた!これなら………!」
次の攻撃でオイスタートークンはやられるだろう。だけど、それなら僕のライフは残る。ドローできる可能性が残っている限り、最後まであきらめたりはしない。
そんな意地は、あっけなく打ち砕かれた。
「いいえ、まだよ!手札から速攻魔法ダブルアップ・チャンスを発動!モンスターの攻撃が無効化されたとき、攻撃力を二倍にしてもう一度攻撃できる!タイダルの追撃!」
爆征竜―タイダル 攻2300→4600→オイスターマイスター 守0(破壊)
「そんなっ!」
「これで終わり、ポセイドラで攻撃!」
海皇龍 ポセイドラ 攻3000→清明(直接攻撃)
清明 LP1000→0
「だぁーっ、また負けた!」
『ドンマイ』
あれ、珍しくユーノが優しい。さっきリヴァイドラゴンを見た時の反応といい、このヒト本物のユーノなんだろうか。なんか怪しくなってきた。
「ふー……楽しかったわよ」
「うん、僕もだよ」
また負けたのは、もちろん悔しい。だけど、次にまた喰らいつけばいいだけだ。僕は諦めが悪いんだ、まだ心折れてたまるものか、ってね。