うんこたれが山奥でクオリティの低い祭壇を造り上げてその上に排便、身を隠すように誘導して命を助けてくれたうんこのカムイへの感謝の言葉を唱えた後に『礼を尽くしたのに人としての尊厳を捨てた気がする』と、後悔に似た感情を抱いていたのは数日前。雪花が悲しい偶然によって祭壇を跨いで踏ん張っていたうんこたれを目撃してしまったのも同じく数日前。
うんこたれにとって不幸中の幸いなのは祭壇への脱糞が変態的な欲求を満たすための行為でも頭がおかしくなってしまっての狂気的な行為でもなく、カムイへの礼のためだと推理して理解できる聡明さが雪花にあったという事。雪花にとって不幸に不幸を重ねたのは父親以外で始めてみた異性のケツが今まさにうんこをひねり出そうと脈動した瞬間だったという事だ。ついでにキンタマ袋の裏も見てしまった雪花、優れた頭脳による優れた記憶力のせいで忘れようにも忘れられない瞬間、脳内をケツとキンタマとうんこに汚された雪花はまた大人になれたのだ。
余談だが、コシンプはうんこたれに姿を見られないのをいいこと堂々と正面に移動してイチモツを鑑賞し、うんこによるうんこたれ寝取り事件によって傷付いた心を癒した。
そして更に余談だが、うんこのカムイは滅多に無いうんこへの感謝の儀式にこれ以上無い程に喜び、礼への礼返しに全力を尽くした。祭壇の上のできたてホヤホヤうんこを起点に淡い光を夜天へと昇らせて光の種子を撒き、神の奇跡により瞬時に発芽、成長、華を開かせる。満開な極光の実りで夜天を彩る。つまり、光属性うんこによるオーロラの発生。物理の法則を無視して発生したオーロラは旭川市周辺の人々の目を楽しませて過酷な現状に疲れた心を癒す。うんこたれのうんこは癒しのうんこ。
純粋な感謝の気持ちでうんこを崇めたうんこたれはその行いによって多くの人が心を癒す結果となったのだ。多くの人に善き影響を与えるうんこたれの在り方はまさしく勇者、うんこたれは勇者である、略して『うたゆ』だ。
「見苦しい所とブツを見せて申し訳ありませんでした」
うんこたれは間抜けではあるが愚かではない、非を認めて謝れる男なので例え不本意であってもヘビー級のうんこを見せ付けるヘビー急なセクハラをしてしまった事を謝罪した。
「事故だし仕方ないよ……。気にしないで」
雪花も心の広い優しい少女なのでその謝罪を受け入れた。
誠実に謝罪し、寛容に受け入れる。仮に雪花が何か失敗をしてしまいうんこたれを嫌な気持ちにさせてしまったとして、雪花も誠実に謝罪してうんこたれもそれを誠実に受け入れるだろう。許し合える二人は間違いなく対等な友人関係なのであった。うんこたれと雪花は友人である、略して『うせゆ』だ。
うたゆ、うせゆ、合わせてうたせゆ。つまり、打たせ湯。日々の肉体的な疲れと突然の精神的な疲れに『温泉にはいりたいなぁ』と思った雪花は山奥にて沸き続けている地元民しか知らなあ穴場の温泉に向かった。脈動する穴を目撃してしまった精神的な疲れを穴場で癒そうという目論見だ。
何十年前の地元民が拵えたのかもわからない男湯と女湯を遮るついたてと脱衣場として建てられたあばら家があるだけの秘湯に着いた雪花。温泉にウキウキしながら脱衣場へと突入しようと崩れかけの戸を開こうとした時にまたも悲しい偶然が発生してしまった。
「え……?」
「ふぁ……?」
雪花が開くより先に勢いよく開いた戸、開かれた戸の向こうには全裸で仁王立ちのうんこたれ、思春期男女の出会い頭事故。事故の原因は脱衣場の出入口を男女別にわけずに作った過去のおおざっぱな地元民。
雪花と同じように色々と疲れてた故に温泉を欲したうんこたれ。まさか、こんな管理もロクにされてない上に来るだけでも大変な山奥の温泉に女性が来ることは無いだろうという思い込みによる油断と温泉まるごと貸切状態だったという解放感による一切合切隠さずの屋外全裸。
雪花の網膜にうんこたれの股間にぶら下がるライフル銃の威容が焼き付く。雪花が父親の股間の豆鉄砲以外で始めて見た異性の股間はうんこたれのライフル銃、股間が無武装の雪花の羞恥心を刺激の果てに殺すのには容易い威力。恥ずか死。『彼女も股間にライフルを武装していたのなら避けられた死だ』『ライフルで威圧してくる悪い奴を止めるには、良い人間もライフルを持つしかないのです』と、羞恥心の暴走と混乱によって雪花の脳内に全日本股間ライフル協会が発足し、誰もが股間を武装すべきだと訴える。
うわぁ、おとうさんのとぜんぜんちがう
雪花の父は股間に武装しながらも娘の羞恥心を守れなかった。武装していても射程と威力に差があれば誰かが弱い立場になり誰かが強い立場になる、人間全てが武装しても防げない事件事故は発生するのだ。
事故によって脳内がライフル銃に汚れた雪花。大人になったと見せかけて精神状態は軽く幼児退行していた。
ヤバいヤバいまずいまずい対応一歩間違えたら露出狂いの痴漢扱いされて人生終わる!
そして、ほんの僅かな時間差によって先に脱衣場を利用してしまった事により生じたこの場において最大の悲劇。それは、うんこたれがもう少しだけ遅く来てたら立場が逆転してバスタオル一枚姿な見目麗しい少女を拝めたという事。しかし、思春期男子にとって千載一遇のチャンスを逃したうんこたれはそれに気付かないまま股間のライフル銃を隠すのも忘れて保身のための思考へとのめり込む。
「……きっ…………!」
雪花の引きつった声による悲鳴の予兆。同時にうんこたれはこれ以上無い程に素晴らしい気がする名案を思い付いた。
「これから温泉に入るんだ! 全裸の何が悪い!!」
うんこたれ容疑者による開き直り、名案な気がするだけでただの暴走。そんなあからさまに血迷った姿を目撃した雪花が冷静さを取り戻し、股間のライフル銃から地面へと視線を逸らした。
「悪くはないかもだけどまずは隠そうよ」
年頃の穢れ無き無垢でうぶな少女がやってのけるには非常に難しいはずの大人な対応。ほんの今しがたまで軽度の幼児退行していたのに今この瞬間には余裕のある大人のお姉さんに、子供から大人へ、まさしく急激な成長。雪花はうんこたれのライフル銃、いや、オチンチンで大人になったのだ。
「…………っス……」
冷静に諭されて暴走を止めて手拭いでそっとオチンチンを隠すうんこたれ。
「……見苦しい所とブツを見せて申し訳ありませんでした」
「……事故だし仕方ないよ……。気にしないで」
しばしの無言の後に誠実な謝罪と寛容な許し。オチンチンを見せた見せられたとしても許し合える素敵な友人関係なのだ。
「そのままだと風邪ひいちゃうからはやく温泉に浸かりなよ……」
「……っス」
疲れを癒しに来たのに想定外の出来事で更に疲れる二人。もはや温泉に浸かる以外の事を考えたくないのでうんこたれは足早にその場から離れ、雪花も周囲をしっかり確認してからさっさと脱衣を済ませて温泉に突入した。
二人の間で温泉での出来事は発生してない事になった。示し合わせてそう決めた訳ではないが、お互いにそれを蒸し返した所で不利益しか産まないのでどちらも話題にしないようにしている。
「いやぁ、壮観だね」
「みんなで頑張って大きくしたからな」
雪花が褒めたのは、うんこたれが大きくしたのはオチンチンではない、旭川市周辺の人々の食糧事情を支える農産物の田畑だ。
人類を殺す怪物の出現によって人類の比較的安全な生活圏が旭川市周辺のみになり、物流が破壊された上に広大な大地を奪われて第一次産業にも多大な悪影響が及ぶ事になった。元々は食糧自給率がほぼ二○○%と食に困る事はほぼ無いはずだった北海道だが、生活圏が旭川市周辺に限られた上に安全な地を求めて押し寄せてきた多大な避難民による人口の密集により、怪物の出現した年は深刻な食糧不足に陥っていた。
それを解決するためにまとめ役達主導で行われたのが猟師頼りの肉の確保であったり、休耕地の再生や用途の無い土地を田畑として開発する事だったのだ。
「収穫はまだ先だけど、これだけ元気に育ってるならきっと秋にはたくさん収穫できるはず」
── …… ……!
力強く背丈を伸ばす稲が風に波打つ水田、多くの人と協力して拡げたこれを見渡して誇らしげに微笑むうんこたれ。
やわらかく通り抜けて雪花とうんこたれの髪を撫でた風に乗り、畑のそこかしこから雪花にのみ聞こえてきたカムイの音無き声が豊作を予告する。
「食べるに困らなくなれば過酷な思いをしてまで鹿撃ちしなくてもよくなるから、少しだけ楽になるじゃん」
「いや、鹿撃ちに行く頻度は落ちるけど辞めはしないさ」
何故? と、視線で問う雪花。
「鹿肉好きなんだよ」
「あ~~、独特の弾力と臭すぎない臭み? みたいなのが癖になるよね」
美味しい食べ物を食べたいという理由に納得して頷く雪花。
「もう一つ理由があってさ」
どこからか風で運ばれてきて田の畦に落ちていたゴミを拾って持参していたゴミ袋に捨てつつうんこたれが言葉を続ける。
「獲ってきた肉を誰かが美味しそうに食べてるのを見るのが好きなんだよ」
「へー」
料理人が自分の作った料理を人に振る舞って美味しいと言って貰えるのが好き。と、いうのと似たような感じなのだろうと再度納得する雪花。
「自分のした事で誰かが喜ぶのがうれしいってだけさ」
「なんかヒーローっぽくてカッコいいじゃん」
大袈裟だな。と、笑ううんこたれ。
「カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム……。きっと人は皆、多かれ少なかれ誰かのために何かをするために産まれて、だからこそ誰かの喜びを嬉しく感じるんだ」
「急に哲学っぽくなったにゃあ、誰の言葉を引用したの?」
何も答えず、肩をすくめただけのうんこたれ。そろそろ休憩にするからそこの小川で手を洗ってくると言い残してその場を離れる。雪花はその背中を見送り、田んぼにて凪いでいた水面を覗いていたはずのコシンプへと視線を向ける。
全身の毛を逆立て、かつてない怒気を滾らせる姿。
怒りに荒ぶるカムイの姿がそこにあった。
「え……!?」
コシンプの嫉妬狂いの女じみた姿を見たことはあった雪花だが、このような敵意に荒れた姿はいまだかつて見たことは無い。なにか危急が迫っているのだろうかと首筋に冷たいものを感じる雪花をよそに、コシンプがうんこたれが向かった小川の方へと駆け出した。
もしかして、アイツに何かが起きた?
カムイに愛される友人に危険が迫り、それを察知したコシンプが荒ぶっているのかもしれない。と、コシンプの行動で推測した雪花もコシンプを追って走り出す。
そして、見た。
──…… …… ……♥️
「おお、でっけぇ*1ザリガニ……痛ぇっ!!?」
「は? ……はぁ?」
小川の淵にてムチムチな全裸で扇情的に踊る女性とそれを意に介さず女性の足元にいるザリガニを捕まえようとして指を挟まれるうんこたれ。突然の変質者とうんこたれの間抜けな姿が同時に視界に収まってしまう訳のわからなさに雪花は硬直して疑問と混乱の息を吐く。
直後、全裸の女性がうんこたれに抱き付こうと手を拡げ、駆け寄ったコシンプが女性の隙だらけなみぞおちに鋭い体当たりをして小川の中に突き落とした。
アバズレ淫魔め、私のチパパを誑かすな! カムイの世界に還れ!
殺意すれすれな敵意の音無き叫び。ザリガニのハサミに悶えるうんこたれの頭に着地したコシンプが小川に沈む女性を睨む。
「あっ、あれって変質者じゃなくてカムイの類いだったんだ」
淫魔。カムイの世界に還る。その叫びに変質者の正体を知り、うんこたれが全裸をスルーしていたのも単純に見えてなかったからなのだと知る雪花。見た目はとても愛らしいコシンプと違ってただの変態にしか見えてなかったのでそれがカムイだと気付くのが遅れたのだ。
小川を流れていく全裸を睨みながら説明するコシンプが言うには、あれはアイヌにパウチカムイと呼ばれていた淫欲のカムイで普段は全裸で躍りながら魚のシシャモをばら蒔いており、時折人の世界に訪れては人に取り憑いて色狂いにしようとするカムイだとの事。
「シシャモ……?」
「このっ! 離せ、茹でて食べちまうぞ!」
ちょっと何言ってるかわからない。と、不思議な世界観に首を傾げる雪花。自分が色狂いになりかけた事を認知できないうんこたれはザリガニとの戦いに夢中で背後に立つ雪花にも気付いていない。
流れ行く全裸が完全に遠退いて見えなくなった頃、逆立ていた毛を戻したコシンプが前足でザリガニを叩くと戦意を失ったハサミが開かれてザリガニは小川の中へと帰っていった。
「なまら痛ぇ」
「熊に勝てるのにザリガニには勝てないんだ」
「! ……かなり恥ずかしい所を見られてた気がする」
ザリガニが逃亡した事による無効試合と終わったが、勝負の内容だけで言うなれば体格差を覆すザリガニの絞め技による一方的な展開。実質的にうんこたれはザリガニに敗北したのだ。熊殺しのうんこたれに勝つザリガニ、ここに熊<うんこたれ<ザリガニのヒエラルキーが完成する。
情けない所を見られた恥ずかしさを愛想笑いの仮面で隠すうんこたれ、リアクションしにくい誤魔化し方に言葉が出ない雪花。そんな微妙な空気の中でコシンプが敗北者を慰めるようにうんこたれの指を舐めた。
うんこ崇めたり全裸で開き直ったり、挙げ句の果てにザリガニに負ける男を愛して『私の』とまで発言するカムイ。しかも、男はカムイの献身の多くを認知していない。その姿はまさにダメな男に引っかかって夢中になるダメ男好きで男運の無い女のようだった。
危ないところだった、あのままパウチカムイが取り憑いていたらきっとチパパは猛烈に発情して雪花に襲い掛かっていたかも。と、コシンプ音無き声が雪花の耳を打つ。
「……えぇ」
間抜けな光景だったのにそんなにきわどい状況だったのかと困惑する雪花。そういえば、『チパパ』とはどういう意味なのかとうっすらと疑問に思っていたが文脈的にうんこたれを指しているのだろうと、困惑ばかりで疲れてきた雪花は適当に解釈して考えるのをやめる。
「めちゃくちゃ困惑されてる……」
「うん……困惑しかないわ」
ザリガニに負けた姿に困惑されてると思っているうんこたれ、カムイ達による摩訶不思議を説明するのも疲れで面倒な雪花。解こうが解かまいがどうでもいい誤解なので雪花は何も言わない事にした。
「お、勇者様とぼんずじゃねぇか。田んぼの様子でも見にきてたのか?」
微妙としか表現しようのない空気を更に微妙な空気にする不真面目さが滲み出る声。雪花とうんこたれが振り向いた先にはうんこたれに鉄砲の扱いを教えた不真面目な猟師の釣竿とバケツを携えた姿。
「そんな所っスね。とっつぁん*2は釣りっスか?」
「そうだな、川下の方で糸垂らしてたんだ。んでもボウズ*3だから帰って"ヘッペ"こくわ」
「ブフッ!」
「……?」
和やかに会話してたかと思えばまたも雪花にとって聞き慣れない単語、うんこたれには意味が通じたのか慌てたように息を噴き出した。
「いきなり何言ってんスか」
「あ? ヘッペなんて誰でもするだろうよ」
「……ヘッペ?」
「おっとぉ? 勇者様はヘッペを知らんのか。意外ですね、てっきりぼんずと一緒にヘッペしてる仲だと思ってましたわ。……俺が教えましょうかい?」
にやぁ。と、形容するのが最もふさわしい顔で笑う不良猟師と眼を剥いて言葉を失ううんこたれ。
「? そのヘッペ? って言うのは複数人でやることなんですか?」
「一人でも二人でもヘッペですわ。俺は一番多くて六人一緒でヘッペした事がありますよ」
「!!? マジかよ、すげえ。……って、ホントに何言ってんスかとっつぁん。冗談キツいっスよ」
驚愕と感嘆溢れる声色から呆れの声へ、不良猟師がまたもにやぁと笑う。
「いやいや、冗談じゃなくて本当だ。いや~、あの頃は若かった」
「そっちじゃなくて!」
「んぉ? あぁ、なるほどな。俺が教えるってのは冗談キツいか、ぼんずが教えてやりゃあいいもんな!」
「そうでもなくて!」
少しばかり声を荒くするうんこたれとのらりくらりと受け流してからかっているような不良猟師。なんとなく話に付いていけない雪花は野郎二人を眺めながら『仲がいいんだなぁ』と胸中で呟いた。
「ハッハッハ、ぼんずをからかうのは面白いな。満足したし帰ってヘッペこくわ、釣りしてた最中から無性にこきたくて堪らなくてな」
現れた時と同じく唐突に帰宅を再開する不良猟師。散々にからかわれたうんこたれが後ろ手にヒラヒラと手を振って歩き出した不良猟師の背中に深い溜め息を吐き捨てる。
「……とんでもないじっこ*4だな」
こいつも悪態つく事あるんだ。と、珍しい物を見たような気分になる雪花。そして、好奇心で今しがた野郎二人が盛り上がっていた話題について訊ねてみた。
「結局ヘッペって何? スポーツ?」
「ブフォッ!」
瞬間、本日二度目の盛大な噴き出し。
「誰でもやるような事なんでしょ? 何その反応」
「……健康な人間なら誰だって一度や二度はやるんだろうけどな……スポーツではないよ……いや、スポーツ感覚でヤる人もいるのか……?」
目を逸らし、常では見ないようなハッキリとしない小声のうんこたれ。そんな姿に雪花は更に好奇心がくすぐられる。
「健康ならみんなするの? 私はヘッペって始めて聞いたんだけど、私はヘッペした事ないよ」
「ッ! ……ぐぅ……」
苦悩の表情を浮かべるうんこたれ。そんなに説明に困るような難解なものなの、でも誰でもしてる事なんでしょ? と、雪花は訝しむ。
「ヘッペ教えて欲しいな」
「ぐああああああ!」
「?」
苦悩の表情、されど赤面。そして、発狂。雪花にとっては不可思議な反応の後にしばしの沈黙。
「……ヘッペ、そんなに知りたいのか」
「え、うん。結構気になる」
「…………わかった……後悔するなよ」
ヘッペ。それ即ち性交、あるいは自慰。性的な快楽を得るための行為全般*5。と、激しく赤面しながらしどろもどろな口調で説明するうんこたれ。優れた頭脳故に過不足なく理解してしまった雪花、説明の前半には刺激された羞恥心にうんこたれと同じよう硬直し、後半には自らの過ちに気付いて硬直する。
私ヘッペした事無いよ。とはつまり、私自慰した事無いよ。ヘッペ教えて欲しいな。とはつまり、えっち教えて♥️ と、なる。
雪花の過去の発言を標準語に変えるととんでもないカミングアウトとスケベな漫画のヒロインみたいな発言になってしまうのだ。
「…………ぅぅ……」
こんなの痴女じゃん、逆セクハラじゃん、穴があったら入りたい。そんな思いで頬に熱を集め、眦に涙さえ浮かべる雪花。同じくうんこたれも羞恥に震える。
無自覚に逆セクハラをやらかし、その解説をするという思春期男女の不幸な事故。原因は雪花の無垢、いや、言語を修める幼少期に性的な言葉を意味も解らず憶えて使ってしまわないように周囲の大人が配慮していたが故にだ。
「……なんか、すまん」
「……こっちこそ、ごめん」
互いに言葉が見つからない沈黙の後、いたたまれない気持ちのまま取り敢えず謝り合う思春期男女。セクハラし合っても二人は友人なのである。
ちょっとえっちな言葉を憶えた雪花はまた、少しだけ大人になったのだ。
.
夢を見るんだ、幸せな夢なんだ。
この小説は面白くなって、何よりも面白くなって、勇者であるシリーズを知ってる人も知らない人も楽しませることができるんだ。
それで、この小説を読んだ誰もが他の勇者であるシリーズの小説を読んでも雪花が登場したら『あっ、うんこのヒロインじゃん』なんて連想してしまうくらいにこの小説を強く印象つけたいんだ。
たくさんの人が『うんこのヒロイン』を知って欲しい。
そのためにはまずランキングに載らなくちゃ……。
って事で評価くれ。