【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】 作:ダイハイト
皆さん感想欄でイッチの正体云々の予想をしておりますが、
ぶっちゃけますと(そんな大したこと)ないです。
それと か な り ご 都 合 主 義が入っておりますが、仕方ねぇなという寛容な心を持ってくれると嬉しいです。
以前エンブレムを書いて頂きました【非不未様】より、キルドルブ(最初期)の支援絵を頂きました!↓
【挿絵表示】
実際の最初期キルドルブはこれに装甲全周に爆発反応装甲が、側面に小さなアポジモーター噴出口がある感じですね!!
改めまして【非不未】様、本当にありがとうございました!!
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SIDE ティファナ・アディ
久し振りに見た。ショウジ君の【まんま】の姿。【初仕事】の時以来、いつも何かしらのコスをしてたのに。
『ご来場の皆様にご連絡致します。これより、第7回ガンプラバトル選手権世界大会、東東京地区予選会、決勝戦を開始致します』
運営スタッフのアナウンスが会場に響き渡り、それが
決勝戦だというのに観客達は沸き立った歓声も応援の叫び声も上げない。ただただザワザワとしたまま、眼下に置かれたバトルシステム筐体。その一方に立つ【背の低い黒髪の少女】に視線を向けていた。
(珍しいね、人前にまんまの格好で来るなんて。ショウジ君……いや、【チハちゃん】が)
『続けて、来場の皆様にご連絡致します。決勝進出の彩斗商店街代表ファイター、チハ・ショウジさんにつきましては既に本人確認を行っております。また、
会場がどよめく。あちこちで【彼女が!?】だとか【子供…いやでも…】だったり【あれもコスプレなのでは?】……などなど話が飛び交っているが、そんなことは無いです。あれがチハちゃんのまんまの姿です。
私の後ろにいる商店街の代表、それと応援しに来てくれた方々、そして金髪女の子ちゃんを始めとした独自のチハちゃんの応援………って何でこんなに多いのかな?商店街の人除いても20人近くいない??こんなに来るって言ってたっけ??
「……ええ。アナウンスの通り、あれがショウジ…じゃなくて、チハちゃんの非コスまんまの状態よ。ついでに言うとあんななりでも24歳」
【まだ】理由は語れないが、このアナウンスが正しいことを私が保証する。こうでもしないと多分信じられないだろうしね。けど、私の言葉を聞いた皆はただコクリと頷いて、特に疑問は浮かべていない様子だった……まあ、表に出してないだけみたいな感じだったけど。
『それでは改めまして。東東京地区予選会、決勝戦。チハ・ショウジさん、彩斗商店街代表 対 トオヤマ・ゴオさん、チームリベリオンズの試合を開始致します』
商店街の皆、金髪女の子ちゃんを始めとした【私達】が思い切り拍手を上げる。それに呼応するかのように会場全体に拍手の嵐、そして歓声が沸き上がった。
そうとも!決勝戦なのだからこうでなくては!!一気にボルテージの上がった会場の雰囲気をバックに、ファイター達が雌雄を決し合う!
それこそが、【ガンプラバトル】なのだから!!!!!!
「頑張れー!チハちゃーん!!!」
頑張れ、女の子。
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SIDE トオヤマ・ゴオ
先程まで不安定だった会場の雰囲気が一変した。観客席の一角【行け!!チハ・ショウジ!!/彩斗商店街】というちょっと古臭いが横断幕を掲げている集団が拍手をした途端、その熱が一気に会場全体に回って決勝戦という大舞台を作り上げた。
それを作り上げたのが、これから俺が戦うことになるファイター……専ら巷で【見た目・戦術・姿変幻自在】の異名が付き始めた【チハ・ショウ………
「…何故、そんな不機嫌そうなんですか?」
「いえ別に。なんだか何処かの誰かに【私がガキ】だと馬鹿にされたような気がしたので」
試合直前だというのに物凄く不機嫌そうになった相手、改めて【チハ・ショウジ】はそう言うと両手で頬をパンパンッ!と叩いて気持ちを切り替えたようだ。
「…あっ!もしかして、誰かのコスプレの方が良かったですか?」
彼女が挑発的な笑みを浮かべて言ってくる。成程、今まではコスプレをしているキャラクターの性格をそのままトレースしているようだったが、【こっちが素】ということか。
「いえ別に。寧ろ特定のキャラコスで来たらそのキャラに合わせて対策すれば良いだけでしたので、お陰で予測も出来ない戦いが出来そうですよ」
「へぇ~言うじゃないですか…!!その言葉、後悔しないで下さいよ!!」
互いに啖呵は切った。ならば後はファイターとしてやることは1つ!
『
GPベースをセットする。彼女もセットを完了し、決勝戦の為に増設された9つのバトルシステムが起動し、プラフスキー粒子を展開する。
『
光り輝く粒子が溢れ、
『
構成されたのは宇宙のバトルフィールド。すぐ近くにコロニー……これはガンダムAGEの【オーヴァン】か!個人的には嬉しいフィールドだ!!
『
鮮やかな蒼に彩られた俺の愛機―――【ovv-fl-ds ガフランL・ドラゴニアス】をセットする。相手のガンプラは確認したがあのゲデモノヒルドルブでもビーストガイアでもない。唯一の汎用型、【シャルドール・アヤト】!奇しくも同じAGE系!!フィールドもオーヴァンだというのなら、最早言葉は不要。
『
「トオヤマ・ゴオ!ガフランL・ドラゴニアス!!出撃する!!」
【
電磁カタパルトで射出されバトルフィールドへ侵入。即座にドラゴン型へ変形すると同時にコロニーへ向かう。こんなベタベタなシチュエーション、これで来ない奴は居ないだろう!
―――――さあ、来い!チハ・ショウジ!!
SIDE チハ・ショウジ
久々に【私】でバトルをする。
安価は絶対、ハッキリわかんだね……って自分で言っておいてなんだけど、まさか素が当たるなんて……
ぶっちゃけるとちょっと恥ずかしかった。もうかれこれ数年近く素顔晒してなかったし。
(……ま!この辺りで顔を晒しておく方が、【仕事】にも都合が良さそうだしね♪)
取り合えずは気持ちを切り替え、今はこの決勝戦を全力で挑むのみ!!
『
カタパルト、システムオールグリーン!シャルドール・アヤト、システム戦闘ステータス!!
「シャルドール・アヤト!チハ・ショウジ!!行くよっ!!」
機体を発進させて、コロニー宙域にその身を晒す。奇しくもこのコロニーはオーヴァン!そして相手はガフラン系!
「なら…こう来るよね!」
すぐに機体を動かし、一直線にコロニーへと向かう。
良いじゃん!折角ならフリットのコスで来たかったくらいにベタベタなシチュ!!遠慮なく乗らせてもらうよ!トオヤマさん!!
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まず先手を取ったのはゴオとガフランL・ドラゴニアスだった。ドラゴン形態の機動力を武器にコロニーへ先に接近、チハのシャルドール・アヤトをカメラが捉えた瞬間に尾部の【ビームライフル】を発射する。放たれた金色のビームは目標を的確に捉えたものだったが、寸前でシャルドールは機体をクルリと翻してそれを間一髪躱し、ビームは宇宙に霧散する。今のを避けられるのかとゴオは目を見張りつつも続けざまにトリガーを引き続けるが、二度も同じ手は通じないと言うようにシャルドールは回避と防御でビームを無力化していく。
「こんどはこっちがっ!」
続いてはチハとシャルドール・アヤト。回避機動の最中にドッズガンを構え、今大会で初めて披露することとなったモード切替、その【バーストモード】を選択するとおかえしとばかりにトリガーを引いた。瞬く3つの閃光と共に同数のDODS効果の帯びたビームが放たれる。
まだだ!続けて2回、3回とトリガーを引き続け、更にビームを発射する。1回戦では巨大な盾をいともたやすく貫いた銃からあっという間に10発近くのビームが放たれた。
「ちっ…」
この機能が完全に初見のゴオはまさかのバースト射撃に舌打ちしつつも直ぐにライフルを格納。コロニーの影に更に機体を潜り込ませてそれらを回避すると、現状では不利と判断して変形、一旦離脱を試みる。
「させない!!」
が、それをシャルドールは許さない。同じくコロニーの影に入ったシャルドールはドッズガンを今度は【インパクトモード】にセットして構え、飛び去っていくガフランの背に向け即座に発射する。銃口が先程とは比較にならないほどに瞬き、次の瞬間重厚な発射音を立てて螺旋状のビーム弾丸が発射される。ジム・ガードカスタムを盾ごと貫いた一発だ。
「……甘い!!」
「えっ!?」
だが……それは捉えられずに終わった。背中を見せていた筈のガフランはすぐにMS形態へ再変形、ウイング位置の変更による急激な推力偏向で機体の向きを変えて、確殺の一撃から逃れたのだ。その上、両腕をシャルドールへ向けると【ビームバルカン】を斉射。特にドッズガンへビームの嵐を降らせる。
「うぐっ!!」
「そこ!」
ドッズガンはビームバルカンの直撃を数発受けて爆散。シャルドールが爆煙に包まれ、更にその隙を狙ってガフランが一気に接近する。左腕部からビームサーベルを、更に右腕部からは【炎のように揺らめく】通常よりもリーチの長いビームサーベル──【フレイムサーベル】を展開して交差させるように爆煙を切り裂く。
振り抜かれたそれは完全に煙を切り裂き……
「いない!?後ろか!」
レーダー反応と警報に反射するように右腕を後ろへ薙ぐ。横一文字に振られたそれは手ごたえがあり、確かに【何か】を切り裂いたのだが。
パンッ!
乾いた音が鳴ったと思えば、モニターには【ゴムの切れ屑】の跡。
「【ダミーバルーン】!?」
「正解!!」
直後、ガフラン頭上からシャルドールが現れ、左手に握られている【ビームスプレーガンⅣC】をガフラン頭部目掛けて発射し、更には一気に接近して銃下部に付けられた【シグルガンブレイド】を振り抜く。
放たれた拡散ビームはガフラン頭部に命中したものの、その装甲は思いのほか堅牢でダメージは与えられない。だが衝撃は与えることができ、ゴオの視界が僅かに振られ、その間にシグルガンブレイドが襲い掛かる。
「うおおおおおおおおっ!!」
半ば自棄、残りは運があることを祈ってゴオは左腕を盾にした。振り抜かれた青白い刀身がスパリッと左腕を根元から切り裂いたが、幸い誘爆は無かった。ならばただでは終わらせない。すぐに右腕のフレイムサーベルを振るって切り掛かってきたスプレーガンを横薙ぎに切り裂き破壊する。
「ちぃ!!」
「まだだっ!!」
更に接近状態のシャルドールへ【腹部拡散ビーム砲】を間髪を容れずに発射。金色の閃光がシャルドールとモニター越しにチハの顔を照らす。
極接近状態での一撃と直後に起きた爆発。これは決まったか!?と観客席からは一瞬だけ歓声と悲鳴が入り乱れて沸き上がるが、すぐにそれは収まった。爆煙の中から2つの影、1つは右腕と右側サイドスカートが焼け落ちたシャルドール・アヤト、もう1つは左腕が斬り落とされた上に接射の反動で腹部ビーム砲が焼け付いているガフランL・ドラゴニアスだ。
「お互い、まずは一発ずつってところか?」
「ええ!そうですね!!」
今度は皆が一斉になって歓声を上げた。まだまだ!勝負はこれからと言わんばかりにシャルドールはシールドを、ガフランはフレイムソードを構えたのだ。これが盛り上がらない筈なんてない!!!
「「はあああああああああああっ!!!!」」
両者が同時に仕掛ける。シャルドールはシールド先端のワイヤーアンカー【スティールアンカー】を射出しガフランを捉えようとするが、それをガフランは初見にも関わらず間一髪で避けた上、フレイムソードを薙いでワイヤーを焼き切った。
「それで終わりか!!」
「まだっ!!」
ガフランが仕掛ける。シャルドールも胸部、脚部のミサイルハッチを展開すると一斉にマイクロミサイルを発射した。放たれた16発の内4発は途中で炸裂して中からシャルドールそっくりのバルーン人形を生成、残る12発は様々な角度からガフランに襲い掛かる。
「おおおおおおおっ!!!!」
が、ガフランこれを強行突破。メインカメラを右腕で庇いながら一直線に突っ切り、多角から飛来するミサイルは一切無視した。ミサイル自体がかなり小型な所為もあって着弾したミサイルはガフランの装甲の前では怯ませることすら出来ず、ダミーバルーンもガフランがビームバルカンで薙ぎ払い、そのまま一気にシャルドールへ接近する。
「ぐっ…!」
チハは苦渋の表情を浮かべながらも、シールド裏先端の2本のビームサーベルを起動させてガフランに構える。接近と同時に揺らめくビームサーベルが振り抜かれ、それを2連ビームサーベルで受け止める……が、相手のサーベルの出力が高く、2本の内1本が早々にオーバーロードを引き起こして停止してしまった。
「クソっ!(ビームソードだったらこんな!!)」
「終わりだ!地球連邦のパイロット!!」
再度大きく振りかぶられたガフランの右腕が、シャルドールに襲い掛かる。
「誰がパイロットだっての!!」
振りかぶったその僅かな隙にシャルドールは胸部ミサイルを一斉射。8発のマイクロミサイルが頭部メインカメラに命中して爆発を起こす。どうせ大したダメージは与えられていないと、その間にシャルドールはガフランから距離を取り、そして案の定で爆煙が晴れたガフランの頭部は目立った傷1つ無かった。
「流石にもう手詰まりかな?チハ・ショウジさん??」
「………」
ゴオの言葉にチハは答えない。暫く制したままのシャルドールだったが、唐突に残されていたビームサーベル1本の発振を停止した。
(観念したか……だが油断は出来ない)
ゆっくりと右腕を上げ、ビームバルカンの照準を定める。後はこの引き金を引けば無数の光弾がシャルドールをハチの巣にするだろう。もしシールドで防がれ、離脱を試みてもビームライフルがまだ残されているし、接近してフレイムソードで切り裂いても良い。
「これで……終わりだ!」
トリガーに力を入れようとした……【その時だった】
ガゴンッ!
と音を立ててシャルドールがシールドを排除。更にそのシールド裏から【2基の謎の端末らしきもの】が切り離された。
「まだ隠し武器!!」
即座に照準を自立端末へ変更する。あれがファンネルの類であればそれだけで危険だ―――と思った瞬間、ピクリと動かなかったシャルドールが【丸腰のまま】突然ガフランへ接近する。
「なっ!?」
突然のシャルドールの行動に一瞬反応が遅れてしまい、シャルドールの接近を許してしまう。そしてシャルドールはガフランの右腕を左腕で掴むと、そのまま密着してお互いの身動きを封じ込めた。
「何をっ!?」
「【
チハがそう叫ぶと共に、先程切り離された小型端末に光が灯る。備え付けられたスクリーン部、一方には【A】、もう一方には【B】の文字が浮かび上がった2基はそれぞれシールドを取り囲むように浮遊すると、無数の細かな光線がシールドのあちこちへ照射され……
【シールドを素材に武装の制作を
「このっ!!!!!」
それにまだ気づかないゴオは密着してサーベルもライフルも使用させないようにしているシャルドールを何とか引き剥がそうとスラスターを噴かせ振り払おうとするが、一向に離れようとしない。こういう時の為の腹部ビーム砲は潰れ、空いていた筈の左腕も喪失している。
「離れろおおおおおっ!!」
拘束されている右腕に負荷が掛かることをお構いなしに無理矢理動かし、シャルドールを【無作為】に放り投げる。やっと相手が離れたお陰でライフルもサーベルも使うことが出来るようになったが……ふと、シャルドールを投げた先を見る。
「な……何で……!?」
そこには【行動を停止した2基の自立端末】、【体勢を整えたシャルドール・アヤト】
そして、
【つい先程よりも細見となり、その先端から鋭く巨大な杭が覗いているシールドだったもの】
【キルドルブのパイルバンカーの1基】それを左腕に装着したシャルドールがそこには居た。
「これが……私の!!!!!!」
「ぐっ…おおおおおおおおっ!!!」
シャルドールが突撃する。ガフランもそれを迎え撃つ為に突撃する。
先にガフランが、右腕から揺らめくサーベルを抜き放つ。だがシャルドールは止まらない右腕が迫る、金色の炎が、自らを溶断せんと揺らめく光剣が迫る。
「私……
迫るサーベルをほんの僅かに、元々広い可動域を使って【ガイアライガーRSのように】身を捩り、左へ回避する。
「しま―――」
サーベルが空振る。隙だらけの右わき腹にパイルバンカーがそっと添えられる。
「ガンプラ……だああああああああああああああああああああ!!!!!!」
トリガーが引かれ、爆音と同時に
やがて左わき腹からパイルが飛び出し、ガフランの腹部の横を貫通する大穴が出来上がった。ガフランのメインカメラが独特のセンサー音を発しながら、やがてそれも薄れ消えていく。
「………俺の、負けだな」
ゴオはただ一言、そう呟いた。
『Battle Ended』
はち切れんばかりの大歓声が沸き起こった。
力尽きました。明日は投稿できないかもです。
【
CV:こやまきみこ
東東京地区の一角で暮らす24歳の女性。かなりの童顔な上、ある理由で身長が異様に低い。なんと145cmしか身長がなく、童顔も相まってパッと見は子供にしか見えない。ファイター、ビルダー共に高い技術を持っているが、何処でそんな技術を培っているのかは不明。【【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】】というスレッドを立ち上げ、その後なんやかんやあって彩斗商店街の代表ファイターとして世界大会を目指す。
イッチ作を始めとした機体解説の掲載場所(改定)
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イッチが掲示板内で解説(セイ君並感)
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作者が後書きにて解説(次回予告並感)
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作者が活動報告にて解説(説明書並感)
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(そもそもいら)ないです