【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】 作:ダイハイト
以前エンブレムを頂いた【非不未様】より商店街のSNSアカウントロゴ風の画像を頂きました。
【挿絵表示】
いつものことながら、【非不未様】ありがとうございます!!
バトル開始と同時、【YMS-16M ザメル】のファイター【サヤマ・ジュンスケ】は即座に手近の岩陰へと機体を隠した。
「相手のガンプラは恐らく【ガイアガンダム】!ならMA形態の機動性で接近されたらこっちが終わりになる!」
幸いにも今回のバトルフィールド【砂漠】はどちらかと言えば荒野に近い砂漠で、あちこちにザメルでも身を隠せそうな巨大な岩がゴロゴロしている。まずはそれらに身を隠し、いつも通り【680mmカノン砲】及び【8連多弾倉ミサイルランチャー】による制圧射撃を行うべきと判断した。
「3回戦の時みたくいかねえぞ!【ガキィ】!!」
バトル開始時から予測される相手の移動ポイントへ巨大なカノン砲による砲撃とミサイルランチャーによる制圧射撃を開始、重厚な砲撃音と同時に次々とミサイルが発射される。岩が自身の視界すら隠している為、こちらからはレーダーによる着弾確認しか出来ないが、反応を見るに全てのポイントに着弾したことが確認出来た。
―――が、これといってバトルに変化は無い。
(流石にただの予測射撃は駄目か!)
ハッキリ言って盲撃ちでしかない射撃では当たらない。そもそもこのサヤマ・ジュンスケがここまで勝ち上がってきたのは良好な視界を持って相手の射程外から一方的に相手を砲撃することで勝利してきたのだ。そんなファイターが何故こんな非効率な戦い方をするかと言えば、
(前の奴の戦いを見たら下手に姿晒せるかっての!?)
一重に対戦相手が3回戦で行った【所業】が彼を尻込みさせているのだが、それでは勝ち進むなんてことは出来ない。
その時、ザメルのレーダーが漸く反応を捉えた。自分が有するカノン砲の最大射程よりもレーダー範囲が狭い気がするのは
「【後方】だと!?」
レーダーが捉えたのは自身から8時の方向。今の今まで捉えられなかったというのに何故そんな所から急に現れたというのか。
急いで機体を旋回し、相手の位置を把握しようとカメラを向けたのだが……【目を疑った】
―――【全力疾走】
背中に載せるように積まれた大きなユニットのスラスターを全開に、その推進力を余すことなく使えるよう【四肢】を大きく、力強く、がっしりとした爪で地面を蹴り、
(ステージの端から遠回り!?この短時間で!?)
試合開始からまだ3分と経過していない。にも拘らず相手はその短時間の間に筐体7つ分の空間を、ザメルのレーダーに捉えられないよう本当にギリギリのラインを駆け抜けて後ろに回ったのだ。
荒野の側面が強いとはいえ砂漠。もし誤って砂に脚を取られればそのまま場外になっても可笑しくないようなライン。それをブースター全開で全力疾走など常識外れも良い所だった。
(それが可能な程の運動性ということかっ!?!?)
駆け抜けるガイアへ向け即座にミサイルランチャーとカノン砲に【20mmバルカン】。そして片腕にそれぞれ装備した【360mmジャイアント・バズ】を一斉に発射する。あの速さだ、有効射は困難と判断して行動予測に伴う偏差射撃で足を止めることを目的とする。
……だが、当たらない。
放たれたミサイル、ロケット弾頭、大口径砲弾も全てガイアは躱していく。スラスター全開だというのに右に、左に跳んで避け、或いは跳躍、或いは屈めて全てを回避していく。尋常ではない運動性能だ。
「は、速い!?」
「捉えた!」
一方のガイアは大きく半円を描くように進行方向を変え、ザメルを正面に捉えると速度を落とさずにそのまま一気に接近を仕掛ける。
同時に右肩部の【ビームライフル】及び左肩部の【冷凍ビーム砲】を発射。前者はカノン砲を、後者はザメルの脚部を狙う。
ザメルの運動性能で緊急回避など出来る筈も無く、緑の光線はカノン砲を貫いて破壊。放たれたのが冷凍ビームなんて知る由もないそれはザメルの脚部に命中すると瞬く間にホバー機構部を凍り付かせ、機能停止に陥ったザメルはその巨体を砂地に無理矢理降ろされた。
「な、何だこの攻撃はっ!?!?」
表示された警告【脚部氷結により機能停止】【カノン砲破損により使用不能】
後者はともかく前者は聞いたことも無い警告だった。機体が氷結するなぞ、今までファイターをやってきて初めての経験であった。
「ハハハハッ!良い様だぜぇ!!」
ガイアは動けなくなったザメルを横目に一度通り過ぎ、漸くブースターを停止して反転すると、更にビームライフルと冷凍ビーム砲を続けて発射する。放たれたビームはザメルが身を隠していた岩を砕き、冷凍ビームはザメルの背面に続けて命中して機体をドンドン凍らせていく。
ザメルが完全に凍結するのに時間は掛からなかった。
「「良いかぁ!?ここからが本番だぜ!!」「ああ!分かってる!!」」
【何故か1人2役】をしているガイアのパイロットは動けなくなったザメルを見据えると、唐突に自身の首元から眩い光を放ち、そこから【ビーム・チェイン】が発振されると、それがザメルにグルグルと巻きつけられていき、やがて雁字搦めに拘束した。
「「ヒャッハー!それじゃあ!!」「行くよっ!!」」
首元の鎖がしっかり繋がっていることを確認してから、ガイアはゆっくりと【駆け始めた】
最初から大きく地を蹴り、脚を踏み出し、再びスラスターを全開にして疾走を始めた。ザメルの巨体がガクンッ!と大きく傾き、そのまま引き摺られ始めたのだ。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?!?!?!?」
これにはジュンスケも思わず絶叫を上げた。機体は凍らされて動かない、仮に動いたとしてもビームの鎖で縛られていて近接装備の無いザメルでは振り解くことが出来ない。
しかもあろうことかザメルを引き摺っているというのに、なんの変哲もなさそうにガイアは疾走しているのだ。
―――ガイアが駆ける。ザメルが引き摺られる。
その衝撃は巨体のザメルであってもゆっくりと、それも着実に影響を及ぼしていく。各部損傷拡大、ミサイルランチャー脱落、ホバー機構及びスラスター部に異常発生。ただ引き摺られているというだけなのに、ザメルは確実にダメージを負っていく。
「はっはっはぁ!!さしずめ【砂中引き回しの刑】ってか!?中々良いじゃねえか!!」
「ふざけるなぁ!!」
相手の挑発声に叫び返す。だがしかし、ジュンスケにとって幸運なことが起きる。引き摺られている所為でザメルの氷結が少しずつ剥がれていき、あと少しでホバーを再起動できる所まで回復してきていたのだ。
(そうだ!このまま成すすべなくやられる訳には!)
と、思った直後に突然衝撃が襲い掛かる。慌てて確認するとどういう訳か相手はビーム・チェインの拘束を解除し、ザメルから離れて行っているではないか。
何故かは知らないがチャンスだ!今の衝撃で氷結も解除、おまけに上半身も【何故だか】起こされた状態であった為、急いでザメルのシステムを立ち上げ直す。
―――が、そうは問屋が卸さない。
【警告!ロックオン反応!】
「っ!?」
突如として鳴り響いた警告に反応してモニターを見る。
そこには、ザメルから少し離れた場所かつ【目の前】で立ち止まり、こちらを見据えているガイアの姿が居た。
離れもせず、攻撃をする様子もない。一体何をとジュンスケが思った時だった。
ガンッ!ガンッ!ガンッ!ガンッ!
【ガイアの四肢からアンカーが地面に撃ち出される】
ヒュゴゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!
【背負っているユニットに備え付けられたファンが高速回転を始める】
グルルルッ……
【ガイアが低く唸り声を出し、身体を踏ん張るように姿勢をやや低くする】
【頭部の下、その奥にあった砲身に光が収束していき、眩い光を放つ】
【光が放たれた】
【ガイアが踏ん張る】
【ザメルは反応出来ない、動けない】
【モニターが真っ白になる】
その奔流が消えた後に残っていたのは、【脚部を残したザメルだったもの】だった。
『Battle Ended』
バトルが終了する。システムが停止し、アームレイカーを始めとしたコクピットエリアが消失する。周囲は観客達の大歓声に包まれていた。
「「っしゃああああああ!!勝ったぜ【アレルヤ】ああああああ!!!」
「いいから先に相手へお礼するよ【ハレルヤ】!」」
ガイアを操っていたファイター【チハ・ショウジ】は凄く器用に…器用に?劇場版仕様の【アレルヤ・ハプティズム】のコスプレ姿で喜びをかみしめていた。
「いや頭おかしいだろオイ!?」
ジュンスケは敗北の悔しさ以前にそうツッコまざるを得なかった。
スレ民「多重人格は流石に無理やろwwww」
イッチ「「アレルヤアアアッ!!!」「ハレルヤうるさい!」」
スレ民「」
イッチ作を始めとした機体解説の掲載場所(改定)
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イッチが掲示板内で解説(セイ君並感)
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作者が後書きにて解説(次回予告並感)
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作者が活動報告にて解説(説明書並感)
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(そもそもいら)ないです