【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】 作:ダイハイト
明日はサイコロ振ってコメント欄を下から数える地獄が待っております(白目)
「ぐううううっ!!!」
機体全体に走る衝撃を食いしばって耐える。今の爆発は【
「く……こんなフィールドじゃ下手にクイックブーストは!」
「ほらほらどうしたっ!!!」
またしても死角を狙ってくるように【高インパルス砲】【ビームライフル】【ミサイル】が襲い掛かってくる。2連続QBで【キルドルブ・NEXT】の向きを変えて前者2つは回避。ミサイルは右腕の【徹甲攻撃右腕部改MT】の輻射波動で防御する。
「いつまでそんな図体で防御を続けるんだい!?」
それらの攻撃を繰り出してきた主。【MVF-M11C-HM ムラサメ・
【一撃離脱戦法】
3回戦と準々決勝の戦いを見たカオルは、このファイターを相手にまともに戦っても勝てないと判断し、ムラサメが本来から有している機動性、そして自身が改造でラダー、エルロンなどを施し、大幅に向上させた空戦機動時の運動性能。これらを駆使した一撃離脱戦法でのみ唯一の勝ち筋があると判断し、それを実行に移したのだ。
「どうした!?この間のステップはしないのかい!?」
ムラサメが再び仕掛ける。右翼面下部に搭載した小型版のインパルス砲【アグニⅡ】と【72式改ビームライフル イカズチ】を斉射、【66A式空対空ミサイル ハヤテ】もばら撒いて畳みかける。
「ちっ!!」
キルドルブとそのファイター……いつものことながらコスプレ姿のチハ・ショウジ。本日は【ヨナ・バシュタのサイコ・スーツ】姿の彼?*1は舌打ちしつつも一段QBでビームを回避、ミサイルは【75mm8連装バルカン砲】で迎撃する。
彼?とて理由もなく3回戦のような連続QBと高速機動をしない訳ではない。いくらキルドルブがQBとOB*2ができ、ガンプラとしては異次元な機動性と運動性を有しているとしても、【最高速度で飛行を続ける戦闘機】には、とてもではないが追いつくことが出来ない。
接近のタイミングを捉らえようにも相手はこちらに隙が出来ない限り絶対に近づかない上、仮に近づいたとしても戦闘機のトップスピードで接近する相手に近接攻撃を当てるのは難しいと言えるだろう。
―――あと着ている【サイコ・スーツ】が重くてちょっと反応が遅れているのもある。
閑話休題。ともかく、【戦闘機に殴りかかりに行く】という行為は通常のMSでも難しく、キルドルブという遥かに巨体を持つ機体ではいくら瞬発的な加速による機動性と運動性があろうが困難ということだ。
「だったら最大出力で!」
ショウジはアームレイカーを操作してスロットのウェポン4を起動。そして全神経をサイコミュに集中(している真似です。そもそもそんなものはない)させ、声を発する。
「インコム!っ」
上半身背部に搭載された2基のインコムが射出され、コードリールから伸びる有線ケーブルを蛇のように唸らせながらムラサメを追尾し始める。同時にバルカン砲、右腕輻射波動弾を放ってムラサメを墜とそうとする。
「はっ!甘いね!!」
だが、カオルはそれらを屁でもないように叫ぶと機体を急速反転させ、まずはばら撒かれた弾丸と赤色の奔流を回避する。迫るインコムとそこから放たれたビームは機体を進行方向へ向けたまま回転する技術【バレルロール】でビームごと阻むインコムを推し通る。
有線ケーブルに繋がれているインコムでは急激な機動変化に反応出来ず、ムラサメは再びキルドルブへ急接近する。
「これで終わりだよ!!」
「ぐっ!」
ムラサメがアグニⅡを放つ。高出力のインパルスビームが襲い掛かり、それをキルドルブは右腕を咄嗟に構えて輻射波動防壁を展開する。
「うううううっ!!!!」
エネルギー同士が激しくぶつかり合うが、ややアグニの方が優勢だ。遂にはそのエネルギーに耐え切れなくなった。
「うわああああああっ!?!?」
何とかアグニを逸らすことは出来たものの、右腕部を大きく弾かれ、その勢いは機体そのものも弾き飛ばすくらいの勢いであった。
「しめた!その隙頂くよ!!」
ムラサメがビームライフルを放つ。キルドルブは体勢を崩し、防御の要である右腕も投げ出した状態、爆発反応装甲もビームには効果が薄い。
緑の閃光が迫る。真っ直ぐキルドルブの上半身、そのモノアイ目掛けて迫り――――――――【反射した】
「なっ、何で!?!?!?」
突然の現象にカオルも思わず声を上げる。だが、【本当に驚くべきは此処からだった】
【キルドルブの上半身から赤い光が漏れる】
【モノアイ周辺、胸部、肩、腹部、左腕部の装甲が次々とスライドしていく】
【その下に見えるのはガンプラ内部―――に
【それらが赤く鮮やかに、僅かな粒子を発しながら発光しているのだ】
【モノアイはピンクから緑へと変化し、再度大きく輝く】
【サイコ・フレームの展開と発光現象】
それにより一時的にではあるが発生した【Iフィールド】がビームを反射したのだ。
なお、カオルはバトル中のため気が付かなかったが、この時試合の様子を配信していたモニターには全て【NT-D】のシステムメッセージが表示されていた。
「サイコ・フレーム……!?そんなのを仕込んで!?」
突如として変形―――いや【変身】を遂げたキルドルブを前にムラサメは一旦下がることを決意するが、その時視界にあるものが映った。
【無重力の中をダラリと漂う、インコムの有線ケーブル】
「っ!?」
気付いた時には1発の直撃を受け、アグニⅡ諸共右翼が爆散していた。
「くそっ!!」
すぐさま軌道を変えて回避に映る。レーダーが捉えているのは2基の小さな反応。先程のインコムが【有線ケーブルを切り離し】まるで【ファンネル】になったように襲い掛かってきたのだ。
ケーブルに繋がっていた先程までとは大きく異なり、より速く、より応え、より鋭角な動きでムラサメを追いかける。その速さはムラサメに匹敵―――いや凌駕していた。
「まだ終わりじゃないよ!!」
逃げるムラサメは唐突にエンジンを停止、慣性に身を任せて機体を180°回転させてインコムに正面を向けるとライフルとミサイル、そしておまけに機首のバルカン砲を一斉に発射した。
放たれた全てインコムに吸い込まれるように命中し、爆発を上げる―――――が、直後に爆煙の中からインコムが2基とも飛び出してきた。
「そんなっ!?」
カオルは慌てて再度距離を取ろうとするが遅かった。
インコムはビーム発射口を更に大きく開き、その先端を4つに分割する。そうしてムラサメを挟むような位置に取ると、それぞれの爪先から挟み込むように【キャプチャー・フィールド】を発生させた。
「あああああああっ!?!?!?」
捉えられた衝撃で機体が大きく揺れ、カオルは声を上げる。必死に操縦桿を動かすがムラサメは動かない。この状態では変形することも最早不可能だ
「動け!動けムラサメ!!エース・コンバット!!何で動かない!!」
叫んでも、操縦桿を必死に引いても動かない。唯一変化するものがあるとすれば、正面モニターが映し出す視界映像。
【右腕のクローをこちらへ向け、ゆっくりと近づいてくるキルドルブ・NEXT】
「ひぃっ!?」
近づいてきながらゆっくりとクローを開き、その鋭利な銀の5本爪を広げる。結局身動き一つ出来ず、ムラサメはサイコ・キャプチャーに囚われたままキルドルブの右腕に掴まれる。
「…めろ……」
「!?」
通信の声が聞こえる。チハ・ショウジと思われるその声は何故か震えていた。
「止めろ……止めろ……」
「え」
何を言っているかを理解した時、思わずカオルは呟いた。え?何?何で止めろ?何で止めようとしてんの?言ってることとやってること違くない????
それはそうと右腕の輻射波動機構が起動する。赤い波動が迸り、それが収束していく。
「止めろおおおおおおおおおおおおっ!!!!!」
「いやアンタ何言」
ツッコミを入れる間もなくムラサメは爆発四散した。
『Battle Ended』
このあとサイコミュの反動(そんなものはない)でぶっ倒れるまでがワンセットです。
イッチ作を始めとした機体解説の掲載場所(改定)
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イッチが掲示板内で解説(セイ君並感)
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作者が後書きにて解説(次回予告並感)
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作者が活動報告にて解説(説明書並感)
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(そもそもいら)ないです