【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】   作:ダイハイト

50 / 69
今日で初投稿からちょうど一ヵ月なので初投稿です。


休息日 その1

 視界が開けた【宇宙(SPACE)】のバトルフィールド。その中に配置されているコロニー【フロンティア1】の外壁に1体のガンプラが張り付いていた。

 

「…準備は良いか【ジョーニアス】君?」

 

 イギリスの近衛兵をイメージしたような縦長の頭部に赤と黒の塗装、そして両手で構えたロングライフルが最も目を引く機体の【GF13-003NEL―C ジョンブルガンダム改】のファイター【ジョン・チャップル】が静かな声で告げる。

 

『は、はいっ!いつでもどうぞ!!』

 

 その視線の先、構えているライフルの照準はこれまた1体のガンプラを捉えており、そのファイターである【金髪青年】がやや緊張した面持ちで答えた。

 

「では撃つぞ!」

 

 ジョンブルガンダムはロングライフルに付けられてた【コッキングレバー】を引き、薬室内に弾薬を装填すると、照準を再確認してから、

 

「…むん!!」

 

 トリガーを引いた。放たれた高初速の実体弾は寸分狂わず照準の機体へ向かっていき、

 

「い、今だ!」

 

 【その機体が掲げた右腕】と【そこから発した赤い波動壁】によってその勢いを遮られると、その勢いを完全に相殺させられた。

 

「や、やった!!出来ました!!」

「うむ。弱装弾とはいえ見事な【輻射波動防御】だったぞ」

 

 金髪の青年【ジョブス・ジョーニアス】は大喜びし、ジョンは彼の操縦に感嘆する。通常よりも威力と貫通力を弱めた弾丸とはいえ、自身が製作した【ボルトアクション・ロングライフル】を防ぐのは成功と言って良い結果だ。

 

「イッチさんのお陰です!ありがとうございました!」

『そう?私は少し教えた程度だよ?』

 

 ジョブスの後ろ、ガンプラバトルの筐体からほんの少し離れたガンプラ制作スペースに【新世騎兵ロードバーサル】をドンと置き、主にバスター砲の修理を行うチハが肩を竦めながら答えた。

 

『それより次はインコムとQBOBのテスト!ほら!構えた構えた!バトルも初心者なんだから気を抜かないの!』

「あっ!は、はい!!」

 

 そう言われて慌てて操縦に集中するジョブス。彼が見る正面モニターにはジョンブルガンダムではなく、いつの間にか【ナラティブガンダム Fe装備】とそれを操るリターナが映っていた。

 

「それじゃあ行くよ!【NTーD】発動!!」

 

 サイコフレームを更に強く青く輝かせたナラティブのバックパックから2基のアームドアーマー・DEが射出され、ジョブスのガンプラに迫る。

 

 ベースは【RCX-76-02 ガンキャノン最初期型】。右腕はメタリックレッドで塗装された3本爪のクロー【輻射波動甲壱型改MBT】に換装し、左腕は5本指に改修されてその手には【サブマシンガン】と【ボックスタイプビームサーベル】。

 右肩の【3連装バルカン砲】はそのまま、左肩のキャノン砲は砲口をそのままにした【大口径ビームキャノン】に改造。

 両膝にはボビン型の【小型インコム】に左脚の裏には【パイルバンカー】が内蔵され、その他には両肩に中型規模のバーニアを内蔵し、バックパックのスラスターを大型化するなど……

 まるで【キルドルブ・NEXT】の要素を詰め込んだガンプラ。

 

「っ!!インコム!!」

 

 両膝のインコムを射出。迎撃操作をオートに任せると共に迫るアームドアーマーを両肩バーニアによる【単発横クイックブースト】で避け、続いて【オーバードブースト】をチャージ、即座に開放してサブマシンガンとバルカン砲をばら蒔きながら突撃する。

 

「はあああああああああっ!!」

「そうそう!その動き正に【キルドルブ】!!」

 

ナラティブはビームサーベルを引き抜いてこちらも突撃する。ガンキャノン最初期型はOBのまま左脚を構えて蹴りの体勢、その裏にあるパイルバンカーの杭が露出する。

 

「いっけええええええええええ!!」

「やああああああああああああ!!」

 

 2機は宇宙の片隅で激しくぶつかり合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE ジョン・チャップル

 

 ここは世界大会のスタジアムの外に設けられた特設会場。豊富な種類のガンプラ直売所やその場でガンプラを作れる制作ブース、バトル筐体が置かれたバトルブースは勿論のこと、屋台やちょっとした遊園地まであるなど、かなりの大規模で開催されている。すぐ近くには等身大ガンダムとシャアザクまで鎮座しているほどに。

 

 で、ここはその制作ブースとバトル筐体が置かれたエリア。お先にバトルフィールドからガンプラを回収し、イッチの様子を見ようとしたのだが、

 

「やるじゃねえかデザイン兄貴!!!」

「そうそう!そこで横QB(クイブ)!ワンツー!!」

「おいおい!?なんだあのガンキャノンとファイター!?なんつーガンプラ使ってやがる!?」

「2号姉貴も良いぞ~コレ!!」

「右腕のアレは確か…チハ・ショウジが使ってる!?」

「デザインニキあれでガンプラもバトルも初心者とかマジかよ(ドン引き)」

「マジでキルドルブだアレェ!?!?」

 

 

 ……ギャラリーが沸いている、それもかなりの人数が。

 【我々の関係者(スレ民)】だけでも私含め既に20人ほど居るのは把握している。だが辺りを見渡せば明らかに20人を優に越えている観客がいるように思えるぞ!?ここが特設会場の中でも最大規模のブースでなければとっくに溢れている人だかりではないか!?

 

「ま、まったく!人気者は大変ですなショウジさん?」

「止してくださいチャップルさん。結構面倒なんですよ?あとどちらかと言えば今日はデザイン兄貴さんですよ」

 

 すぐそこの机でバスター砲の塗装をし直している…【褐色で金髪の女性】の姿をしたイッチことチハ・ショウジはまたも肩を竦めながら答えた。

 

「…ところで何故【シェリリン・ハイド】の格好なんです?しかも1stシーズンの?」

「え?そりゃあこの格好になれば整備が凄く進むからに決まってるじゃないですか!【コスプレのなりきり】って大切なんですよ!?」

「は、はぁ…」

 

 ショウジさん曰く、【特定キャラに完全になりきることでそのキャラみたいな能力になる!】とのことらしい。つまりはガンプラの整備だから整備士の格好だと捗るらしいとのこと……

 そ、そんなことできるのは世界中探してもチハさんくら

 

「あ、これ最近はリターナさんも出来ますからね?」

「」

 

 ……世界には才能ある若者が多いようだ(白目)

 

「ショウジさーん!持ってきましたよー!!」

「あっ!ありがとでーす!!」

 

 そう思っているとブースの外から1人の青年がプラ材やパテ剤、その上いくつかのガンプラやビルダーズパーツが詰められたダンボールを抱えて入ってきた。

 

「これで大丈夫ですか??」

「ん~……うん!大丈夫!助かりました!ありがとうございます【クロスライド】さん!!」

「いえいえそんな!これくらいお安い御用ですよ!!」

 

 ショウジさんの言葉に嬉しそうになっている濃い茶髪の青年――【左慈・クロスライド】

 我々に親しみのある名で呼ぶならば【応援スレ主兄貴】の彼だが、ショウジさんが今日来るということで意地でも休暇を得たらしい。しかも折角だからと以降の世界大会の全日程分の休みまで確保したそうだ…まさに意地だな。

 

「それじゃあそろそろ始めるから、デザイン兄貴と2号止めてきてくれる?」

「わかりました。止めてきますね」

 

 クロスライド君は尚もバトル…というかテスト?を続けているジョーニアス君とベルさんの下へ。ショウジさんはダンボールの中を再度確認すると、どこからともなく【キルドルブ・NEXT】を取り出して……

 

「って待て!?そう言えば聞いていなかったが何をするつもりだね!?」

「あれ?言ってませんでしたっけ?」

「何を!?」

 

 驚愕する私を横目に今度はGPベースまで取り出した彼女は、

 

「折角皆が来てくれたんですから少しくらい私も頑張らないと!」

 

 そう言ってバトル筐体の方へ行ってしまった……あの、貴女今世界大会中ですよね?(遠い目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び【宇宙(SPACE)】のバトルフィールド。今度は宙域の場所が【フロンティア1】から【サイド7】となった戦場で、4体のガンプラが2機ずつに分かれて相対していた。

 

「それじゃあ準備は良いですか皆さん?」

「良いよ~イッチ!!」

「は、はい!大丈夫です!!」

「僕も勿論大丈夫ですよ!」

 

 まずは片側、シェリリンの姿のままコクピットエリアに立つ【イッチ】ことチハ・ショウジのガンプラである【キルドルブ・NEXT】

 隣には【応援スレ主兄貴】こと左慈・クロスライドのガンプラ。白と青で塗装がされた戦闘機。

【GNR-010/XN GNHW/F ザンライザー GNHW/F】

 

 向かい側には【2号姉貴】ことリターナ・ベルの【ナラティブガンダム Fe装備】

 隣にはバトルもビルドも初心者とは思えない【デザイン兄貴】ことジョブス・ジョーニアスの完成したばかりのガンプラである、

 

「そういえば名前はどうするの?」

「チハさんが良ければですが…【キルドルブ・MILD】にしようかなと」

「採用」

「「「早っ!?」」」

 

 命名【キルドルブ・MILD】……ガンキャノンなのにヒルドルブなの?とかは決して言ってはいけない(戒め)

 

『マジでやるのかい?特にショウジさん?』

 

 外からの通信で【1号兄貴】ことジョン・チャップルが心配そうな顔を向けてくるが、チハはそれを一蹴する、

 

「当ったり前じゃないですか!!その為にプラ材やらパテ剤やら持ってきてもらったんですよ!!!壊れるのが怖くてガンプラバトルが出来ますか!?」

『いや君今現在大会参加中の身だからね!?キルドルブも大会参加機体なんだからね!?』

 

 至極当然なツッコミをされたチハだが彼女はそのまま黙って通信を切断。再びこの場に居る3人へ向けて口を開いた。

 

「それじゃあ事前の通りにこの組み合わせの2対2ね!リターナもジョブスさんも手加減無しで掛かって来てくださいね!!」

「勿っ論!!」

「そもそも初心者の僕に手加減もなにもありませんよ…!」

 

 ナラティブはザンライザーにビームマグナムを、キルドルブ・MILDは右腕をキルドルブ・NEXTへ向けて構える。まさに宣戦布告の構えだ。

 

「良い覚悟です!クロスライドさん!支援お願いしますね!」

「はい!支援機の名に恥じない支援をして見せますよ!!」

 

 ザンライザーは自機の各部に搭載していた増加装備【GNファング】を切り離し、いつでも行けますといった感じだ。

 

「いよ~し!それじゃあ始めますか!!」

 

 キルドルブ・NEXTも右腕をキルドルブ・MILDへ向けて構える。同じ系統の武装を互いに構える構図。これには筐体の周囲に居る20数名のギャラリーも大盛り上がりだ。

 

「いけーイッチ!!本物見せてやれ!!」

「相手初心者だぞ加減しろ馬鹿!?」

「2号ネキも頑張れよ!」

「応援ニキの戦闘機動!私気になります!!」

「あのクロー持ってるガンプラなんだ?」

「オリジナルVSリスペクトいいゾ~コレ!!!」

「お前ギアス知らないんか!?よっしワイが教えたるで!」

「俺も!」

「皆良いバトルを期待してるぞ!!!」

「俺も俺も!!」

「お前等試合見ろよ!?」

「お、俺にもできれば教えてくれ…ガンダムでも見たこと無いから分からなくて」

「「「任せろ!!!!」」」

 

 どうにも別方面で盛り上がっている連中も居るが、それでも集まった人達はこれから始まるバトルに胸を躍らせていた。

 

「さあ行くよ!チハ・ショウジ!【キルドルブ・NEXT】!!」

「挑ませて頂きます!ジョブス・ジョーニアス!【キルドルブ・MILD】!!」

「この前みたく勝ってやるんだから!リターナ・ベル!【ナラティブガンダム Fe装備】!!」

「新顔ですが思い切りいきます!左慈・クロスライド!【ザンライザー GNHW/(ファング)】!!」

 

Battle Start(戦闘開始!)

 

「「「「行きます!!!!!」」」」

 

 小さな会場に大きな歓声が沸き立ち、仲間(スレ民)達のちょっとしたお祭りが始まった。




疲れたのでバトル内容は皆さんの想像にお任せします(丸投げ)


【簡単1行ガンプラ設定解説】

・【ナラティブガンダム Fe装備(リターナ・ベル/2号姉貴)】
ナラティブC装備にビームマグナムとアームドアーマー・DEくっ付けた。おま鳥可能。

・【ジョンブルガンダム改(ジョン・チャプル/1号兄貴)】
ほぼベース機と同じ。主武装がボルトアクション式実弾ライフルに。ライフリング&レバー完備

・【ザンライザー GNHW/F(左慈・クロスライド/応援スレ主兄貴)】
オーライザーにザンユニットとてんこ盛りファングを搭載。突撃して斬る&行けよぉ!ファング!

・【キルドルブ・MILD(ジョブス・ジョーニアス/デザイン兄貴)】
MILDなキルドルブ(マイルドとは言っていない)尚ファイターはバトル初心者

・【キルドルブ・NEXT(チハ・ショウジ/イッチ)】
世界大会編初登場がまさかのこれである。

イッチ作を始めとした機体解説の掲載場所(改定)

  • イッチが掲示板内で解説(セイ君並感)
  • 作者が後書きにて解説(次回予告並感)
  • 作者が活動報告にて解説(説明書並感)
  • (そもそもいら)ないです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。