【安価】安価の機体でガンプラバトル大会に参加する【安価】 作:ダイハイト
SIDE ティファナ・アディ
世界大会本戦、全8ピリオドからなる予選の節目となる第4ピリオドの内容は【ライフル・シューティング】。運営から支給された5発装填のライフルを使い、正面に設置された5個のターゲットがある的に何発当てられるかを競う競技だ。
『第4ピリオドの5ブロックが終了!!パーフェクト達成はこのブロックでは3組!!日本代表のイオリ・セイとレイジ!オランダ代表アルトナウ・ハウンド!そして同じく日本代表のチハ・ショウジとリターナ・ベルだ!!』
「「「「おお~!!」」」」
制作エリアに居た人達が揃って拍手を上げる。当然私だって拍手をする。
内容自体はそれほど難しい訳では無いが、一発勝負という極限状態の中では些細な事でもミスに繋がる。そんな中彼女達は見事にそれを乗り越えてクリアしたのだ。
「やりましたね店長さん!」
「あの2人今のとこ全勝ですよ!!」
「のこり半分のバトルも頑張ってほしいですね!!」
「でもキルドルブで出てきた時はどうなることかと」
「「「それな」」」
「中の人のコスも凄く不安だったし」
「「「わかる」」」
……仕方ないね(レ)
競技開始直前、今大会何度目か分からない観客達のざわめきが中継でも分かったし、ここの人達だって驚いてた。まさかこんな試合に色んな意味で有名な【キルドルブ・NEXT】を引っ張り出してくるとは皆思わなかったのだろう。
因みに余談だが、キルドルブは無論ZUIUNは無しで、右腕の徹甲砲撃右腕部改MTを一時的に外し、その代わりに紫色に塗装された、恐らく【陸戦型ジム】の腕を付けてライフルを両手で構えられるようにしていた。
………
なお、中の人はファイターが【ルナマリア・ホーク】、オペレーターが【メイリン・ホーク】だった……が、【何故か野球のユニフォーム】を着てた。しかもしっかりメットまで被った状態で。もう二重三重の意味でここにいた観客は冷や冷やしたよ(汗)
ともあれ、全弾命中のパーフェクトで何よりだった……リターナちゃんが照準したんだろうなぁ(遠い目)
「おし!ショウジさんの試合も終わったし俺達もバトルやろうぜ!!」
「「「応!!!」」」
「あ!こら君たち!!」
そう言って一緒に試合を見ていたお客さん達はバトルエリアに走っていた。危ないから走らないでね!!
「まったく……もう」
私も制作エリアを出てレジがある場所へ戻る。今日は平日なのでお客さんはそこそこ、それでも店の改装前、チハちゃんが商店街に来る前と比べたら雲泥の差はあるけどね!!
「……何の機体だ??」
「だ、【ダンボール戦機】??」
「見たこと無いよね?SDガンダムやハロみたいにカッコ可愛いけど」
棚の前では3人組の少年少女があるもの―――というか【LBX デクー】を見て唸っていた。お店にガンプラ以外のキットも置くようになってからああいう光景もよく見るようになった……というか昨今の子供達ってダンボール戦機も知らないんだね。同じBA〇DAIキットなのに…(´;ω;`)
「お困りかな?名も知らぬ少年少女達よ?」
「「「!?」」」
「分からないというのならこの【LBXマスター】である私が是非とも教えてあげよう!!」
「「ホントッ!?お兄さんっ!!」」
「(無言で防犯ブザーを手に取る)」
…そんな人達にはああいう感じに何処からともなく現れる解説の人が出てくるのも今や珍しくなくなった。「何だコレ?」「なんの機体だ?」と呟こうものなら制作エリアかバトルエリアの有志が颯爽と現れて解説、そのまま布教するというのが最近の家の流行?だ。
「良いとも!私のこの再現ガンプラ!!【Zプラス オーディン】に勝ったら教えてあげよう!!」
「分かった!この僕のガンプラ!【ガンダム・ハイピクシー】で勝負だ!!」
「……エ、待って。なにその完成度。待って、待って」
「僕もだよお兄さん!【スレイヴ・ファントム】とバトル!!」
「待って、お兄さん実はまだガンプラは初心者」
「…ん(無言で【ガンキャノン重装型タイプDe】を取り出す)」
「/(^o^)\」
………あのLBXマスター(自称)の青年って確か2週間前に初めてガンプラに触れたお客さんじゃなかったっけ?チハちゃんを見て再現機体でガンプラバトルしたいって言って、その時お店に居たビルダーにガンプラ制作や改造のいろはを教えて貰ったばかりだというのに……ムチャシヤガッテ(合掌)
とまあ、最近は【作品の再現機を作りたいガンダム初心者】と【ガンダムしか知らないビルダー熟練者】が店内でお互い教え合うような光景が目立ってきている。ほら、バトルエリアで丁度戦っているあの子達みたいに。
「折角【Oガンダム】ベースなんだから飛ばないと攻撃避けられないですよ?」
「うむむ……せめてモビーディックアンカーが再現出来れば!」
「何ですそれ?というか太陽炉搭載なんだからトランザム使いましょうよ」
「太陽炉…?トランザム…?何だねそれは」
「何でOガンダム選んだんだよおっさん!?」
「語呂が似てたので適当に」
「そんなのガンプラで再現出来る訳ねぇっつてんだろ!?」
「え?出来ないのか!?」
「イメージ渡されても困るわ!!なんだよこの紫ダンゴムシみたいなの!?」
「お!【ニロケラス】知っているのかい!?なら話は早い!!」
「知らねぇよ!?ああもう!兎に角詳しい話聞かせろ!話はそっからだ!!」
「良いだろう!【アルドノア・ゼロ】について色々こちらもお教えしよう!」
「新幹線がロボ……ほうほう!?」
「ガンダムには無いですよね?列車が変形するなんて」
「列車はないなぁ……風車なガンダムならありますけど」
「え゛?風車?」
「【機動武闘伝 Gガンダム】です。良ければお教えしましょうか?」
「是非」
「俺は【機動戦士ガンダムSEED DESTINY】をアンタに教える」
「私は【蒼穹のファフナー】を君に教える」
「……」
「……」
「「ヨシッ!!」」
あんな感じだ。ガンダム以外を知る者はそれを広め、ガンダムを知る者はその知識を教える。この数日でガンプラを作る者とバトルに勤しむ者の人数が増えたのこういう交流が増えたからだろう。
「まったく。チハちゃん様様ね」
彼女達の宣伝効果は予想以上だと代表のマツムラさんも仰っていた。休日になれば商店街にはそれなりに多くの人が訪れ、私の店に来たり他の店に来たりと……噂ではコスプレ衣装を扱う専門店が近々この商店街にオープンするそうで、久々に外部から新規の店が開くとちょっとした盛り上がりになってる……それがコス専門店というのもちょっとおかしな話だが。
「すいませーん!会計お願いしまーす!」
「「「おねがいしまーす!!!」」」
声が掛かり、振り返れば先程の青年と少年少女達がレジの前に。青年の手には【HGUC イフリート・シュナイド】が、少年少女の手には【LBX アキレス】【LBXハンター】【LBX クノイチ】が抱えられていた。
「完成度がまだ不足してるからトランザムは止めておけよおっさん。」
「了解した。【ビッグオー・ガンダム】!!
「お約束乙……ってうおおおおおっ!?その剛腕やめろおおおおおおおっ!?!?」
「うん。二ロケラスは無理!そんなん世界有数のビルダーでも無理だわ」
「(´・ω・`)」
「いやでも、この【ヘラス】ってやつと【アルギュラ】なら再現出来るかも…」
「ホントか少年っ!?」
「た…多分。PS装甲とかで再現出来ればワンチャン…」
「ガンダムにもそんなスパロボ染みたのあるんですね」
「スパロボか…そっちは全然知らなくてだな」
「でしたらお教えしましょうか」
「良いんですか?」
「教えてくれたお礼ですよ。取り合えず【新世紀ヱヴァンゲリヲン】あたりを」
「ほうほう!?」
「我々は貴方という固体からファフナーの知識を手に入れた」
「アニメのデスティニーってそんな扱いだったのか……(困惑)」
「……」
「……」
「「ヨシッ!マーク・デスティニー作ってみるか!!」」
―――ガンプラバトルが普及して幾年。この店の中の雰囲気を見れば、その規模はまだまだ大きくなる可能性を見せている。今後何処まで広まるのか、これがあくまでこの店の中だけの現象なのか、それはまだ分からない。
「はいはーい!お買い上げありがとうございまーす!!」
けど多分、この現象の切っ掛けであろうチハちゃんが世界の舞台で戦い続ける限り、きっとこの波は世界に広まっていくと思う。商店街の活性化や発展だけじゃない、そんな想いも背負いながら。
そう思いながら、【私達】はチハちゃん達を応援するのだ。
「ところで店長さん?チハ・ショウジさんが毎回凄いクオリティのコスプレをしてる秘密って知ってませんか?」
「い、いや~!!全っ然分からないね!!あはははは!!全くチハちゃんには困ったものだよ~!この商店街の代表なのに毎度毎度変な恰好してさ~!あははははは!」
「「「(絶対何か知ってるなこの人…)」」」
寿屋・ハセガワ「やりますねぇ!!!」
BA〇DAI「|д゚)チラッ」
アオシマ「艦船もアイシテ?」
PPSE「何だか知らんが儲かればヨシッ!!」
イッチ「(他意は)ないです」
2号姉貴「照準は私がやりました」
イッチ作を始めとした機体解説の掲載場所(改定)
-
イッチが掲示板内で解説(セイ君並感)
-
作者が後書きにて解説(次回予告並感)
-
作者が活動報告にて解説(説明書並感)
-
(そもそもいら)ないです