ちょっとした原作リスペクトがあります。
そのため、実際のデュエルでは起こらない処理が入ります。
また今回に限り、オリカが登場します。
ご了承ください。
アダムが今際の際に残した言葉を、その意味を噛みしめていた。
磁石の異なる極が引かれ合うように、あるいは導かれるように、ふたりは出会った。
漆黒の髪に、
「みんな死んでしまった。未来も、マリアさんも、翼さんも奏さんも調ちゃんも切歌ちゃんも……遊蓮くんも。みんな、みんな死んでしまった」
「なにを……言っている? ここに来たのは3人だ。それに俺はここにいる。ここにいるぞ!」
「構えろ。おまえが最後の生贄だ」
――クッ、やるしかないのか。
『デュエルッ!』
「俺のターン、ドロー。手札の《雷電龍-サンダー・ドラゴン》を捨てて、デッキから《雷電龍-サンダー・ドラゴン》を手札に加える。続けて魔法カード《闇の誘惑》を発動。2枚ドローし、《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》を除外する。そして除外された雷獣龍の効果で、デッキから《雷源龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚。雷源龍をリリースして、エクストラデッキから《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を攻撃表示で特殊召喚」
《超雷龍-サンダー・ドラゴン》
星8/闇属性/雷族/攻2600/守2400
「サンダー・ドラゴン」+雷族モンスター
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●雷族モンスターの効果が手札で発動したターン、
融合モンスター以外の自分フィールドの雷族の効果モンスター1体をリリースした場合に
EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
相手はドロー以外の方法でデッキからカードを手札に加える事ができない。
(2):このカードが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりに自分の墓地の雷族モンスター1体を除外できる。
「フィールドから墓地に送られたことで雷源龍の効果発動。デッキから同名カードを手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンド」
音羽遊蓮 LP4000 手札5 モンスター1 伏せ2
――――――――――――
「私のターン、ドロー。サーチを封じる効果か、小賢しい。悪魔族専用融合カード《ダーク・フュージョン》を発動。手札の《E-HERO ヘルゲイナー》と《E-HERO シニスター・ネクロム》をダークフュージョン。出でよ、破滅を求めし英雄《E-HERO マリシャス・ベイン》!」
《
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000
「E-HERO」モンスター+レベル5以上のモンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードは戦闘・効果では破壊されない。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊し、
このカードの攻撃力は破壊したモンスターの数×200アップする。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「HERO」モンスターでしか攻撃宣言できない。
「マリシャス・ベインの効果発動。《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を破壊する」
「墓地の《雷源龍-サンダー・ドラゴン》を除外することで破壊を無効にする。そして雷源龍が除外されたことで効果発動。同名カードを手札に加える」
「魔法カード《フォース》を発動。超雷龍の攻撃力を半分にし、マリシャス・ベインの攻撃力をその数値分アップする」
《超雷龍-サンダー・ドラゴン》 攻撃力 2600 → 1300
《E-HERO マリシャス・ベイン》 攻撃力 3000 → 4300
「墓地のシニスター・ネクロムの効果発動。このカードを除外して、デッキから《E-HERO マリシャス・エッジ》を攻撃表示で特殊召喚。バトル。マリシャス・ベインで超雷龍を攻撃。ベイン・ストームッ!」
ダーク・フュージョンで融合召喚されたマリシャス・ベインは、このターン対象には取れない。ならば――。
「リバースカードオープン《聖なるバリア-ミラー・フォース-》」
「マリシャス・ベインは戦闘・効果では破壊されない」
「だがマリシャス・エッジには退場してもらう。そして墓地の雷電龍を除外して超雷龍の破壊を無効にする」
「しかしダメージは受けてもらう」
音羽遊蓮 LP4000 → 1000
「――ガハッ!」
な、なんだこの痛みは……まるで魂が削られるような、痛み。しくじったな、守備表示で出しておくべきだった。
「……じょ、除外された雷電龍の効果発動。デッキから《
「モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド。フォースの効果で増減した攻撃力は元に戻る」
覇王ヒビキ LP4000 手札0 モンスター2 伏せ1
音羽遊蓮 LP1000 手札7 モンスター1 伏せ1
――――――――――――
「俺のターン、ドロー」
「ドローフェイズに《砂漠の光》を発動。自分フィールド上に存在するモンスターを全て表側守備表示にする。セットしたモンスターは《メタモルポット》だ」
「――んなっ!? くっ、手札の雷源龍を捨てて、超雷龍の攻撃力を500アップする。更にリバースカードオープン《因果切断》。手札を1枚捨てて、マリシャス・ベインを除外する」
《超雷龍-サンダー・ドラゴン》 攻撃力 2600 → 3100
「――私は5枚ドロー」
「手札を全て捨てて、5枚ドローする」
やはりライフは『命』なのか? 負ければ……勝てば……。
「――クッ、響! 正気に戻れ! 戻ってこい、響! 心の闇に囚われるな!」
「愚かな。力こそすべてだ。この世界を改変するためには、心の闇こそが必要。勝利して支配する。それこそがたったひとつの真実」
駄目なのか……いや、ライフを削れば、覇王の殻を砕けば、声が届くかもしれない。
「手札の《サンダー・ドラゴン》を捨てて、デッキから《サンダー・ドラゴン》2枚を手札に加える。そしてフィールドの《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と手札の《サンダー・ドラゴン》を除外して、エクストラデッキから《雷神龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚」
《雷神龍-サンダー・ドラゴン》
星10/光属性/雷族/攻3200/守3200
「サンダー・ドラゴン」モンスター×3
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●手札の雷族モンスター1体と、「雷神龍-サンダー・ドラゴン」以外の
自分フィールドの雷族の融合モンスター1体を
除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):雷族モンスターの効果が手札で発動した時に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。
フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが効果で破壊される場合、
代わりに自分の墓地のカード2枚を除外できる。
「手札の《雷鳥龍-サンダー・ドラゴン》を捨てて、除外されている《雷獣龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚。雷神龍の効果でメタモルポットを破壊」
次元の穴より雷獣龍が出現し、雷神龍の放った轟雷によってメタモルポットが砕け散る。
「バトル。雷獣龍でダイレクトアタック!」
覇王ヒビキ LP4000 → 1600
「――ククッ、この痛みが糧となる。聞こえるぞ、世界の声がッ! 新たな世界が、生まれたがっているッ!」
「もうやめろ! こんなものがデュエルであるものか! おまえは言ってたじゃないか、デュエルは楽しいものだって! おまえが教えてくれたんだ、響ッ!」
「わめくな。おまえが何度攻撃してこようが、私が勝つ。何故なら私は覇王だからだ。手札の《冥府の使者ゴーズ》を守備表示で特殊召喚」
《冥府の使者ゴーズ》
星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500
自分フィールド上にカードが存在しない場合、
相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。
●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」
(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。
このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。
●カードの効果によるダメージの場合、
受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。
「そして受けた戦闘ダメージ分、すなわち攻守2400の冥府の使者カイエントークンを守備表示で特殊召喚」
「くっ、雷神龍でゴーズを攻撃。そしてカードを2枚伏せてターンエンドだ」
音羽遊蓮 LP1000 手札2 モンスター2 伏せ2
覇王ヒビキ LP1600 手札4 モンスター1 伏せ0
――――――――――――
「私のターン、ドロー。《E・EHRO ワイルドマン》を召喚。なにかあるか?」
「いや、なにもない」
「そうか。ならば勝負は決した。手札を1枚捨てて、見せてやろう! 心の闇が作り出した、最強の力の象徴! 絶対無敵! 究極の力を解き放て! 発動せよ! 《超融合》!!」
天が蠢く。世界中の不吉を内包したような、悪魔の呼び声が響き渡る。
「このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。完全なる勝利を導く絶対的な力。その力の前には、あらゆるものは無力! 私のフィールドにいる《E・EHRO ワイルドマン》とおまえのフィールドにいる《雷神龍-サンダー・ドラゴン》を融合。現れろ《E・HERO The シャイニング》!!」
《E・HERO The シャイニング》
星8/光属性/戦士族/攻2600/守2100
「E・HERO」と名のついたモンスター+光属性モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
このカードの攻撃力は、ゲームから除外されている
自分の「E・HERO」と名のついたモンスターの数×300ポイントアップする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
ゲームから除外されている自分の「E・HERO」と名のついた
モンスターを2体まで選択し、手札に加える事ができる。
暗雲の中から1体の英雄が姿を現す。それは異様な光景だった。シャイニングの全身は黒く塗り潰され、強烈な光輝を発することもない。まるで闇を体現したような姿だった。その漆黒の双眸が、響の眼を悲し気に見つめていた。
「――何故、こちらを見る? おまえはただの
「響! 思い出せ! 思い出してくれ……おまえが『HERO』を選んだ理由を。おまえが見ている未来は何だ! そこには俺も未来もいないのか!」
「…………未来……
一瞬呆けたあと、響は自らの言葉を投げ捨てるようにかぶりを振った。まだ、足りないのか。
「――くだらぬッ! もはや貴様など必要ないッ! 《無情の決断》を発動。これで終わりだ、諸共に消え去れッ!!」
《
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1):自分フィールド上に表側表示で存在する「HERO」モンスター1体をリリースして発動する。
リリースしたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「――クッ! リバースカードオープン《精霊の鏡》!」
「なにッ! そのカードはッ!」
《精霊の鏡》
通常罠
プレイヤー1人を対象とする魔法の効果を別のプレイヤーに移し替える。
シャイニングが破壊のエネルギーへと変じて天へと昇る。それは審判を下す精霊の持つ鏡へと吸い込まれた。
「……負ける? この私が、負けるのか?」
ふたりの距離は大したものではない。だが、今はそれが途轍もなく遠く感じる。駆け寄ることも、ましてや抱きしめることもできない。
だから、声を届かせるしかない。魂の奥底に眠る、本当の響に伝わるまで。
「響、覚えているか? 俺たちが初めて出会った日のことを。俺は世の中を斜めに見て、随分と冷めた子供だっただろう。そんな俺に、おまえは言ったんだ。友達になろうって、友達になるのに理由はいらないって」
「…………」
「俺にはずっと違和感があった。この世界で、俺だけが異物ではないかという思いが、ずっとあったんだ。響、おまえは俺がひとりぼっちじゃないってことを、そして勇気を教えてくれた、大切な親友だ」
「……ゆう……れん……く……」
「響、俺はおまえが…………大好きだ」
「……う……あ……」
デュエルディスクからアラームが聞こえる。タイムアップが近い。対象を選択しなければならない。
俺が勝てば、覇王だけが消えるのだろうか? 覇王と響は同化しているのだろうか?
……やはり確信が持てない。なら――。
「精霊よ、対象は俺だ。俺を攻撃しろッ!」
「……ああ、ああぁ、ダメだよッ! いやだッ! こんなのはいやだッ!! 望んでないッ! わたしはこんなこと、望んでないッ! サレンダーッ! なんで出来ないのッ!!」
天より光が降り注ぐ。
響、もう泣くな。おまえはもう、大丈夫だ。
――――おまえに出会えてよかった。
音羽遊蓮 LP1000 → 0