シンフォギア世界とデュエルモンスターズ   作:乾燥海藻類

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天羽奏とデュエルする話

あのデュエルのあと、微妙な空気を醸しながら、それでもドキドキワクワクしながらふたりでスペシャルパックを開封した。

スペシャルパックとは特別な場所、特別な大会でしか入手できないパックで、中身は5枚入り、その全てが【Cランク】以上という、文字通りスペシャルなパックだ。内容は統一性があり、人によっては大ハズレということもあるが、それでもレアカードだ。一財産にはなる。

そしてパックの中身は以下の通り。

 

《E・HERO エアーマン》

《E・HERO オーシャン》

《E・HERO フォレストマン》

《ミラクル・フュージョン》

《E・HERO Great TORNADO》

 

これが運命力か……。

響は苦虫を嚙み潰したような、いや苦虫を100匹くらい押し込まれたような表情で、それでも祝福の言葉を口にしてくれた。だがこれはさすがに……なぁ。

「やるよ、響。ちょっと早いけど、誕生日プレゼントだ」

「ええッ!? さすがに貰えないよ。こんなレアカード」

響はブンブンと首を振って遠慮した。だがにやけた顔でそんなこと言っても説得力ないぞ。

「男に二言はない。俺がしまっておくよりは、響に使ってもらったほうがカードも喜ぶだろう。あれだよ、こいつらがおまえのところに行きたがってる……ってやつだ」

 

 

 

 

 

その日もいつも通りに帰路を歩いていた。違うことといえば、家の前に見慣れぬ黒い車が停まっていたことだ。

「待ってたぜ、音羽遊蓮」

車から現れたのは赤い髪のサングラスをかけた女性だった。

「あたしを覚えているか?」

サングラスを外しながら、天羽奏はこちらに問う。

「もちろんですよ。ツヴァイウィングの天羽奏さん」

「なら話は早い。ちょいとつきあってもらうぜ。リベンジマッチってやつさ」

そう言って天羽奏……奏さんはハンドサインで車に乗れと指示してきた。よっぽど前回の負けが納得できないらしい。ここでごねても面倒だろう。俺はおとなしく車に乗り込んだ。

「悪いがこいつをつけてもらうぜ」

言われるがままにアイマスクとヘッドフォンを装着する。ヘッドフォンからはツヴァイウィングの曲が流れていた。

……新手の洗脳かな?

7曲目の中盤辺りで手を取られた。されるがままに車を降りる。しばらく歩いて、立ち止まる。一拍の間があって、地面が急速に落ちていくのを感じた。これはエレベーターか。それからまたしばらく歩いたあたりで、ようやくヘッドフォンを外された。

「悪いな、つれまわして。ここがゴールだ」

アイマスクも外される。俺が立っていたのはデュエルフィールドだった。

「はいはーい。初めまして、音羽遊蓮くん。私の名前は櫻井了子。人呼んでデキるオ・ン・ナの櫻井了子よ。よろしくネ」

「えー、はい。よろしくお願いします」

軽薄そうな口調だが、その視線はこちらを値踏みするようでもあった。

「早速だけどお願いがあるの。奏ちゃんとデュエルするときに、これをつけてもらいたいのよ」

黒服の男性が医療用ワゴンを押して入ってきた。その上にはバンドのようなものが置かれていた。

「お願いできる?」

白衣の女性、櫻井さんは鼻先が触れてしまうほどの距離まで詰め寄ってきた。反射的に一歩後退してしまう。

「危険はないんでしょうね?」

「大丈夫よ、ちょーっとデータを取るだけだから」

それを了承の言葉と受け取ったのだろう。手慣れた様子でバンドを装着していく。見た目はやや大きめのリストバンドだ。

「はいOK。奏ちゃん、あとはよろしく~」

そう言って櫻井さんと黒服の男性は出て行った。嵐のような女性だったな。

「悪いな、見ての通りの自由人なんだ」

「さっきから謝ってばかりですね」

「まあ、いろいろあるんだよ、こっちにもな。さて、じゃあ始めるか」

「ええ、安心してください。今日は普通のデッキですから」

「そうかい、そりゃあ安心だ」

奏さんはクスリと笑う。だがそれもすぐに霧散して真剣な表情となった。

 

『デュエルッ!』

 

「あたしの先攻だな。ドローッ! あたしは《激昂のミノタウルス》を召喚ッ!」

 

《激昂のミノタウルス》

星4/地属性/獣戦士族/攻1700/守1000

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドッ!」

 

天羽奏 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

立ち上がりは前回と同じか。なら伏せカードはやはり《幻獣の角》かな?

 

「俺のターン、ドロー。俺はモンスターをセット、カードを3枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP4000 手札2 モンスター1 伏せ3

天羽奏  LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「随分とおとなしいじゃねぇか。あたしのターン、ドローッ! 《ジェネティック・ワーウルフ》を召喚」

 

《ジェネティック・ワーウルフ》

星4/地属性/獣戦士族/攻2000/守 100

遺伝子操作により強化された人狼。

本来の優しき心は完全に破壊され、

闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。

その破壊力は計り知れない。

 

「そのままバトルだ。ジェネティック・ワーウルフで攻撃。激昂のミノタウルスの効果を受けて貫通効果を得る。いけ、ラッシュ・クローッ!」

 

奏さんの攻撃宣言を受けて、伏せモンスター《ボマー・ドラゴン》が姿を現す。

 

「守備力0か、ならダメージステップに《幻獣の角》を発動。ジェネティック・ワーフルフに装備」

 

やはり幻獣の角か。戦闘後に破壊されるが、ダメージとドローを優先したのか?

 

《ボマー・ドラゴン》

星3/地属性/ドラゴン族/攻1000/守 0

(1):このカードの攻撃で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる。

(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。

このカードを破壊したモンスターを破壊する。

 

ボマー・ドラゴンが墓地に送られたことで効果が発動。ジェネティック・ワーフルフが破壊される。

 

「だがボマー・ドラゴンを破壊して墓地に送ったことで、幻獣の角の効果が発動。カードを1枚ドローするぜ。続けて激昂のミノタウルスでダイレクトアタックだッ!」

 

「リバースカードオープン。《ドレインシールド》を発動。その攻撃を無効にして、攻撃モンスターの攻撃力分だけライフを回復する」

 

音羽遊蓮 LP4000 → 1200 → 2900

 

「まあまあってところか。あたしはカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

天羽奏  LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

音羽遊蓮 LP2900 手札2 モンスター0 伏せ2

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。魔法カード《予想GUY》を発動し、デッキから《サファイアドラゴン》を特殊召喚」

 

《サファイアドラゴン》

星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1600

全身がサファイアに覆われた、非常に美しい姿をしたドラゴン。

争いは好まないが、とても高い攻撃力を備えている。

 

「さらに《アサルトワイバーン》を通常召喚」

 

《アサルトワイバーン》

星4/光属性/ドラゴン族/攻1800/守1000

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、

このカードをリリースして発動できる。

自分の手札・墓地から「アサルトワイバーン」以外の

ドラゴン族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

「バトル。アサルトワイバーンで激昂のミノタウルスを攻撃」

 

「リバースカードオープン。《炸裂装甲(リアクティブアーマー)》を発動するぜ」

 

「こちらもリバースカードオープン《強化蘇生》。今破壊されたアサルトワイバーンを攻撃表示で特殊召喚。さらにレベルが1上がり、攻守が100アップ。激昂のミノタウルスを攻撃」

 

「なら虎の子の1枚も発動するぜ、《次元幽閉》」

 

突如発生した黒い裂け目にアサルトワイバーンが吸い込まれていく。

 

「なら、サファイアドラゴンで激昂のミノタウルスに攻撃」

 

天羽奏 LP4000 → 3800

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP2900 手札0 モンスター1 伏せ2

天羽奏  LP3800 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「あたしのターン、ドローッ! あたしは《レスキューラビット》を召喚し、効果発動。このカードを除外して、デッキからジェネティック・ワーウルフ2体を特殊召喚」

 

む、レベル4が2体、来るか?

 

「永続魔法《一族の結束》を発動。攻撃力が800アップッ!」

 

ジェネティック・ワーウルフ 攻撃力 2000 → 2800

ジェネティック・ワーウルフ 攻撃力 2000 → 2800

 

「バトルだッ! ジェネティック・ワーウルフでサファイアドラゴンを攻撃。ラッシュ・クローッ!」

 

先に攻撃してきたか。まあ、攻撃力は十分だが。

 

「リバースカードオープン。《神風のバリア -エア・フォース-》を発動。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主の手札に戻す」

 

神風に吹き飛ばされ、2体のジェネティック・ワーウルフが奏さんの手札に戻る。

 

「――クッ! あたしはカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

天羽奏  LP3800 手札3 モンスター0 伏せ1

音羽遊蓮 LP2900 手札0 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《アボイド・ドラゴン》を召喚」

 

《アボイド・ドラゴン》

星4/風属性/ドラゴン族/攻1900/守1200

このカードの召喚は無効化されない。

このカードが召喚に成功したターン、相手はカウンター罠カードを発動できない。

 

「バトル。アボイド・ドラゴンでダイレクトアタック」

 

「リバースカードオープン《スケープ・ゴート》。自分フィールドに「羊トークン」(獣族・地・星1・攻/守0)4体を守備表示で特殊召喚する」

 

「なら俺もリバースカードオープン。《竜の逆鱗》を発動」

 

《竜の逆鱗》

永続罠

(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、

自分フィールドのドラゴン族モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、

その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。

 

「んなッ!? 貫通効果だとッ!」

 

「アボイド・ドラゴンで羊トークンを攻撃。続けてサファイアドラゴンで羊トークンを攻撃」

 

天羽奏  LP3800 → 1900 → 0

 

デュエルディスクから無情のブザーが鳴り響く。奏さんは悔しそうではあったが、あの時のようなしかめっ面ではなく、むしろ納得したような表情だった。

 

 

 

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