シンフォギア世界とデュエルモンスターズ   作:乾燥海藻類

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スピードの向こう側

スタンドは満員御礼。午前中に行われたライブの熱は全く冷めていない。

現在俺は関係者席、というかピットにいる。テーブル上の右モニターには翼さんが、左モニターには奏さんが映っていた。

振り返ればよく分からない機材がところ狭しと並び、了子さんがスタッフたちに指示を出している。

俺はただのゲストなので仕事はない。だが若干の申し訳なさみたいなのはあるかな。

 

『皆さま、大変長らくお待たせいたしました。これより本日のメーンイベント、ツヴァイウィングによるライディングデュエルを行います!!』

 

MCの宣言とともに"ORBITAL BEAT"が流れ出す。それに呼応するように紅と蒼の2台のバイクが飛び出した。

本当なら『D・ホイール』と呼びたいところだが、言い出すタイミングを逃したので名称は『デュエルバイク』のままだ。

 

『風鳴翼が提唱し、奇才櫻井了子が実現させた『ライディングデュエル』! この場にいる全ての人が、歴史の目撃者となるでしょう!』

 

大げさだなぁ。まあMCなんてそういうものかもしれないけど。

 

「でもいいのかしら? 実際あなたの尽力は大きいところよ。名前すらないなんて、さすがに気が引けるわ」

 

ライディングデュエルが始まったことで一先ずは落ち着いたのか、了子さんが俺の隣に腰を下ろした。

 

「構いませんよ。どこの馬の骨か分からない俺より、名も実績もある了子さんや、華のある翼さんのほうが受けはいいでしょう」

 

俺がやったことなんて知識の横流しみたいなものだからな。それを高らかに自分の手柄と叫ぶことはできないでしょ。

 

「……まあいいわ。ならひとつ借りということにしておこうかしら。返してほしければいつでも言ってちょうだい。私にできることなら何だってOKよ」

 

「ん? 今何でもするって――」

 

『先手を取ったのは蒼のバイク、風鳴翼だッ! 猛烈な勢いで第一コーナーを回って行ったぁー!』

 

 

 

「私のターン、ドロー。《ドラグニティ-セナート》を召喚し、効果発動。手札の《ドラグニティ-クーゼ》を捨てて、デッキから《ドラグニティ-ファランクス》をこのカードに装備する。そして装備状態のファランクスを、自身の効果で特殊召喚」

 

「いきなりシンクロか。飛ばして来たな、翼ッ!」

 

「ええ、いくわよ、奏。レベル4のセナートにレベル2のファランクスをチューニング。《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》をシンクロ召喚。そしてシンクロ召喚時の効果で、墓地のファランクスを装備し、再度ファランクスを特殊召喚。レベル6のヴァジュランダにレベル2のファランクスをチューニング。神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を討て! シンクロ召喚、《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》!」

 

《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》

星8/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上

(1):1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。

その発動を無効にし破壊する。

この効果でモンスターを破壊した場合、

このカードの攻撃力はターン終了時まで、

この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

(2):このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。

このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、

戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。

 

水晶のような翼を羽ばたかせ、美しき竜が空を舞う。観客席から一層の歓声が巻き起こった。

 

『先攻1ターン目から連続シンクロ召喚! 開幕から魅せてくれます、風鳴翼! まさしく風が鳴るような美しき竜だ!』

 

「その物言いは流石に照れるわね。私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

風鳴翼 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「あたしのターン、ドロー!」

 

天羽奏 SC0 → 1

風鳴翼 SC0 → 1

 

「くそっ、厄介だな。そいつの効果は」

 

奏さんの表情が歪む。通常の魔法カードが使えないライディングデュエルでは、モンスター効果を制限されるのはなかなかに厳しい。

 

「あたしはモンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

『打って変わってこちらは穏やかなスタートだ! いつもの激情はどうしたのか、天羽奏!』

 

「うっせぇな、まだ序盤だ! これからだよ、これから!」

 

MCに突っ込みいれるなんて、奏さんらしいな。

 

天羽奏 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

風鳴翼 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ1

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー」

 

風鳴翼 SC1 → 2

天羽奏 SC1 → 2

 

「《ドラグニティ-ドゥクス》を召喚し、効果発動。墓地のクーゼを装備するわ」

 

「させるかよッ! トラップ発動《不知火流 (つばくろ)の太刀》。フィールドのアンデット族《不知火の師範(いくさのり)》をリリースして、《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》と伏せカードを破壊するぜ!」

 

「ならばチェーンして《戦線復帰》を発動。墓地の《ドラグニティナイト-ヴァジュランダ》を守備表示で特殊召喚」

 

「燕の太刀の効果はもうひとつある。カードを破壊した後、デッキから《不知火の宮司(みやづかさ)》を除外する。そして除外された宮司の効果でドゥクスを破壊だ!」

 

「くっ、私のフィールドを一瞬にしてここまで……」

 

『ここで天羽奏が動いてきた! しかし意外ッ! それはアンデット族ッ!』

 

アンデット族とはいっても『不知火』はそれほどアンデットっぽくはないけどな。

翼さんのフィールドに残されたのは、守備表示のヴァジュランダのみ。召喚権も消費したし、ここからの展開は苦しいか。

 

「私はこれでターンエンドよ」

 

風鳴翼 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ0

天羽奏 LP4000 手札3 モンスター0 伏せ1

 

――――――――――――

 

「あたしのターン、ドロー!」

 

天羽奏 SC2 → 3

風鳴翼 SC2 → 3

 

「《不知火の武部(もののべ)》を召喚し、効果発動。デッキから《妖刀-不知火》を特殊召喚。バトルだ! 《不知火の武部》でヴァジュランダに攻撃!」

 

和服の少女が一刀のもとに防御態勢のヴァジュランダを斬り伏せる。

 

「続けて《妖刀-不知火》でダイレクトアタック!」

 

風鳴翼 LP4000 → 3200

 

「これでバトルは終了だ。レベル4の《不知火の武部》にレベル2の《妖刀-不知火》をチューニング。赤く滾る炎を宿し、真紅の刃となりて敵を討て! シンクロ召喚、来なッ! 《刀神-不知火》!」

 

刀神(かたながみ)-不知火》

星6/炎属性/アンデット族/攻2500/守 0

アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上

自分は「刀神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):1ターンに1度、除外されている

自分のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターをデッキに戻し、

その攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て守備表示にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

(2):このカードが除外された場合、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの攻撃力は500ダウンする。

 

『ファーストアタックは天羽奏! そして負けじとシンクロだ! 呼び出したのは日本刀を携えた偉丈夫です!』

 

「あたしはこれでターンエンドだ」

 

天羽奏 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ1

風鳴翼 LP3200 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー」

 

風鳴翼 SC3 → 4

天羽奏 SC3 → 4

 

「《Sp-エンジェルバトン》を発動。カードを2枚ドローし、1枚を墓地に送る」

 

『ここでSp(スピードスペル)の登場です。事前説明にあった通り、ライディングデュエルでは通常の魔法カードは一切使用できません。使えるのはライディングデュエル専用の魔法カードSp(スピードスペル)のみ。これが通常のデュエルとは違う、ライディングデュエルの醍醐味です!』

 

「手札の《嵐征竜-テンペスト》の効果発動。このカードと風属性モンスター《ドラグニティ-レムス》を墓地に送り、デッキから《ドラグニティアームズ-グラム》を手札に加える。そして墓地のドゥクスとセナートを除外して、《ドラグニティアームズ-グラム》を特殊召喚!」

 

《ドラグニティアームズ-グラム》

星10/風属性/ドラゴン族/攻2900/守2200

このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の墓地からドラゴン族・鳥獣族モンスター2体を除外して発動できる。

このカードを手札・墓地から特殊召喚する。

(2):フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターの効果は無効化され、その攻撃力は自分フィールドの装備カードの数×1000ダウンする。

(3):相手フィールドのモンスターが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。

そのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

 

「バトルよ! グラムで《刀神-不知火》に攻撃!」

 

天羽奏 LP4000 → 3600

 

「グラムの効果発動。戦闘で破壊した《刀神-不知火》を装備カードとする!」

 

『ここで風鳴翼が一矢報いた! そして相手のカードを装備だ。本来の剣に加えて日本刀を装備の二刀流だぁー!』

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

風鳴翼 LP3200 手札1 モンスター1 伏せ1

天羽奏 LP3600 手札3 モンスター0 伏せ1

 

――――――――――――

 

「あたしのターン、ドロー!」

 

天羽奏 SC4 → 5

風鳴翼 SC4 → 5

 

「《不知火の隠者(かげもの)》を召喚し、効果発動。このカード自身をリリースして、デッキから《ユニゾンビ》を特殊召喚する」

 

『おおっと、ここで現れたのは肩を組んでユニゾンする愉快なゾンビ。まさしくツヴァイウィングのような……よう、な?』

 

さすがにアイドルとゾンビを同列に語ることには気後れしたのか、MCの語尾がだんだんと小さくなってきた。

 

「ははっ、MCってのも大変だな。《ユニゾンビ》の効果でデッキから《馬頭鬼》を墓地に送り、このカードのレベルを1つ上げる。そして今墓地に送った《馬頭鬼》の効果も発動するぜ。このカードを除外して、《不知火の隠者》を特殊召喚。レベル4の《不知火の隠者》にレベル4になった《ユニゾンビ》をチューニング。赤く滾る炎を宿し、戦場の刃となりて敵を討て! シンクロ召喚、来なッ! 《戦神-不知火》!」

 

戦神(いくさがみ)-不知火》

星8/炎属性/アンデット族/攻3000/守 0

アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上

自分は「戦神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合、

自分の墓地からアンデット族モンスター1体を除外して発動できる。

このカードの攻撃力はターン終了時まで、

除外したモンスターの元々の攻撃力分アップする。

(2):フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた場合、

除外されている自分の守備力0のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを墓地に戻す。

 

「《戦神-不知火》の効果発動。墓地の《不知火の武部》を除外して、その攻撃力分を自身の攻撃力に加える」

 

《戦神-不知火》 攻撃力3000 → 4500

 

「さらに除外された《不知火の武部》の効果発動。デッキから1枚ドローし、1枚を捨てる。続けて墓地の《妖刀-不知火》の効果発動。レベル2のこのカードとレベル4の《不知火の隠者》を除外して、その合計レベルと同じアンデット族シンクロモンスターをEXデッキから特殊召喚する。もう一度出番だぜ、《刀神-不知火》!」

 

『凄い、凄い! ここで天羽奏が本領を発揮! 瞬く間に2体のシンクロモンスターが並んだ!』

 

「まだだッ! 除外された《不知火の隠者》の効果で、除外されている《不知火の宮司》を特殊召喚する。さあ、いくぜ翼ッ! バトルだ! 戦神-不知火でグラムに攻撃、炎刀一閃ッ!」

 

「まだ終わらないわッ! 《ダメージ・ダイエット》を発動。このターンに受ける全てのダメージを半分にする!」

 

風鳴翼 LP3200 → 2400

 

「続けて宮司と刀神-不知火でダイレクトアタックだ!」

 

風鳴翼 LP2400 → 1650 → 400

 

『風鳴翼、なんとか凌いだ! だがセーフティラインのライフ800を下回った! 依然としてレッドゾーンだ!』

 

「残念だがSpは持ってねぇ。カードを1枚伏せてターンエンドだ。エンドフェイズに《戦神-不知火》の攻撃力は元に戻る」

 

天羽奏 LP3600 手札2 モンスター3 伏せ2

風鳴翼 LP 400 手札1 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「私のターン、ドロー」

 

風鳴翼 SC5 → 6

天羽奏 SC5 → 6

 

「墓地のグラムの効果発動。《嵐征竜-テンペスト》と《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》を除外して特殊召喚。そして除外された《嵐征竜-テンペスト》の効果で、デッキから《ドラグニティアームズ-ミスティル》を手札に加えるわ」

 

ドラグニティの展開力も侮れないな。墓地リソースがどんどん減っているのが気がかりだが。

 

「《ドラグニティ-ブランディストック》を召喚。そしてこのカードを墓地に送り、《ドラグニティアームズ-ミスティル》を特殊召喚。効果で墓地の《ドラグニティ-クーゼ》を装備。そしてクーゼを自身の効果で特殊召喚。レベル6のミスティルにレベル4扱いとしたクーゼをチューニング。風を裂き、嵐となりて敵を討て! 飛び立て! 《ドラグニティナイト-アスカロン》!!」

 

《ドラグニティナイト-アスカロン》

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200

「ドラグニティ」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分の墓地の「ドラグニティ」モンスター1体を除外し、

相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを除外する。

(2):S召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。

EXデッキから攻撃力3000以下の「ドラグニティ」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

 

『ここでドラグニティの最上級モンスターが並んだ! これが風鳴翼のエースなのかぁー!?』

 

「アスカロンの効果発動。墓地のヴァジュランダを除外して《戦神-不知火》を除外」

 

「させねぇ! 《ブレイクスルー・スキル》を発動。そいつの効果は無効だ!」

 

ここで《ブレイクスルー・スキル》か。ミスティルに撃たなかったのはレムスを警戒したのかな。

 

「ならばバトルよ! アスカロンで《戦神-不知火》を攻撃!」

 

「攻撃宣言時に《聖なるバリア-ミラーフォース-》を発動! そいつらまとめて破壊だ!」

 

眼を覆うような閃光が発生し、グラムとアスカロンは露と消えた。

 

『ここでミラーフォース! 風鳴翼のモンスターが全滅! これは決まったかぁー!』

 

「まだよッ! アスカロンの効果発動。シンクロ召喚したこのカードが相手によって破壊された場合、EXデッキから攻撃力3000以下の「ドラグニティ」シンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する。来なさいッ! 《ドラグニティナイト-バルーチャ》!」

 

《ドラグニティナイト-バルーチャ》

星8/風属性/ドラゴン族/攻2000/守1200

ドラゴン族チューナー+チューナー以外の鳥獣族モンスター1体以上

(1):このカードがS召喚に成功した時、

自分の墓地のドラゴン族の「ドラグニティ」モンスターを任意の数だけ対象として発動できる。

そのドラゴン族モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。

(2):このカードの攻撃力は、このカードに装備された「ドラグニティ」カードの数×300アップする。

 

「バルーチャの効果発動。アスカロン、ブランディストック、クーゼ、ファランクス、ミスティルを装備。バトルを続行、バルーチャで《戦神-不知火》に攻撃、虚空烈風斬!」

 

天羽奏 LP3600 → 3100

 

「破壊された《戦神-不知火》の効果発動。除外されている《不知火の武部》を墓地に戻す」

 

「ブランディストックを装備したモンスターは2回攻撃できる! 続けて《刀神-不知火》を攻撃!」

 

天羽奏 LP3100 → 2100

 

「くぅ、やるじゃねぇか翼!」

 

「バトルフェイズを終了して、装備状態のクーゼとファランクスを守備表示で特殊召喚。レベル8のバルーチャにレベル2のファランクスをチューニング。風を裂き、烈風となりて敵を討て! 飛び立て! 《ドラグニティナイト-アラドヴァル》!!」

 

《ドラグニティナイト-アラドヴァル》

星10/風属性/ドラゴン族/攻3300/守3200

「ドラグニティ」チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手がモンスターの効果を発動した時、

自分の墓地から「ドラグニティ」モンスター1体を除外して発動できる。

その発動を無効にし除外する。

(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。

その相手モンスターを除外する。

(3):S召喚したこのカードが相手によって破壊された場合に発動できる。

相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

風鳴翼 LP 400 手札0 モンスター2 伏せ1

天羽奏 LP2100 手札2 モンスター1 伏せ0

 

――――――――――――

 

「あたしのターン、ドロー!」

 

天羽奏 SC6 → 7

風鳴翼 SC6 → 7

 

「スピード・ワールドの効果発動。スピードカウンターを7つ取り除き、カードを1枚ドローする」

 

『ここで天羽奏のスピードカウンターが7から0に、風鳴翼は一安心といったところか!?』

 

「だが攻め手は緩めねぇぜ! 墓地の《ブレイクスルー・スキル》を除外して効果発動。アラドヴァルの効果を無効にする。《逢魔ノ妖刀-不知火》を召喚して効果発動。このカードをリリースして、除外されている《妖刀-不知火》と《馬頭鬼》を守備表示で特殊召喚。レベル4の《馬頭鬼》にレベル2の《妖刀-不知火》をチューニング。最後の《刀神-不知火》をシンクロ召喚! 続けて墓地の《馬頭鬼》を除外して《ユニゾンビ》を特殊召喚。《ユニゾンビ》の効果でデッキから2体目の《馬頭鬼》を墓地に送り、《刀神-不知火》のレベルを1つ上げる。レベル4の《不知火の宮司》にレベル3の《ユニゾンビ》をチューニング。赤く滾る炎を宿し、撃滅の刃となりて敵を討て! シンクロ召喚、来なッ! 《妖神-不知火》!」

 

妖神(あやかしがみ)-不知火》

星7/炎属性/アンデット族/攻2100/守 0

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

自分は「妖神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

自分の墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、

モンスター1体を選んで除外する。

その後、その種類によって、以下の効果をそれぞれ適用できる。

●アンデット族:自分フィールドの全てのモンスターの攻撃力は300アップする。

●炎属性:フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊する。

●S:フィールドのモンスター1体を選んで破壊する。

 

「墓地の《刀神-不知火》を除外して、《妖神-不知火》の効果発動。《刀神-不知火》はアンデット族・炎属性・シンクロモンスター、つまり全ての効果が適用できる」

 

「チェーンして《和睦の使者》を発動。このターン、私のモンスターは戦闘では破壊されず、戦闘ダメージは0になるわ」

 

「だが効果破壊には対応してねぇ。そのデカブツには消えてもらうぜ」

 

和装の乙女が振るう炎刀の一撃を受けて、アラドヴァルは消え去った。

 

「そのちっこいのも片付けておくか。墓地の《馬頭鬼》を除外して《逢魔ノ妖刀-不知火》を特殊召喚。レベル7の《妖神-不知火》にレベル3の《逢魔ノ妖刀-不知火》をチューニング。赤く滾る炎を宿し、破邪顕正の刃となりて敵を討て! シンクロ召喚、来なッ! 《炎神-不知火》!!」

 

炎神(ほむらがみ)-不知火》

星10/炎属性/アンデット族/攻3500/守 0

アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター1体以上

自分は「炎神-不知火」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。

自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、

アンデット族Sモンスターを任意の数だけ選んでエクストラデッキに戻す。

その後、戻した数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊できる。

(2):自分フィールドのアンデット族モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、

代わりに自分の墓地の「不知火」モンスター1体を除外できる。

 

「《炎神-不知火》の効果発動。墓地の《妖神-不知火》をエクストラデッキに戻し、《ドラグニティ-クーゼ》を破壊する。そんでカードを1枚伏せてターンエンドだ」

 

『風鳴翼、ギリギリのところで踏みとどまった! まだ勝負の行方は分からないぞ!』

 

天羽奏 LP2100 手札2 モンスター2 伏せ1

風鳴翼 LP 400 手札0 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

『さあ風鳴翼、フィールドはがら空き、手札は0。このドローで逆転のカードを引き寄せることができるか!? それともここで終わってしまうのかぁー!?』

 

「そんなタマじゃねぇだろッ! なぁ翼ッ!」

 

「私のターン、ドロー!」

 

風鳴翼 SC7 → 8

天羽奏 SC0 → 1

 

「墓地のグラムの効果発動。《ドラグニティナイト-バルーチャ》と《ドラグニティアームズ-ミスティル》を除外して特殊召喚! 三度(みたび)飛翔せよッ!」

 

大剣を携えた真紅の竜が、風と炎を纏って舞い上がる。

 

「《Sp-ファイナル・アタック》を発動。このカードはスピードカウンターが8つ以上ある時に発動できる。グラムの攻撃力を2倍にする!」

 

《ドラグニティアームズ-グラム》 攻撃力2900 → 5800

 

『なんと! なんとぉ! この土壇場で攻撃力5800まで押し上げた! これは決まるか! 決まってしまうのかぁ!』

 

確かに攻撃が通ればそのまま決まるだろう。だが奏さんの表情にはまだ余裕がある。どうやら翼さんも気付いているようだ。

 

「まだよッ! スピード・ワールドの効果発動。スピードカウンターを7つ取り除き1枚ドローする。ここが天王山、勝機を手繰り、引き寄せるッ!」

 

翼さんがデッキに触れる。モニター越しでもその指に熱がこもっていることは見て取れた。

 

「――見えたッ! 水の一滴(ひとしずく)ッ! ドロォォーッ!!」

 

引き抜いたカードを確認した翼さんから笑みが零れる。

むぅ、あれが世に聞く揺るがなき境地(クリア・マインド)

 

「《ドラグニティ-レギオン》を通常召喚。その効果により墓地の《ドラグニティ-アキュリス》を装備」

 

『まだ展開していきます! しかしアキュリスなんていつ送ったのでしょう……あ、エンジェルバトンの時ですね!』

 

「グラムの効果発動。《炎神-不知火》の効果を無効にし、攻撃力を1000ポイントダウンする。そしてレギオンの効果発動。アキュリスを墓地に送り、《刀神-不知火》を破壊。そしてアキュリスの効果で伏せカードを破壊するわ! バトル! グラムで《炎神-不知火》を攻撃! 炎鳥極翔斬!」

 

大剣と日本刀がぶつかり合う。それは拮抗勝負にすらならず、竜戦士の一撃で刀もろとも馬上の武士を切り裂いた。

 

 

 

天羽奏 LP2100 → 0

 

 

 

『き、きまったぁぁッー!! ライフ400からの大・逆・転ッ! 激闘を制したのは風鳴翼ッ! 天羽奏も十分に魅せてくれましたッ! 素晴らしい、素晴らしいデュエルでしたッ! 皆さま、もう一度両選手に拍手をお願いしますッ!!』

 

四方八方から喝采が巻き起こる。

MCの締めでデュエルは終わった。

勝者である翼さんと敗者である奏さんが、並走しながら観客に手を振っている。

拍手と歓声は収まる様子はなく、むしろ勢いを増していた。

 

 

 

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