シンフォギア世界とデュエルモンスターズ   作:乾燥海藻類

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破滅の未来

いつもは車が往来している大通りに、ふたりの少女が向かい合っていた。

ひとりは響。もうひとりは未来だ。だがその瞳からは未来ではない何者かの意思を感じさせる。

「操られてるのか?」

「そう、みたい。でもユベルが言うにはデュエルで勝てば元に戻るって」

色々と思うところはあるが、否定できる材料がない。ユベルの言葉を信じるしかないか。

「どうやらしくじったようだな。かまわん、ふたりまとめて相手をしてやる」

未来らしからぬ自信と口調だな。だが、ここは乗っておこう。

「……響、最初は俺は仕掛ける。おまえはなるべく手札を温存しておけ」

「……うん、わかった」

「作戦会議は終わったか? はじめるぞ」

「ああ、いくぞッ!」

 

 

『デュエルッ!』

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

しばし手札を眺めて、響の方に視線を送る。それに気づいたことを確認して、軽く手札を振る。俺の意図に気づいた響は小さく頷いた。

 

「俺はカードを1枚伏せて、魔法カード《手札抹殺》を発動。手札を全て捨てて、その枚数分、4枚ドローする」

 

「わたしは5枚捨てて、5枚ドロー。そして《E・HERO シャドー・ミスト》の効果で《E・HERO エアーマン》を手札に加えるよ」

 

「我も5枚捨てて、5枚ドローだ」

 

未来の墓地を確認する。マズいな、堕天使か。あっちにも利があったようだ。

 

「墓地のサイレントブーツを除外して、デッキから《幻影霧剣》を手札に加える。続けて墓地のダスティローブを除外して、デッキから《幻影騎士団ラギッドグローブ》を手札に加える」

 

堕天使は高レベルモンスターがほとんどのはず。攻撃力で負けるわけにはいかない。

 

「ラギットグローブを召喚し、サイレントブーツを特殊召喚。この2体でオーバーレイ。来い、《幻影騎士団ブレイクソード》!」

 

幻影騎士団(ファントム・ナイツ)ブレイクソード》

ランク3/闇属性/戦士族/攻2000/守1000

レベル3モンスター×2

(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、

自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。

そのカードを破壊する。

(2):X召喚されたこのカードが破壊された場合、

自分の墓地の同じレベルの「幻影騎士団」モンスター2体を対象として発動できる。

そのモンスターを特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。

 

「ラギッドグローブを素材にしたことで、ブレイクソードの攻撃力は1000アップする」

 

《幻影騎士団ブレイクソード》 攻撃力2000 → 3000

 

「更にカードを1枚伏せてターンエンド」

 

音羽遊蓮 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー! 《E・HERO エアーマン》を召喚して、効果で《E・HERO リキッドマン》を手札に加える。そしてカードを1枚伏せてターンエンド」

 

立花響  LP4000 手札6 モンスター1 伏せ1

音羽遊蓮 LP4000 手札3 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「我のターン、ドロー。手札の《堕天使イシュタム》の効果発動。このカードと《堕天使ゼラート》を捨てて、2枚ドロー。《堕天使の戒壇》を発動。墓地の《堕天使ゼラート》を守備表示で特殊召喚する。そして効果発動。手札の《堕天使スペルビア》を墓地に送り、相手モンスターを全て破壊する。サンダー・ジャッジメント!」

 

堕天したゼラートの手から黒き雷霆がほとばしる。

 

「ブレイクソードの効果発動。墓地の《幻影騎士団ラギッドグローブ》と《幻影騎士団サイレントブーツ》を特殊召喚」

 

「効果を発動したな? 魔法カード《三戦の才》を発動。デッキからカードを2枚ドローする。続けて《死者蘇生》を発動。墓地の《堕天使スペルビア》を特殊召喚。そして効果発動」

 

「それは止める! 《幻影霧剣》をスペルビアを対象に発動」

 

「ふむ。ならばレベル8のゼラートとスペルビアでオーバーレイ。混沌の牙つき立て、暗黒の秩序を構築せよ、エクシーズ召喚。現れろ《No.97 龍影神ドラッグラビオン》! そしてドラッグラビオンの効果発動。X素材を1つ取り除き、EXデッキから《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》を特殊召喚し、その下に《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》を重ねてX素材にする」

 

現れる2体の禍々しい巨竜。1体は対象耐性、もう1体は戦闘破壊耐性を持つ強力なドラゴン。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

小日向未来 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ2

音羽遊蓮  LP4000 手札3 モンスター2 伏せ1

立花響   LP4000 手札5 モンスター0 伏せ1

 

――――――――――――

 

「俺のターン、ドロー。《おろかな埋葬》を発動。デッキから《幻影騎士団フライジャルアーマー》を墓地に送る。続けて伏せていた《異次元からの埋葬》を発動。除外されている《幻影騎士団サイレントブーツ》と《幻影騎士団ダスティローブ》を墓地に戻す」

 

響の伏せカードを巻き込んでしまうが、あの2体を残しておくよりはマシだろう。

 

「レベル4となったラギッドグローブとサイレントブーツでオーバーレイ。現れろ、ランク4《励輝士 ヴェルズビュート》! そして効果発動だ!」

 

ヴェルズビュートの掲げる剣より放出された閃光がフィールドを一掃する。

 

「では我も効果を発動しよう。まずは破壊された《運命の発掘》の効果で3枚(・・)ドロー。そして《やぶ蛇》の効果でEXデッキから《黎明の堕天使ルシフェル》を特殊召喚」

 

《黎明の堕天使ルシフェル》

星12/闇属性/天使族/攻4000/守4000

天使族・闇属性モンスター×3

このカード名の(1)(3)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):「堕天使ルシフェル」を素材としてこのカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。

相手フィールドのカードを全て破壊する。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、

自分フィールドの天使族モンスターは相手の効果の対象にならない。

(3):自分・相手のメインフェイズに1000LPを払って発動できる。

自分の手札・墓地から天使族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

 

くっ、やられた。どちらもブラフか、まさしくやぶ蛇だな。

 

「だがヴェルズビュートの効果にターン制限はない。X素材を1つ取り除き、もう一度《励輝士 ヴェルズビュート》の効果発動!」

 

「手札の《堕天使テスカトリポカ》を捨てることで、「堕天使」は破壊されない。これで効果は打ち止めだな」

 

「まだだッ! 墓地の《幻影翼》を除外して、《幻影騎士団フライジャルアーマー》を特殊召喚。そして手札の《幻影騎士団ステンドグリーブ》を特殊召喚し、このカードのレベルを1つ上げる。レベル4のフライジャルアーマーとステンドグリーブでオーバーレイ。《レイダーズ・ナイト》をエクシーズ召喚! そして効果発動。《レイダーズ・ナイト》のX素材を1つ取り除き、EXデッキから《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》をX召喚扱いでこのカードの上に重ねて特殊召喚する」

 

《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》

ランク5/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

レベル5モンスター×3

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):X召喚したこのカードは効果では破壊されない。

(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。

このカードの攻撃力は、このカード以外のフィールドのモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。

このカードが闇属性XモンスターをX素材としている場合、

さらにこのカード以外のフィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。

この効果の発動後、ターン終了時まで自分はこのカードでしか攻撃宣言できない。

 

「攻撃力上昇はともかく、無効化効果は厄介だな。《黎明の堕天使ルシフェル》の効果発動。ライフを1000払い、墓地の《堕天使スペルビア》を守備表示で特殊召喚。そしてスペルビアの効果で《堕天使イシュタム》を特殊召喚」

 

先に動かれたか、気付くのが早い。

 

「アーク・リベリオンのX素材を1つ取り除き、効果発動。このカード以外のフィールドのモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。オーバーロード・ディスチャージ!」

 

「チェーンして《堕天使イシュタム》の効果発動だ。墓地の《堕天使の戒壇》の効果を適用する。《堕天使ゼラート》を守備表示で特殊召喚し、《堕天使の戒壇》をデッキに戻す」

 

《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》 攻撃力3000 → 17100

 

「バトルだ! アーク・リベリオンで《黎明の堕天使ルシフェル》を攻撃、スパーキング・ディスオベイ!」

 

アーク・リベリオンの咆哮は漆黒の閃光波となってルシフェルを貫いた。だが、ヴェルズビュートの効果発動後のためダメージは発生しない。

 

「バトルフェイズを終了し、墓地のサイレントブーツの効果発動。このカードを除外して、デッキから《幻影霧剣》を手札に加える。俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」

 

音羽遊蓮  LP4000 手札1 モンスター2 伏せ2

立花響   LP4000 手札5 モンスター0 伏せ0

小日向未来 LP2000 手札4 モンスター3 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー! 《E・HERO リキッドマン》を召喚。効果で墓地の《E・HERO シャドー・ミスト》を特殊召喚。シャドー・ミストの効果でデッキから《マスク・チェンジ》を手札に加える。そして《置換融合》を発動。フィールドの《E・HERO リキッドマン》と《E・HERO エアーマン》を融合。来て! 太陽の使者《E・HERO サンライザー》!」

 

そこで響はこちらに視線を向けた。俺に、そして俺のフィールドに。これはバトルロイヤルルール。相手(・・)に対する効果は、当然俺のフィールドにも及ぶ。

 

「――かまわん、やれッ!」

 

「うん、ありがとう。サンライザーの効果でデッキから《ミラクル・フュージョン》を手札に加えて、発動。墓地の《E・HERO オーシャン》と《E・HERO ブレイズマン》を除外して融合。降臨せよ、絶対零度の支配者《E・HERO アブソルートZero》! そして《マスク・チェンジ》を発動。ゼロを墓地に送り、EXデッキから《M・HERO ヴェイパー》を特殊召喚。この瞬間、ゼロの効果発動。相手フィールドのモンスターを全て破壊する。フリージングクラッシュ!」

 

「仲間もろともか。だが残念だったな。《堕天使テスカトリポカ》はもう1枚ある。このカードを捨てて「堕天使」モンスターの破壊を無効にする」

 

アーク・リベリオンの効果でフィールドのモンスターの効果は無効になっているが、それは手札にまでは及ばない。フィールドを覆った氷撃によって破壊されたのは、結局《励輝士 ヴェルズビュート》1体だけだった。

 

「――くっ、ならバトル! わたしはヴェイパーでゼラートを攻撃! そして攻撃宣言時にサンライザーの効果発動。イシュタムを破壊する!」

 

2体の堕天使が沈黙する。残るは1体。

 

「続けてサンライザーでスペルビアを攻撃!」

 

「――チッ、やってくれる」

 

「わたしはカードを1枚伏せてターンエンド」

 

立花響   LP4000 手札3 モンスター2 伏せ1

小日向未来 LP2000 手札3 モンスター0 伏せ0

音羽遊蓮  LP4000 手札1 モンスター1 伏せ2

 

――――――――――――

 

「我のターン、ドロー。《貪欲な壺》を発動。墓地の《黎明の堕天使ルシフェル》、《No.97 龍影神ドラッグラビオン》、《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》、《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》、《堕天使テスカトリポカ》をデッキに戻し、シャッフル。その後2枚ドロー。《トレード・イン》を発動。手札の《堕天使ネルガル》を捨てて2枚ドロー。続けて手札の《堕天使イシュタム》の効果発動。このカードと《堕天使スペルビア》を捨てて2枚ドロー。ふむ、目障りな伏せを破壊しておくか。《ハーピィの羽根帚》を発動。おまえたちの伏せカードを全て破壊する」

 

ふわりっと真っ白な羽根帚が出現し、俺たちの伏せカードを攫っていく。

 

「ふふっ、《堕天使の戒壇》を発動。墓地の《堕天使スペルビア》を守備表示で特殊召喚する。そしてスペルビアの効果でイシュタムを特殊召喚」

 

マズいな。このまま一気に持っていかれるかもしれん。

 

「《堕天使スペルビア》と《堕天使イシュタム》をリリースして《堕天使ルシフェル》をアドバンス召喚」

 

《堕天使ルシフェル》

星11/闇属性/天使族/攻3000/守3000

このカードは特殊召喚できない。

(1):このカードがアドバンス召喚に成功した場合に発動できる。

相手フィールドの効果モンスターの数まで、手札・デッキから「堕天使」モンスターを特殊召喚する。

(2):自分フィールドに他の「堕天使」モンスターが存在する限り、

相手はこのカードを効果の対象にできない。

(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。

フィールドの「堕天使」モンスターの数だけ、自分のデッキの上からカードを墓地へ送る。

自分はこの効果で墓地へ送った「堕天使」カードの数×500LP回復する。

 

「《堕天使ルシフェル》の効果発動。デッキから《堕天使テスカトリポカ》、《堕天使イシュタム》、《堕天使ユコバック》を特殊召喚。ユコバックの効果でデッキから《魅惑の堕天使》を墓地に送る。まだまだいくぞ、《堕天使ルシフェル》の更なる効果発動。デッキの上からカードを4枚墓地に送る。

《堕天使の追放》

《闇の誘惑》

《叛逆の堕天使》

《堕天使マスティマ》

墓地に送られた「堕天使」カードは3枚。よってライフを1500回復する」

 

小日向未来 LP2000 → 3500

 

「《堕天使テスカトリポカ》の効果発動。ライフを1000払い、墓地の《魅惑の堕天使》の効果を適用し、その後デッキに戻す。いただくぞ、おまえの《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》を!」

 

堕天使の妖しい眼光に射抜かれ、アーク・リベリオンが未来の下へと羽ばたいていく。

未来のモンスターゾーンは全て埋まり、アーク・リベリオンと4体の堕天使が威圧するようにあたりを睥睨していた。

 

「バトルだ! イシュタムで攻撃!」

 

音羽遊蓮 LP4000 → 1500

 

「とどめだッ! 底知れぬ絶望の淵へ沈めッ! ルシフェルでダイレクトアタック!」

 

「墓地の《幻影霧剣》を除外して《幻影騎士団ブレイクソード》を特殊召喚!」

 

「まだ足掻くか! ルシフェルでブレイクソードを攻撃!」

 

2本の大剣がぶつかり合うが、ルシフェルの暴力的な剣撃の前にブレイクソードは切り裂かれた。

 

「続けてテスカトリポカでダイレクトアタック! 今度こそ沈めッ!」

 

「させないッ! わたしは――」

 

「やめろッ! 響ッ!」

 

「――ッ!?」

 

 

 

音羽遊蓮 LP1500 → 0

 

 

 

「――遊蓮くんッ!! どうして……」

 

「……一時の感情で判断を間違えるな。響、この戦いはおまえが最後に立っていればいいんだ。絆が残っている限り、俺たちで必ず未来を救い出すことができる。だから、諦めるな。響、ユベル」

 

「絆だと? くだらぬ。まだバトルフェイズは終わっていないッ! 《堕天使イシュタム》の効果発動。ライフを1000払い、墓地の《叛逆の堕天使》の効果を適用し、その後デッキに戻す。フィールドの《堕天使ルシフェル》、《堕天使ユコバック》、《堕天使イシュタム》の3体を融合。悪魔の心宿し大天使よ! その叛逆の剣で闇を切り裂き地上に光をもたらせ! 再臨せよ、《黎明の堕天使ルシフェル》!!」

 

曇天を貫いて、黒き翼を広げながら堕天使が降臨する。

 

「《黎明の堕天使ルシフェル》の効果発動。相手フィールドのカードを全て破壊する。黎明の鎮魂歌(ダウン・レクイエム)!」

 

「くっ、だけどヴェイパーはカードの効果では破壊されない!」

 

「ならば仲間のモンスターで沈むがいい! 《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》で《M・HERO ヴェイパー》を攻撃だ!」

 

アーク・リベリオンの黒翼が漆黒の光を放つ。だがその光がヴェイパーに届くことはなかった。

 

「墓地の《ネクロ・ガードナー》の効果発動。このカードを除外して、その攻撃を無効にする!」

 

「最初のターンに送っていたか。ならば《黎明の堕天使ルシフェル》で攻撃! 断罪至高剣(ゾハール・シュレグ)!」

 

立花響 LP4000 → 2400

 

二度目の攻撃は防ぎきれず、ヴェイパーは光へと還った。

 

「カードを2枚伏せてターンエンドだ。エンドフェイズに《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》のコントロールは元に戻るが、その相手はいないため、そのまま我のフィールドに残る」

 

小日向未来 LP1500 手札0 モンスター3 伏せ2

立花響   LP2400 手札3 モンスター0 伏せ0

 

――――――――――――

 

「わたしのターン、ドロー!! 手札から《HEROの遺産》を発動。墓地の《E・HERO サンライザー》と《E・HERO アブソルートZero》をEXデッキに戻し、3枚ドロー。続けて《融合回収》を発動。墓地の《E・HERO リキッドマン》と《融合》を手札に加える。リキッドマンを召喚して、墓地のエアーマンを特殊召喚。エアーマンの効果発動。わたしはフィールドの魔法・罠を破壊する効果を選択する」

 

「チェーンして《神属の堕天使》を発動。《堕天使テスカトリポカ》をリリースし、エアーマンの効果を無効にし、その攻撃力分のライフを回復する。続けて《黎明の堕天使ルシフェル》の効果発動。ライフを1000払い、墓地の《堕天使イシュタム》を守備表示で特殊召喚する」

 

小日向未来 LP1500 → 3300 → 2300

 

「《融合》発動。フィールドの《E・HERO リキッドマン》と《E・HERO エアーマン》を融合し、《E・HERO Great TORNADO》を融合召喚! そして効果発動。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力・守備力を半分にする!」

 

「させんよ。イシュタムの効果発動。ライフを1000払い、墓地の《神属の堕天使》の効果を適用する。そいつの効果は無効だ」

 

小日向未来 LP2300 → 1300 → 4100

 

ライフが初期値超えまで回復したか。だが効果を使えるモンスターはもういない。残る懸念は伏せカードだけ。

 

「まだまだッ! 《E・HERO Great TORNADO》を対象に《融合識別(フュージョン・タグ)》を発動。EXデッキの《M・HERO アシッド》を公開し、対象のモンスターを融合素材にする場合、同名カードとして融合素材にできる。《ミラクル・フュージョン》を発動。フィールドの《M・HERO アシッド》となった《E・HERO Great TORNADO》と墓地の《M・HERO ヴェイパー》を除外して融合。光と闇の力を授けられた新たなHERO、Wake Up! 《C・HERO カオス》!!」

 

C・HERO(コントラスト・ヒーロー) カオス》

星9/闇属性/戦士族/攻3000/守2600

「M・HERO」モンスター×2

このカードはルール上「E・HERO」モンスターとしても扱う。

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードの属性は「光」としても扱う。

(2):1ターンに1度、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。

そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。

この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「バトルッ! 《C・HERO カオス》で《黎明の堕天使ルシフェル》を攻撃! ファングジョーカー・エクスドライバー!」

 

「攻撃力の劣るモンスターで攻撃だと? 迎え撃て、ルシフェル!」

 

「攻撃宣言時、速攻魔法《決闘融合-バトル・フュージョン》を発動。戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」

 

《C・HERO カオス》 攻撃力3000 → 7000

 

「やはりか、その程度は読めていたぞッ! 《スノーマン・エフェクト》を発動。全ての攻撃力をルシフェルに注ぐ!」

 

《黎明の堕天使ルシフェル》 攻撃力4000 → 9500

 

膨大なエネルギーがルシフェルを包み込む。くそっ、ここでアーク・リベリオンがあだになるとは。

 

「だとしてもぉッ!! ダメージ計算前に《オネスト》の効果発動! このカードを墓地に送り、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」

 

《C・HERO カオス》 攻撃力7000 → 16500

 

「未来を、返せぇッ!!」

 

「――バカな。この、我が……」

 

 

 

小日向未来 LP4100 → 0

 

 

 

『おのれ……おのれ……よくも……』

未来の身体から黒いもやが溢れ出す。それはやがて獣のような形となり、蒼い双眸で響を睨みつけた。俺の目にもはっきりと見える。あれが、ダークネスか。

『滅びぬ……我はまだ……』

「逃がすかッ! ――くっ」

立ち上がった瞬間に目眩がした。どうやら思った以上にダメージがあるらしい。

「遊蓮くんは未来をお願い。あれはわたしが、わたしたちがなんとかしなきゃならないはずだから」

「響……。わかった、おまえたちに託す」

未来(みく)も救って、未来(みらい)も救う。両方やらなくっちゃならないのが、ヒーローの辛いところだよねぇ」

ニカッと笑って響は立ち上がった。そこに悲壮感はまるでない。

「だーいじょーぶッ! 待ってて、ちょーっと行ってくるから」

右腕を差し出し、フィストバンプを交わす。走り行く背中はいつもよりずっと頼もしく見えた。

それから幾ばくかの時間が流れた。長いようで、短いようでもあった。断末魔のような叫び声が響いた後、曇天を切り裂いて光の雨が降り注いだ。

それは魂の輝きのようでもあり、生命の瞬きのようでもあった。

響が駆けてくる。顔には満面の笑みが浮かんでいた。結果は語られずとも知れた。

この日、ヒーローに憧れた少女は、本物のヒーローになった。

 

 

 

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