「――幻魔……だとぉッ!!」
応接室に轟雷のような声が響く。司令は目を剥き、机を叩いて立ち上がった。
「知ってるんですか? 司令」
当然俺も知っているが、この世界ではどういう扱いなのか分からない。デュエルエナジーなんてものが存在している以上は、ただのカードではなさそうだが。
「幻魔、正確には三幻魔と呼ばれる三枚のカード。世界のどこかに封印されている古のカードだ。そのカードが地上に放たれるとき、世界は魔に包まれ、混沌が全てを覆い、人々にすくう闇が解放され、やがて世界は破滅し、無へと帰する。それほどの力を秘めたカードだと伝えられている」
「そういう伝説、伝承がいくつか残ってるのよ」
「正直、眉唾だと思っていたがな。ともあれ、まずは彼女の話を聞いてからだ」
そう言って司令は櫻井さんに視線を向けた。
「大きな外傷はないわ。よほど疲れているみたいだったけど、それと身体が濡れていたのは、海水ね」
「ということは――」
そこで卓上の内線電話が鳴った。
「俺だ。……なんだと? 分かった、連れてきてくれ」
ほどなくして、ふたりの女性が入室してきた。職員の友里さんに肩を借りながら、マリアが緩慢な動作でソファに腰を下ろした。
「我々に協力を要請したいと聞いているが、確かかね?」
「ええ、恥ずかしながらね」
「では説明してもらいたい。君は覚えていないかも知れないが、君自身の口から零れた『幻魔』という言葉。真実ならば捨て置くわけにはいかん」
「……幻魔の封印に綻びが生じた。それを補強し、より強固なものにするためにはデュエルエナジーが必要だった。だから私はこの手を汚した。踊らされているとも知らずに、それが真実だと信じ込まされていた」
マリアは苦悶の表情を浮かべ、呻くように言った。
「あの島には、まだあの男に騙され、利用されている仲間がいる。……もはや一刻の猶予もない」
「やはり島か。あの男とは?」
「私を唆した男よ。幻魔を復活させ、利用しようと考えている、危険な男。名をジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス。通称ドクターウェル」
「凄いものですね、これは」
「世界でも数隻しかない強襲揚陸潜水艦だからな。これで一気に攻め入り、制圧する」
潜水艦に乗るのなんて初めてだ。しかもこの潜水艦は窮屈なんて言葉とは無縁の造りだ。
だが好き勝手に動き回れる程の時間はなかった。潜航の時間はごく短いもので、すぐに招集がかけられる。
上陸した島の様子は不気味なくらい静寂に包まれていた。
「よし、まずは斥候として緒川を……」
そこで地響きが起こった。島の中心あたりから盛大に土煙が噴き上がる。
「そんなッ! もう遺跡が!?」
「おい! 待つんだ、マリアくん!!」
司令の制止を振り切ってマリアが駆け出した。
「あたしに負けねぇくらいの無鉄砲だな。追うぜダンナ」
続けて奏さんがあとを追った。俺と翼さんも頷き合ってあとを追う。
「まったくお前らはッ!」
司令が悪態をつきながら追ってくる。粉塵は収まる様子はなく、目印には事欠かなかった。
その発生源、七つの石柱の中心に白衣の男が立っていた。マリアは言葉を投げかけているようだが、一顧だにしていない。やがて白衣の男はこちらに振り向き、笑みを見せた。
「待っていましたよ、音羽遊蓮」
「……俺に何か用か?」
「貴方のデュエルエナジーは極上のものでした。この量と純度なら十分だと思っていたのですが、あと1枚というところでガス欠ですよ。なーのーでー、追加をお願いしたいのですよッ!」
白衣の男、ドクターウェルが構えたデュエルディスクから一条の光線が伸びてきた。
「待てッ! 相手なら俺が――」
「おまえに用はないんだよ! 筋肉ダルマがッ! さあ始めるぞ、音羽遊蓮!」
「司令、ここは任せてください」
『デュエルッ!』
「僕のターン、ドロー! 時は満ちた、これより幻魔復活の儀式を行うッ! まずは魔法カード《名推理》を発動。さあレベルを推理してみなよ!」
《名推理》
(1):相手は1~12までの任意のレベルを宣言する。
通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、
そのモンスターのレベルが宣言されたレベルと同じ場合、
めくったカードを全て墓地へ送る。
違った場合、そのモンスターを特殊召喚し、
残りのめくったカードは全て墓地へ送る。
相手のデッキは間違いなく『幻魔』のデッキ。なら上級モンスターは多く投入できないだろう。普通ならレベル4を宣言するが……。
「俺はレベル1を宣言する」
相手のデッキが上からめくられていき、8枚目にモンスターが現れる。
「ふむ、まあまあ稼げましたね。出てきたのはレベル5の《暗黒の召喚神》。残念でしたねぇ、推理が外れたので暗黒の召喚神を特殊召喚」
《暗黒の召喚神》
星5/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースして発動できる。
「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」の
いずれか1体を手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。
このターン、自分のモンスターは攻撃できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」の
いずれか1体を手札に加える。
「そして、すぐさま効果を発動! このカードをリリースッ! デッキから《降雷皇ハモン》を守備表示で特殊召喚! さらに墓地に送られた暗黒の召喚神を除外して、デッキから《神炎皇ウリア》を手札に加える。そして《混沌の召喚神》を通常召喚し、効果を発動。手札の《神炎皇ウリア》を攻撃表示で特殊召喚!」
《混沌の召喚神》
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードをリリースして発動できる。
「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」の
いずれか1体を手札から召喚条件を無視して特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「失楽園」1枚を手札に加える。
「まだまだ行きますよ。墓地の《混沌の召喚神》を除外して、デッキから《失楽園》を手札に加え、発動。その効果により、カードを2枚ドロー」
《失楽園》
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分のモンスターゾーンの「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」「混沌幻魔アーミタイル」は相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):自分のモンスターゾーンに「神炎皇ウリア」「降雷皇ハモン」「幻魔皇ラビエル」
「混沌幻魔アーミタイル」のいずれかが存在する場合に発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
「僕はカードを2枚伏せてターンエンド。ふふふ、はっはぁー、これが幻魔の力だぁぁッ!」
《降雷皇ハモン》
星10/光属性/雷族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの表側表示の永続魔法カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、
相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。
(2):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
相手に1000ダメージを与える。
《神炎皇ウリア》
星10/炎属性/炎族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの表側表示の罠カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードの攻撃力は、自分の墓地の永続罠カードの数×1000アップする。
(2):1ターンに1度、相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
セットされたそのカードを破壊する。
この効果の発動に対して魔法・罠カードは発動できない。
ドクターウェル LP4000 手札4 モンスター2 伏せ2
《神炎皇ウリア》攻4000
――――――――――――
「俺のターン、ドロー」
その名の通り、降雷と神炎を体現したような巨体がこちらを睨んでいた。これまでのデュエルでは感じたことのない威圧を感じる。
S.O.N.G.の協力でかなりデッキは強化できたが、どこまで対抗できるか。
「俺は手札の《サンダー・ドラゴン》の効果発動。このカードを捨てて、デッキから《サンダー・ドラゴン》2枚を手札に加える。そして《竜魔導の守護者》を召喚して効果発動。手札の《サンダー・ドラゴン》を捨て、デッキから《
《竜魔導の守護者》
星4/闇属性/ドラゴン族/攻1800/守1300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、
このカードの効果を発動するターン、自分は融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。
デッキから「融合」通常魔法カードまたは「フュージョン」通常魔法カード1枚を手札に加える。
(2):EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せて発動できる。
そのモンスターにカード名が記されている融合素材モンスター1体を自分の墓地から選んで裏側守備表示で特殊召喚する。
「さらに竜魔導の守護者のふたつめの効果を発動。EXデッキの《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を公開し、墓地のサンダー・ドラゴンを裏側守備表示で特殊召喚する。そしてこのサンダー・ドラゴンをリリースして《超雷龍-サンダー・ドラゴン》を特殊召喚。続けて魔法カード《雷龍融合》を発動。フィールドの《超雷龍-サンダー・ドラゴン》と墓地の《サンダー・ドラゴン》2体をデッキに戻し、融合召喚。《雷神龍-サンダー・ドラゴン》を守備表示で特殊召喚」
《雷神龍-サンダー・ドラゴン》
星10/光属性/雷族/攻3200/守3200
「サンダー・ドラゴン」モンスター×3
このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。
●手札の雷族モンスター1体と、「雷神龍-サンダー・ドラゴン」以外の
自分フィールドの雷族の融合モンスター1体を
除外した場合にEXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):雷族モンスターの効果が手札で発動した時に発動できる(ダメージステップでも発動可能)。
フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
(2):このカードが効果で破壊される場合、
代わりに自分の墓地のカード2枚を除外できる。
「墓地のサンダー・ドラゴンがデッキに戻ったことで、俺は再度手札の《サンダー・ドラゴン》の効果を発動。このカードを捨てて、デッキから《サンダー・ドラゴン》1枚を手札に加える。そして《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の効果で、失楽園を破壊」
「――フンッ、やってくれますねぇ」
「手札の《サンダー・ドラゴン》の効果を再び発動。このカードを捨てて、デッキから《サンダー・ドラゴン》1枚を手札に加える。《雷神龍-サンダー・ドラゴン》の効果で《神炎皇ウリア》を破壊」
紅い巨体が稲妻を浴びて崩れ去る。ドクターウェルは苦い顔でそれを見送ったが、まだ余裕は保っているようだ。
「魔法カード《竜の霊廟》を発動。デッキから《サファイアドラゴン》を墓地に送る。そして1体目が通常モンスターだった場合、さらに1体墓地に送ることができる。《巨神竜フェルグラント》を墓地に送る。カードを2枚伏せてターンエンド」
「おや、攻めてこないのですかぁ? まあ攻撃力3200ではねぇ。ああ、エンドフェイズに《終焉の焔》を発動しますよ。僕のフィールドに「黒焔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚します」
あれは、ラビエルの準備か? 最後の1枚でガス欠といっていたが、まさか最後の1枚とは……。
音羽遊蓮 LP4000 手札2 モンスター2 伏せ2
ドクターウェル LP4000 手札4 モンスター3 伏せ1
――――――――――――
「僕のターン、ドロー! ふふ、さぁ、最後の幻魔をお見せしましょうッ! 僕は《暗黒の招来神》を召喚し、効果発動。デッキから《幻魔皇ラビエル》を手札に加える。そして、黒焔トークン2体と暗黒の招来神をリリースして《幻魔皇ラビエル》を特殊召喚ッ!」
《幻魔皇ラビエル》
星10/闇属性/悪魔族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの悪魔族モンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、リリースしたモンスターの元々の攻撃力分アップする。
(2):相手がモンスターの召喚に成功した場合に発動する。
自分フィールドに「幻魔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守1000)1体を特殊召喚する。
このトークンは攻撃宣言できない。
「リバースカードオープン《強化蘇生》。墓地のサファイアドラゴンを特殊召喚。そして召喚成功時に《崩界の守護竜》を発動。サファイアドラゴンをリリースして、ハモンとラビエルを破壊」
「それは通しませんッ! 手札から速攻魔法《我が身を盾に》を発動。ライフを1500払い、それを無効にして破壊する」
ドクターウェル LP4000 → 2500
「ハモンを攻撃表示に変更して、バトルだ! ハモンで雷神龍-サンダー・ドラゴンを攻撃、失楽の霹靂ッ!」
雷神龍が巨大な雷撃を受けて崩れ去る。
「ハモンの効果で1000ポイントのダメージを受けてもらう、地獄の贖罪ッ!」
音羽遊蓮 LP4000 → 3000
「続けてラビエルで竜魔導の守護者を攻撃、天界蹂躙拳ッ!」
音羽遊蓮 LP3000 → 800
「メインフェイズ2にリバースカードオープン《転生の予言》。僕の墓地にある《神炎皇ウリア》と貴方の墓地にある《雷龍融合》をデッキに戻す。魔法カード《D・D・R》を発動。手札を1枚捨て、除外されている《暗黒の召喚神》を特殊召喚して、即リリースッ! デッキから《降雷皇ウリア》を特殊召喚! 僕はこれでターンエンド」
一気にライフを削られた。暗黒の召喚神のデメリット効果を破棄しつつ、雷龍融合のサーチも封じるか。狂っているようにみえて、なかなか強かだな
ドクターウェル LP2500 手札1 モンスター3 伏せ0
音羽遊蓮 LP 800 手札2 モンスター0 伏せ0
――――――――――――
「俺のターン、ドロー」
降雷を帯びて、神炎を纏いて、そして幻魔を従える皇が、こちらを見下ろしていた。とうとう三幻魔が出揃った。もはや威圧などというレベルではなく、畏怖の念すら感じさせる。
「モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド」
音羽遊蓮 LP 800 手札1 モンスター1 伏せ1
ドクターウェル LP2500 手札1 モンスター3 伏せ0
――――――――――――
「くくく、打つ手なしですかぁ? 僕のターン、ドロー!」
「スタンバイフェイズに《ダメージ・ダイエット》を発動。このターン、俺の受ける全てのダメージは半分になる」
「はッ! ウリアの効果を恐れたか。だが、ついに三幻魔が集った。これで終わりだッ! ハモンでセットモンスターを攻撃、失楽の霹靂ッ!」
「セットモンスターは《仮面竜》だ。効果でデッキから仮面竜を特殊召喚」
「半分だったな、ならハモンの効果で500ポイントのダメージを受けてもらう、地獄の贖罪ッ!」
音羽遊蓮 LP 800 → 300
「続けてウリアで《仮面竜》を攻撃、ハイパープレイズッ!」
巨大な口から吐かれた業火によって仮面竜が破壊される。
「仮面竜の効果を再度発動。デッキから仮面竜を特殊召喚」
「しぶといヤツッ! ラビエルの攻撃、天界蹂躙拳ッ!」
「仮面竜の効果によりデッキから《アームド・ドラゴン LV3》を特殊召喚」
「ふん、僕はこれでターンエンド」
ドクターウェル LP2500 手札2 モンスター3 伏せ0
音羽遊蓮 LP 300 手札1 モンスター1 伏せ0
――――――――――――
「俺のターン、ドロー! スタンバイフェイズに《アームド・ドラゴン LV3》を墓地に送り、デッキから《アームド・ドラゴン LV5》を特殊召喚。さらに魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地の《仮面竜》《竜魔導の守護者》《雷神龍-サンダー・ドラゴン》《サンダー・ドラゴン》2体をデッキに戻してシャッフル。その後2枚ドロー」
――よし、いけるッ!
「魔法カード《レベルアップ!》を発動。《アームド・ドラゴン LV5》を墓地に送り、デッキから《アームド・ドラゴン LV7》を特殊召喚」
《アームド・ドラゴン LV7》
星7/風属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
「アームド・ドラゴン LV5」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1):手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
墓地へ送ったそのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ、
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
「アームド・ドラゴンの効果発動。手札の《魂食神龍ドレイン・ドラゴン》を墓地に送る。ドレイン・ドラゴンの攻撃力は4000。つまり4000以下の攻撃力のモンスターは破壊される。ジェノサイド・カッター!」
三体の幻魔が真空の刃によって崩れ去る。それを見た白衣の男は発狂するような勢いで狼狽した。
「ば、ばかなぁッ! ありえない、幻魔が、僕の三幻魔が、ぜ、ぜ、全滅ぅぅッ!?」
「幻魔といえどもモンスターだ。絶対無敵なわけじゃあない。バトル、アームド・ドラゴンでダイレクトアタック!」
ドクターウェル LP2500 → 0
白衣の男が泡を吹いて倒れる。
背後から聞こえてきた黄色い歓声が閉幕の合図となった。
「やったなー遊蓮ッ! 楽勝だったじゃねぇかッ!」
いやいや、残りライフ300だぞ。やっぱりライフ4000は心臓に悪い。
「大丈夫か? 遊蓮くん」
「大丈夫ですよ。あの男はどうしますか?」
「ああ、我々が責任を持って引き取る。幻魔のカードも、厳重に封印しておこう」
司令は胸を張ってそう言った。濃密に漂っていた邪気のようなものは、すでに霧散していた。