原子操作術で、来たるべき時に備えよう。   作:非対称ジメチルヒドラジン

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第13話

「原子操作、素材を変形、図面通りに曲げて」

 

パソコンを見ながら術を唱える。

鋼は機関部に変形し、硬質な樹脂は銃の外形を形作る。

 

フランス製、FA−MAS自動小銃。

フランス陸軍の正式装備でもある。

 

そして使用する弾薬は、5.56×45mm弾。

 

この弾は人体などの軟組織に対しておよそ380-500mmの貫通力を保持し、命中時、弾頭下部の環状溝のあたりで割れ、断片は軟組織の内部を傷つけながら散らばる。

 

当然防弾チョッキなど無力。確実に貫通する。

公安がどんな装備かは知らないが、これなら確実だ。

 

「原子操作、激発用火薬、発射薬を精製、弾を作れ」

 

真鍮と鉛の地金が形を変え、薬莢と弾頭を形作る。

小さく複雑な雷管が形作られ、薬莢下部に接合される。

 

発射薬が薬莢に入り、

更に上から弾頭が押し込まれ、銃弾が出来上がる。

 

あっという間に80発。

弾薬は弾倉に収まり、弾倉は銃本体に差し込まれる。

射撃実験だ。

 

 

地下空間にベニヤ板の的を置き、狙いを付けて発射。

 

引き金を引くと小気味のいい破裂音と共に穴が空く。

 

 

セレクターをフルオートモードに切り替え、再び発射。

 

連続する破裂音。

弾倉の弾を半分以上吐き出し、銃は止まる。

 

立ち込める硝煙の匂い。

 

ベニヤ板は蜂の巣と化していた。

弾は板を容易に貫き、硬い地下の壁に食い込んだ。

 

威力は十分。

筆舌に尽くし難い程だ。

 

それから...光学照準器。

アメリカ製の民間向け光学サイトを取り付ける。

 

 

8万5000円。

ネット通販で買った。

アメリカ、イオテック社の正規品。

 

レプリカでは無い。実物だ。

重量感のある照準器。レンズが破損しても全く問題ない。

 

電源を入れてサイトを覗き込む。

光の屈折を使って正確に追い続ける。

そう、目標を示し続けるのだ。

 

性能に満足したところで銃に取り付ける。

接続用レールなど無いので、樹脂を溶かして一体化させる。

 

銃が少しだけ重くなった。

だが問題ない。これで素早い照準が可能になったから。

 

射撃初心者でも、ある程度は戦えるはずだ。

 

 

 

それから手榴弾。接近戦では必要不可欠な物だ。

 

「原子操作、RGD−5破片手榴弾を制作」

 

ソビエト連邦製。

 

RGD-5手榴弾はライナー付きの破片手榴弾で、爆発するとおよそ350個の破片をばら撒く。爆薬は110gのTNT。

 

その殺傷能力は凄まじく、爆心地から半径25m以内の人間を殺傷し、3m以内の人間を確実に死亡させる程だ。

 

第二次世界大戦から現代に至るまで、主に東側諸国で広く使われている。

 

 

外殻、ピンと共に鋼鉄製。

激発装置には4秒の遅延信管を使う。

 

これは非常に危ないので地下での実験は到底できない。

確実に破片を食らって死ぬからだ。

 

それに、恐らく地上に音が漏れる。

この段階で怪しまれるのはあまり嬉しく無い。

 

確かに、この手榴弾は確実に作動する。

それこそ工場で作られた物より確実に。

 

だから今これの実験をする必要は無い。

4個程作って地下に隠匿しておくのが良いだろう。

 

 

それから防御装備。

こちらは拳銃弾を防げたらそれで良い。

警察は二次被害を恐れて高貫徹弾を使わないからだ。

 

ネット通販で防弾チョッキを購入した。お値段4万円。

 

そしてこのチョッキ、トカレフ拳銃弾にも耐えるとの事。

それならやーさんに襲われても安心だ。

 

 

 

制作した装備品をまとめる。

G18マシンピストルは内ポケットに忍ばせ、予備の弾倉は3本携帯。防弾チョッキと4個の手榴弾を服の内部に組み込み、違和感を抹消した。

 

しかしFA−MAS自動小銃は携帯しない。

こちらはホームディフェンスでのみ使用する。

 

隠し持つには大き過ぎるからだ。

流石に無理がある。

 

 

装備を身に着けてから鏡を見る。

違和感は無い。後は善良な市民を装うだけだ。

 

実家に置いた6億円は既に地下に輸送し終えている。

今のところ外に出る用は無いので心配する必要は無さそうだが、射撃訓練だけは欠かさずにやっておきたい。

 

マシンピストルも安定して当てれるようになりたい所。

 

 

手榴弾は近いうちに、ヤクザ事務所にでも投げこもう。

殺傷能力のチェックだ。

 

全滅させた暁には現金を全てかっぱらってやろう。

ヤクザ相手なら非難はこちらにはむかないだろうし。

 

 

そう考えた俺は射撃技術を磨く為、

射撃訓練をする事にした。

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