大いなる希望の力で最高のヒーローに   作:ゆづぽんず

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現れた(ヴィラン)連合!?知性の泉、キュアアクア!

 

「今日のヒーロー基礎学だが俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助(レスキュー)訓練だ」

 

相澤先生が『RESCUE』と書かれたプレートを掲げ、授業の課題を発表する。ヒーローといえば(ヴィラン)との戦闘(バトル)というイメージが強いけれど、その本質はあくまでも"人助け"である。そのため、災害の現場では"個性"を活かして人命救助を行なっているヒーローたちがたくさんいるのだ。

 

やってやるぜー!と盛り上がる生徒たちを一言で大人しくさせた先生は、戦闘服(コスチューム)の着用は各自で判断すること、訓練場まではバスで移動することを指示するとさっさと移動を始めてしまう。敷地内なのにバスを使わないといけないなんて、雄英高校はやっぱりスケールが大きすぎる。

 

人命救助(レスキュー)訓練、どんなことをやるんだろう?全然想像つかないなぁ」

 

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

 

「そっか、梅雨ちゃんの"個性"なら水の中でもスイスイ動けるもんね。私は何ができるんだろう?」

 

プリキュアが災害現場で活躍していた記憶がないため、どう力を使えばいいのかぜんぜん想像がつかない。なぜか彼女たち(プリキュア)が化け物を倒すと壊れた街は元どおりになってたもの。

 

 

「バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう!」

 

バスの前に集合すると、ピーと笛を吹きながらやる気マックスな飯田委員長がキビキビと指示を出していた。戦闘服(コスチューム)も相まってますますロボットみたいだ。

 

 

_______________

 

 

「クソッ!!こういう席配置(タイプ)だったか!」

 

乗り込んだバスの席が想定外のものだったようで落ち込む飯田君に、隣に座っている三奈ちゃんが、意味なかったなーと楽しそうに答えている。結局出席番号関係なく自由な席に座った結果、私は上鳴君と青山君の間に入れてもらった。

 

 

「緑谷ちゃん、あなたの"個性"オールマイトに似てる」

 

梅雨ちゃんの言葉に緑谷君が大量の汗をかいてあたふたし始める。彼はオールマイト先生の大ファンだと言っていたから、憧れの人と似てるって言われてびっくりしたのかな?

 

緑谷君の周りを吹き飛ばすほどのパワーはオールマイト先生とそっくりだ。しかし、反対側から切島君が緑谷君とオールマイト先生の"個性"の違いを指摘する。

一発発動しただけで体がボロボロになってしまう緑谷君と、何百人もの人をすくい上げるNo.1ヒーロー《オールマイト》では、たしかにあまり似てるとはいえないなかもしれない。プリキュアも巨大な敵をパンチやキックで吹き飛ばしてたから、彼女たちのほうが似てるかも。

 

「でもまぁ派手で強ぇって言ったら!轟と爆豪だよな!」

 

ふんふんと自分の世界に入りかけていると、いつのまにか話題はプロとして人気が出そうな人は誰かという話題になっていた。たしかに2人はすっごく強いし、"個性"もかっこよくてヒーロー向きだ。

 

「笑夢っちは女の子たちから人気が出そう!コスチュームも可愛いし!」

 

「あー、たしかに転身の"個性"も派手だよな。いまいち何の個性なのかわかんねぇけど」

 

転身(まろみ)さんの"個性"は確か"具現化"だったよね。誰か参考にしている人がいるの?」

 

三奈ちゃんの言葉から私の"個性"の話になる。私の"個性"は"イメージしたものを生み出す能力"だけれど、周りから見るとどんな個性なのかは伝わりにくい。それなのに緑谷君は私の"個性の核心"をつく質問をしてくるから、すごい分析力だと思う。

 

「うん!憧れのヒーローを再現しているの。でもまだまだ力不足でできないこともたくさんあるから、もっと頑張らないと!」

 

「笑夢ちゃんは小さい子からも人気が出そうだけれど、爆豪ちゃんはキレてばっかりだから人気出なさそう」

 

「んだとコラ!出すわ!」

 

梅雨ちゃんのつぶやきを聞いた爆豪君が立ち上がって吠える。さらに上鳴君が煽り、今度は身を乗り出して怒り出した。一段と騒がしくなった車内に相澤先生からの威圧感のある注意がかかり、バスはついに本日のヒーロー基礎学の会場に到着した。

 

 

_______________

 

 

「皆さん、待ってましたよ」

 

ドーム型の建物の前でバスから降りた私たちを迎えてくれたのは、スペースヒーロー《13号》だった。13号先生は災害救助で活躍する有名なヒーローらしく、お茶子ちゃんが歓声をあげて大興奮していた。憧れの人に会えるのって興奮しちゃうよね。その気持ちすっごいわかる!

 

「お、大きい……」

 

「すっげぇ~!USJかよ!」

 

建物の中へと入ると、そこはまるでテーマパークのような場所だった。さすが雄英、あらゆるものが壮大である。ここは水難事故、土砂災害、火災、暴風など、あらゆる事故や災害を想定して13号先生がつくった演習場だという。

ズバリその名も"ウソの災害や事故ルーム"!略して"USJ"!!

 

ほんとにUSJだった……いろいろ大丈夫なのかな?こっちがあるなら、"あっち"のテーマパークもありそう……すごく気になる。それにオールマイト先生が見当たらない。後から、ワタシが来たーって登場するのかな?

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ三つ、四つ……五つ……」

 

増える増える……。

 

どんどん増えていく13号先生のお小言に困惑しつつ、生徒たちは先生の話に耳を傾ける。13号先生の"個性"は"ブラックホール"。さまざまな災害から人を救い上げることができるすごい"個性"だ。

しかし、それは同時に簡単に人を殺せる力でもある。今の超人社会は使用を厳しく規制することで一見成り立っているように見えるけれど、一歩間違えれば容易に人が殺せてしまう。そんな、"行き過ぎた個性"を個々が持っている事を忘れないで欲しいと先生は訴えた。

 

この世界は普通に生活している一人一人が、何かしらの超人的な力を持っている。その力は使い方を間違えると簡単に誰かを傷つけることができてしまうものだ。私の力だって、それは変わらない。ヒーローの持つ"力"そのものは(ヴィラン)と同じものであるけれど、それをどう使うのかが大切なのだ。

 

「この授業では心機一転!人命の為に個性をどう活用するかを学んで行きましょう。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない。助ける為にあるのだと、心得て帰ってくださいな。」

 

そう締めくくった13号先生に、生徒たちは大きな拍手と歓声を送る。私もパチパチと拍手をしながら、私たちの力は人を助けるためにあるという先生の言葉を噛み締めた。プリキュアの力は誰かを傷つけるためのものじゃない。みんなを守り、助けるための力なのだ。

 

 

それじゃあまずは、と相澤先生が私たちに声をかけた瞬間、ドームの照明がパチパチと明滅を繰り返す。天上を見上げていると、一塊になって動くなという相澤先生の鋭い声が響いた。驚いて先生の視線を辿ると、噴水があった広場に黒い靄が広がり、ぞろぞろとたくさんの人が乗り込んでくる様子が見えた。

 

「なに?……あれ?」

 

ただ事でない雰囲気に体を緊張させる。身を乗り出そうとした生徒たちに厳しい声で放った相澤先生の言葉は、到底信じられないようなものだった。

 

「動くな!あれは(ヴィラン)だ」

 

ヒーローの学校への(ヴィラン)の敵襲という事実に戸惑いの声が溢れる。しかし、侵入者用のセンサーが妨害されていることから犯行が計画的なものであるという轟君の指摘に、一気に緊張が走る。あんなにたくさんの(ヴィラン)に対して、ここは完全に隔離された空間であり、さらにこの場で戦うことができるプロのヒーローは2人だけだ。

ゴーグルを装着し、首元に巻いている捕縛武器を構えた相澤先生は、生徒たちの避難を13号先生に指示すると、私たちを守るために広場に飛び出していってしまった。

 

相澤先生は"個性"を消して無力化させた(ヴィラン)を捕縛武器で絡め取り、次々と地面に叩きつけて気絶させていく。その様子に安心感を覚えながら、13号先生の指示に従って出口へと急ぐ。

 

「させませんよ」

 

出口へ向かう私たちの目の前に突然現れた黒い靄は人の形を取りながら、ゆっくりと話し始めた。

 

「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴__オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

(ヴィラン)の目的に衝撃が走る。わざわざ雄英高校(ヒーローの学校)に攻めてくるということは、この人たちには何かしら勝算があるということだ。恐怖で足が震えるのを必死で押さえつけながら目の前の敵を睨みつける。

 

 

「オラァ!」

BOOOOOM

 

大きな音とともに突然目の前が煙に包まれた。黒い靄の両手を広げるような仕草に、13号先生が"個性"を発動させるため指先のカバーを外すのと同時に、切島君と爆豪君が(ヴィラン)に飛びかかっていったのだ。しかし、2人の攻撃によって散ったように見えた靄はすぐに元の人型を型どり始める。

 

 

「危ない危ない、生徒と言えど優秀な金の卵」

 

「ダメだ!どきなさい2人とも!」

 

「散らして、嬲り、殺す」

 

13号先生が2人に下がるよう呼びかけた途端、目の前の靄が大きく広がり、私たちを包み込んだ。

 

 

_______________

 

 

「きゃあぁあああ!」

 

 

黒い靄に包まれた瞬間バランスを崩したのがわかり、瞑っていた目を開くと、私の体は空中から地面に向かって真っ逆さまに落下していた。恐怖で悲鳴をあげ、ばたばたと手足を動かす。このまま地面に激突したら、怪我だけでは済まないかもしれない……。

 

 

 

「転身!」

 

「きゃぁ!……と、轟君!」

 

地面に向かって落ち続ける私を受け止めて助けてくれたのは、同じように靄に包まれて飛ばされてしまった轟君だった。彼は"個性"で生み出した氷の上をスライダーのように滑り降りながら地面を睨みつけている。木や建物が大量の土に飲み込まれているのが見えるため、多分ここは13号先生の説明にあった土砂災害を想定した"土砂ゾーン"だ。

 

「下りるぞ」

 

「うん!」

 

 

_______________

 

 

「おいおい、ガキが2人かよ」

 

「せいぜい楽しませてくれよ」

 

地面に降り立った私たちを待ち構えていたのはたくさんの(ヴィラン)たちだ。彼らは脅すように"個性"を見せつけながらゆっくりと近づいてくる。

 

「転身、下がってろ」

 

「う、うん」

 

シャァァアアアア

 

轟君の"個性"によってあっという間に目の前の(ヴィラン)たちが凍りついていく。やっぱりすごい"個性"だ。

 

「子供一人に情けねぇな。しっかりしろよ、大人だろ」

 

「!__轟君後ろ!」

 

「っ!」

 

轟君の足元の地面から(ヴィラン)が現れ、攻撃を加える。どうやら地面に沈むことができる"個性"のようだ。すぐに見えなくなってしまった(ヴィラン)に警戒しながら轟君の近くまで駆け寄る。

 

「やっかいだな。下に隠れられちゃ手が出せねぇ」

 

「どうしよう……はやくみんなと合流しないといけないのに」

 

「どこにいるのかさえ分かれば、凍らせることは簡単なんだがな」

 

どこから来るのかわからない(ヴィラン)に警戒しながら、残りの(ヴィラン)たちをどうやって倒すのかを考える。薄々感じてはいたけれど、どうやらここにいる(ヴィラン)は土砂ゾーンにあった"個性"を持っているようだ。辺り一面が土で覆われている土砂ゾーンで土をどかすのは容易ではない。一体どうすれば、、土砂災害、台風、豪雨____!

 

 

 

 

「ねえ!土をどかす方法、思いついたよ。つまり、足元を土じゃなくすればいいんだよね!」

 

「どういうことだ?」

 

「かなり乱暴になっちゃうけど……たぶん大丈夫だと思う。」

 

「___わかった、おまえに任せる。俺はどうすればいい?」

 

 

_______________

 

 

(ヴィラン)連合の目的は、平和の象徴と呼ばれているNO.1ヒーロー《オールマイト》を殺すこと。そんなこと、絶対にさせない!

 

「絶対に、貴方たちの計画は防いで見せる!__プリキュア!メタモルフォーゼ!

 

知性の青き泉! キュアアクア!

 

氷漬けにされた(ヴィラン)たちから大きな動揺の声が上がる。もしかしたら、何かしらの嫌な予感を感じているのかもしれない。でも、ヒーローの養成学校であるここ(雄英高校)に攻めてきた以上、容赦はできない。

 

 

 

「岩をも砕く乙女の激流、受けてみなさい!

___プリキュア!アクアストリーム!

 

 

 

キュアアクアは水流を操ることができる。アクアストリームによって激しい水が勢いよく土砂ゾーンの柔らかい土にぶつかっていく。

そう、私は大量の水をぶつけることでわざと土砂崩れを起こして土を押し流すと同時に、土を泥水に変えることで"土のフィールド"を"水のフィールド"に変えたのだ。

 

「轟君!」

 

「ああ」

 

たちまち大きな水たまりとなった足元が轟君の"個性"によって一気に凍らされていく。その中には突然起こった土砂崩れによって地面からはじき出された、地面に潜ることができるあの(ヴィラン)の姿も見えた。

 

「やったー!大成功だね!」

 

「ああ、こいつらから詳しい話を聞かねぇと。__言っちゃ悪いがあんたらどう見ても個性を持て余した輩以上には見受けられねぇよ」

 

轟君は凍りついた(ヴィラン)にゆっくり歩み寄っていく。たしかに、オールマイトを殺すという計画の割にはここにいる(ヴィラン)は弱すぎた。たとえ轟君が強すぎたのだとしても、フィールドというアドバンテージがあったはずなのにかなりあっさり終わってしまった気がする。彼らがオールマイト先生に束でかかったとして、パンチ一発で吹き飛ばされて終了だ。

 

「このままじゃあんたらジワジワと体が壊死していくわけなんだが……俺もヒーロー志望、そんなひでぇことはなるべく避けたい」

 

「ひっ」

 

「ひぇ!轟君怖いよ!」

 

「あのオールマイトをやれるっつう根拠……策ってなんだ?」

 

さらに轟君は、顔の前に冷気が出ている右手を突き出して尋問する。たしかに、計画を阻止するためには相手から情報を得る大切さもわかるけど……、

顔が怖いよ!相手の人、泣いちゃってるよ!

 

 

 

いきなり現れた(ヴィラン)連合。その目的は平和の象徴《オールマイト》を殺すこと!?そんなこと、絶対ゆるさないんだから!

 

 




次回に続きます。
知性とは、、?とか言ってはいけない。

笑夢ちゃんには轟君と同じ土砂ゾーンに飛んでもらいました。なので葉隠ちゃんはたぶん火災ゾーンあたりに、、

この時期の轟君とお話しさせるのが一番大変。ほとんど会話している描写がないからね。
戦闘訓練の時に敵同士だったので、今度は一緒に戦ってもらいました。強い。負ける気がしない。

ちなみに話をさせていて一番楽しいのは爆豪君です。
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