「おはよー、ママ」
「もう10時よ。ほらテレビ、雄英高校ニュースになってるわよ」
USJでの
『昨日、雄英高校ヒーロー科の災害訓練施設で生徒達がヴィランに襲撃を受けた事件の続報です』
テレビを見ると、どこの番組でも取り上げているのは
『警察の調べによると、犯人グループは自らを
「オールマイトを殺害!?笑夢、本当なの?」
「うん、リーダーっぽい
『警察は72名の
電子レンジで温めたご飯を食べ始めるころには、テレビの中ではいろいろな分野の専門家たちが激しい議論を交わしていた。
「でも入学早々こんなことになるなんて、、笑夢、本当に大丈夫なの?」
「何が?__たしかにすっごく怖かったけど、先生たちが守ってくれたから、全然大丈夫だよ」
「そう……あ!笑夢が映ってる!周りにいる子はクラスメイト?みんなかっこいいじゃない!」
「ぅえ!?」
急いでテレビに目を向けると、わいわいとはしゃぎながら歩いている私たちの顔が映っている。すぐに映像は切り替わってしまったけれど、いつの間に撮られたんだろう?
「彼氏とかいないの?連れて来てもいいのよ!」
「彼氏どころか好きな人もいないよ!」
私の一番はキュアドリームだもん!
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「緑谷君おはよう!元気になってよかった!」
「お、おはよう転身さん。心配してくれてありがとう」
「当たり前だよ!だって緑谷君は大事な友達だもの」
昇降口で登校してきた緑谷君を見つけ、声をかける。一昨日は事件の後すぐに、心配するママからの連絡を見て急いで帰ってしまったため、緑谷君の怪我がどうなったのか今日会うまでわからなかったのだ。みんなと連絡先、早く交換しよう。会話を続けながら、一緒に教室に向かう。
「それに、いきなり飛び出して行ったからびっくりしちゃった」
「あ、あ〜そうだよね……結局何にもできなかったし……」
「そうじゃなくて!__次に飛び出すときは、私も誘ってね。緑谷君、オールマイト先生を助けに行ったんでしょ?私にも緑谷君の守りたいもの、一緒に守らせてよ」
緑谷君はびっくりした顔で私を見ている。あの時彼は飛び出すべきではなかったと、彼の行動を否定する人はたくさんいるだろう。彼の行動を無駄だと切り捨てる人もいるかもしれない。
でも私は、誰かを守りたいって思う緑谷君を応援したい。誰かを助けるために行動できる緑谷君と、一緒に頑張りたいと思った。だから、緑谷君に会えたら私の思いを伝えようと昨日から決めていたのだ。
「ありがとう。転身さん」
「うん!一緒に頑張ろうね、緑谷君!」
教室に着くともうみんな揃っていて、挨拶を交わしながら席に着く。クラスの話題は昨日のニュースのことで持ちきりだった。それぞれの席で盛り上がっていると、教卓の前に立った飯田君が席につけーと大きな声で注意をする。でもみんな座ってるから総ツッコミされてる。ドンマイだよ!委員長!
相澤先生は
ガラ
「おはよう」
「「「相澤先生復帰早ええええ!」」」
相澤先生を心配していると、教室に入って来た人がまさかの本人だった。顔とか包帯でぐるぐる巻きだけど、学校に来て大丈夫なのかな?次々と生徒たちからの心配の声が上がるも、先生は俺の怪我はどうでもいいと切り捨てて、さっさとホームルームを始めてしまう。
「まだ戦いは終わってねぇ……雄英体育祭が迫ってる」
「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」
先生が告げた"雄英体育祭"ということばに、戦いと聞いて緊張していた生徒達が一気に盛り上がる。
雄英体育祭は日本中の注目を集める一大イベントであり、ヒーローたちは体育祭の活躍を見て、私たちに
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昼休みになるとみんな体育祭でどう活躍しようかという話題で盛り上がる。
「みんなすっごいノリノリだ……」
「お祭りが始まるって感じで、わくわくしてきちゃうね!」
いつも飯田君とお茶子ちゃんと一緒に食堂でご飯を食べているという緑谷君たちに、私も参加させてもらおうと緑谷君と一緒に飯田君の席に行く。みんなやる気マックスみたいだ。飯田君も当然だろう!とかくかくとロボットのようになったり、独特なダンスをしたりと面白いことになっている。
「デクくん飯田くん笑夢ちゃん。頑張ろうね体育祭!」
「お茶子ちゃん!?」
「か、顔がアレだよ麗日さん!?」
名前を呼ばれて振り向くと、すぐ後ろですっごく気合の入ったお茶子ちゃんが全然うららかじゃなくなっていた。お茶子ちゃんはバッと拳を振り上げて、私頑張るー!とみんなに宣言し始める。彼女は体育祭に並々ならぬ思いがあるようだ。
「お、お金!?お金欲しいからヒーローに?」
「___究極的に言えば……」
緑谷君のどうしてヒーローになろうと思ったのかという質問に、お茶子ちゃんが言いづらそうに話してくれた理由は"お金が欲しいから"というものだった。お茶子ちゃんは不純な動機でごめんねと恥ずかしそうにしている。
「どうしてお金が欲しいの?」
「うぇ!?あ、あのね……ウチの実家建設会社やってるんだけど、全然仕事なくてスカンピンなの」
お茶子ちゃんは小さい頃、自分の"個性"を活かしてお家の仕事をするとお父さんたちに告げたらしい。しかし彼女のお父さんは、お茶子ちゃんが自分の夢を叶えてくれるほうが何倍も嬉しいと答えたのだという。
「私は絶対ヒーローになってお金稼いで、父ちゃん母ちゃんに楽させたげるんだ!」
「すごいよお茶子ちゃん!すっごくいい夢だと思う!私応援するよ!」
「笑夢ちゃん……あ、ありがとう」
お茶子ちゃんはお父さんたちのためにヒーローになりたいんだ。そのために頑張れるお茶子ちゃんはとっても素敵だし、すっごくかっこいい。お茶子ちゃんに抱きついて私の思いを伝えると、彼女は恥ずかしそうな嬉しそうな顔をしてお礼を言ってくれた。飯田君もブラボーといながら頭の上で拍手している。
「ハーハハハ!緑谷少年がいたぁ!」
「ひゃぁあ!?」
「オールマイト!?どうしたんですか?」
大きな笑い声とともに曲がり角からオールマイト先生が現れた。突然だったから心臓がものすごい速さでバクバクと驚いている。オールマイト先生は戦いの後、保健室に運ばれたって聞いたけれど、ちゃんと元気になったようだ。先生は緑谷君をお昼ごはんに誘いに来たらしい。体に比べて小さなお弁当がかわいい。
「あ、でも、転身さん」
「え?あ、いいよいいよ緑谷君!先生とお昼ごはん食べて来なよ。また今度、一緒に食べよう!」
「ご、ごめんね!ありがとう!」
緑谷君はちょっと私に遠慮しちゃったみたいだけど、オールマイト先生とご飯を食べることを選んでくれた。私が勝手に参加しちゃっただけだし、これからも一緒に食べられる機会はたくさんあるんだから遠慮なんてしなくていいのに……緑谷君優しいんだなぁ。
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「オールマイト先生と緑谷君って仲良しだったんだね」
「2人の超絶パワーは似ているし、オールマイトに気に入られてるのかもな。流石だ」
飯田君たちと話しながら注文した料理を待つ。"個性"の使い方とか教えてもらっているのかな?憧れの人と一緒にご飯か……ちょっと羨ましいかも。
「笑夢ちゃんそれ全部食べるの!?」
「焼肉定食にオムライスに親子丼……ご飯の量が半端じゃないぞ!?」
「うん!いつもこんな感じだよ。いただきまーす!ん〜すっごく美味しい!」
「笑夢ちゃんは憧れのヒーローがいるんだよね?じゃあ体育祭でもその人に見てもらえるように頑張らないとだね!」
お茶子ちゃんの言葉から私の憧れの
「うーん……私の憧れの人はたしかに私のヒーローなんだけど、みんなの知ってるヒーローとはちょっと違うんだよね」
「?__どういうことだ?」
「"この世界"のヒーローって職業の一種でしょ?でもプリキュアは違うっていうか……多分、彼女たちの"戦う理由"って敵を倒すためじゃないのね。だから
「なんだか難しいねぇ」
「ヒーローは
プリキュアを知らない人たちにその説明をするのはとても難しい。しかもこの世界のヒーローは職業だから、
また事務所を構えたり、テレビに出演するなど、いろいろなところで"ヒーローとしての自分"の活躍をアピールしている。相澤先生みたいにメディアに出ないヒーローもいるみたいではあるけれど……多分、そういう問題ではないのだ。
「それに、プリキュアに変身する"私"をたくさんの人にアピールするのは……ポリシーに反するっていうか。私はキュアドリームになりたいだけで、キュアドリームじゃないっていうか……」
「いろいろこだわりがあるんやね、」
「しかし、雄英体育祭はヒーローとしての自分の力を周囲に見せるチャンスだぞ?」
「うーん……もうちょっと考えてみるね。うまく説明できなくてごめんね」
私は"この世界"のたくさんの人たちにプリキュアの魅力を知ってもらいたいと思っているけれど、"プリキュアに変身できる私"を知ってもらいたいとは思わない。私は
プリキュアの正体や戦っている理由は誰も知らないけど、プリキュアはたくさんの人を救い、夢や希望を与えていた。プリキュアは自分からヒーローだと宣言することはなかった。でも、
「"ヒーロー"ってなんなんだろう」
ため息とともにポツリと口からこぼれ落ちた言葉が重く胸にのしかかってきた。
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「転身、どうしたんだ?」
「さあ、食堂から帰ってきてからずっと"ああ"だよ」
"この世界のヒーロー"と"私がなりたいプリキュア"についてぐるぐると考えていたら1日が終わってしまった。職業としてのヒーローには違和感があるけど、私がプリキュアになるためには"この世界のヒーロー"にならないといけない。そのためには体育祭で自分の力をアピールする必要がある。でも、たとえ世界が違うとしてもプリキュアの正体が"私"であるなんて嘘が広まるのは絶対に許せない。
「うーーー……」
唸り声をあげながら机に突っ伏していると、教室の外がざわざわと騒がしくなるのに気がついた。どうやら違うクラスの人たちが1年A組を見にきているようだ。爆豪君が他クラスの人たちにいつものように何かを言ったようで、クラスのみんなの慌てたような声が聞こえる。
「こういうの見ちゃうと幻滅するなぁ。普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ」
気がつくとさっきまでの騒がしさが消え、クラスはシンと静かになっていた。突っ伏したまま声が聞こえる方に目を向けると、入り口では爆豪君と背の高い紫色の髪の毛をした男の子がしゃべっている。
「知ってた?そんな俺らにも学校側はチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって……その逆も、また然りらしいよ」
全然知らなかった。じゃあヒーロー科に相応しくないと判断されてしまうと、ヒーロー科でいられなくなってしまう可能性もあるのか、、相澤先生が最初に言っていた"除籍処分"ってそういうことなのかな?せっかく仲良くなれたみんなと離れ離れになるのは嫌だと思う。
「敵情視察?少なくとも俺は、いくらヒーロー科とはいえ調子に乗ってっと、足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり」
紫色の髪の毛をした彼は、自分が私たちよりも体育祭で活躍してヒーロー科に行くと大胆不敵に言い放った。
「すごい……かっこいいなぁ」
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「失礼しまーす!相澤先生居ますか?」
「相澤君なら自分の席にいるわよー」
「見えてるだろうが、どうした転身」
「あの、相談したいことがあって……体育祭のことで!」
体育祭まであと二週間!__"ヒーロー"ってなんだろう?やっぱり"あの世界"と"この世界"は全然違うんだなぁ……でも、みんな自分の夢のために一生懸命頑張ってる。私も立ち止まってなんて居られない!私は私の夢のために、ヒーローになるって決めたんだもの!
しばらく体育祭編です。
どうやって進めて行くかいくつか考えてはいるのですが、もしかしたらトーナメントを少し変更するかもしれません。まだわかんないけどね。