目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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今話はフラン視点です


美鈴とフランの会話

「フランお嬢様、随分と楽しそうですね」

「うん! 2週間位前だったかな? お姉様の話を聞いて気づいたけど、私って本物の妖精さんを見た事なかったから、楽しみなの!」

 

 とある満月が綺麗な日の深夜、私は門番の仕事をしている美鈴に話し相手をしてもらいながら、少し前に『メイドにする予定の妖精を連れてくる』と言って外へと出掛けていったお姉様の帰りを今か今かと待っていた。

 

 いつお姉様が戻ってくるかが分からない以上、本来ならわざわざこの場で待ち構えている必要は一切ないけど……私自身、色々な文献で妖精さんを見た事はあっても、()()()妖精さんは見た事がなかったから、すぐにでも見たいと思ったと言う理由があった。

 

 勿論それだけではなく、美鈴自身が1人で暇そうにしているのを見て、何か寂しそうだと勝手に何時ものように思ったお陰で、美鈴と話したいなと私が思ったと言う理由も存在したけど。

 

 それにしても、最初に妖精さんを連れてくると聞いた時は、まだ現役で働いてくれてる人間のメイドさんが居るのに何でと思ったけど、リーシェのためであるとお姉様から聞いて、納得せざるを得なかった。

 寿命がない上に、自然がある限りは何度でも復活する事が出来るのだから、いくらリーシェがその妖精さんたちと仲良くなっても、あの時のような問題は起きない訳だし。

 

「ねえ、美鈴。お姉様が連れてくるって言う妖精さん、一体どんな子たちなんだろうね!」

「そうですね……妖精ですから、きっと自由奔放で賑やかな方々だと思いますよ。館の中も、今までよりも明るく楽しくなるでしょうね」

 

 お姉様が出掛ける前までのやり取りを振り返りつつ、何気なしにここに連れてこられる妖精さんたちは一体どんな子なんだろうとの予想の話を美鈴に振ると、館の中が今まで以上に明るく楽しくなる位の自由奔放かつ賑やかな子たちなのではないかと、そう予想を打ち立ててきた。

 確かに、妖精さんには美鈴の言った通りの性格の持ち主が多い。館の中がより賑やかになると思うのも、自明の理と言えるだろう。

 

「賑やかかぁ……私はそう言うのが好きだから良いけど、リーシェとは相性が合わないと私は思うんだよね。実際に会わせてみないと分からないけどさ」

「言われてみれば確かに……えっと、フランお嬢様と同じ様な思いです。リーシェお嬢様はそう言う時、一緒になって騒いで盛り上がるタイプではなく、基本静かに楽しむ感じですし」

 

 しかし、私は館の皆と騒いで楽しく盛り上がったりするのは好きだから良いとしても、リーシェはそうではない。誕生日会の時は例外としても、それ以外は静かに楽しもうとするタイプだからだ。もっと言えば、そもそも部屋からあまり積極的に出ようとはしないため、普段から元気で活発な妖精さんとの相性はあまり良くない。

 

 そう言ったら、美鈴も同じ様な事を思ってたらしく、私の言った事に全面同意してくれた。まあ、だからと言って絶対に仲良くなれない訳ではないし、妖精さんと触れ合っていく内にリーシェ自身が明るくなる可能性もなくはないから、そう悲観する必要は全くないだろう。

 

「フランお嬢様。レミリアお嬢様が妖精たちを連れて帰って来たみたいですよ」

「お姉様が? あっ、本当だ! 妖精さん連れてきてる!」

 

 なんて事を考えていると、お姉様が妖精さんたちを連れて帰って来た事を美鈴が察知したらしく、私の肩を軽く叩いて知らせてくれた。なので、指を差された見上げると、遠目にお姉様が妖精さんを5人程引き連れて館の方へと向かってくるのが見える。

 

(本当にそっくり……)

 

 文献で見た時にも思ったけど、リーシェの翼と妖精さんの羽はパッと見似た形状だ。それに、天使の翼にも見える形状の上に可愛いあの容姿も相まって、ネイビス含めた一部の人たちがリーシェを『天使』や『妖精』と呼ぶ気持ちが、少し分かった気がした。勿論、改めて姿を思い浮かべて分かった気がしただけで、私自身はそう呼ぶつもりは()()()ないけど。

 

「2人共、ただいま! メイドになってくれる妖精を連れてきたわ」

「お帰りなさい、レミリアお嬢様」

「お姉様、お帰り! へぇ……その子たちがメイドになってくれる妖精さんなんだね」

「ええ。偶々見かけたあの子たちにメイドの仕事内容を洗いざらい説明した上で普通に誘ってみたら、何か面白そうだってついてきてくれたから、結構楽だったわ」

 

 後、帰ってきたお姉様と美鈴と私でここに妖精さんを連れてくるまでに何があったかと言う会話をしている際、彼女たちは色々とやりたい放題だった。

 例えば、私の翼の宝石部分を重点的に触ったり揺らしたりしながら自分たちの羽と比べてみたり、紅魔館を見て瞳を輝かせながらどんな事が待ってるのかと楽しそうに跳び跳ねたり、お姉様の翼に触れたりと言った感じである。

 

 まあ、とある文献に載ってた妖精の性格から考えて、これらの仕草は想定内だったから驚きはしなかったけれど、宝石部分はともかくそれを支えている枝の様な部分を撫でる様に触れられると、何だか少しくすぐったかった。止めてもらおうかとも思ったけど、別に不快な気分にはならなかったため、気の済むまでやらせておく事にしよう。

 

「えっと……私、レミリアお姉様の妹の『フランドール・スカーレット』って言うの。『フラン』って呼んでね、妖精さん!」

「あっ、私はここの門番をしてる『紅美鈴』と言います。皆様、よろしくお願いしますね」

「「「よろしくお願いします!!」」」

 

 で、帰って来たお姉様と美鈴を合わせた3人での話が終わり、妖精さんたちの翼触りなどの行為が落ち着いたタイミングを見計らって、私と美鈴の簡単な自己紹介を済ませた。ちなみに、5人の妖精さんたちには名前がないみたいだから、自己紹介はひとまずなしと言う事に決まる。

 

「さてと……今から館の中の案内をするから、私の後を一緒についてきなさい。分かった?」

「「「はーい!!」」」

 

 そして、一通りのやり取りを皆で交わした後、紅魔館の中の案内と住人たちの紹介をするため、お姉様や妖精さんたちと一緒に私も、中へと入っていった。




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