「え!? リーシェをお母様のお葬式に出さないって……どう言う事なのさ!」
「どうもこうも、今言った通りだが?」
「それはもう聞いてるわ。私たちが言いたいのは、断固として何故そう断言したのかが聞きたいの!」
大好きだったお母様が居なくなってから3日経ち、紅魔館全体が悲しみに包まれながらもお葬式に備えた準備がほぼ整った時、私とお姉様はお父様に抗議していた。リーシェをお母様のお葬式には一切合切顔を出させないと、断言したためである。
これには一部のメイドさんたちもビックリしたらしく、流石にそれは不味いのではないかと、抗議とまでは行かずとも、お父様に質問を投げ掛けている。
「はぁ……今の
「「……」」
すると、お父様は仕方ないと言った感じで訳を説明し始めた。最初に説明していた理由は納得出来なくはないものだったけど、途中から怪しくなってきて、終いにはリーシェをそこら辺の有象無象と同等の呼び方をし始めたり、邪魔者扱いする始末だ。そのせいで、最初の比較的納得出来る理由も完全に台無しである。
「とにかく、後30分程度で始まるからそれまでに用意しておけ。レミリアとフランにはしっかり出てもらうからな。嫌とは言わせんぞ?」
「「言わないから!」」
そうしてお父様は一通り説明をしていった後、色々な準備をしに自分の部屋へと入っていった。
「さて、フラン。リーシェに、今日お母様のお葬式があると言う事だけ、伝えに行きましょう」
「うん。でも、そんな事言っても大丈夫かな……? 扉に多重結界張られてるから、リーシェが来たくても来れないし……」
「分からないけど……それでも伝えなければいけない気がするの」
「お姉様がそう言うなら……分かった! 行こう!」
お父様が自分の部屋に入り、鍵を掛けたのを確認した瞬間、お姉様がリーシェにお母様のお葬式が今日やる事だけでも伝えに行こうと、私にそう話しかけてきた。
ただ、リーシェの部屋の扉には多重結界が張られていて、私たちにはどうする事も出来ない。そのため出入りが不可能なのに伝える意味はあるのかと思ったけど……お姉様が伝えなければいけない気がすると強く断言したので、それならと私も納得して2人でリーシェの部屋の前に向かう。
「リーシェ……お話大丈夫?」
「うん……」
そうしてリーシェの部屋の前に着き、お話は大丈夫かと声をかけると、随分と弱々しい声ではあるものの、昨日や一昨日の狂ったように泣いたり大笑いしていた時に比べれば、落ち着いた感じで大丈夫と返事を返してくれた。なので、お母様のお葬式が30分後に行われると言う事を含めて、さっきの話の内容をそっくりそのまま伝える。
すると突然、昨日や一昨日のような普段のリーシェとは思えない程大きな声をあげながら狂ったように笑い始めた。
「そう……父様が私を邪魔者に……私に葬式に参加するなとね……まあ、仕方ないかなぁ……アハハハハハ!!」
こうなってしまえば私たちに止められる術はないため、リーシェの狂い笑いが落ち着くまで、ただひたすら待つ。
「あははっ……ふぅ。教えてくれてありがとう、フラン姉様」
「ごめんなさい。私とお姉様だと、リーシェをそこから出してあげられなくて……」
「ふふっ……ううん、大丈夫。姉様たちは気に病まなくても、問題ないから」
10分程待って落ち着いた後、自分たちの力不足が故に部屋から出してあげられなくてごめんなさいと謝ると、リーシェは再び少しだけ笑いながらも、気にしてないから気を病まないでくれと私たちに言ってくれた。
「さあ、フラン姉様にレミリア姉様。お話もそろそろ切り上げて早く行かないと、お葬式始まっちゃうよ?」
「……うん」
「ええ。じゃあ、行ってくるわ」
その後、扉越しに私たちとリーシェとで色々と話し合ったりしていると、いつの間にか時間が迫ってきていたらしく、リーシェに早く行かないとお葬式が始まると指摘されたので、早々に話を切り上げて会場へ向かう事に決めた。
「うわぁ……凄い数の吸血鬼たち……」
「自分で言うのもなんだけど……流石、スカーレット家ね。お父様が声をかけるだけで、こんなにも集まるなんて……取り敢えず、お母様の入った棺を探しましょう」
「うん、そうだね」
そうして会場であるエントランスに向かい、想像以上の吸血鬼たちが集まっているのを見て思わず引いてしまいながら、お母様の入った棺を探し回った。
「ようやく来たか……レミリア、フラン! 俺の妻、お前たちの母親の棺はここだぞ」
「お母様……」
すると、何かしらの話し声で騒がしいこのエントランスでも良く響く声で、お父様に呼ばれた。そこには、お母様が入っている棺があり、家族全員の名前が書かれていたけど、リーシェの名前だけ小さい上に目立たない色であった。これでは書かれていないも同然であった。
(まさか、存在ごと排除……?)
もしかして、
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