目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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舞い終えた雷天使と魔女

「リーシェさん、パチュリーさん。この度は援軍として来ていただき、大変感謝いたします! お陰様で、友人たちも含め半数よりも犠牲者を増やさずにいられました!」

 

 守護対象の吸血鬼さんたちを殺そうとする聖魔騎士団と戦い、これを退ける事に成功した私とパチュリーは色々とやる事を済ませた後すぐに帰らず、この館の主である吸血鬼さん含めた一部の生き残りたちと会話をしていた。

 

 戦いが終わってから、助かる見込みのある吸血鬼さんの治療を手伝ったり、破損した門や門壁の片付けなどをやり終えてから、まだまだ戦える位に体力や魔力などに余裕があった事に加え、どうしても話がしたいとお願いされたからである。

 

 しかし、私たちが駆けつけるまでに館に居た友人の一部を含め、総人数の半分が犠牲となってしまった事を聞き、相手の数を大幅に減らして勝ったとは言え、とても複雑だった。もう少し早く駆けつけられてれば、犠牲者を減らせたかもと思えてならない。

 

「うん。駆けつけるまでに半分の犠牲者が出ちゃった事は残念だけれど、これ以上増えなくて良かった」

「ええ。でも、私とリィがもう少し早く駆けつけてればもっと減らせてたと考えると、何だか複雑ね」

「いいえ、とんでもない! 駆けつけて下さるまで十分早かったと、我々生き残り一同そう思ってますよ。本当に感謝しています!」

「そう? ならまあ、良かった」

「そうね、リィ」

 

 ただ、その事を話の中で言った時に、当事者である生き残った吸血鬼さんたちは私とパチュリーに対して、()()()何度も繰り返しお礼の言葉を言ってくれたから、そう考えるのはやめる事にした。当事者がそう言ってるのにも関わらず、私たちが変に考え過ぎるのも違うのだから。

 

「それにしても戦闘中に突然、高魔力の稲妻の様な青白い光が()()()()()()落ちた時は驚きましたが、まさかリーシェさんの魔法攻撃だったとは……凄いとしか言い様がありません」

「あっ、うん……ありがとう。地上の敵を狙うのは初めてだったけど、しっかり狙い通りの結果が出せて安心したかな」

 

 すると、私とパチュリーにお礼を言い終えた館の主の吸血鬼さんから、敵を滅した青白い光(サジタリウスの烈矢)について、凄いとしか言い様がないと褒める言葉をかけられた。

 

 紅魔館防衛戦の時に見せたレミリア姉様やフラン姉様、パチュリーに美鈴と言った皆からなら褒めてもらえた事はある。しかし、普段関わり合う事が殆んどない他人から純粋に褒めてもらえた経験なんてなかったから、少し驚いた。

 同時に、いくら興味が薄い他人からとは言えど、何かを褒められれば純粋に嬉しいから、褒めてくれた事に対して頭を軽く下げてお礼の言葉を伝える。

 

 それにしても、サジタリウスの烈矢を放つ上で分かっていた事ではあるけれど……やはり、視覚的にも魔法的にも目立ってしまっていたらしい。特に、魔法的に目立ってしまっている状況は探知や迎撃、防御されやすくなると言う意味で非常に良くない。

 

 加えて吸血鬼さんたちだけでなく、私が戦場に近づく前に3発目と4発目を当てた聖騎士も、この攻撃を何らかの手段で()()()()のだろう。今回は私が上回ってたから防がれなかったけれど、このままだともしかしたら、聖魔騎士団に切り札がほぼ通用しなくなる状況に陥る可能性があるから、今後は探知防御と超探知の術式の改良に着手した方が良いかもしれない。

 

「さてと、そろそろ良いかしら? 怪我人の治療と敵の排除が済んだ以上、あまり長居してレミィたちを心配させ過ぎるといけないからね」

「確かにそうだね……じゃあ、吸血鬼さん。話の途中でごめんね。心配させるといけないから、私たちは帰るよ」

「はい! えっと、今回は本当に感謝しています! 本日のお礼は落ち着いたら館へとお送りさせていただきますね」

 

 頭の中でそんな事を考えながら吸血鬼さんとの会話を続け、話が一段落したところで、パチュリーから事が済んだ訳だし、紅魔館の皆を心配させ過ぎるといけないから長居せずに帰ろうと声をかけられた。

 言われてみれば確かにその通りなので、会話を交わしていた吸血鬼さんに謝って中断し、パチュリーと一緒に見送られながら戦闘のあったこの館を飛び立っていく。

 

(もし、レミリア姉様とフラン姉様だったらどうなってたんだろうなぁ)

 

 そうして館へと戻る道中、仮にこの戦いに参戦していたのがレミリア姉様とフラン姉様だったとしたら、一体どんな展開になっていただろうかと考えていた。

 まあ、恐らく卓越した近~中距離戦闘能力と基本スペックの高さ、魔法を扱う技術自体もかなり高いから、私たちよりも苦労せずに敵を滅ぼして終わっていただろうけど。

 

「ただいま! 皆、無事に帰って来――」

「あっ、リーシェ! えへへ、お帰りなさい!」

「お帰りなさい、リーシェ。怪我とかもなさそうで何よりだわ」

「うん……」

 

 パチュリーと当たり障りのない話をしつつ、そう思考を巡らせながら何故か美鈴の居ない門を通って館へと入った瞬間、フラン姉様に笑顔で前から勢い良く抱きつかれ、レミリア姉様に後ろからそっと抱きつかれた。

 こんな事をされるとは思わなかったお陰で結構驚いたけれど、疲れた身体に姉様2人の心地よい温もりは、とっても染み渡ってきた。

 

 ちなみに、パチュリーはこあや美鈴から無事に帰って来た事を喜ばれた後、簡単に今まで起こった事の話をしてから普段通りの代わり映えのない話を、楽しそうにしていた。

 特に、パチュリーの使い魔として契約を結んでいるこあのホッとしている表情を見るに、相当慕われている事が明らかである。

 

 まあ、普段色々と頼み事をして大変な思いをさせながらも心のケアは抜かりなく行っている上、調子が少しでも良くない時の気遣い様が凄いから、当然と言えば当然の事だろうけど。

 

「さて……早速ここに来た使者も含めて詳しい話を聞かせてもらいたいところだけど、彼は傷ついていたせいで眠ってるし、リーシェとパチェも疲れているだろうから、先に着替えてから休んできなさい」

「うん、そうする。姉様2人の温もりで、何だか眠くなってきたから」

「そうね。私も疲れてるから、休ませてもらうわ」

 

 で、ある程度の時間こんな感じのやり取りを交わした後は、レミリア姉様に話を聞かせてもらう前に、疲れているだろうし休んできなさいと促された。

 体力にはまだ余裕があるにはあるけれど、姉様2人の温もりの想像以上の心地よさでそれなりの眠気が襲ってきていた事もあってそれを了承し、同じく促されていたパチュリーと共にそれぞれの自室で休む事を決め、向かっていった。




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