目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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喜び楽しむ次女

「さてと。改めてまして、せーの……フラン姉様、お誕生日おめでとう!」

「「「おめでとーー!!」」」

「えへへ……皆、お祝いしてくれてありがとうね! 凄く嬉しいよ!」

 

 フラン姉様に喜んでもらえる様にと、丹精込めて作り上げたプレゼントを渡し終える最大の要所を突破した私とレミリア姉様は、皆の待つ食堂へと向かい、自分も楽しみつつ盛大にお祝いを行っていた。

 

 毎年こう言った誕生日会を行っていると、どうしても手紙の内容やプレゼントの中身、会の流れなどが似たり寄ったりがちになってしまう。だから、今回はそれを打破するために各々が思い思いのお祝い方をしようと言う話になっていた。

 

 例えば、美鈴と私とお姉様の様に丹精込めた手紙やプレゼントを用意して渡したり、パチュリーはいつもの手紙に加えて豊富な魔力や知識、魔法技術を使った美しさに特化した魔法を披露するなどと言った感じだ。

 

「わぁ……私やお姉様、リーシェそっくりのお人形もそうだけど、物語とか小道具とかも凄い! どうやったらそんなに上手く作れたりするのかな?」

「確かに不思議よね。これに加えてメイドの仕事もこなしちゃうわけだから、本当に優秀で助かるわ」

「うん。まあ、例え優秀じゃなくても大切な妖精メイドさんたちだけど」

「ふふっ……言うまでもないわ、リーシェ。他の住人たちを故意に何度も身体的・精神的に傷つける行為をしたりしなければ何であれ、彼女たちは大切なうちの館の住人よ」

 

 勿論、妖精メイドさんたちも同じ様にお祝いしていたのだけど、裁縫が非常に得意な青髪(あおかみ)の妖精さんたちと物語を作り演じるのが得意な妖精メイドさんたちが手を組んだ、クオリティが高い私たち姉妹の人形が登場する人形劇が開催された時は本当に驚いた。手作りの小道具まで使う徹底ぶりだったから尚更である。

 主役でない私たちですらこれ程までに楽しめているのだから、今日の主役のフラン姉様が瞳を輝かせ、翼をパタパタさせながらとても楽しんでいるのは、当然の事だと言える。

 

「フランさま、楽しんでくれましたか? この人形劇、結構な自信作なんですよー!」

「うん、楽しかったよ! こんなに凄い人形劇、つまらない訳ないじゃん!」

「そうですか……皆、今の聞いた? フランさま、この人形劇を楽しんでくれたって!」

「「……やったぁ!!」」

 

 それからおよそ30分、長い様で短かった高クオリティの人形劇が幕を閉じると、青髪の妖精さんがフラン姉様の下に近寄り、楽しんでくれたかと少しだけ心配そうに尋ねていた。

 しかし、瞳を輝かせて翼をパタパタさせながら見ていたフラン姉様の出した答えは、当然の如く楽しかったと言うものであったため、妖精さんたちの心配は杞憂に終わる。

 

 ここまで高クオリティな人形劇に仕上げるため、相当な時間をかけてきたのが明白なだけに、楽しかったと笑顔で言われた妖精さんたちの喜ぶ様子が見れて、本当に良かったと心から思った。

 

 ちなみに、人形劇で使われていた私たち姉妹の人形は誕生日プレゼントとして贈られる事が決まったため、フラン姉様が非常に喜ぶ事となった。

 

「フラン様。私たち料理担当の妖精メイド一同、心を込めて作ったアップルパイと淹れた紅茶です。良ければ召し上がって下さい」

「うん! とっても美味しそうだし、勿論食べるよ! まだまだお腹には余裕があるしね!」

 

 人形劇の片付けも終わり、再び元の誕生日会の様相へと戻っていった後、待ってましたと言わんばかりにエプロンを着用した料理担当の妖精メイドさんたちが、とても美味しそうなアップルパイと淹れられた紅茶を持ってきた。どうやら、誕生日のプレゼントとしてアップルパイを作り、食べてもらおうと考えている様だ。

 

 漂う甘い香りに、フラン姉様は即食べる事を決定したみたいだけど……今までにも結構な量の料理を食べているのに、まだ何かを食べれるだけの余力があると言う事は、相当な胃の容量をしているらしい。比べられるのが紅魔館の住人しかいないから普通かそうでないかは決められないけど、小食なレミリア姉様は勿論の事、私も限界なだけに驚きである。

 

「うん、甘くてとっても美味しい! でも、今まで沢山食べてきてお腹いっぱいになりかけてるから、このアップルパイの味を完璧に感じれないの。妖精さん、ごめんね」

「いえいえ、構いませんよー!」

 

 とは言え、流石のフラン姉様も満腹に近い状態であったらしく、美味しいアップルパイの味を完璧に感じれないと、少しだけ残念そうにしていた。満腹近い状態でも食が進む位に美味しいのなら、きっと空腹時に食べたらそれはもう感動的なレベルの味に感じるのだろう。

 

 その後は、妖精メイドさんたちの淹れてくれた紅茶を飲みながら普段はあまりしないようなしょうもない話をしたり、特別な日だけあってテンションの上がった妖精さんのはしゃぐ姿を遠目で見たりなど、色々と楽しく過ごしたりした。

 お陰でまあ、後片付けにかかるであろう時間が倍増しになった訳だけど、特別な日くらいはしゃいでも良いだろうと言う事で、私を含めたこの場に居る誰もがそれを許容している。

 

「フラン、どう? 楽しかったかしら?」

「うん、とっても楽しかったよ! 誕生日プレゼントもいっぱいもらったし、楽しい劇も見せてもらったし、大満足!」

「そう。それは良かったわ」

 

 こんな感じで、夜が明けかける時までどんちゃん騒ぎをして、私たち以上に主役であるフラン姉様がこの日を楽しめたところで、誕生日会は終わりを告げる事となった。

 

 




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