目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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フランの新魔法

「リーシェ! 私ね、凄い魔法を完成させたの! 良かったら最初に見てくれないかな? それで、感想を言って欲しいの」

「魔法を私に初披露?」

「そう! 多分だけど、リーシェならビックリすると思う奴なんだよ! 赤髪(あかがみ)黄髪(おうはつ)の妖精さんも、せっかくだから一緒に見てって!」

 

 魔法研究や開発・改良の休憩のため、食堂に居た赤髪と黄髪の妖精さんと一緒にお菓子を食べながら話をしていた時、フラン姉様に秘魔法を見て欲しいと声をかけられた。

 

 何かを作ったり新しい事が出来る様になった時、大抵は誰に見せるよりも先に私に見せて感想を求めてくるから、これ自体は特に珍しい事ではない。

 ただ、今回はいつにも増して、とにかく早く見せて感想が聞きたいと言う思いが溢れだしていたのが気になった。私ならビックリするとの事だから、今から見せてくれる魔法に相当な自信があるのだろう。

 

「良いよ。地下室に行こ――」

「あっ、地下室に行かなくてもこの場で大丈夫! この秘魔法そのものは、物理的な影響を及ぼすものじゃないからね!」

「そうなの? 分かった……じゃあ、お願いね。フラン姉様」

「うん!」

 

 と言う事は、物凄い威力の攻撃技に違いないと思った私は2人の妖精さんと一緒にいつもの地下室へと向かおうとしたけれど、フラン姉様に止められた。曰く、新開発の魔法自体は物理的な破壊を伴わないものの様だ。

 

 物理的な破壊を伴う攻撃技ではないと言う事は当然、防御・回避系か身体補助系な訳だけど、そうなると余計にどんなものなのかが気になってきた。フラン姉様の事だから、きっと私の予想を超えてくる魔法に違いない。

 

「ふぅ……貴女はもう、()()()()()()()()()()()()()

「あっ、フラン姉様が消えた……」

 

 そう思いつつ見せて欲しいとお願いしたところ、気配が完全に消え去った上に姿が一切見えなくなると言う、やはり予想の斜め上を超えてきた魔法だった。

 

 しかも驚きなのが、私の能力による探知ですら全く用をなさず、フラン姉様がどこに居て何をしようとしているのかが分からないところである。今まで対象が探しづらいとの経験をした事はあっても、探知不可能でお手上げになった経験なんてないから、惑わずにはいられなかった。

 

 もしかしたらテレポート系の魔法なのかもと思ったけど、試しにフラン姉様に呼びかけた際に魔法弾が浮かんできたなどの反応があったから、それは違うとすぐに判明した。一体どんな魔法なのか、私には皆目検討がつかない。

 

「アハハ! リーシェ、驚いてくれたみたいで良かった!」

「うわっ……うん、あれは驚かざるを得ないよ。だって、私の探知能力でも全くどこにいるか分からなかったんだから。一体どんな効果のある魔法なの? 回避系の魔法って事は分かったけど……」

「分かった。今から説明するね! えっと……」

 

 すると、謎の魔法を使って消えてから1分程経った頃、突如として私の後ろにフラン姉様の気配をハッキリと捉えたため後ろを振り向くと、笑みを浮かべて立っていた事に気がついた。

 現れる瞬間も同様に探知出来ず、完全に現れてからしか探知出来なかった事もあって、思わず変な声を出してしまう。

 

 更に、私の能力すら掻い潜る程の魔法とは一体どんな効果を持つのかと尋ねたところ、とんでもない究極の防御・回避系魔法と判明した。

 発動時はまるで蒸発したかの様に姿が消え、ありとあらゆる相手からの攻撃や探知能力を寄せ付けない上、自分からは魔法攻撃限定ではあるものの安全に放つ事が可能と聞けば、もはや言葉が出てこない。

 

 これ程強力無比な魔法を生み出してしまうとは、流石は私の姉様である。加えて、魔導師の観点から見ても十分尊敬に値する魔法であるため、遠慮無くべた褒めの感想を述べさせてもらった。

 流れで一緒に見る事となった2人の妖精さんも、見た目の良さは全然分からないけど何だか凄いなと言っていたのを見るに、これが出来る様になるまでの努力をなんとなく感じ取った様だ。

 

「えへへ、そんなに褒められると何か照れるなぁ。まあ、効果が効果なだけに普通にしてても維持出来る時間は1分半から頑張っても3分だし、物理攻撃は出来なくなるし、魔法攻撃は出来るけどその気配までは消せないんだけどね」

「そっか。それでも十分過ぎる程強力だと思う」

 

 そして、非常に強力な効果を発揮するこの魔法は案の定、相当負担がかかるらしく、今のところは頑張っても3分間維持するに留まっている様だ。戦闘時だと更に短くなるらしい。

 

 更に特性上、この魔法の発動時はどんな物理攻撃も出せなくなり、魔法は普通に放てるもののその気配までは消えないと言う欠点があるみたいだけど……メリットが大きすぎてその程度はもはや欠点ではないだろう。実質、効果時間の短さと負担の大きさのみが欠点と言える。

 

「フラン姉様。もし良かったら、一緒にお菓子でも食べてのんびり過ごさない? まだ沢山あるし、紅茶とかもあるみたいだから」

「えっ、良いの?」

「勿論だよ。2人も、それで大丈夫?」

「「良いよー!」」

 

 そうして新魔法についての話が終わった後、さっきまで食べていたお菓子がまだ余っていたのを見て、一緒に加わってのんびり過ごさないかと思いついてフラン姉様を誘った。

 一緒に居た2人の妖精さんも歓迎していたため、早速4人でのおやつタイムとなると思っていたものの、食堂に駆け寄ってきた別の妖精さんが現れた事で、そうはならなかった。




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