誤→エルラルト 正→エルラート
「ああもう、何なのさ! せっかくリーシェに新魔法を褒められて、妖精さん2人も加えた楽しい時間を過ごせると思ってたのに、聖魔騎士団の奴ら……!」
「フラン姉様、ちょっと落ち着いて……」
食堂にて4人での楽しい時を過ごそうとした際、訪れた妖精メイドさんから知らされたとある事柄に対して、フラン姉様は大いに怒りを露にしていた。その事柄とは、聖魔騎士団の軍勢が紅魔館の近辺まで迫っていたと言うものである。
妖精メイドさん曰く、美鈴がいつも通り門番の仕事をしつつ太極拳の練習などをして身体を動かしていた時、聖騎士や聖魔導師たちが放つ特徴的な『気』を感じ取ったらしく、その方向を向いてみたところ、それらしき人影を見たとの事。突如として現れたため、報告が僅かながら遅れたらしい。
加えて、上空にも箒に乗ったり精巧な魔法と思われる力を使って飛行している聖魔導師が、それなりに居るらしかった。
「あっ、ごめんね。でも……ある意味
「うん、私もフラン姉様と同じ思いだよ。だって、相性がかなり悪い相手なのも相まって、負けず劣らず強いから」
更に、気の種類は違えどその大きさ自体がパチュリーを超え、ある程度の援護があればレミリア姉様やフラン姉様ともやり合えるかもしれない程の存在が2人……今代と次代の聖女が揃ってやってきていると聞けば、こうなるのも理解出来る。
私だって、知らせを聞いてからすぐに能力を使って知った情報を見て衝撃を受けたのだから。
「妖精さん、レミリア姉様は今どうしてるかな?」
「レミリアさまでしたら、パチュリーさまにも声をかけるなどして準備を整えています! とても慌てていたので、恐らくもう中庭に居ると思いますよ!」
そんな事を考えながら怒りを露にしていたフラン姉様をどうにか落ち着かせた後、レミリア姉様はどうしているかと尋ねると、私とフラン姉様よりに伝わるよりも先に伝わっていたらしく、色々と準備を整え始めていると分かった。
かなり慌てていたみたいだけど、聖女としての力はもとより経験から来る高い技術力を誇る
(もう少し、早く気づければなぁ……でも、突然現れたらしいしどうにも出来ないか)
現時点で相手が既に言う近距離に居る分、発動間隔が長過ぎる『サジタリウスの烈矢』は使えない。だから私は、『
「フラン、リーシェ! 覚悟は良い?」
「うん! 凄く大変な事になってるって聞いたし、勿論だよ! せっかくの幸せな時間を邪魔してくれたアイツらに、キツい一撃を入れてやるんだから!」
「私も同じ。ただ、相手との距離が近すぎて普通にサジタリウスの烈矢を放つ時間が足りなそうなのが痛いかな」
そして、雷弓を出してから館を出て中庭に行くや否や、遠くの人影を睨みつけていたレミリア姉様から一言だけ声をかけられる。
覚悟は良いのかとの事だけど、こんな状況だとしてもどうにかしなければ館の皆が危ない訳だし、話を聞いてからすぐに覚悟は決まっていたから、堂々と質問に対して頷いた。
「なら良かったわ。それにしても、リーシェの切り札が相手との距離のせいで厳しいのは痛いわね……敵の数も多いし、切り札なしでもどうにか出来る?」
「勿論、切り札が使えずとも既存の魔法を上手く使えばほぼ問題ないよ。敵が至近距離まで近づいて来るか、魔力が切れるまでは放ち続けられるから」
「なるほどね……そらっ!」
すると、レミリア姉様はそれについては安心すると同時に私の切り札である魔法なしでも、敵の数を大きく減らせるかと心配そうに聞いてきた。1発放つのに時間がかかりすぎる、私の切り札の欠点を知ってるが故の質問である。
能力と誘導陣術による補助が条件にあるものの、最大射程が数㎞ある魔法を含め、今まで開発してきた数々の魔法が私にはあるため、上手く使えば多少取りこぼしなどがあってもほぼ問題なく敵の撃破は行えると踏んでいる。
「決めたわ! 私たちも敵を減らしつつ全力で切り札発動の時間は稼ぐから、どうにかして何発か撃ち込んで地上と空中に居る敵の数を大きく減らしてくれるかしら?」
だから、レミリア姉様に対してその事を言ったところ、真上を通過した敵を投げたグングニルで撃墜しながら、皆で時間を稼ぐから切り札を使ってくれとの返事を返してきた。パチュリーも美鈴も、特に考える事なく頷いている。
つまり、私に対して全幅の信頼をおいてくれている訳であり、そう言う事なのであればレミリア姉様やフラン姉様、パチュリーや美鈴の信頼にこちらも全力で答えなければならない。
「了解。地上の敵は勿論、空中の敵も速度だけ見れば音速の3分の1以下だし、上手く出来そうだけど……油断は禁物か。何せ、どんな攻撃や迎撃・防御手段を持ってるか分かったものじゃないし」
故に私もそれを了承し、空中の聖魔導師部隊の後方に居る聖女の軍勢に向けて切り札を使用するべく、準備を始めた。
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