「リーシェ! 今暇してるかしら?」
聖女2人を含めた聖魔騎士団の精鋭との戦いからちょうど5年が経った今日、自室でのんびり読書をしながら絵描きをしていた時、レミリア姉様がウキウキで部屋に訪ねてきていた。
私がふれあいを了承した時とは別種の機嫌の良さなのは理解したけど、部屋に入ってくる前にここまでなるのは非常に珍しい。フラン姉様関係かそれ以外の事柄かは判断つかないけど、相当な得となる何かが起こった事だけは確かである。
「うん、暇してるよ。それにしても……レミリア姉様、何だか凄く嬉しそうだね。どうかしたの?」
「ふふっ、実はね……スカーレット家と紅魔館が、聖教会から正式に禁忌認定を受けたみたいなのよ!」
だから、どうしてそこまで機嫌が良いのかと聞いてみたところ、スカーレット家と紅魔館が聖教会から正式に『禁忌』と認定されたからだと、満面の笑みで答えてくれた。
レミリア姉様曰く、聖教会が禁忌と認定するのは、最高戦力である聖女と親衛隊ですら滅しきれない程の強力無比な存在と上層部が認めた時であるらしい。
つまり、私たちや館の皆が聖教会そのものから畏怖の対象と認定された訳で、人からの恐れが糧となる存在の1つである以上、そこまで喜ぶのは納得である。まあ、だからと言って油断せず、今後も警戒していく必要があるのは変わらない。
「そっか。良かったね」
「ええ! しかも、リーシェが『忌天使』と呼ばれて特に恐れられてるって知った時は、本当に嬉しかったわ!まあ、
で、話を聞き終えた後すぐレミリア姉様に良かったねと言ったんだけれど、そうしたら更に興奮しながら、私がその中でも特に恐れられていると教えてくれたから本当に驚いた。
けど、あの時の全力を込めた『雷天の矢弾』が実はしっかりと命中していて、エルラートを戦闘者として再起不能にする程のダメージを与えていた訳だから、向こうの立場からしたらそうなるのも理解出来る。
ちなみに、これらの事実を知ったのは戦闘を終えてから1ヵ月程経過してからであった。
しかし、これ程までの戦果を挙げられたのはひとえに謎の力が偶然目覚めたのと、姉様たちの存在があってこそである。
未だに自分の意思で謎の力が発動した試しがない今、姉様たちのサポートなしで同じ事をした場合、長く持たずに殺されてしまうのが安易に想像が出来るから、とても嬉しいけど少し複雑な気分だ。
「それと、フランにその事を伝えたら『じゃあ、皆でお祝いしなきゃ!!』って、笑顔で興奮しながら皆を巻き込んでのパーティーの準備をし始めたわ。ついさっきまで、私も協力して手伝ったりしてたのよ」
「それ、本当なの……?」
「本当よ。最後の仕上げの途中で切り上げてここに来たから、じきに呼びに来るんじゃないかしら」
すると、その話を聞いたフラン姉様がレミリア姉様すら驚く程興奮してしまい、館の皆を巻き込んだお祝いパーティーを主導していると言う事実を知り、驚き過ぎて言葉を失ってしまった。
とは言っても、まるで自分がそう言われているみたいに喜んでくれて、かつ私のためにお祝いパーティーまで準備してくれるのは凄く嬉しい事であり、決してこれが嫌だと言う訳では断じてない。
ただ、さっきも考えたけど、私1人の力
「うーん……姉様たちだって活躍したと思うんだけどなぁ」
「リーシェ、それはそれ、これはこれよ。主役は貴女なのだから、気にせず楽しみなさい。どうしても気になって仕方ないって言うなら、気が向いた時にでも軽く祝ってくれれば良いわ。フランも同じ事を言うと思うし」
まあ、そのむず痒い思いはレミリア姉様が気にせず楽しみなさいと言ってきて、どうしてもと言うなら気が向いた時にでも軽く祝ってくれれば良いと付け加えてきた瞬間に消える訳だけど。
(お祝いかぁ……うーん、どうしよう)
さて、レミリア姉様は気が向いた時で良いと言っていたけど、どんな形でお祝いをしたら良いのか迷う。
今回、フラン姉様がしてくれる様なパーティーをそのまま真似して開催するのは論外だし、似顔絵や魔導書のプレゼントはもう何回もしているから新鮮味がなく、かと言って何か新しい事をしようにも他に思い付かないから尚更である。
「リーシェ、おめでとう! 貴女のためのお祝いパーティーの準備が出来たよ!」
「「「何だか良く分からないけど、とにかくおめでとー!!」」」
そんな感じで、いつやるかは決めていないけどいつか必ずやるとは決めている、姉様2人に対するお祝いについてを考えていると、豪快にドアを開けて入ってきたフラン姉様とテンション高めの妖精さんたちが、とても楽しそうに私の周りをくるくる回り始めた。
誕生日のお祝いよりも遥かに凄い盛り上がりっぷりに衝撃を受けたけど、ここまでされて嬉しくないはずがない。鏡で見なくても、自分の顔が赤みを帯びていくのを実感した。
「えへへ……思いつきでやり始めた事だけど、頑張って準備したから、楽しんでくれると嬉しいなぁ」
「そうなの! リーシェさま、早く行こー!」
「早く早くー!」
「レミリアさまも楽しもー!」
そして、その後すぐに急かしてくる妖精さんたちに腕を引っ張られながら、どんなパーティーが開かれるのだろうなと考えつつ、部屋を後にした。
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