目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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幽閉少女と吸血鬼狩り

「と言う訳でして、リーシェ様の就寝中に当主様とレミリア様、フラン様総出で狩りに出掛けました。なので、今この館にはリーシェ様1人以外に私を含めたメイド25人とその護衛5人しかおりません」

 

 姉様たちと1時間楽しく過ごした日から1週間後の夜中、いつも通り寝て目覚めた後、何をするでもなくベッドの上で仰向けのまま天井を見つめていた時に、私が幽閉されてから初めて食事を運んできたあのメイドさんから、重要な話があると声をかけられた。

 

 何でも、私が寝ている間に父様と姉様2人がとある村を襲い、食料となる人間を調達するための()()に出掛けたとの事らしい。加えて、今この紅魔館には私と目の前のメイドさん含めて31人、ある程度戦える人となると僅か6人しか居ないと言う話だった。これを聞くと聞かないとでは備える時間に差が出るだろうから、確かに重要な話である。

 

「そうなんだ。姉様たち、無事に戻ってきてくれるかな? 凄く心配」

「大丈夫だとは思います。ですが、今回狩りに行く村の近辺には『教会所属の聖魔騎士団』が居るみたいですから、正直私も不安を拭えません」

「聖魔騎士団って確か……吸血鬼や悪魔、幽霊と言った人に仇なす存在を殺したり、祓ったりするのに特化した集団なんだっけ?」

「はい。その通りです」

 

 メイドさんからそれを聞いた時、並の吸血鬼よりもかなり強い父様が居るし、姉様2人自身も相当な強さを誇る吸血鬼だから、そうやすやすとピンチになったりはしないだろうとは思った。ただ、それでも姉様2人が傷ついて帰って来ないか、心配なものは心配である。

 

 私が頭の中でそんな事を考えていると、メイドさんが大丈夫だと思うと言いつつ、今回狩りに行く村近辺に厄介な『聖魔騎士団』が居るから不安だと、そう言ってきた。聖魔騎士団の中でも最上位クラスのメンバーや団長クラスともなると、並程度であれば大人吸血鬼や悪魔とも1人で渡り合えると言うから、不安に思うのも仕方ない。現に、私も若干不安感が増してきた。

 

 まあ、父様はもとより姉様2人は私と同じく子供だけれど、そこら辺の有象無象よりは普通に強い。仮に最強クラスの聖魔騎士団と対峙する事になろうとも、能力全開で姉様たちが協力して暴れれば、勝てなくても負けて殺られてしまうなんて事はないだろうと、私は思った。

 

「はぁ……はぁ……大変でございます、リーシェお嬢様!」

「メイドさん、どうしたの?」

「えっと……館内に侵入者が目測30人程入り込んでしまいました! その内、およそ10~15人程の装備品に銀系武具や破邪の聖水を確認しており、吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)と確定致しました! 恐らく、ここに来るのも時間の問題かと!」

「「え!?」」

 

 すると、突然開きっぱなしの扉からもう1人の人間のメイドさんが、息を切らしながら走って入ってくるのを見かけた。誰が見ても明らかに焦っていたからどうしたのかと聞いてみたところ、よりによってこの戦力不足の中、吸血鬼狩り(ヴァンパイアハンター)が混ざった人の集団が大挙して押し寄せてきたらしい。

 この事から、父様や姉様2人が居ないのと、私の存在を知っている人が混じっているのは明白であった。館の誰かから漏れたのか、いつの間にか偵察されていたのかは分からないけど。

 

 と言うかそれよりも、種族能力の高さや1人で色々な魔法や弓を扱う練習をしていたとは言え、最低10人~最高15人の吸血鬼狩り相手にうまく立ち回れるのかが、私は心配で仕方がなかった。聖魔騎士団が関係している可能性があるからだ。

 

(実戦経験全くないのに……まあ、とにかく準備しなきゃ)

 

 しかし、だからと言って無抵抗では当然の如く殺されてしまう。なので、私は雷の弓と特別な矢を取り出して下に構え、いつでも射れる準備を整えて敵が入ってくるのをひたすら待った。

 

「何となく察してはいたが既にお待ちかねとは、人間のメイドを逃したのは大きかったな……さて、一応聞いておこう。貴様はスカーレット家の()()()()吸血鬼であるな?」

 

 待つ事15分、聞いていた人数の中間である12人の吸血鬼狩りの集団が、この地下室に入って来るのを確認した。で、その中の1人から『貴様は隠された吸血鬼なのか?』と、私の事を良く理解している質問を投げかけられた。

 

「メイドさん。私頑張るから、少し下がってて。お願い」

「分かりました。リーシェ様、お気をつけて」

「リーシェお嬢様……お荷物になってしまい、申し訳ありません」

「ううん、メイドさんたちが気にする必要はないよ。皆が皆、戦える訳ないから」

 

 ただ、私はそんな彼らを警戒しつつも()()()無視し、戦えないメイドさん2人を流れ弾などが当たらないような位置まで下がらせた後、今現在の限界まで能力を活用し、万が一に備える。

 

「無視か……まあ良い。どちらにせよ、吸血鬼は殺すまで――」

 

 そして、相手から『私を殺す』と言う発言をもらったところで、待ってましたと言わんばかりに私は、雷の魔力を込めた特殊な矢を集団に向けて放った。

 




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