目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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姉様たちとのひと時

 私が吸血鬼の女の子『リーシェ』として転生してから3年経ったとある日、母様の部屋と直通の私の部屋で本を読んだりするなどしてのんびりしていた。

 

 1度だけ暇をもて余して館の中を歩いた日があったけど、私のところに来たフランドール姉様に『1人で出歩くのはお願いだから止めて』と何故かそう言ってきて、理由を聞いたら父様が私の容姿を忌んでいて、何をされるか分からなくて心配だからだと言っていた。

 

 私の容姿は、白寄りの銀髪に妖精の羽と天使の翼を混ぜたかのような奇妙な翼、吸血鬼要素が瞳の色しかないし、どちらかと言えば妖精や天使寄りだ。らしくないって忌み嫌うのも無理はないと、それをあっさりと受け入れる事が出来た。

 

 すると、フランドール姉様から『リーシェはお父様からあんな扱いされて平気なのか』と聞かれたから、その時は適当に話を濁して終わらせた。転生前から容姿の事で色々皆から悪く言われ続けていたり、酷い時には手を出される経験があり、もう慣れているからと言う理由があるけど、そんな事は言えるわけがないからだ。

 

 それに、今まで何度も父様と1人で相対してるけど話しかければそれなりに答えてくれるし、存在否定レベルのキツい誹謗中傷や暴力を振るわれた事はないから、私としては冷たく扱われたり容姿を貶される程度、余裕を持って耐える事が出来る。

 

 ただ、フランドール姉様があまりにも心配するものだから、その日から部屋の外に出るのは食事の時か、簡単な魔力の扱い方や翼での飛び方を姉様たちや母様に地下室で教えてもらったりする時、たまにレミリア姉様やフランドール姉様が一緒に出歩いてくれる時位となった。心なしか、父様に笑顔が増えたような気がするけど、気にしない事に決めた。

 

(しかし、前世でも今世でも容姿のせいで嫌われるなんて……まあ、目を合わすなり存在否定レベルの誹謗中傷や拳を飛ばしてくる訳でもなく、素っ気なく接してくれているだけ何百倍もマシだけど)

 

 これも運命なのだろうかと考えていると私の部屋の扉が開き、両手に沢山の本を抱えたレミリア姉様が入ってきた。

 

「リーシェ、退屈してない?」

「大丈夫。心配しないで、レミリア姉様」

「そう? なら良いけど……あ、新しい本を持って来たから読む?」

「うん、読む」

 

 どうやら、部屋に居る事が多い私が退屈しないように、地下の図書館の本をわざわざ持ってきてくれたらしい。渡されたのを見ると魔法の本や絵本、スカーレット家の歴史の本や神話の本等、興味をそそられそうな内容の物ばかりで、思わずにやけてしまう。

 

「そんな笑顔を見せてくれるなんて、本当に本が大好きなのね。リーシェ」

「うん。だけど、レミリア姉様たちだって大好きだよ?」

「ふふっ……ありがとうね」

「それはこっちのセリフだよ、レミリア姉様。私のために、いつもありがとう」

 

 そうして、レミリア姉様にいつもありがとうとお礼をしたりしながら話し込んでいると、話に割り込むようにしてフランドール姉様が部屋へと入ってきた。いつも通り元気良く、とても可愛い笑顔である。

 

「リーシェ、遊びに来たよー!」

「あ、フランドール姉様――」

「むぅ……」

「ごめんね……フラン姉様」

「うん、良いよ! それよりも、お姉様も居る事だし何して遊ぶ?」

 

 その時、うっかりフルネームで呼んでしまい、姉様の気分が少し落ち込ませてしまう。家族等の親しい人に自分の名前をフルネームで呼ばれる事を、よそよそしい感じがするからと言う理由で嫌う。初めて言葉を発する事が出来るようになった時、フランドール姉様と呼んだら、即『フラン』と呼んでと訂正される位には嫌っている。

 

(久しぶりにやっちゃった……これからは声に出さずに考える時も『フラン』姉様って呼ぶようにしよう)

 

 頭の中でそう考えながら呼び方を訂正すると、フランドール……いや、フラン姉様はいつもの雰囲気に戻り、その後すぐレミリア姉様も居るから何して遊ぼうかと私に提案をしてきた。

 

「えっと……ここで姉様たちと本を読みながらゆっくりお話ってのはダメ?」

「お話がしたいの? うーん……分かった! お姉様も良いよね?」

「ええ。フランとリーシェさえ良ければ、問題ないわ」

 

 しかし、フラン姉様の遊びはほぼ身体を激しく動かすような遊びであり、体力的にもかなり厳しい感じとなっている上に、そう言う気分ではない。なので、この部屋でゆっくりと本でも読みながらお話でもしようと、そう提案をしてみた。

 

 すると、若干残念そうにしてはいたものの、フラン姉様は私の提案を快く受け入れてくれた。流れでレミリア姉様も一緒に本を読んだりして遊んでくれる事になり、希望が全て通った。

 

「さて、お話と言っても……いざとなると、なかなか内容が決まらないわね」

「別に、何を話すか無理して決めなくても良くない? 本読みながら、たまに声を掛け合う。これくらいで良いと思うよ、お姉様。リーシェもそうしたいって言ってるからさ」

「確かにそうね」

 

 こうした会話の後、本を読みながら姉様たちと話をしようとしたけど、それは突然の父様の登場により、中断させられる事となった。




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