目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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父親からの宣告

「ん……あれ? 姉様たちに、父様……?」

「心配したんだよ! 全然起きないんだから!」

「やっと起きたか。何日経っても起きんから、死んでしまったかと思ったぞ」

 

 私を殺そうとしてきた吸血鬼狩りの大半を殺し、それによる魔力の使いすぎで倒れてから恐らく長い間経って目を覚ました時、至近距離に姉様2人が居た。それだけなら特に驚きはしなかったけど、普段全くと言って良い程来ない、私を無表情で見つめる父様が姉様2人の後ろに居たのには驚いた。

 

 と言うか、父様の態度はいつもの事だけれど、姉様2人の私に対する心配が結構凄い。これは、もしかして命の危機に相当する不味い事態であり、相当寝込んでいた事が簡単に予想出来た。そうだとすれば多分1日程度ではなく、寝込んでいたのは3日は下らないだろう。

 

「姉様。私、どの位寝てた?」

「9日よ。魔力の使い過ぎにしても長かったから貴女、相当無理してたみたいね。下手すれば、()()()()()()()知れない位に」

「えっ、9日も!? それに、死んでたかもって……」

 

 恐る恐る、1番近いところに居たレミリア姉様に私がどれだけ寝込んでいたのか聞いてみた。すると、私に対して怒りを見せつつも、目に涙を浮かべた姉様から『9日も寝込んでいた』『下手すれば死んでいたかもしれなかった』と言う予想外過ぎる返答をもらったため、とても驚いた。つまり、私の想像以上に危ない橋を渡っていたと言う事だからだ。

 

 メイドさんを守れたのは良かったけれど、その結果死んでしまいましたなんて事になれば当のメイドさんは勿論、レミリア姉様やフラン姉様の心に大きな傷を残すだろうと、今さら気づいた私は即座に心配をかけた皆に謝り、命をかける程の無茶をしない事を誓う。

 

「さて、もう用事は済んだか? まあ、済んでなくても宣告はしていたがな……」

「え? 宣告って父様、いったい何を……?」

「リーシェ。明日から、レミリアとフランに会わせる回数を不定期にし、食事の回数も1日3回から2回へと減らす。メイドとの会話も減らさせてもらう。異論は認めない」

「「「っ!?」」」

 

 そうして姉様たちと誓い合っていた時、急に父様が会話に割り込んできて私に対して宣告をすると、怒りや恨みと言った負の感情を頑張って押し殺していそうな感じを醸し出しつつ言ってきた。()()と言うからには相当キツい事を言ってくるに違いないだろう。

 

 案の定、父様の()()は今の私にはかなり堪えるようなものであった。レミリア姉様とフラン姉様に会える期間が不定期となり、メイドさんたちが作ってくれる食事を食べる楽しみが減り、会話すら制限されると言うからだ。これには姉様2人も驚き、不定期は冗談ではないと抗議するも、異論は認めないと宣言していた父様には無意味だった。

 

(……)

 

 一体、何をしたと言うのか。私が、あの時のように脱走したりなどしたと言うなら分かる。スカーレットの名に傷をつける行為を故意にやったのであっても分かるし、誰かに何か危害を加えたからと言うのならまだ理解出来る。しかし、当然そんな事はしていないから、宣告する理由が全く分からないため、どうしてなのかと質問を投げかける。

 

 すると、父様は一呼吸置いて、ゆっくりと訳を話し始めた。私を殺そうと襲撃を仕掛けて来た敵を、全員始末しなかったかららしい。

 

 どうやら、私が殺さなかった敵が()()()尾ひれをつけて私の噂を流し、それがあり得ない程速く広がって他の吸血鬼たちの耳に入り、幽閉前のあの時以上の面倒極まりない事態になっていると言う事みたいだ。

 

「お陰で、今まで必死になって保ってきた体裁が台無しだ。どうしてくれる。『スカーレット家当主が忌み嫌う奴より無能って、ざまあないわ』と、見下し感満載で指を差されて笑われる始末……本来ならレミリアとフランには一切会わせないつもりでいたが……」

 

 抑えきれない怒りを見せつつ父様は更に話を続け、私は大人しく聞き入った。

 

「忌まわしき事だが、スカーレット家の吸血鬼として素晴らしい2人のモチベーション向上のためだ。完全禁止には出来ないが、仕方あるまい」

 

 父様からの話を全て聞き、私は顔から血が引いていくような感覚を覚えた。幽閉生活での楽しみである姉様たちとの会話やメイドさんの作る料理を食べる事を減らされるのを恐れていたから、多少の不満があろうとも大人しく過ごしていたけど……こんな回避不可避の出来事、どう対処しろと言うのか。全員始末しろって言ったって、あのまま無理をしていれば本当に死んでいたかも知れないのに。

 

(まさか、父様はそれを望んで……いや、もしそうならこんなまどろっこしい事はしない。だからきっと、いつかは出れるようになるはず……)

 

 そう考えていたところで、一瞬父様が()()()()()()()()()()()()と言う嫌な考えが私の頭をよぎったけど、今のこの状況からして違うだろうと判断し、頭を左右に振ってこの考えを追い出した。

 

「分かった。私は父様に従う」

「リーシェ!? 貴女本当に……」

「大丈夫。姉様たちが私を好きで居てくれるなら、いつまでも耐えれる」

「頑張ってね……リーシェ」

 

 私にも不満の1つや2つ位はあるけれど、余計に自体を悪化させたくないと言う思いからここで一切の反抗の意思は示さず、分かったとだけ返事を返しておく。その際、姉様がさっきと同じかそれ以上に泣きそうだったから、精一杯の笑顔で全然平気であると装い、心配させないように試みた。その結果、若干涙目になりながらも納得してくれたみたいで、私に頑張れとの言葉を贈ってくれた。

 

 その後は、一言二言レミリア姉様やフラン姉様と会話を交わし、本当はもっと居て欲しいとの気持ちを抑えながら、地下室を去っていく姉様2人に手を振りながら見送りをして、去っていった後は更に長くなりそうな幽閉生活を乗り切ろうと、私は意志を固めた。

 

 

 




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