「ああ、もう! いくら不定期って言ったって、1週間ごとだったのがいきなり短くて半年、長くて1年半とか……私はともかく、リーシェを殺す気なの!? 何度も同じ事を思うけど、減らすならせめて少しずつ慣らしてからにしなさいっての!」
「お姉様、落ち着いて……」
幽閉される事になったリーシェと会える期間を不定期にされてから、あっという間に7年もの月日が経った時、私は久々に声をあげる程に苛立っていた。それは、幽閉されているリーシェに会いに行った1年前に起きた出来事を突発的に思い出していたからである。
期間が開きすぎて心が疲弊しきっていたのか、普段全くしないと言っても良い仕草、特に地下室へ入った際に扉の前で瞳を潤わせながらペタンと座っていたのを見た時は、本当に父親に対して怒りが沸いてきていた。
それでも普段なら声をあげる事はしないのだけど、吸血鬼として特別な15歳のリーシェの誕生日が1週間後に迫っているのに、私が祝ってもらった時のように祝えないと言う事が、思わず声をあげる要因にもなっていた。
「フラン。最後にリーシェに会いに行った時、あの子の取った行動を覚えてる? 私たちを見るなり泣きながら抱きついてきたり、しょうもない話を何回しても喜んで聞いてくれたり、私たちともっと居させてとお父様に反抗してみたり……あれは、あの子の心が傷ついている証拠なの。それを見てても、落ち着いていられる?」
当然、そんな様子を見たフランに落ち着けと言われたが、リーシェの15歳の誕生日が近い事もあって、私は理不尽な八つ当たりと指摘されてもおかしくない威圧を放ち、リーシェが見せた仕草についてこれでもかと詰め寄ってしまった。そうして、気づいた時には時既に遅く、フランを萎縮させてしまう。
「確かに、無理かなぁ……なんかごめんね。お姉様」
「フラン、謝るのは私の方よ。もうすぐリーシェの15歳の誕生日なのに、祝えなくて八つ当たりみたいに……」
「ううん、大丈夫だよ。ただ、お姉様がそんなに怒る事ないから、ちょっとビックリしたけどね!」
なので、私のそんな様子を見てフランが申し訳なさそうにして謝ってきた時、逆に私の方から八つ当たりと言って差し支えない行為をした事について謝罪した。ただ、当の本人は少し驚いた程度だったみたいで、笑って許してくれたから、この話は切り上げた。
そうして1年前の話題を終わらせ、いつも通りの他愛もない姉妹同士の会話をしていると、私の部屋の扉をノックする音と共にお父様と、見た事のない格好をした『東洋の妖怪』が私の部屋へと入ってきた。もし、侵入者であれば即座に排除されているだろうから、お父様の友人か知り合いなのだろう。
「えっと……レミリアお嬢様にフランお嬢様。この度、紅魔館で門番として雇われる事になった『紅美鈴』と言います!」
などと思っていたら、目の前に居る妖怪がお父様に促されて自己紹介を始めたため、フランと一緒にしっかり聞き入る事に決めた。
彼女曰く、名前は『ホン メイリン』と言う妖怪であるらしい。当てもなくこの辺を旅していた時にお父様に説得され、今まで居なかった紅魔館の門番をやる事になったと言う経緯を持っていたようだ。
確かに、美鈴と名乗る妖怪から感じる力はかなり凄い。流石にお父様には遠く及ばないけれど、そこら辺の有象無象であればまるで相手にならない位の強さは持っているため、前まで度々あった無謀な者や弱い吸血鬼、吸血鬼狩りの人間の侵入は大幅に抑える事が出来るだろう。
「ええ、よろしくお願いするわ。美鈴」
「よろしくね、美鈴!」
「勿論です! 身を呈して侵入者を防いでみせます!」
「ふふっ……随分と頼もしいけれど、無理は禁物よ?」
「レミリアの言う通りだ。門番だからある程度は戦って欲しいが、だからと言って無惨に死ねとは、俺は言わんからな」
頭の中でもつつ、私とフランは新しい紅魔館の住人となる美鈴と軽く挨拶を交わし、門番の役職とは言っても勝てない敵に特攻して死んでしまう位なら、ある程度のところで館内に逃げても咎めはしないと言う事を伝えて、釘を刺しておいた。
「あ、美鈴。ちょっと話良いかしら?」
「一応許可はもらってるので大丈夫ですけど……レミリアお嬢様、何か用件ですか?」
「ええ。実はね、私のもう1人の妹についてなんだけど……」
先にお父様が私の部屋を出て行き、美鈴もそれに続いて出て行こうとした時、咄嗟の思いつきで彼女を呼び止めて何とかリーシェの事を詳しく説明をした後、明日の朝方に部屋へと来て欲しいと何故こんな事を突然やったのかと言うと、理由も方法も全く分からないけれど、美鈴が不安定なリーシェの精神を大きく安定させる『運命』が見えたからである。
「と言う訳だから、お願い。美鈴」
「色々と分からない事だらけですけれど、了解しました。明日の朝方にまた来ますね」
「ありがとう。恩に着るわ」
断られる場合も考えてはいたけど、禁止されているなどの障害もない上、美鈴は快く私の頼みを聞いてくれたため、心配は杞憂に終わる事となった。
こうして次の日の朝方、覚悟を決めて
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