なお、今話もレミリア視点です。
紅霧異変を解決しに来た霊夢や魔理沙と始めた弾幕ごっこが、中盤から後半戦に差し掛かった今、宣言し発動された
霊夢の周りに浮かぶ8つの球体より絶え間なく放たれる、強い追尾性を誇る高威力弾幕。ありとあらゆる攻撃を透過させ、無効にする防御性能。鴉天狗を彷彿とさせる優れた空中機動力。これら3つの要素が、相乗効果でとてつもない力を発揮しているためである。
(ええい、なんて奴なの!?)
しかも、その防御性能から魔理沙が同士討ちを恐れなくても良くなるため、これまで以上に高密度かつ高速の星型弾をこちらに放ってくる様になり、余計に追い込まれているのも当然あった。
太刀打ち自体出来てはいるけど、こんな時はリーシェの優れた回避迎撃能力が羨ましく思う。
「ごめん、お姉様! QED『495年の波紋』!」
「それを言うなら私も申し訳ないわ……『紅色の幻想郷』」
ある程度の時間が経った頃、追尾札型弾が放たれる間隔が短くなってきたせいで対処が追い付かずに被弾、ルール上最後のスペルを宣言する事となった。
同様に、フランも魔理沙の援護弾幕や霊夢の追尾札型弾に当たり過ぎた事で、最後のスペル発動を宣言している。
今までのスペルも油断ならない程に強力だったけど、霊夢が究極奥義と呼称したスペルは、全力で動いた上にフランの援護があってさえここまで追い詰められる程に、厄介で恐ろしいものだった。
霊夢や先代巫女と近しい紫や藍、時折妖精メイドやリーシェを訪ねにやって来るチルノや大妖精から前評判は聞いてはいたが、これを見れば一切の偽りなしと改めて思わざるを得ない。
(くっ、流石に厳し過ぎるわね!!)
私やフランがお互いに最後のスペルを宣言してから10秒、押して押されてを短期的に繰り返し、殆んど膠着状態へと陥っていた。
流石に完全無敵状態ではない魔理沙に関して言えば、援護攻撃をさせない程度に影響を与えられている様だけど、霊夢が更にえげつない密度と追尾性を誇る弾幕をばらまいてくるから、結局それは意味を成していない。
戦闘序盤から今まで、彼女を聖女よりも恐ろしい
「ちっ……しぶといわね、あんたら姉妹は!」
「そりゃどうも! 私から言わせれば、霊夢も今まで相対した人間の中ではトップクラスよ!」
「だね! 本気の戦いになったら、もっと厄介そうって思う!」
そんな中、霊夢もこの状況に思うところがあったらしい。急に私やフランを評価する様な言葉を、えげつない弾幕をばらまきながら口に出してきた。
究極奥義でも押せない故の発言なのだろうけど、私やフランの最後の切り札を同時に相手して互角以上に戦えているのなら、十分に脅威的である。
(幻想郷にこれ程の人間が居たとはね……今代の博麗の巫女、凄まじいわ)
仮に今の様な弾幕ごっこではなく、命懸けの戦いで相対していたとしたら、聖教会の聖女率いる軍勢との相対よりも酷い結果になっていただろう。幻想郷に微塵たりとも侵略する意思を持たず、神秘の影響力低下による事象の回避だけを目的に来る事が出来て良かった。
「霊夢!
すると、私やフランの眼前に迫ってくる弾幕をすんでのところで回避し続けていたこの状況下、側で話しかけられているが如くはっきりと、魔理沙の声が耳に届いてきた。
同時に、こちらを苦しめていた奥義による弾幕が嘘の様に激減、霊夢本人もどこかに移動したらしく、ついさっきまで居た場所から姿を眩ませている。
「一体どこに――」
「『ブレイジングスター』!!」
そして、この一時にほんの僅かでも霊夢の居場所を探ろうとして、集中力を割いてしまったのが仇となってしまったらしい。高威力の極太レーザーを推進力として、星型弾をばらまきつつ防御魔法で固めた超速で迫り来る魔理沙に気づくタイミングが、大幅に遅れてしまう。
(ぐっ……ふう、私たちの負けね。少し悔しいけど……まあ致し方ないわ)
結果、最適な時を逃した私は魔理沙の突撃と幾ばくかの星型弾をまともに食らって吹き飛び、フランも星型弾の嵐と霊夢の追尾札型弾の残りに巻き込まれて多数被弾、最後のスペルを使い切っていたのもあり、この時点で敗北が確定してしまった。
なお、見た目の派手さに反して身体的なダメージに関しては予想よりは少なかったものの、弾幕ごっこの観点から見れば破壊力は非常に高い。本気の殺り合いでこれをそのまま使っても、普通に通用すると見て良い。
「さてと、お前ら姉妹の負けだぜ! だから、紅霧は手っ取り早く消してくれ」
「分かってるわ。だけど、それまで少しだけ時間がかかるわよ。術者じゃない私やフランだと止まらないし、敗北を術者を伝えて止めてもらう必要があるからね」
「へぇ……そうなのか。じゃあ、術者は一体誰なんだ?」
「
霊夢について考えつつ、立ち上がってフランのところに駆け寄ってからすぐ、近寄ってきた魔理沙から紅霧を止めろと言われたので、それ自体は了承した上で時間がかかる旨とその理由を伝えた。
と言うか、今の今まで全く考えもしなかったけど、もし紅霧の展開と収束が出来る術式の操作権を譲渡してもらっていれば、言われてすぐに止める事が出来ていただろう。
まあ、信頼出来る住人しか紅魔館に居ない以上わざわざそうする理由もなかったし、仕方ないか。
「よし。それじゃあ、レミリアとフランの言う術者のところに行くか! 魔法使いらしい大親友と末妹、どんな奴なのか気になるしな」
「魔理沙。興味あるのは分かったけど全員疲れてるし、異変後の宴会の準備も含めて、これからやる事が沢山あるのは理解してる?」
「分かってる。宴会の時含めて機会はあるだろうから、今日
そして、魔理沙と軽めのやり取りを交わした後は、幻想郷の空を覆い尽くしている紅い霧を消してもらうため、パチェの下へと遠くで観戦していた文やアリス、萃香も含めて全員で向かう事が流れで決まった。
なお、今の時間や地下を通ってきた
後、リーシェの姿を見たがっている魔理沙には少し申し訳ないが、赤の他人を引き連れていったせいでうっかり休息を邪魔するなどあってはいけないから、諦めて帰ってもらおう。
「雰囲気からして、どうやら負けた様ね。そうなると、霧の術式解除をすれば良いのかしら? レミィ」
「ええ、お願い。1人に任せっきりにして申し訳ないけど……」
「構わないわ。解除するだけなら発動させるよりも難度はかなり低いし、そもそもの話私かリィどちらか1人でも発動と解除が可能な様に想定していたからね。あぁ、その様子なら分かってるとは思うけど、リィなら自分の部屋で眠ってるわよ」
時計塔を下り、距離的にここから微妙に近い地下ルートを通って大図書館へたどり着くと、こあと一緒に掃除を行っているパチェを見つけたため、声をかけて用件を伝えた。
で、紅霧の術式を解除してもらっている間の会話でリーシェが予想通り、疲労と強い眠気から自室で寝ていると判明した。
加えて、弾幕ごっこ後に感じていた強い疲れと眠気を押してまで、労いと謝罪を
(うーん……まあ、取り敢えずこの件は後回しっと)
しかし、地下担当の妖精メイドだけでも紅魔館の住人の3割弱は居る上、1人1人にかける時間は結構長かったともパチェは言っていたから、実際のところ聞き入れてくれたとは言い難い微妙な感じなのだけど。
「そう言えば、霊夢。異変後の宴会ってさっき言ってたけど、私たちも関係あったりする?」
「あるわ。異変解決を祝って楽しむのはもとより、あんたたちの起こした事を水に流す意味合いもあるから、一応考えておいて。無論、強制ではないから安心しなさい。後は……」
取り敢えず、リーシェへの対応をどうするかは落ち着いてからにしようと決めた後、大図書館に来る前に耳にしてからずっと気になっていた『宴会』について霊夢に尋ねると、私たち紅魔館の住人にとって有益なものだと教えてくれた。
会場は博麗神社で開始予定は2日後の夕方、基本的に参加人数の上限下限もなし、来る時間も帰る時間も自由、宴会費用と使用する食材をある程度提供する以外に必要なものがないのなら、参加しない理由などない。フランも比較的乗り気みたいだし、尚更だ。
「でも、リーシェは嫌がりそうだなぁ」
「リーシェ……ああ、フランの末妹って奴か。嫌がりそうって事は、賑やかなのを好まない性格なんだな。そうなると、ここで暮らすのは大変そうだ」
「まあね。でも、妖精さんたち含めて紅魔館の皆の事が大好きだから、その辺は心配ないよ」
ただ、フランが魔理沙に言っているけど、紅魔館の住人が殆んど関係しない
極論、当主である私さえ参加すれば最低限の課題は解決したも同然なため、本来なら参加を無理強いしたくはない。
(特に仲の良い妖精メイドたちを何人か連れていけば……?)
が、紅魔館の住人全員を自身の命よりも遥かに高価な
行き過ぎない様にと自制してくれているのは分かるものの、様々な要因が重なったが故の万が一を起こさないためにリーシェの存在を伝え、性格込みで必要な部分を知ってもらうべきだと考えた。
無論、最後までとは言わずとも1時間弱はその場に居てもらえれば、その辺りは特に問題ない。まあ、ずっと居てくれれば私としても嬉しいのは変わりないが。
「途中で割り込むけど、術式解除が終わったわよ。30分もすれば、上空の霧は完全に消滅するとみて良いわね」
頭の中で色々と考えを巡らせ、霊夢や魔理沙と宴会についての話をしていると、パチェが紅霧の術式解除が済んだと伝えてくれた。30分前後で、上空の霧も消えてなくなるらしい。
これにて、紅霧異変が私たちの敗北と言う結果で終わりを迎えた訳で、本当ならゆっくり休みたいところではあるけど、館内設備や人的被害の確認を行うなどのするべき事が残っていて、まだゆっくり出来る状況ではない。
まあ、やたらと難しかったり面倒な厄介事でもないし、体力自体は残っているから別に構わないけども。
「よし……じゃあ、帰るわよ。久しぶりに全力出して疲れたし、早く休みたいから」
「ああ、そうだな。私もクタクタだぜ」
「しばらく休みたいですね……今、新聞を書く気力もない位ですから」
そして、パチェの一言を聞いてから用が済んだと言わんばかりにさっさと帰っていった霊夢と、霊夢に着いていった異変解決者たちを見送った後、私はフランと一緒にやるべき事を行いにこの場を後にした。
ここまで読んで頂き感謝です。お気に入りや評価をしてくれた方に感謝です。感想を書いて下さった方も、ありがとうございます。
幻想郷の住人に完全なオリキャラを追加するとしたら、どの程度なら許容範囲でしょうか?
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1人
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2人
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3人
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追加しない方が望ましい