目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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大変申し訳ありません。見直しを行った結果、話の展開に違和感を覚えたため、2日前に投稿した話を削除して今話に置き換えました。


紅霧異変を終えて

「ねえ! リーシェさま、起きて!」

 

 文さんやアリスさんとの弾幕ごっこに負けた後、同様に戦った地下担当の妖精さんたちにすべき事をしっかり済ませてから自室に向かって寝た私は、寝ていたベッドを包囲する形で居た8人の妖精さんに起こされていた。

 

 紅霧異変がその後どうなったのか気になるものの、彼女たちの完全にリラックスした雰囲気やカーテン越しに入る橙色の光、これらのみでもなんとなく察せはする。しかし、それでも念のため確認するのは、別に悪い訳ではないだろう。

 

 と言う事で、寝ぼけ眼のまま能力を使い時間をかけて調べると、眠る前まではあった例の5つの反応が消えている上、おおよそ館内がいつもの様子に戻っていた。やはり、察した通り敗北していたと見て良い。

 

(……)

 

 最後にあの姉様2人が控えてたにしては少し早過ぎる気がするが、例の5人の反応の強さからして、短時間での敗北は決してあり得ない話ではない。状況は全く以て分からないけども、生死を賭けた戦闘ではない以上、別に悲観する必要はないけども。 

 

「んっ、おはよう……異変が終わった後なのに、相変わらず元気だね。その様子だと、紅霧異変は姉様2人が負けたんだよね?」

「えへへ……うん! えっとね……」

 

 身体を起こして気分を切り替え、1番側に居た妖精さんの頭を撫でながら話を振ってみたところ、姉様2人から敗北した時の話を聞いていたらしく、その詳細を語り始めてきたのだけど……想像以上の激闘に驚きでしかない。

 

 最初にレミリア姉様は文さんとアリスさんを同時に相手して撃退、フラン姉様は鬼の『萃香』さんと全力で戦い同様に撃退、その後に今代の博麗の巫女『霊夢』さんとパートナーの『魔理沙』さん相手に2人で戦うも抗いきれず、こちらの切り札を突破され敗北したなどと、誰が想像出来るだろうか。

 

(警戒は……うん。他の3人以上にしておくべきかな)

 

 とは言え、聖魔騎士団の聖女や咲夜が人間さんである事を考えれば、幻想郷にもやたらと強い人間さんが居ても特段おかしな話ではない。仮に、何らかの機会があって私が弾幕ごっこをするとなった時を考え、これまで以上に頑張って研究などを行おう。

 

「あっ! リーシェさま、明後日の夕方にわたしたちと一緒に宴会行こ! もちろん、レミリアさまもフランさまもいるし、ずっと居なくてもかまわないよー!」

「宴会? 何かのイベント?」

「そう! えっとね……」

 

 すると、側に居た別の妖精さんが何の脈絡もなく大声を上げた後、明後日の夕方『宴会』と呼ばれる何かにここに居る全員と姉様2人を加えて行こうと、輝く笑顔で誘ってきた。

 

 何でも、その宴会は幻想郷でも非常に重要な『博麗神社』と言われる場所を会場とし、異変解決者としてやって来た人間さんや妖怪さんを含め、かなり沢山の人物が訪れるパーティーとほぼ同義のイベントらしい。

 

 勿論、開催理由に異変解決を祝いつつ人妖関係なく楽しい時を過ごすためと言うものも存在するが、1番は私たち(紅魔館)がやった事を水に流し、幻想郷に少しでも馴染める様にするためとの事。主催者の気遣いが感じられる理由だと実感した。

 

(うーん……)

 

 当然、こんな状況で断れる程気が強くない故に行くと決めはしたものの、正直気の進まない誘いではあった。()()()()()()が集まる騒がしいイベントに参加すると、体力と精神力を大きく削られてしまうのが理由である。

 

 どれだけ気配を消す事に徹していようと、話しかけないで欲しいと心内で願っていようと、レミリア姉様やフラン姉様が気を遣ってくれようと、私の容姿がその努力と気遣いを邪魔してしまう。

 面倒とは微塵も思わない、愛する家族たちの突発開催大騒ぎパーティーですら、終わった後は楽しさと同時に疲労感が襲ってくるのだから尚更である。

 

「分かった。皆が喜んでくれるなら私も行くかな」

「えっ……本当に? やったぁぁ!!」

「あっ! リーシェさまが行くなら、あの子も行ってくれるかも!」

 

 悲しませたくないから、全力で内心を表に出さない様にしつつ明後日開催の宴会には行くと答えた瞬間、妖精さんたちのテンションが大幅に上昇、部屋の扉を壊さんばかりの勢いで開けて外へと駆けていった。ここに居た妖精さんたち全員、余程私と行きたがっていた様だ。

 

 話を聞いてからは2日後の夕方が憂鬱に思えていたけれど、大切な妖精さんたちの可愛らしい笑顔とはしゃぐ姿を見れたから、それは大きく緩和されている。

 

 そして、レミリア姉様とフラン姉様が、私が参加すると聞いた時の反応が今から本当に楽しみだ。妖精さんたちみたいな仕草を見せて喜んでくれたら、少しは宴会が楽しみになるかも知れない。

 

(さて、やりますか)

 

 色々な思いを巡らせながら立ち上がり、いつもよりも少し時間をかけて身だしなみを整えると、残っていたやるべき事をしに部屋を出た。

 

 地上担当の妖精さんたち、美鈴や咲夜、レミリア姉様やフラン姉様に対して、地下担当妖精さんたちやパチュリー、こあにやったのと同様の行動(労いと謝罪)を、仕方なく後回しにしている状態なためである。

 

 紅魔館の皆は本当に優しいから、私に対して微塵も怒ったり気にはしないとは思うけれど、いつだか大見得を切って任せて欲しいと宣言した以上、当然の流れだと言えた。

 

(えっと、まず最初は誰のところに……わわっ!?)

 

 で、色々と思考を巡らせた後に誰の居る場所に行こうか考えつつ廊下を歩いていると、背後からかなり強い衝撃と共に誰かに抱きつかれたせいで、危うくバランスを崩しそうになってしまった。咄嗟に踏ん張れたため、転んで床に顔面を強打する事象の回避には成功する。

 

 性格の問題からしてこんな事をするのは妖精さんたちか、姉様2人のどちらかだろう。ただ、妖精さんにしては威力がかなり強かった上、足音や翼の宝石同士が当たる特徴的な小さな音、抱きつきの強さや心地などから推測するに、フラン姉様が突撃してきた本人と見て良いだろう。

 

「えへへ、大好きだよ! 一緒に宴会楽しもうね!」

「フラン。飛び上がる程嬉しいのは私も同じだから分かるけど、飛びつくのは危ないから、やるなら次は普通に声をかけてからにしなさい。リーシェだって、四六時中能力を使ってる訳じゃないし」

 

 密着されている感がなくなってから振り向くと、そこには案の定姉様2人が居た。突撃してきたのも、レミリア姉様の様子からフラン姉様だと確定した。

 

 どうやら私が宴会に参加する事が嬉しかったが故に起こした行動らしいけど、にしたって情報が伝わるのが早い。8人の妖精さんたちが、いの一番に姉様2人へと伝えてくれたのだろうか。

 

「あっ……えっと、ごめんね。リーシェが参加してくれるって言うからつい……」

「全然大丈夫。それよりも、あれだけの事を言ったのに異変解決者を結局止められなくてごめん。姉様」

「何言ってるの? 私もお姉様もそんなの少しも気にしてないよ!」

「そうよ。あの異変が生き死にかかった戦闘なら、謝りたくなるのも理解出来るけど……あっ。先手を打って伝えておくと、咲夜も美鈴も他の妖精メイドたちも皆、リーシェが負けた事を微塵も気にしてなどいないわ」

 

 レミリア姉様もフラン姉様も、私が側に一緒に居るだけでこれでもかとはしゃいで喜んでくれていた。もう数え切れない位に見た光景だけど、それでも本当に幸せで心地良い気分にさせてくれるものだ。

 

 勿論、ついさっきまで行くのが非常に嫌()()()宴会に行く対価としては、妖精さんたちの喜び様も合わせて十分どころか、むしろ申し訳なくなる位に価値が高いものを贈られた認識である。

 

 だから、ハッキリと何らかの体調不良が現れるか、眠気や疲労が隠せない領域に達すか、行かずに館に残る家族へ危機が迫ってこない限りは帰らず、終わりまで居よう。

 

「さてと、この話はおしまい! それで話は変わるんだけどさ、この後何か予定とかある?」

「ないよ。部屋に戻って、今日は何しようか考えようとしたところ」

 

 頭の中でそんな決意を固めていると、話の流れを断ち切ったフラン姉様にこの後予定があるかを尋ねられたため、ないと答えた。レミリア姉様のお陰で、やるべき事をやらずに良くなったからだ。

 

 まあ、実際には2日後の宴会が非常に長引いた時に備え、色々と準備をしようとしていた訳だが、重要度は高くとも緊急性はさほど高くないが故に、それを言うつもりはない。

 

「本当? だったら、私とお姉様に付き合っ――」

「盛り上がっているところを失礼するけど、良いかしら? レミリアとそれなりに重要な話があるから、少し貸して欲しいのよ」

 

 私の返答を聞き、レミリア姉様も一緒に居るのもあってとても可愛らしく喜ぶフラン姉様ではあったものの、唐突な紫さんの登場によって水を差されてしまった。

 

 これが無関係の他人だったら結構不快に思っていたけれど、相手が恩人の紫さんなので仕方ない。重要な話があると言われてしまえば、余計にそう思える。

 

「分かったわ……ごめんね、2人共。紫と少し行ってくるわ」

「……」

「うん。行ってらっしゃい、レミリア姉様」

 

 ただし、フラン姉様は私と違ってそう思っていない様で、見るからに不機嫌ですと表情に現れていた。流石に、文句を言ったり喧嘩を仕掛ける程理性が失われている訳ではないものの、これではレミリア姉様も行きづらいだろう。

 

「さてと、私の部屋で一緒に遊ぼう? ちょうど楽しめる物があったのを思い出したし」

 

 なので、機嫌を直してもらえる様な言葉をかけつつ、返事を聞く前に手を繋いで少し急ぎ足で自分の部屋へと一緒に向かった。




ここまで読んで頂き感謝です。お気に入りや評価をしてくれた方に感謝です。感想を書いて下さった方も、ありがとうございます。お陰様で、投稿を2年間続ける事が出来ました。

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