目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

248 / 251
解決への糸口

 妖怪の山の中にあるマヨヒガで橙さんと弾幕ごっこをした後に別れ、魔理沙たちが撃退してくれた椛さんの探知能力に再度引っ掛からないように魔法を使用、全員で妖怪の山を安全に立ち去った。

 

 その後は勿論探索を再開し、『桜の花びら』が多く集まる場所以外に、春雪異変の解決に繋がる可能性のある何らかの要素がないか、地上から空中まで隅々までを見て回っている。

 

 けれど、既に橙さんからの情報で桜の花びらが異変解決の重要な鍵となる事が分かっている。なので、私たちにとっては他の要素はおまけであり、それ1つのみが多く見つかる場所さえ見つければ良い。

 

 もし、そんな場所を見つけることさえ出来れば、より一層異変の解決速度が早まる可能性が高くなるのだから。

 

「おーい、こっちに何枚か落ちてるぞー! 大分見つかる様になったな」

「私も2枚……いや、今落ちてきたから3枚だわー。白と桜色の差があるから、見やすくて良いわね」

「不明瞭かつ途切れ途切れだけど、時々私の能力で妙な反応を捉えられてるのは、少しずつ近づけてるって事かな……咲夜はどう?」

「1枚だけですね。リーシェお嬢様はいかがですか?」

「4枚だよ。さっきまでとは比べ物にならないペースだね」

 

 ちなみに、今居る休憩した後に降り立った森の中の開けた領域は、探索中に今までよりもかなり短い間隔で桜の花びらが発見出来ている、まさに望み通りの場所だ。

 

 とは言え、今も降り続いている雪のお陰で足元が悪く、かと言って空を飛びながらの森の探索も、飛行の妨害をする魔法的要素のお陰で非常に困難な状況にある。

 

 魔法の森みたいに完全に阻害される訳ではないらしく、ここに居る相応の実力と魔力ないし妖力を持つ僕たちであれば、飛べない事はない。

 

 ただ、阻害効果に抵抗するために消費する魔力や妖力や体力が、相応の割合で増えてしまう。

 

 姉様や私が主犯となった紅霧異変とは違い、未だに誰がどこで春雪異変を起こしているのかが分からない故に、あちこち探し回る必要があるから、出来ればあまり影響範囲内で飛ぶ事はしたくないのだ。

 

「正直、最初の頃レティかチルノが何かしらやったんじゃねえかって考えてたんだよ。幻想郷中の季節を厳冬にして得する奴って言ったら、私の中じゃ2人しか居なかったしさ」

「あー……まあ、確かに得してるしねー。それに、あのチルノも後1歩で『妖精』を超える力を、私も普通の冬の時を凌駕する力が漲ってるし」

「でもな、良く考えたらレティはもとより、チルノがそんな性格してるはずがねえ。例え、凄まじい力があってもだ。それに、こんな事をしたのがどんな奴かが分からんのは当然として、目的って一体何なんだろうな」

「紅霧異変の時のレミリア姉様みたいに、明確な目的はありそうだよね。少なくとも、暇潰しだとか単にやってみたいとかの線は低そう」

「そうですね、リーシェお嬢様。ただ、いずれにせよ早く解決しなければ、紅魔館のみならずほぼ全ての幻想郷の人妖に対し、かなり大きな爪痕を残す事は間違いないです」

 

 そして、休息を挟みながらの探索を続けていくにつれて、話題はこの春雪異変を引き起こした主犯についてと移り変わっていく。

 

 この異変は、姉様たちと一緒に起こした紅霧異変と規模はほぼ同等、幻想郷やそこに住む私を含む人妖たちに与えた影響に関しては、明らかに上だ。

 

 どれだけ低く見積もっても私以下って事はないだろうし、姉様2人と同等かそれ以上と言ったところか。下手すれば、紫さんクラスの強力な妖怪さんや神様、暴走しきった私と同等の何者かが主犯な可能性がある。

 

 何なら、外の世界ないし異世界からの侵略者が決行した異変とか言う最悪の展開も、全く違うとは言い切れない。

 

 これが、元から幻想郷に住む人妖さんが引き起こしたものであれば、解決に使われるのはスペルカードルールに則った弾幕ごっことなる。

 

 戦いではある以上怪我をする時はするけれど、純粋な力の差がある相手に対してでも勝利が出来るから、危険度は一定値下がるだろう。

 

(……)

 

 しかし、これが外の世界ないし異世界からの来訪者が引き起こしたのであれば、相手の性格や考え方などにもよるけれど、解決しようとすれば純粋な命のやり取りとなる可能性が、極めて高いと言える。

 

 そうなったらなったで、自分や紅魔館の家族や友達を守るためにこの手を汚す覚悟はとうに出来ているけど、出来る事ならそんな時は訪れない方がいい。

 

 例え、私が持てる力と知識を総動員したとしても、幻想郷の季節を冬にしてしまえる力を持つ程の相手であれば、撃ち漏らしが発生する確率が高いのだ。

 

 何なら、私の得意な魔法が効きにくいか、全く効果がない可能性もないとは言い難い。

 

 そうなれば、大切な友達のみならず大好きな家族の身を危機に晒しかねない。だから、今回の異変を起こした相手が外の世界、ないし異世界からの来訪者であって欲しくないと、私は願っている。

 

「チルノや氷の妖精さん、レティさん以外は皆困ってる。だから、早く解決しなきゃ」

「まあ、そうねー。いくら私でも、本来訪れるはずの季節を押し退けてまで冬を維持したいかって聞かれたら、それは違うって答えるもの」

「何事にも、限度があるって感じですか?」

「平たく言えば、そんな感じね。仮にそれを出来る力があったとしてもやらないけれど」

 

 それにしても、ここに来て桜の花びらを凄まじいペースで見つけていくにつれ、最低限の負担で最低限の効力を発揮するようにセーブしている能力に、より鮮明かつ奇妙な反応を遥か上空から捉えられるようになってきた。

 

 どう言う訳か未だに途切れ途切れであり、鮮明にはなっても反応の正確な方向が分からない状態ではあるけど、少し前に比べれば圧倒的な進歩であると言えるだろう。

 

 何なら、高度とか詳しい情報はないにせよ、上空にある事だけは言えるのだし、ここからはずっと空を飛んで探してみれば、すぐに見つかるかもしれない。

 

「……っ! ねえ、皆。森の中を探すのは止めにして、上に行こう!」

「ん? と言う事は、何か捉えたか?」

「さっきよりも奇妙で嫌で不快な……とにかく、遥か上空からはっきりとした、凄い強さの反応があったよ! 間違いなく、今の私の本気以上だと思う!」

「げっ……おいおい、そいつはヤバいが行かなきゃだな。まあ、マジのリーシェとやり合った事はないんだが……咲夜。お前はどうなんだ?」

「弾幕ごっこならあるけど、本気の戦闘って意味ならないわ、魔理沙。1度、お嬢様とリーシェお嬢様の実戦形式の組み手を見た事ある私としては、万が一……いや、億が一敵対せざるを得ない状況でも、やり合いたくないかしらね。命が幾つあっても足りないし、時を止めても攻撃当てられる気がしないわよ」

「謙遜しなくて良いよ、咲夜。私も咲夜とレミリア姉様の組み手見たけど、正直ドン引きしたもん。時の衣もそうだけど、最後の時空斬り(秘奥義)なんか、レミリア姉様本気で焦ってたし」

「出てくる単語が如何にもなんだが……やっぱりさ、紅魔館って凄いぜ」

「時間と空間を操る人間を従える吸血鬼とか、純粋に恐怖でしかないしねー。少なくとも、私は紅魔館と絶対に敵対はしないと誓うわ」

 

 そして、謎の桜の花びらを更に30枚程集めた瞬間に遥か上空、数千メートルクラスの高度から今までで1番比べ物にならない、はっきりとした強い反応を捉えたため、皆に声をかけてその場所まで向かう事を決める。

 

 良く分からないけど、これを一定枚数集めて近くに置いておく事により条件が満たされ、主犯への挑戦権を得ると言う流れを主犯の人は想定していたのだろう。

 

(私の知らない、幻想郷に住む住人さんがやったのかな?)

 

 この春雪異変が、幻想郷を侵略しようと考えている外部の存在が引き起こした異変であれば、ここまで簡単に解決の糸口が見えるはずがない。

 

 そもそもの話、常時厳冬状態も長く続けば相当後に引きずるレベルの被害を皆に与えるのは間違いないけど、素早く短期間で侵略に抵抗可能な幻想郷の実力者を排除出来るかと言われれば、いささか疑問が残る。

 

 しかし、冬の時期は冬眠している紫さんの動きを封じると言う点においては、この上なく優れた一手。

 

 それに、厳冬の状態で100%の力を発揮出来たり、限界突破して力が増大する存在は少ない。私が知る中で該当するのは、チルノとレティさんくらいである。

 

 今の2人は私から見てもかなり強い部類に入るのに、そんなの関係ないと言わんばかりにこんな状態にするのだ。今回の相手には、紫さんと同等か若干下回るくらいの実力を持つ人妖ないし神様が居ると考えるべきであろう。

 

 多分、私1人では荷が重いだろうから、咲夜や魔理沙が居るだけで心強い。レティさんは今日が初対面だから何とも言えないけど、咲夜と弾幕ごっこでやり合えるくらいだし、頼りにはなりそうだと思う。

 

 そう言えば、霊夢さんの姿も反応も未だに見かけないけど、まさかまだ神社でこたつに潜ってのんびりしているのだろうか。

 

(まさかね。私の変な想像でしょ)

 

 いや、魔理沙があそこまでリスペクトする人間さんなのだ。きっと、私たちには想像もつかない方法でもう主犯と対峙しているか、その寸前まで至っているに違いない。

 

「……わぁ」

 

 そんな事を考えつつ、ぐんぐん捉えた反応に向けて上昇していくこと数分、私たちの目の前に崩壊寸前の結界に守られた、巨大な門が出現した。

幻想郷の住人に完全なオリキャラを追加するとしたら、どの程度なら許容範囲でしょうか?

  • 1人
  • 2人
  • 3人
  • 追加しない方が望ましい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。