目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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今話もレミリア視点です


戦いを終えて

「美鈴! 帰ってきたわよ!」

「ただいまー!」

「お嬢様方、お帰りなさい! ご無事で何よりです!」

 

 いつものように私とフランのために自身の体調を無視した、超威力の雷属性魔法を聖魔騎士団の集団へと放ち、魔力を使いきって疲れて動けないリーシェのために撤退を選び、特に何事もなく紅魔館へと戻れた私たちは、最初に美鈴に顔を見せていた。誰も欠ける事なく無事に帰って来れたと言うのを、アピールするためである。

 

 私とフランが声をかけた瞬間、美鈴は心底安心しきったような表情を見せながら、無事に帰って来た事を喜んでくれた。こうやって、私たち姉妹以外に私たちを心配してくれて、慕ってくれている人が居ると言うのはやはり、嬉しいものだと思う。

 

「ただ、リーシェ様の気が随分と弱々しくなっているのが気になりますね。もしかして、お二人のために無茶したからでしょうか?」

「あら、良く分かったじゃない。ええ、美鈴の言った通りよ」

「本当、リーシェは私やお姉様が事に絡むといつも無茶ばかりするんだよ! 館の住人以外の他人だと、私やお姉様が何も言わなければここまで必死にならないのにね」

「そうですね。まあ、リーシェ様は()()()()ですから、何かあってお嬢様方を失われたりするのが、自身の命を失うよりも怖いのでしょう。だから、どうしても無茶をしてしまうのだと思います」

 

 そんな感じで会話を交わしていると、美鈴がフランに抱き抱えられている疲れて動けないリーシェを見て、すぐにあの子が私とフランのために無茶したと言う事を見抜いた。何気に、私たち以外でリーシェと1番仲の良い美鈴だから、その程度の事を見抜くのに造作もないのだろう。と言うか、美鈴に限らずあの子は他の皆とも仲が良いから、この姿を見れば誰でも割とすぐに見抜く事だろう。

 

「まあ、何はともあれ無事に帰って来れたのですから、私としては大満足です。あ、それと次はパチュリー様の所に行ってあげて頂けますか? 私以上に心配していらしてましたから」

 

 頭の中で思考を巡らしていると、美鈴から次はパチェの所に顔を出してあげてくれと、そうお願いをされた。どうやら、私たちの事を誰よりも心配して、万が一の時のために回復魔法の準備まで万端な程との事らしい。

 

「ふふっ……美鈴に言われなくても、そのつもりだったわよ」

「言うまでもなかったようですね。安心しました」

 

 ただ、そんな事を言われなくても美鈴の次はパチェの所に顔を出す予定であったため、それを伝えて安心させてから私たちは館の中へと入り、地下の大図書館へと向かった。

 

「パチェ! 居るかしら?」

「パチュリー! 帰って来たよー!」

「レミィにフラン……良かった、無事だったのね。リィは……うん。相変わらず派手にやったみたいね」

「あら、やっぱり分かる?」

「そりゃもう、見てすぐに分かったわ。2人を守るために体調を無視して魔法攻撃を仕掛けたってね」

 

 そうして地下の大図書館へと立ち入り、私とフランは大声でここに居るはずのパチェに帰って来た事を伝えると、本人が本棚の影から出てきて、美鈴と同じように安心した表情を見せながら無事に帰って来た事を喜んでくれた。

 あと、案の定フランに抱き抱えられたリーシェを見て、パチェもあの子が私たちを守るために無茶をした事を、美鈴と同じ位の早さで見抜いた。よっぽどリーシェの事を見てくれているのが伝わってきて、自分の事のように嬉しく思った。

 

「取り敢えず、私の心配は杞憂に終わったみたいで良かったわ。リィもただの魔力切れだから、ゆっくり休めば大丈夫だし……それと、エルの所にも行ってあげて」

「勿論よ、パチェ」

「当たり前だよ! それと、リーシェ。大丈夫? もしあれなら、顔見せは後回しにするけど」

「ただ疲れきって動けないだけだから、大丈夫。それよりも、皆に無事に帰って来た姿を見せなきゃ」

 

 すると、パチェが今度はエルの所に顔を見せに行ってあげてと私に言ってきた。当然、エルの所に顔を見せに行かないと言う選択肢は微塵もなかったから、そう言ってきたパチェに勿論だと答えた。そして、リーシェの体調も顔見せ程度なら問題ない事もフランによって判明したため、このまま3人でエルが居るであろうメイドたちの部屋へと向かう。

 

「あっ、お帰りなさいませー!」

「ちょっ……全く、相変わらずね。エル」

「お怪我もなさそうで、良かったです! それに、リーシェ様も随分と頑張られて……やっぱり、レミリア様やフラン様を守ったからですかねー?」

「あら、貴女もそう思う?」

「これでもレミリア様とフラン様も含めて、リーシェ様とのお付き合いは長いですからねー」

 

 部屋の扉が開けっ放しだったため、声をかけながら入った瞬間、ベッドに腰かけていたエルがこっちに凄い速さで近づいて来て、いきなり抱き抱えてきた。余程心配していたのもあるのか、いつもよりもスキンシップが激しいような気がしてならなかったけど、今日に限ってはされるがままで良い。

 

 ちなみに、案の定エルもフランに抱き抱えられているリーシェを見て、美鈴やパチェと同じ位の早さで私たちを守るために無茶をした事を見抜いた。

 

「それはともかく、お疲れでしょう? 食事やお風呂の用意は既に済ませておりますが……」

「うーん……取り敢えず、座ってゆっくり休んでからにするわ。あ、それとリーシェを寝床に運んでおいてあげて。今この状態でお風呂に入れたら危ないからね」

「分かりました。エル、貴女が運んであげて。私はお洋服とか色々持ってくるから」

「はーい。リーシェ様、失礼しますねー」

 

 そうして、エルを含めた休憩していたメイドたちに顔見せを終えた後、リーシェをエルたちに任せ、私とフランはそれぞれ自分の部屋の中に一旦戻り、ひと暴れした疲れを癒す事に決めた。

 

(ふぅ……これで、聖魔騎士団の奴らがうちに来なければ良いけど……)

 

 頭の中でそう考えながら、1時間程休んで体力と魔力をある程度回復させた後は、お風呂に入って更に疲れと身体についている汚れを取った。どうでもいいけど、フランは先にお風呂を済ませたらしく、私が入っている間に現れる事はなかった。

 

 そして、お風呂を済ませた後はメイドたちの用意してくれた食事を味わって食べ、リーシェの部屋に行って体調を見たり、いつの間にか来ていたフランや元々お世話を任せていたエルたちと一緒に行動したりしながら、朝方まで過ごした。

 

 こうして、色々と疲れた1日が幕を閉じる事となった。




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