目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

64 / 251
護るための魔法

「よし、やっと完成したぁ! ふふっ……これで、姉様たちが不意討ちで死んじゃう確率を減らせる! あの悪夢が現実になるのを阻止出来る!」

 

 姉様2人や館の皆が無惨にも私の目の前で殺されてしまうと言う、忌むべき悪夢を見始めてから3年もの月日が経ったとある日の夜、遂に研究開発していた魔法の1つが完成したため、私は自分の部屋で歓喜にうち震えていた。

 

 今回完成させた魔法の1つとは、自身にとって驚異的かつ対処出来ない敵からの攻撃に対して、術者の魔力を使って感知から反撃まで全自動で行ってくれる『神々の目』と暫定的に名付けたものである。姉様たちが殺されるあの悪夢を見始めてから、それを現実のものと如何なる場合もさせてたまるかと言う意気込みのもと、研究開発を始めた魔法である。

 

 1度発動させてしまえば、自身で解除するか術者の魔力が生存必須ライン近くなるまで全自動で攻撃から守ってくれる魔法だけど、万能ではない。あくまでも、普通では対処不可能かつ驚異的な攻撃に対して発動する魔法だから、状況を鑑みて発動しない場合もあるからだ。後は反撃の威力がそれほど高くはない事と、射程距離が短い事が欠点だ。

 

(後は、姉様2人がすぐに使えるようになるために、本に分かりやすい解説を書いておくだけだけど……)

 

 そして、後はこの魔法を姉様2人にすぐに覚えてもらうための解説を、本にまとめるだけどなったのだけど……これが中々進展しなかった。私やパチュリーとは違って、近接戦闘能力が物凄く高い姉様2人は、そっちの方の練習もしなければならないからだ。

 仮に、解説が分かりにくかったりしてしまえばそれだけ理解するに時間を割く事になってしまい、その分他の事が疎かになってしまう。それでは守るための魔法の意味がないから、理解しやすい解説を本に書いて渡すと言うのは必須事項だと思っている。

 

(うーん……どう書いたら分かりやすいんだろう? 普段のノリで書いたら駄目だろうし、かといって簡単にし過ぎてもはや間違いレベルにしちゃっても困るだろうからなぁ……)

 

 頭の中で、姉様2人に分かりやすい解説をするためにどうすれば良いのかと、魔法の術式を構築をしていた時よりも悩みに悩んでいた時、私の部屋の扉を音を立てて開け、中に姉様2人が入ってくるのを目にした。

 

「リーシェ! 何か良い感じの防御系統の魔法か補助系統の魔法ない?」

「会得したいから、是非ともお願いしたいわ。でも、そんな魔法がなかったり、あっても教えたりするのが嫌だったりしたら、それでも構わないわよ」

 

 で、間髪入れずに何か都合の良い防御系統の魔法か補助系統の魔法がないかと、私に対して質問をしてきた。姉様2人がそんな事を聞いてくるなんて珍しいなと思いつつ、どうしてその2つの系統の魔法を会得したいのかと聞くと、万が一のために備えが必要だと突然思い立ったからとの事らしい。

 

 出来る事なら分かりやすい解説を考えてから来てもらえたら完璧に良かったのだけど、レミリア姉様曰く『別に即座に会得したい訳でもない』との事みたいだから、まあ良いかな。そう思った私は、分かりやすくする前の解説文を書いてある本を渡し、それを読んでもらいながら補足する形で色々と説明をしたりした。

 

「凄いわね。流石、魔法研究者だけあるわ」

「うん! 防御や補助系統の魔法についてなら、私よりもリィの方が良いってパチュリーも言ってたけど、本当にその通りだよね! 対処不可能な敵からの攻撃に対して自動的に対処してくれる防御魔法なんて、聞いた事ないもん!」

 

 そうして、出来る限り姉様2人にも分かりやすく説明を行い、質問を受けるなどのやり取りを交わし、1時間近くをかけて何とか解説をし終えた。

 1時間近くも長々と、私やパチュリーのように魔法を生業としている訳ではないのに、色々な用語を交えた説明で果たして分かってもらえるのだろうかと言う心配はあったものの、流石は天才的なレミリア姉様とフラン姉様、あの説明で言いたい事は分かってくれたらしい。それどころかむしろ、思わず笑みが溢れる位には感心して、とても素晴らしいものだと思ってくれたみたいで、私の頭を撫でながら褒めてくれた。これだけでもう、とっても気持ちが良かった。

 

 しかも、私のところに聞きに来たのは、最初にパチュリーのところに同じ事を聞きに行った時に、本人から『防御や補助系統の魔法についてなら、リィの方が良い』と言われたからだと言う。

 確かに、その2つの分野の魔法であればかなりのものだと言う自信はある。ただ、パチュリーよりも私の方が優れているかと問われれば、そう言い切る事は難しいと私は思っていたのだけど……ことその2つの分野に関しては、本人から私の方が優れていると思われているようだと知れた。姉様2人にも褒められたのも合わせて、今はとても気分が良い。

 

「ありがとうね、リーシェ!」

「本当に感謝するわ、リーシェ」

「うん。この魔法が、姉様たちの身をしっかりと守ってくれる事を、私は祈ってるよ」

 

 その後、私の渡した本を持って部屋を出ていく姉様2人を見送った後は、褒められて高ぶる気分のなすがままに、再び別の魔法の研究に取りかかった。

 




ここまで読んで頂き感謝です。お気に入りや評価をしてくれた方に感謝です。感想を書いて下さった方も、ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。