目覚めたら、レミリアとフランの妹になっていました   作:松雨

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メイドとリーシェの趣味の会話

「そう言えば貴女って、休みの日って何してるの? 良ければ教えて欲しいな」

 

 とある日、いつものように自分の部屋で魔法の研究開発・改良をしていた私は、たまたま部屋に訪れた新しいメイドさんに、休みの日は何をしてるのかと聞いていた。特にこれと言った重要な理由はなく、ただ単に気になったためである。

 

 半年前にレミリア姉様が、メイドの仕事を休む日を増やして欲しければ遠慮なく言ってくれとエルを通して伝えてから、私服のメイドさんを見かける機会が少しずつ増えてきた。つまり、今まで言い出せずに無理をしていたメイドさんはかなり減ったと見て間違いはないだろう。

 

 ちなみに、中には()()()()()()()()()()が楽しいのか、見ている皆が心配する位休まないで頑張ってるメイドさんも居た。私も姉様2人も何度か休めと言おうかと考えた位だけど……まあ、本人がとても嬉しそうだし、お陰で助かったりしてる事もあるから、見るからに体調が悪そうでない限りは、何も言わないように決まったけど。

 

「私ですか? 休みの日は大抵、パチュリー様の地下図書館で本を読んだり、1人で趣味の絵を描いたりしてますよ。静かな場所で想像を働かせながら書くと、自然と良い絵が描けるので。それと、この間はフラン様の似顔絵を描いたりもしました。凄く楽しかったです!」

 

 前の出来事を振り返りながら10秒程返答を待っていると、このメイドさんは地下の大図書館で読書をしているか、絵を描いて休みの大半は過ごしていると答えてくれた。どうやら、種類は違えど私と似たような趣味嗜好の持ち主であるらしい。普段の様子からそうは見えなかったから、何だか意外である。

 

「そうなんだね。じゃあ、1枚だけでも良いから自信のある絵を見せて欲しいな。凄く気になってきたから」

「自信のある絵……分かりました! とびっきりの絵を今すぐ持ってきますので、待ってて下さいね」

「うん。楽しみに待ってる」

 

 そんな感じで、楽しそうに自分の趣味について語るメイドさんを見て、彼女が一体どんな絵を描いているのかが凄く気になってきたため、1枚だけでも良いから是非とも見せて欲しいと私がお願いした結果、メイドさんは凄い勢いで絵を取りに部屋を走って出て行った。

 

「お待たせしました! 図書館で本を読んでた、リーシェ様の絵です。結構時間をかけて描いたのですけど……どうでしょうか?」

 

 あれだけ自信満々に言ってきたのだから、きっと凄いんだろうなと思いながら待つ事5分、再び部屋にやって来たメイドさんから絵を受け取って見てみたら案の定、物凄い腕前だった。

 まるで、プロの絵師さんが描いたかのような私がモデルのその絵は、見るだけで相当な時間をかけた事が良く分かる。自分がたまに描く絵と比べようかとも思ったけど、それはおこがましいから止めた。

 

「どうもこうも、私の描く絵よりも遥かに上手だと思う。趣味でここまで行くなんて、貴女って凄いんだね。尊敬するよ」

「ありがとうございます! それと、勝手にモデルにして申し訳ありませんでした」

 

 で、自信のある1枚の絵を見た感想を求めてきたメイドさんに対し、私は純粋に褒める内容の感想を述べたところ、喜んでくれたと同時に勝手にモデルにした事を謝ってきた。描いてみたは良いものの、結構気にしていたらしい。

 

「気にしなくて大丈夫。確かに、恥ずかしいシーンの絵とかだったら怒ってただろうけど、これってただ私が本を読んでるところを描いただけだし。こんな感じの何気ない日常を描いた絵なら、全然構わないかな」

「そうですか……ありがとうございます! これからもどんどん絵を描かせて頂きますね!」

 

 私としては、こう言う感じの何気ない日常を題材にした絵であれば、別に勝手に描かれようとも何とも思わない。なので、他人に見聞きされて猛烈に恥ずかしいような入浴や着替え、全裸や姉様2人とのふれあいシーンと言ったものをでなければ、勝手にモデルとして使ってくれても構わないと伝えた。

 

 結果、私の言葉を聞いたメイドさんは、これからも気が向けば、どんどん私の絵を描かせてもらうと宣言を、満面の笑みを浮かべながら打ち立てた。喜んでもらえたみたいで何よりである。

 

「いつも思いますけど……リーシェ様のお部屋にある本、凄い量ですよね」

「あはは……ごめんね。魔法研究の資料やら何やら、沢山積み上げたりしてるからね。また整理しなきゃ……」

 

 すると、話が一段落したタイミングでメイドさんが、私の部屋の散らかりようを見てそれとなく指摘をしてきた。勿論、足の踏み場がない程とか、お菓子の食べかすが散ってて汚いとならないように気を付けてはいるけれど、他の皆から見れば十分散らかってるように見えるらしい。と言う訳で、やる気がある今日中に整理しようと決めた。

 

「リーシェ様、魔法研究者ですものね。私には良く分からないですけど、必要なものとか多そうですし」

「うん、色々とね。でも、パチュリーの部屋とかはしっかり整理されてて綺麗だから、私が片付け苦手なだけなんだよなぁ……」

「なるほど」

 

 その後は、メイドさんと私の部屋の散らかり具合やお互いの趣味嗜好についての話で1時間以上、盛り上がったりした。レミリア姉様やフラン姉様、パチュリー以外とここまで趣味の話で盛り上がったのは初めてだったから、余計に気分が高揚している。そのためか、今度新しい魔法が出来た時、早めに見せて上げようかと思った。

 

「あっ、そう言えば仕事中だったよね。長々と呼び止めてごめんね」

「いえいえ。私の意思も入ってたので大丈夫ですよ。それでは、これで行きますね」

 

 更に30分程度盛り上がった際、私が呼び止めたメイドさんは仕事中であった事に今更ながら気づいた。何をしていたのかは知らないけど、気づいた以上は話を中断し、早く仕事に戻してあげなければいけないだろう。

 

 そう考えた私は、長々と呼び止めた事に対する謝罪を述べた後に作業を一旦止めて、このメイドさんが部屋を出ていくまで見送っていった。そして、部屋から出ていくメイドさんの見送りを済ませると、すぐにやっていた作業を再開した。




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