アンケートがありますので、気が向いたらご回答の程をよろしくお願いします。
「お姉様。実は、当主の仕事のお手伝いをする少し前にね、メイドさん
ある日、自分の部屋でいつも通り代わり映えのない当主としての仕事をこなしていた時、親切に手の回らない部分の手伝いにやって来てくれたフランが突然話し始めた、その予想外の内容に私は固まってしまっていた。それは、私がエルに対して仕事を強制的に休ませる命令を下して欲しいと、メイドたちが望んでいると言う内容であったためだ。
強制的に休ませろとは、言葉からして全く穏やかではなさそうに聞こえた。故に、いつの間にかエルが避けられていたのではと心配になった私はフランに対して、どう言う事なのかと説明を求めたところ、すぐに説明をし始めたため一字一句聞き漏らさない構えで、集中して話を聞き始めた。
「何かね、3時間位前にメイドさんが、たまたまエルが1人で辛そうに仕事をしてるのを見たんだって」
「なるほどね」
「それで、そのメイドさんが他の皆にも見てもらおうと、急いで何人かを気づかれないような場所に集めてこっそり見たら、本当に辛そうだったみたいなの。で、いてもたってもいられなかった皆が駆け寄って、仕事は全部投げても良いからエルは休んでて良いって言ったんだけど……何度言っても大丈夫って、休もうとしないらしいよ」
「あぁ……うん」
曰く、今から約3時間前、私たちが寝ている時にエルが仕事中にとても辛そうにしているのを見て、メイドたちが気を遣って『仕事なら自分たちが全部やるから休んでも良い』と繰り返し言ったらしいけど、本人は何かを危惧しているのか、その度に大丈夫などと言って休もうとしてくれなかったらしい。
フランからそう聞いた私は、エルが決していつの間にか避けられていた訳ではなく、むしろ慕われて心配されているだけであると分かり、ホッと一安心である。
「だから、このままじゃ倒れるんじゃないかって皆が焦りに焦って、どうしようかと話し合った結果……お姉様に休めと命令させれば良いのではって結論が出たってさ。それをお願いしに行こうと部屋を出たら、たまたま通りかかった私が居たから言伝てを頼まれて、今に至る訳」
で、このままでは倒れてしまうと全員が直感し、自分たちが言って駄目なら私に
少し前に1回、廊下ですれ違った時はエルはそんな素振りは全く見せなかったのだけど……上手く隠されていたと言う事なのだろう。私が見抜けなかった可能性も、ないとは言えないけど。
ちなみに、このお願いはメイドたちがエルに内緒で私たちへと伝えたため、本人に命令を出す際は何とか上手く自分たちの関連を隠して欲しいとの要望もされているようだ。隠せるのであれば、どんな伝え方でも構わないらしい。
「なるほど……確かに、クレイナが筆頭に立つなんて相当ね……分かったわ。フラン! 仕事はひとまず置いといて、今すぐエルを探しに行くわよ!」
「うん、分かった!」
フランからの話を全て聞き終え、雇い主である私はエルの本当の体調すら見極められずにいた事に対して、かなりの恥ずかしさと悔しさを感じていた。
それと同時に、早くエルの危惧している事を解消させて心から休ませてあげるための命令を伝えに、すぐに本人を探さなければならないと思った私は仕事を一旦投げ出し、フランと共に部屋を急いで出て行く。
ただ、食事作りに洗濯干し、ベッドメイキングに裁縫に館内の清掃など、ありとあらゆる家事をやってくれるエルが、仕事の際に1ヵ所に留まっている事はないため、仕事終わりの手の空いたメイドたちにも協力してしらみ潰しに探してもらっていた。
仕事終わりで疲れているだろう時に声をかけてた事だし、明日の仕事中の休憩時間の倍増など、ちょっとしたお礼を考えといてあげよう。
「あっ、居たわ……エル! 少し話があるのだけど、こっちに来てくれるかしら?」
「はい、分かりました……それにしても、フラン様も連れて来られて、一体どうされたのですか?」
「単刀直入に言うけど……エル。今日から体調が完全に良くなるまで、メイドの仕事を休めって『命令』を与えるわ。当然だけど、その間は仕事を一切させるつもりはないから、そのつもりで居てね」
「っ!?」
などと、色々と思考を巡らせながら探す事15分後、食堂にある調理場でお皿洗いをしていたエルを発見する事が出来たため、すぐさま大声で呼びつけると、不思議がっていた彼女に対して私は、単刀直入に『体調が万全になるまで仕事を休め』との命令を下した。
当然、前置きもなしにいきなりそんな事を言ったせいで、エルは訳も分からずに混乱し始めてしまったため、体調があまり良くないと
「あらあら……結構頑張って隠していたのですけど、流石ですね。レミリア様」
「そりゃあね。後、万が一色々な訳があって、エルがメイドの仕事を全く出来なくなったとしても、元気で居てくれさえいれば役に立たなくなるなんて事は
そんな事を頭の片隅で考えていると、頑張って隠していたのに既にバレていたとは思わなかったらしく、少し気まずそうにしながらも流石ですねと、そう言葉を発したのを聞いた。
まあ、実際はメイドたちにバレていたのを私が聞いて、あたかも最初に私にバレていたかのように振る舞ってるだけだから、少し複雑な気分であった。当たり前だけど、心の中に秘めたそれはおくびにも出さず、エルが憂いなくのんびり休めるように言葉をかけた。
「分かりました。レミリア様がそう仰せられるのであれば」
「そう? なら良かったけど……結構痛いの?」
「そうですね。メイドの仕事に支障を来している位ですが、日常生活を送るだけなら耐えられない程の身体の痛みではないので」
「なるほど……まあ良いわ。ゆっくり休んで治しなさいな」
結果、身体の痛みがメイドの仕事に支障を来す程である事を認め、私の命令に従って休んでくれる事になった。そのため、早速部屋へと戻って行こうとするエルと一緒に、私たちもメイドの部屋へと向かって行く事に決めた。
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