鬼が始めた妹探し生活 作:琉鬼
村からを始めたリアムであったが、彼は途方に暮れていた。
「親父たちさぁ……せめて見た目とかを書いてくれねえと、探しようがねえじゃねえか……」
そう。
あの手紙には、名前と性別しか情報がなかった。
しらみつぶしに探すにしても時間がかかりすぎる。
そんなことを考えていると、近くの林から物音が聞こえてくる。
「……なんだ?」
リアムはその方向を見る。
すると、それと同時に周りから同じく物音が聞こえてきた。
「これは……足音か?
しかも獣の類じゃねえ……人間か……?」
そうリアムは呟き、周りの音に集中する。
その瞬間。
「チッ」
リアムを目がけて、複数の刃物が飛んできた。
全ての刃物を紙一重で避けるリアム。
しかしそれも束の間、今度は人間が三人現れる。
その人間たちは体に黒いフードのような物を纏っていた。
その姿には聞き覚えがある。
魔女教……
嫉妬の魔女を崇拝し、復活させようと目論んでる組織。
目的のためには手段を選ばず、各地で犯罪行為を繰り返し、各国から危険視されている。
その特徴にピッタリ当てはまっているのだ。
「お前……鬼だな?」
魔女教徒の一人が、リアムにそう問いかける。
「いきなり攻撃してくるやつに教える義理はねえよ」
リアムは憤りを感じながら、ぶっきらぼうにそう言葉を返す。
「鬼は……全員始末せよ!」
魔女教徒の一人がそう叫ぶと同時に、リアムに再度攻撃を仕掛けてきた。
「所詮は子供だ。今回の仕事は楽勝だな」
そう呟いた瞬間、その魔女教徒の首が飛んだ。
「悪ぃけど……所詮は子供って侮ってたら、痛い目見るぜ」
そう言ってリアムは自分の武器である爪を光らせる。
リアムは自身の爪を自由自在に長く、鋭くできるのだ。
「ば、化け物……」
残った魔女教徒はその場から逃げようとするが……
一瞬で背後に周り、首に爪を突きつける。
「おっと悪ぃな。お前に聞きたいことがあるんだわ。
この近くの村が無くなっててなぁ。それやったの……お前ら魔女教だろ?」
リアムは脅すように、魔女教徒にそう問いかける。
「ああ!そうだ!鬼を始末する命令だったんだ!」
「その中に子供が二人いたはずだ。……その子たちはどうした?」
「逃がしちまったよ!桃色の髪の方がめっぽう強くて、こっちも相当な犠牲をはらった!
でも、奴の角は折ってやったぜ……ざまあみろ!」
魔女教徒は高らかにリアムにそう答えた。
「……そうかい。んじゃあばよ」
「まっ……」
その瞬間、他の魔女教徒と同じように、リアムは首をはねた。
「いきなり面倒事に巻き込まれて、めんどくせえとは思ったけど……
思わぬ収穫はあったな」
まず一つ。
妹二人は生きているということ。
二つ目は強い方、つまりは姉のラムは桃色の髪、そして角が折られているということ。
そして三つ目。
あの村は魔女教によって滅ぼされたということ。
名前と性別しか分からなかったことに比べれば、これは大きな一歩だ。
「もう少し聞き出せる事があったかも知んねえけど……
まあしゃあねぇ……
そんじゃ進むか」
彼はまた歩き出す……
自身の妹を探す為に……