この手の作品創るのにD×Dは本当に便利…。
というかこの二人の作品少ない…少なくない…?
リハビリ作品なので…もしかしたら続きは書く…かも?
蝋で出来た翼は溶かされ、天に向けられた塔は崩され、並び立たんとするならば地の底まで堕とされる。まあざっくり挙げるだけでもこんな具合、ありふれて面白みのないこの手の話は、要は思いあがるなという教訓譚。さもなくば天の神々とやらからの、人間へ向けられた脅迫文だ。「オレに近づく愚か者には罰を与えてやるぞ」という内容の、なんとも人間臭い内容の。威嚇と言ってもイイかもな。
結論から言えば、
愚か者だった過去の俺は罰として、身の程を弁えず踏み込んだ脚を片方持っていかれた。
だが、罰を与えたのは神ではない。「魔女」だ。
ソレもタダの魔女ではない、神と奇跡の全てを
そして、俺は今———
『歓迎しよう、罪深きオレの
『今日より貴様は
———謳い上げろ!!このオレに示せ、「鋼の錬金術師」!!
響く魔女の絶唱。空間を軋ませる、獣の咆哮。生涯を添い遂げ、身を捧げると決めた存在からの
新たに構築される、貰ったばかりの機械仕掛けの拳を握り込み。銘に恥じぬ強固な意志を示すべく、突き立てながらに吠えたてる。
「エドワード・エルリック!!テメェと一緒に奇跡をブチ壊す、錬金術師だ!!」
**************
家族が死んだ。それはこの文面以上にあっという間の出来事だった。
聡明な父、優しかった母。そしてよく喧嘩もしたが、大好きだった弟のアルフォンス。大切な、大切だった家族たち。まだ十にも満たない頃の、罅割れた思い出。
あの日はそう、些細な事で親と喧嘩をしたんだったか。そして折角の外出だったのに、不貞腐れて部屋に閉じこもって留守番をしたのだ。寡黙な父と困ったような母、チラチラと振り返るアルの顔は、十年経った今でも鮮明に思い出せる。
もうわかるだろうが、これが所謂「今生の別れ」になってしまったのだ。愛していた家族は夜になっても帰ってこず、そして十年以上経った現在もそれは変わらない。俺は永遠に、家族への「おかえり」を言えなくなったのだ。
事故があったという報せを受け取ったのは、翌日の早朝だった。待ちに待った家族の帰還を期待して玄関に向かうも、立っていたのは見知らぬ警察のオッサンと近所の婆ちゃん。そして躊躇いがちに語られた言葉は、俺の
家族の乗っていた車が、街外れの山道から転落して見つかったという。炎上した車内には変わり果てた姿の家族が全員乗っていたらしく、車外に投げ出されていた父のカバンから身元を割り出したのだという話だった。
最初は、ハッキリ言って言葉の意味を理解出来なかった。いや、しようとしなかったのか、本当に処理しきれなかったのかは不明瞭だが、とにかく咀嚼できなかったし飲み込めなかったのだ。他にも色々言われた気がしたが、あまりよく覚えていない。気が付けば俺は婆ちゃんの家で抱きしめられながら眠っていた。喉も目も痛かったから、大方泣き叫びでもしたのだろう。とにかく、その辺りの記憶は酷くボンヤリしていて思い出せないのだ。これ以上の追及は勘弁してほしい。
———再起の時は、それから数週間たったある日の事。婆ちゃんの計らいもあったが俺は今まで通り、元の家で暮らしていた。まだ実感がわかなかったというのもあったかもしれないが、とにかく家を離れたくなかったのだ。
そうして朧げな日々を過ごしていた時、戻ってきた家族の遺品の中から見慣れない鍵を見つけた。飾り気のない、重厚な輝きを放つ鍵。子供だったとはいえ自分の住んでいる家のことだ、ソレが家の中で唯一「入るな」ときつく言い含められていた地下室の鍵であることに気付くのに、そう時間はかからなかった。父のみが使用し、出入りしていた秘密の地下室。一度コッソリ入ろうとして怒られた記憶を思い出しながら、少しでも家族の残り香を求めていた俺は特に迷うこともなく地下室へと向かった。さながら、なにかに導かれるように。
思った以上に広々とした造りの部屋に広がる、埃と古い本の香り。蔵書の森に暗い照明。壁に並んだ異様な全身鎧。開かれたままの分厚い書物と手記の投げ出された、簡素な机。
平時の、家族を失う以前の俺ならばビビッていたかもしれない地下室の様相は、しかし俺の心に不思議な安堵をもたらした。ここには、この空間には父がいたのだ。姿はなくとも、気配が香るとでもいうのか。
ああ、今ならば言える。前言を撤回しよう、確かに俺は親父に導かれたのだろう。運命でも偶然でもない、この邂逅は必然の出逢いだ。その先にある「魔女」との邂逅も含めてだ。
ここが全ての始まりだった。「エドワード・ホーエンハイム」ではなく、「エドワード・エルリック」としての。
俺はこの地下室で、「錬金術」に出会ったのだ。
**************
父は聡明な
「全てを識りなさい」とオレの頭を撫でてくれた、その温もりは未だ消えていない。大好きだった、尊敬していた父だった。
なのに、いや故に。父は殺された。聡明であったが故に天に、神の「
神の亡き世を蔓延る害鳥共によって唆された、愛してやまなかった人間達の手によって、灰となって罰を受けた。
多くの錬金術師が殺された。父に続く者がいないようにと、人間が二度と思いあがった発展と成長を続けぬようにと、その秘めた可能性ごと十字に括られ灰にされた。絶叫と黒煙の絶えぬ日々が続き、多くの知識と命が失われた。オレは追われ、隠れ、探求を続けながらもソレを見続けていた。
やがて惨劇が終息し、生き残った術師もどれだけいるかはわからない。隠された秘宝を手にし、自らの身体に織り交ぜたオレは自らを「神器」として紛れ込ませ「真理」へ通ずる扉の前に括りつけた。捕捉されぬように自らを封じ、父やオレのようにこの「真理」へ到達する者を待つために。その愚者が願わくばオレの手を取る、大馬鹿者であることを信じて。
———奪われてはならない。奪われてなるものか。たとえ今どれだけ人の歴史が後退しようとも、今は逃げるしかなくとも。必ず父の言葉をオレは完遂する。人の世に不要な
この出逢いは偶然ではない。運命などではない。奇跡など冗談ではない。オレはそれら全ての殺戮者だ。
ここが全ての終焉だ。
そうとも。世界を
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これは二人の咎人が、世界に敵対する物語。
失われた者は戻ってこない、味方はいない。そう、彼らは正しく世界を壊すのだから。
これは進み続ける二人の絶唱。身を寄せ合う二人の紡ぐ黙示録。
新たなる世界を紡ぐための、その序章である。
打ち切り前提のキャラ紹介
・エドワード・エルリック
主人公その一。旧名を「エドワード・ホーエンハイム」。低身長、金髪三つ編み天才系の武闘派錬金術師。
別にこの世界では父親が賢者の石というワケでもなく、家族関係は良好だった。だが殆ど絶滅状態だった錬金術師の家柄であり、ふとした拍子に父親の素性が天界サイドに知られてしまい、母と弟もろとも殺された模様(尚、エドがその事実を明確に知ったのは真理を見た後)。この世界で錬金術を極めると必ず唯一神の創った「
その頭脳は天才のソレな上、キャロルに最初に出会った際に渡された「土産」達の鍛錬の元、それはもうミッチリ体術や技術を仕込まれた。低身長コンプレックスは相変わらずだが、本来の作品以上に拠り所がなかったため、恐らく深層意識に家族を失う事への恐怖が根付いていると思われる。
・キャロル・マールス・ディーンハイム
主人公その二。現在の
エドワードよりも数百年以上昔に生まれた人間だったが、本来の作品よろしく父親を燃やされて覚醒。背景に天界があったのは言わずもがなであり、早期にソレに気付けたために「世界そのもの」よりも「神と奇跡が蔓延る世界」という現状に憎悪を覚えるようになる。追跡を逃れ「共犯者」となり得る錬金術師の確保と保護をするのために、自らを発見した秘宝「ダグザの竪琴」と融合させた神器へと創り変え「真理」の根幹に喰い込ませた。神器化した場合、本来はランダム(といっても彼女からすれば十分予測可能なレベル)で新たに生まれた人間の魂に括りつけられてしまうのだが、キャロルは人間の精神が「真理」に到達するための「扉」が出現する「空白の異界」に自らを封印することでソレを逃れたという。
エドはキャロル曰く「自分達を含めて到達者としては三人目」らしく、このことからエドの父親は到達していないことが伺える。その到来と伸びしろは彼女をして期待以上だったらしく、最初の到来で「土産」を寄越したのは相当な期待があった証左である。
エドへの恋愛感情やら異性への意識はないので、少なくとも現状はヒロインではない。だがもっと深い関係だと認識しているらしく、その境遇からのシンパシーもあってやや対応には人間味が見られる。具体的にはわざわざ身長でマウント取るためにボイン形態になったりする。
というかエドに仮にヒロインが出来ても魂レベルで結びあっている彼女を出し抜ける存在がいない。
・
最初にエドが左脚を犠牲にして到来した際、キャロルが寄越した「土産」。「レイア・ダラーヒム」「ファラ・スユーフ」「ガリィ・トゥーマーン」「ミカ・ジャウカーン」という個体名をそれぞれに持つが、姉妹機ではないらしい。
「
・アルフォンス
キャロルからの宿題の一つとしてエドが作成した、父の鎧コレクションの一つをベースとした自動人形。名はエドの亡くなった弟から取られており、エドを「兄さん」とは呼ぶが兄ではないことは自覚している。だが同時に他の自動人形のことは「姉さん」と呼んでおり、彼女達からも受け入れられている模様。
妄想だけは尽きないなぁ…()