それでは本編をお楽しみください。
あの後、いろいろなことを説明された。行方不明だと思われていた俺の妹、虎愛は実は元この世界(幻想郷)の住人であったこと。スキマの妖怪、八雲紫という幻想郷の賢者の一人によって現代(こちらでいう外の世界)に転生されたこと。そして、その記憶が戻った虎愛は自らの能力というものでこちらの世界に戻っていたこと。
羽竜「じゃあ、お前はもう、あっちに戻らないってことか?」
虎愛「そう・・・、なるかもしれない。私一人の力じゃ、あっちとこっちの行き来はできないから」
羽竜「えっ?でも、お前はその能力ってのを使ってこっちに来たんじゃなかったっけ?」
虎愛「私の能力はね、呼ぶ程度の能力なんだよ。と言っても、遠すぎる場所や、別の次元にいる人を呼ぶまではできないんだけどね。」
羽竜「でも、その言ってることが正しいなら、その紫って人を呼ぶのは不可能じゃないのか?」
虎愛「それは、・・・」
レミリア「ゴホン」
さっき廊下に現れた吸血鬼、レミリアの咳払いで会話が止まる。
レミリア「兄弟の再開を邪魔する気はないのだけど。せめて、お茶会の時ぐらいはみんなでお話をしたいわ」
そう、今僕たちはレミリアさんとお茶会をしている。理由としては、僕に対する情報収集だと虎愛は言ったけど。正直僕なんかに何を聞こうと思っているのだろうか。
レミリア「どれでまぁ、なんだか盗み聞きみたいな形になってしまったけど、あなた達はそういう関係ということね」
羽竜「まぁ、そうですね。なんだか、僕が知っている以上に何か複雑な状況になっていますけど」
虎愛「そんなことはいいじゃないですか。それより、レミリアさんはお兄ちゃんに何を聞こうとしているのですか?」
レミリア「まぁ、そうね。正直聞きたいことがありすぎてどれから聞こうか悩んでいたのだけど、それよりも聞かなくちゃいけない質問ができたわ」
羽竜「その質問とは?」
レミリア「あなた、私の妹。フランドール・スカーレットに会ったわね」
羽竜「あの部屋にいた少女がそのフランドールであるならね。」
僕の答えを聞くとレミリアは少し何か考え込んだのか。窓の外を見ている。
レミリア「成る程ね」
その一声で何か、正直に言ってめんどくさそうなことが起こるんじゃないかと感じた。
レミリア「なら、あなたにお願い事があるのだけどいいかしら?」
羽竜「お願い事、と言いますと?」
レミリア「フランの心を開放してほしいの。」
めんどくさい、ことではなさそうだがなぜそれを今しがたあったばかりの見ず知らずの僕に頼んでくるのか。
羽竜「さすがに理由ぐらいは話してくれますよね」
レミリア「確かにそうね。少し話を飛ばしすぎたわ。それじゃあ・・・」
レミリアは自分のポケットの中から一つのクリスタルを取り出す。色は水色何のなぜか、何と言えばいいか、その色として認識できない。
羽竜「これって」
レミリア「へぇー、見ただけで感じ取ることができたのね。」
そう言って、そのクリスタルをポケットの中にしまう。
レミリア「あなたが感じたのはフランの狂気。彼女自身の力。この世界では魔力というわ」
羽竜「魔力・・・」
僕には魔力というのがどうあれば正しく、どうあると悪いのかまったく理解できない。ただ一つその中で確かな理解ができていること。それは
羽竜「その力は、魔力は正常じゃないってことですか」
僕の回答に少々の驚きを感じたように思えたレミリアだがすぐに元に戻る。
レミリア「すごいわね。まさかここまで観察力と推理力が優れている人だとは思わなかったわ。」
フフフと少し笑い話を戻す。
レミリア「そう、彼女、フランは生まれてからずっと、魔力制御ができなかった。今は昔に比べてマシになっているけど。」
レミリア「それで、あなたの力で彼女の心を自由にしてほしいの」
その問いに、正直どのように答えを出せばいいかわからない。この話は、スカーレット姉妹の問題だ。だけど、それが何百年も続いている。それはフランの心に大きな負荷をかけ続けていることになる。
・・・なら、答えは一つしかない。
羽竜「わかりました。僕にできることであるのなら、やってみます」
そう言って僕は目の前に置いてあるカップの中身を一息で飲み切り席を立ち部屋から出ようとした。
レミリア「あら、ありがとう。なら、これを持って行った方がいいわね」
その声は部屋の中からではなく廊下、僕の目の前で発した。
羽竜「・・・結構心臓に悪いんですけど」
レミリア「フフフ、ごめんなさい。」
そう言って、レミリアは手に持っていた何かを僕のポケットの中に入れる。と言っても、その出来事は指パッチン一回で行われたことなので羽竜には急にポケットに重みが追加されたように感じた。
レミリア「それはきっと、あなたの使い方でどんなものにでもなるはずよ。」
そう言ってまた指パッチンを一つ。今度は部屋の中、さっきまで座っていた席にまた座っている。まったく何が起きているのか。そう思いながら部屋を出て、階段に向かった。
はい、羽竜と虎愛の再開。いやーこういうのは書いてみたかったんですよね。で、ここで大切なのがフランの狂気になってきます。いったい何のことを言っているのか。それは、これまでに投稿した話の中でヒントになるものがあるかもしれません。ぜひ、探してみてください。
次回、狂気の魔法陣
ご愛読ありがとうございました。