虎愛(とあ)と読みます。前回の後書きに入れようと思っていたのですがどうやら入れ忘れてたみたいでした。すみませんでした。
それでは、本編をお楽しみください。
霊夢「ちっ、逃げられたわね。」
魔理沙「おいおい、どうすんだ?あいつ、絶対やばいこと考えてるぜ。」
霊夢「そんなのわかってるわよ。それより・・・。」
そう言うと、霊夢は俺の方に向かってくる。俺の魂の抜けた肉体に。
霊夢「あんた、大丈夫?。意識あるの。」
返事はない。そのはずだ。だって魂は肉体から離れているのだから。
魔理沙「霊夢、そいつ意識はあるのか?」
霊夢「・・・呼吸はしているけど、意識はないみたいね。とりあえず安全なところにでも運んできましょうか。」
そう言って霊夢が俺の体を抱えてこの空間から出ようとしたとき、どこからか聞いたことがあるような声が聞こえてきた。
???「あら霊夢、それだけを持って行っても目覚めはしないわよ。」
その声を聴くと霊夢は、またか。とでも言いたいかのように呆れ声で答える。
霊夢「それはどういうことかしら。・・・紫。」
するとまたしても空中に、今度は三日月の形をした何かが出てきた。そして、そこから一人、一言でいうなら、周りとオーラが違う人が出てきた。
紫「あら?博麗の巫女も鈍くなったのかしら。」
霊夢「いちいち余計なことを言うわね。それより、目覚めないってどういうことなの。」
霊夢の問いに答える前に紫の魂の抜けた俺の体の方を少し見て、
紫「だって、彼の・・・。いえ、鬼神羽竜の魂は出ることができない。そして、その代わりである河龍の魂が抜けてるもの。」
そう言うと紫は指を鳴らす。その音がこの空間に響き終えたとき、俺の魂が体に戻っていくのを感じ、意識が途切れていく
紫「まさか、魂が二つになるとわね。」
意識が途切れる前にそのような声が聞こえた気がした。
目覚めると、どこなのかわからない。いや、表現することすら難しい空間にいた。
紫「お目覚めかしら?」
俺が起きたことを確認するかのように声をかけてきた。
河龍「・・・普通だ。」
紫「あらそう、なら手っ取り早く本題に入れそうね。」
河龍「本題?」
紫「あなたを襲ったあの子。確か虎愛っていたかしら。なんで襲われたかわかるかしら?」
河龍「いや、知らない。というか、俺はあいつのことは今日初めて知っ・・・。」
紫「嘘ね。」
否定されたとき、また俺の心に大きな重みを感じる。そして、ごめん、虎愛。と涙目になっていっている自分の姿が浮かんでくる。こんな記憶知らない。知っているはずがない。
紫「あなたは感じているはずよ。いや、もう気付いているんじゃないかしら?あなたは、その体の持ち主ではない。もう少し言い方を変えるなら、河龍という人間は存在しない。」
俺は、今、目の前で言われた言葉の意味を理解することができなかった。これは俺の体じゃない。河龍という人間は存在しない。脳内でこの二つの言葉が繰り返し流れてくる。
河龍「嘘だ。・・・そんなはずはない。俺はちゃんと生きている。記憶だってちゃんとある。」
紫「確かに、”今”ちゃんと生きている。だけど、その記憶はいつからの記憶かしら?」
河龍「そんなの、小さなころの・・・小さな・・・ころの・・。」
そこで俺は気づく。俺の記憶はある出来事からの記憶しかない。
河龍「そんな・・・嘘だろ・・・じゃあ、俺は、俺は・・・いったい何なんだ。」
紫「それじゃあ、本題に入るわね。鬼神河龍。あなたはいわば鬼神羽竜によってつくられた人格。つまり二重人格によって出てきた一つの人格に過ぎない。・・・となっていたはずだった。」
河龍「はずだった?」
混乱する頭の中その一言が考えていたことのすべてを吹っ飛ばした。
紫「えぇ、人格に過ぎなかったのよ。ついさっきまで、虎愛があなたに刺したあのメス、どうやらめんどくさい力を持ってたみたいでね。それによって、一人格でしかなかったあなたは魂として存在するものになったのよ。」
河龍「つまり・・・どういうことだ?」
紫「あなたも鈍い人ね。つまりあなたは、もう一人の羽竜として、河龍として存在することになったのよ。だからあなたの持っている記憶は”あの事件”以降しかないのよ。」
紫「そこで、私はあなたを一人の人間として体を授けようと思っているのよ。」
河龍「俺の・・・体?」
紫「わかりやすく言うなら依代みたいなものよ。」
河龍「そうすると、今の俺の・・・、羽竜の体はどうなるんだ。」
紫「こちらで回収することになるわね。あの虎愛って女が羽竜を狙ったってことはまた狙ってくるかもしれないしね。」
河龍「そうか・・・、そういうことな・・・。」
そう言いかけたとき、またしても何かを感じた。待って。いかないで。と。そのまま。俺は黙り込んで考える。
本当にその考えでいいのか。羽竜は自分を守るために俺を、俺という人格を作り出した。その俺が一つの魂として存在し本体から出ていけば俺の存在意義はどうなるんだ・・・。
紫「?」
河龍「いや、やっぱいいわ。新しい体はいらない。」
紫「あら、意外ね。その理由、聞かせてくれないかしら?」
河龍「理由なんて簡単さ。俺は羽竜の人格であって、ほかの誰でもない。この体の持ち主なんだからな。」
紫「ふふっ、面白い答えね。その答えにたどり着くなら、ここに呼び出す必要もなかったわね。」
そう言うと、紫は指を鳴らす。すると、俺の足元の空間に穴が開いて落ちていくのを感じた。
河龍「えっ、ちょっ、わぁぁぁ。」
二度目の目覚めは、寝室のベットの上だった。
???「いいんですか。彼をそのままにして。」
紫「あら、藍。見ていたのかしら。」
藍「はい、シャンからの報告が思ったより少なかったので。」
紫「あらあら、あの子、張り切るのはいいけど、やっぱりそういうところが抜けてるのかしら。」
藍「それより、・・・。」
紫「はいはい、大丈夫よ二回も言わなくて。彼なら問題ないわよ。ただ、今回の接触がどのように彼らを変えていくか。そこまでの責任はとれないけどね。」
藍「まったく、紫様はそういうところをもうちょっとしっかりしてもらいたいものです。」
紫「まぁ、いいじゃない。それよりも大事なのは、今回のこの異変、”あいつが裏にいるかもしれないことね。」
はい、てことでまたしても初登場のキャラが出てきましたね。鬼神羽竜(うと)。
ステータスは不明ですが、簡単のプロフィールみたいなのを載せておきます。
名前:鬼神 羽竜(きじん うと)
性別:男
年齢:18歳
能力:不明
魔力:不明
河龍の主人格。何らかの原因で河龍という人格を作り出す。それ以外のことは不明。
プロフィールを書いてみたのはいいもののほとんどのことはまだ不明になっちゃいましたね。
次回、河龍の弱点
ご愛読ありがとうございました。