巨蟲列島 蟲姦お断り!【完結】   作:灰色の空

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息抜きで書きました。
取りあえずよろしくお願いいたします。



始まりは見知らぬ場所で

「う…うぅ」

 

 暑い。体中が熱を持ち汗が出てくるのが嫌でもわかる。それに頬に感じる妙にザリザりととした感触。閉じていた瞼を開け体を起こす。

 

「……あ?」

 

 響き渡る波の音。頭上にはさんさんと照らす太陽。周りを見渡せばどこかの森と海それに砂場。思わず呆然となるのも仕方ないだろう。だって俺はこんなところ知らないのだから。

 

「ここ何処?…え?何で俺はここに?」

 

 口から出てきたのはある意味当然の疑問。よくある台詞をまさか自分が言う羽目になるとは思いもしなかった。

 

「えっと、確か俺は…?」

 

 俺は何でここにいるのだろうか。だがその答えは自分の口から出てこなかった。記憶を探ろうとするも靄がかかったかのように思い出せない。言い変えれば白紙のように自分に関することが真っ白だ。

 

「俺って誰だっけ…え?マジで?俺って記憶喪失なの?」

 

 見知らぬ海岸で自分が誰なのか分かりもしない。まさかまさかの状態で笑うにも笑えない。こういう時はどうすればいいんだろう? 

 取りあえず立ち上がり落ち着くために深呼吸を一つ。

 

「ひっひっふーひっひっふー ってこれラマーズ法じゃねぇか!?俺は馬鹿か!絶対馬鹿だな畜生!」

 

 取りあえず自分でボケて自分でツッコむ。うむ、なんか虚しい!こういう時誰かがそばにいてくれた方が助かるのだが…愚痴を言っても仕方がない。とりあえず周りの探索をしよう。

 

「えーっと 何かの残骸に散乱した手荷物。それに人のパーツ」

 

 暫く歩き回って発見したのはなんかの部品とか機械の残骸らしきものだった。それに合わせて人の手荷物らしきものが数点。そして恐らく成人男性の片手。

 

「…え?……ふぉわぁぁあああ!?ひ、人の手ぇ!?」

 

 まさかまさかの人の手だった。千切れたのか手首から下が無く指が何本か無くなっている。皮がはがれて肉が剥き出しだがごつごつとした形から成人男性だと思ったが…

 

「お、おおお、っちちちいいつつけけっけっけっけけぇーーーーい!」

 

 バックステップをかましぶるぶると震える体を無理矢理抑える。視線が手に釘付けになってしまったがそれでも落ち着いて冷静に対処しなければいけない。

 

「ひっひっふーひっひっふー …だからラマーズ法じゃ駄目なんだよ!いい加減学習しろよ俺!」

 

 どうやら俺の頭は相当なポンコツの様である。冷静に対処するはずなのに何でラマーズ法が先に出てくるのか…呆れて突っ込むがやっぱり虚しい。

 それでも何とか落ち着いたのか人の手を見ても動じなくなってしまった。

 

「人の適応能力ってスゲー。それとも俺が鈍いのか…まぁいいや」

 

 落ち着いたので探索を続行しよう。悪いけどちぎれた手は放っておく事にした。動くとかなら怖いが死んだ者は生き返らない。常識ですな。

 

「んで、調査の結果、何かの飛行機が墜落したって事かな」

 

 残骸を調べた結果と散乱した荷物などを考えると、海難事故より飛行機事故が起きた考えた方が良いだろう。そして俺自身の境遇を考えると、飛行機の乗客だった可能性が高い。多分。

 

「ツイてないのか、ツイているのか。さっぱり分かんないな俺」

 

 一応自分の証明となる物を探すが何もなかった。分かっているのは俺自身が若い男で運動神経が良さそうといった所ぐらいか。

 探索をしていて分かったが体は結構軽いしかなりの体力もある。自分の思うように体が動くのだ。記憶を失う前はスポーツでもやっていたのだろうか。

 

「所持品は…このジャケットにスキットル。それにジッポライターだけか」

 

 身に着けているのは深緑色の丈夫そうな男物のジャケットにTシャツにジーンズ。ポケットには何故かスキットルがあった。旅行中に酒でも飲むつもりだったのだろうか?後はジッポライター。鈍く輝く銀色が高級品みたいでカッコいい!

 

「スキットルの中身は……おいちぃ水だな」

 

 スキットルを開け中の匂いを嗅ぐがアルコール臭は無かった。少し口をつけゴクリ飲むと中身は美味しい水。ミネラルウォーターだろうか、体が楽になった気がする。ジッポライターの方は…問題なく使えそうだな。小さな火だが頼もしくとても暖かい。

 どうやら記憶を失う前の俺はかなりのカッコつけ野郎らしい。少しだけ微笑ましくなる。

 

 しかし収穫はそれだけで自分が何者かについてはさっぱりだった。せめて携帯位は持っていてくれよ俺…

 

「はぁ…これは人を探さなきゃいかんですな」

 

 ここで救助を待っていた方が良いのかもしれないが、あいにくジッとしていられるような玉ではない。

 俺が生きている以上誰かほかにも生存者がいる可能性だってあるし、俺の事を知っている人間だっているのかもしれない。

 

 散乱していた荷物からサイドパックみたいなものを一つ拝借し、空のペットボトルを突っ込む。後で余裕ができたら水でも入れてみよう。

 他に武器みたいなのがあれば御の字だったがこればっかりは仕方ない。ない物は無いのだ。

 

「それじゃ未知の冒険へと出発しますか」

 

 誰にもなく独り言をつぶやき、俺は鬱蒼と茂る森の中へと進むことにする。まずは誰か人と出会う事。それを目的にして歩き出したのだ。

 

 

 

 それが、これから生死を分かち合う人達と想像できなかった脅威への遭遇になるとは思いもしなかったのであった。

 

  

 

 

 

 

 




こんなものかな?

劇場版面白いですね
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