【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第10話 響き合う曲

『ねえ、穂乃香。星花さんと音葉さん、バトル初心者だって言ってたけど、どんな人なの?』

「どちらも音楽に精通している方達です。音葉さんのほうは、演奏以外は不器用だって聞きますが………。」

『ああ、だからネネさんは今回、2人のガンプラを内緒にしてくれって言ったのね。』

 

ハンデ用のルールとして綾瀬穂乃香&羽田リサチームには、涼宮星花&梅木音葉チームのガンプラ情報は伝わっていない。その代わり栗原ネネが彼女達のナビを務めてくれる事になっていた。

 

『ネネさん、手加減はしなくていいんですよね?』

『はい。全力でのガンプラバトルを望んでいますから。』

「じゃあ、リサちゃん全力で行きましょう。………今回のフィールドは?」

『砂漠に設定します。』

「では、ジェットストライカーの装備をちょっと変えて………準備よしです!」

『ネネさん、向こうも準備出来ましたか?』

『大丈夫です、システム起動しますね。』

 

見慣れた電子的なカタパルトと共に出撃の合図が鳴る。

穂乃香とリサはガンダムお馴染みの発進コールを叫ぶ。

 

「綾瀬穂乃香、ウィンダム!発進お願いします!」

『羽田リサ!インプルース・コルニグスが行くわよ!』

 

2人の機体は勢いよく打ち出され、砂漠の空に舞いあがった。

 

『さて、敵機はどんな機体で来るかしらね………。』

「リサちゃん、地上にいます!」

 

早速敵機を探す2人は、地上をバーニアで飛んでくるトサカのような頭部が特徴的な、青いアーマーを纏った白いガンダムを見る。何の意匠か背中にマントを靡かせていた。

 

『「新機動戦記ガンダムW」に出てきた「ガンダムサンドロック」………よね。でも、あのアーマーは何?』

「フルアーマー形態でしょうか?………でも、サンドロックにそんな設定は。」

『実はあるんですよ。あの機体は漫画作品である「新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光」で登場した「ガンダムサンドロック(EW版/アーマディロ装備)」になります。』

『な、何………それ………?』

 

ネネの説明を聞き、通信越しのリサは怪訝な顔をする。

そんな長ったらしい名前の機体のバリエーションまで把握できるわけが無かったからだ。これは穂乃香も同じで内心、少し動揺していた。

 

『アーマディロは「アルマジロ」を意味するとか。』

『………って事はあの機体も「固い」のね。フェザーファンネルは通用しないと思うけれど、ビームはどうかしら!』

 

ネネの言葉を聞き、リサのインプルース・コルニグスは頭部メガ粒子砲を放つ。

普通ならビームシールドも貫通する威力のビームだ。だが、例によってサンドロックは動きを見せる。背中のマントを翻すと高出力のビームを防いだのだ。

 

『「耐ビームコーティングマント」って所ね………。「ABCマント」みたいな物があるとは………。』

「リサちゃん。もう1機の気配はありますか?」

『こっちは無いわよ?初心者なんだし、整備不良を起こした………とか?』

「その考えは危険ですよ?」

『じゃあ、「ブリッツガンダム」のような「ミラージュコロイド」で隠れているんじゃないのかしら?………どちらにしろこちらの隙を伺ってるのならば、隙を見せる前に空の利を活かしてサンドロックを倒し………ッ!?』

 

そこでリサの言葉が途切れる。

突如地上にいたサンドロックがバーニアを吹かして弾丸のように飛び上がってきたのだ。よく見れば追加装甲には補助ブースターが付いており、高高度跳躍が可能となっていた。

 

『強引に行かせて貰いますわ!』

『その声は星花さんですね!でも、そんな単調な攻撃で!』

「あ!待ってリサちゃん!?サンドロックのシールドは!?」

 

飛び上がって来たサンドロックの、爪の付いた左腕のシールドによる「クロスクラッシャー」のアッパーを後ろに下がって躱したリサのインプルース・コルニグスは反撃のビームクローを振りかぶる。だが、そのシールドが光り輝く。

 

『掛かりましたわ!』

『ッ!?「シールドフラッシュ」!?でも、目くらましで!』

『音葉さん!』

『なッ!?』

 

落下しながらサンドロックを操る星花は叫ぶ。

すると次の瞬間、遥か彼方からビームが飛来し、インプルース・コルニグスを貫いた。

 

 

――――――――――

 

 

「当たった?こんな上手くいくなんて………。」

 

緊張、興奮、達成感等によってゾクゾクする物を感じながら、音葉は落下するインプルース・コルニグスを見た。

彼女は砂漠の上でカーキ色に塗装されたモノアイの機体をうつ伏せ状態にしており、右肩の「ビーム・キャノン」を放っていた。

彼女がやってみせたのは、いわゆる「狙撃」という物で、動かないで良い分、敵機に狙いを付けるだけで済む。特に最初の一撃は星花と上手く連携できれば意表を突けるだけに、効果は抜群だった。

 

「ネネさん、ありがとうございます。私………今、ガンプラバトルを楽しめているかもしれません。」

 

次の狙いは残ったウィンダム。後は星花のサンドロックに当てない事だけを考えながら撃ちまくればいい。音葉は気合を入れると再びビーム・キャノンを放った。

 

 

――――――――――

 

 

「ネネちゃん!?あの狙撃機はなんですか!?」

『「ゲルググキャノン1A型」………と言うより「ジャコビアス・ノード専用ゲルググキャノン」ですね。』

 

何でも、漫画「機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」に登場する「社長」のパイロットの搭乗機らしい。

ネネは桐生つかさの姿を思い描いた時に、この機体を音葉の練習用のガンプラとして試してみればいいと考えたのだ。

 

「初心者の戦い方じゃないですよ、それ………!」

『後は私を信じてくれた音葉さんの特訓の成果です。さあ、どうします?』

「正直、参ってます………。」

 

大型の二振りの曲刀である「ヒートショーテル」を発熱させながら取り出し、飛び上がりながら振りかぶってくる星花のサンドロックの攻撃を躱しながら、穂乃香のウィンダムはとにかく動き回る。

音葉のゲルググキャノンの狙撃はそこまで正確無比では無い。だが、指揮官機としての性能も持つサンドロックの出すタイミングに合わせてしっかり撃ってきてるので、攻撃のタイミングがつかめない。

 

「突破口は………。」

 

穂乃香は何とか自分の機体と武装を最大限に引き出せる術を考えていた。

 

 

――――――――――

 

 

(………まだ、生きてる?)

 

撃ち落とされたリサはインプルース・コルニグスの機体の手足を動かしてみる。その挙動はとても弱々しかったが、全く動かないわけでは無かった。

続いて大気圏専用の強化パーツのインプルース。こちらは片側からフェザーファンネルが数基撃てるくらいである。

 

(なんかアヒルになった気分ね………。)

 

醜い姿を披露して、多分、穂乃香に執着し過ぎていた頃の自分なら屈辱で嘆いていただろう。

だが、今は、違う。嘗てのライバルである彼女は味方として戦っている。そして、自分の失態で苦戦を強いられている。

 

(だったらせめて………「白鳥」が舞えるように支えるのもアリ………よね。)

 

リサは頬を叩きコンソールを叩くとビームの飛来する方角を確かめる。ジリ………ジリ………と機体の向きを変え………。

 

「たまには………「泥臭く」楽しむわよ!」

 

操縦桿を握りながらペダルを全力で踏み、インプルース・コルニグスの動かせるありったけのバーニアを吹かした。

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