【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド 作:擬態人形P
(穂乃香ちゃんがチーム結成かー………。)
フリルドスクエア仲間の綾瀬穂乃香が、羽田リサ・涼宮星花・梅木音葉と「ガンプラバレエ組曲」というチームを結成したのを栗原ネネから聞いて、工藤忍は考えさせられていた。
これからこうして自分達の影響を受けてチームができてくる。しかも、最初はユニットという枠組みに囚われるなという美城専務の提示した条件の通り、意外性のあるメンバーばかりが集う事になるのだ。
(今度はどんなチームができるか………っと思ったら早速。)
昼飯を食べようと休憩室に入った所で忍は見る。美しいロングの髪を持った少女が、長めの黒髪を纏めた少女にガンプラの作成を教わっている所を。前者は依田芳乃、後者は藤原肇だった。
「忍さん、こんにちはなのでー。」
「こんにちは、忍ちゃん。ご飯ですか?」
「そうだよ、芳乃ちゃんに肇ちゃん、こんにちは。タッグ結成………じゃないよね。」
この2人は「山紫水明」というユニットを結成しており2人で曲も歌っている。ソロ曲も持っており、その歌唱力はかなり………いや、凄まじい物を持っていると忍は思っていた。
とにかく、2人が組むのは専務の提示した条件に違反するので、何か別の要件だと思っていたのだ。
「特に大した用では無いですよ。私が芳乃さんのガンプラ作成を手伝っていただけです。」
「作成が難しいがんぷらゆえー、肇さんの手助けが無ければ完成させるのが難しくてー。」
「成程………どんなガンプラか見てもいい?」
「どうぞー。」
何処か間延びした口調の芳乃が出したのは、金のフレームの一角のモビルスーツ。後ろに補助パーツか、2本の尻尾のような物を付いた板が付けられていた。
「………「フェネクス」?」
「正確な名称は「ユニコーンガンダム3号機 フェネクス(ナラティブVer.)」ですね。」
「「機動戦士ガンダムNT」のモビルスーツ!?凄い機体作ってるね………。」
「「ですとろいもーど」の時の青と金の姿が、わたくしのあいどるとしての衣装に似ていると思ったのですー。」
「成程………。」
確かにデストロイモードの時の機体カラーは芳乃の衣装に通じる所があるように思えた。そういうカラーリング的な選び方もあるのだった。
「みんな自分の個性を最大限に発揮できる機体を選んでいますからね。私も土に想いを込めた機体を愛機にしています。」
「肇ちゃんの場合、土じゃなくて、「「土」星エンジン」でしょ!陶芸家アイドルだからって「ヅダ」を選んで暴れまくるなんて誰も予測できなかったよ!」
「「ヅダ」ではありません!漫画「機動戦士ガンダム ザ ブレイジング シャドウ」に登場する「ヅダF(ファントム)」です!改良機にしましたから暴発は少なくなりました!」
「少なくなっただけで暴発はしてるじゃん………。」
ぷくーと頬を膨らませる肇に対し、忍は苦笑いを浮かべる。
以前、ネネがセカンドVで空中分解を起こした時に忍と辻野あかりが話題に出したのが青い空中分解機体であるヅダだった。
肇はその改良機である黒をベースとして「ギャン」のパーツを組み込んだヅダFのガンプラを愛用している。改良機なだけあって暴発は少なくなったが、それでもする事はあるのだ。
「危険な機体、よく練習できるなぁ………。」
「もう!そもそも気持ちよくぶん殴れる機体だからってフルアーマー・ストライカー・カスタムを選んだ忍ちゃんに言われたくありません。」
「うッ………流石にそこを突かれると言い返せない………。」
「まあ、落ち着いて下さい!作成者の個性が出るのはガンプラのいい所です!」
『ん?』
忍と肇は首を傾げる。2人の口論を止めたのは芳乃では無かった。彼女の視線の先を見ると、3人の少女達が立っていた。
1人は黒髪を後ろにお団子で丸めた少女。1人は紫の外はねが少し混じる特徴的な髪の少女。そして残りの1人は綺麗な長い黒髪の女性であった。
「貴女達は………。」
「あ、待って下さい!名乗りますんで!」
そう真ん中の少女が肇を止めるとビシっとポーズを決めた。
「ダジャレンジャー!オレンジ!矢口美羽!………イエイ!」
「ダジャレンジャー、ピンク!輿水幸子!………フフーン!」
「だ、ダジェレンジャー………レッド………黒川千秋。」
『ダジャレンジャーズ、ここに参上!』
『……………。』
矢口美羽、輿水幸子、黒川千秋の名乗りとポーズに無言になる忍達。
特撮系を真似ているとは思ったが、妙な口上であったり、暖色系しか集まって無かったり、そもそもダジャレンジャーって何って思ったり………。
「………美羽ちゃん、幸子ちゃん、千秋さん。もしかしてチーム組んでるの?」
「はい!私が仕事で忙しい楓さん達の教えを受けて、チームの勧誘を行ってるんです!」
笑顔で応える美羽に忍はどう反応すればいいか分からなくなる。
美羽の言う楓………高垣楓というのは25歳児と一部で呼ばれている程のダジャレ好きなアイドルだ。ダジャレを極めたい美羽はそんな楓にそんな自分の代わりにチームを作ってくれと頼まれたのだろう。しかし、という事は………。
「幸子ちゃんもダジャレンジャーズの一員?」
「ボクはダジャレアイドルでは無いですが、美羽さんに頼まれて仕方なく組んであげたんです!………美羽さんはカワイイ素質があるからボクが導いてあげないといけませんからね。」
「やだなぁ、幸子ちゃん。私、カワイくないですよ?でも私、幸子ちゃんみたいに身体を張るアイドルになりたいです!」
「………本当に導いてあげないと近々道を踏み外しそうです。」
自覚が無い美羽を見て幸子は肩を落とす。
彼女は美羽の言う通り、何故か身体を張った仕事を得意としている。勿論、それに誇りを持っているのは確かだが、本来はカワイさに自論を持つ程のキュートなアイドルだ。
「千秋さんは?」
「私は2人の「お守」よ。………確かに最近、楓さんの影響でダジャレは嗜んでいるけれど、美羽に誘われるとは思わなかったわ。」
こちらも肩を落とす千秋。
本来は高潔な20歳のアイドルであるのだが、何故か色々な役柄をやる事が多く、経験豊富である。本人曰く、くっころ騎士もやったし、メタルも歌ったとの事。
「んで、3人のターゲットは………。」
「はい!私達のチームに「ダジャレンジャー・ゴールド」として芳乃さんに入ってほしくて!」
「わたくしですかー?でもわたくし、だじゃれは得意では無いですよー?」
「このチームには癒しが欲しいんです!ガンプラバトルはガンダムとは違います!ギスギスしす「ぎス」ないように芳乃さんのような存在がいてくれると嬉しいんですよ!」
微妙に気づきにくいダジャレを挟む美羽の言葉に対し、芳乃は考え込む。
彼女としては悪い気はしていないらしいが、如何せんコントのようなチーム故に入りたい気も起きていないらしい。
「保留でお願いするのでー。わたくしはまだ、がんぷらが作れていませんしー。」
「そうですか。無理強いはしません。じゃあ、また機会があったらお願いしますね!」
「芳乃さんもカワイイガンプラ作って楽しんでください!」
「邪魔したわね。それじゃあ、失礼するわ。」
とりあえず曖昧な答えで済ませた芳乃に対し、3人は笑顔で去っていく。それを見送って忍や肇は芳乃のガンプラを見た。
「まずは、芳乃さんのガンプラ、完成させませんとね。」
「アタシも手伝うよ。みんなに楽しんでほしいからね、ガンプラバトル。」
「宜しく頼みますー。」
こうして芳乃のガンプラであるフェネクスが完成した。
――――――――――
「できた!………長かったが遂に4対4のシミュレーションバトルができるようになった!」
それから数日経ったある日、シミュレーター室で池袋晶葉は額の汗を拭って喜ぶ。
今までは2対2のバトルしかできなかったが、これで大会の控えメンバーも含めバトルができるようになる。
「ありがとう、泉、マキノ。お陰でようやく1つの形になった。」
「私達だけの力じゃないわ。」
「そうね。美城専務や美世さんを始めとした協力者の人達に感謝しないと。」
その場には大石泉と紫の長い髪の眼鏡の女性である八神マキノがいた。2人はデータに関する知識が豊富で、晶葉を始め彼女達がいるから346プロのシミュレーターが稼働するのだ。
「早速データ面でもパワーアップしたこのシミュレーターの実験をしてみたいが………。」
「失礼しますのでー。」
「おお、芳乃か。もしかしてガンプラバトルがしたいのか?」
「はいー。この完成したふぇねくすを試してみたいのでー。」
「ほう………ナラティブ仕様か。いいタイミングで来たな。早速コイツで試してみてくれ。」
「分かりましたー。」
芳乃はシミュレーターに入り、CPU戦を楽しもうとする。
………この時、誰もこれが騒動に繋がるとは思っていなかった。