【デレマス×ガンブレ】シンデレラとガンプラのロンド   作:擬態人形P

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第13話 暴走

「え?芳乃ちゃんが何処にいるかって?」

「はい、そろそろガンプラできたかなって思って。」

 

食堂で工藤忍がお昼を食べていると、矢口美羽が問いかけてくる。

前に依田芳乃に「ダジャレンジャーズ」の一員になってくれないかと聞いた為に、その答えを知りたかったのだ。

 

「うーん、ちょっと知らないなぁ………。」

「そうですか。どうします?幸子ちゃん、千秋さん?」

「とりあえず、お昼を食べませんか?」

「そうね。腹が減っては、戦はできず………とも言うし。」

 

メンバーの輿水幸子と黒川千秋の進言で3人は忍の許可を取って同じテーブルで食事を取ろうとする。その時だった。

 

「い、いた!」

「泉ちゃん?」

 

慌てて走って来たのか、息を切らす大石泉の姿に4人は何事かと立ち上がる。

彼女は自分の走って来た方を指しながらお願いをする。

 

「力を貸して!芳乃さんが………大変なの!」

 

芳乃の名前を出されて忍はイヤな予感を覚えた。

 

 

――――――――――

 

 

シミュレーター室に走って来た忍達は、中で機械とコンソールを必死に弄る池袋晶葉と八神マキノの姿を見る。シミュレーターのほうを見ると、8機の内1機が稼働状態になっているが、何か変だった。

 

「ええい!強制終了ができない!ガンプラのこんな設定まで再現されるのか!?」

「晶葉ちゃん、マキノさん。何が起こったんですか!?芳乃ちゃんが大変って………。」

「忍達か!芳乃のフェネクスがコントロールを乗っ取った!」

『え!?』

 

晶葉の言葉に忍達は怪訝な顔になる。

ガンプラが人間のコントロールを乗っ取るとは一体………?

 

「「デストロイ・アンチェインド」。」

「………マキノさん?」

 

コンソールを叩いているマキノはこちらを見ずに答える。その画像を覗くとデストロイモードになって宇宙空間で多数のモビルスーツを蹴散らしているフェネクスの姿があった。

 

「フェネクスには「インテンション・オートマチック・システム」というのがあって、考えるだけでガンプラを動かせるという便利なシステムがあるの。………でも、その脳波と相性が良すぎるとデストロイモードからこのデストロイ・アンチェインドになって見る物全てを破壊する殺戮マシンになってしまう。」

「よ、芳乃さんは大丈夫なんですか!?」

「命に別状が無いように作ったのがシミュレーターよ。でも、これは「想定外」の出来事。だから、万が一の事もある。」

「想定外って皆さんは製作者ですよね!?何でこんな事が………!」

 

思わず言葉を荒げる美羽にマキノ達は僅かに申し訳なさそうに呟く。

 

「………346プロは大きなプロダクション。それ故、反感を買われやすいわ。今回の企画を受けて、外部からバグを起こすウイルスを送り込んだ存在がいる可能性もある。」

「私達のミスだ………。いきなりフェネクスなんかで試すんじゃなかった。」

 

晶葉は思わず頭をかく。

その上で立ち上がると忍達に頭を下げる。

 

「忍達を呼んできて貰ったのは他でも無い。芳乃を助け出してほしい。」

「助けるってどうするの?」

 

千秋の問いに晶葉は芳乃と反対側の4つのシミュレーターを指差す。

 

「単純な話だ。シミュレーター内でフェネクスを破壊すればいい。………だが、暴走状態のフェネクスは相当強い。4人で挑んでも返り討ちにあう可能性もある。」

「でも、それしか手が無いんですよね?だったらやるまでです。」

 

幸子の言葉に、晶葉はすまないと頷く。

こうなった以上、シミュレーション内で物理的に何とかするしか無い。4人共OVA等で暴走したフェネクスの圧倒的な実力は知っている。でも、芳乃は大切な仲間だった。

 

「連れ戻すよ………芳乃ちゃんを。みんな!」

「合点です!ヤグチパワーでフェネクスを止めます!」

「ボクのガンプラの力、見せる時ですね!」

「強敵だからこそ、ガンプラバトルは楽しめるのよ!」

 

4人は頷きあうとシミュレーターに入り、それぞれのガンプラをセットした。

 

 

――――――――――

 

 

「さて、問題は誰がリーダーをやるかだけれど………。」

『忍さん!臨時リーダーお願いします!』

「アタシ!?ダジャレンジャーズを集めた美羽ちゃんとか年長の千秋さんとかじゃないの!?」

『私達はまだそんな沢山チームでバトルをしてないわ。だから経験豊富な貴女に任せるわよ。』

「わ、分かりました。やってみます!」

 

内心不安を覚えながらも忍は電子的なカタパルトが展開されると共に、いつもの発進時の言葉を発する。

 

「工藤忍、フルアーマー・ストライカー・カスタム!行っきまーす!!」

『矢口美羽!ガンダムAGE-1 タイタス!マッシブにゴー!』

『カワイイ輿水幸子がギラ・ドーガ サイコミュ試験タイプで出ますよ!』

『黒川千秋!ビギナ・ロナ、騎士の誇り見せるわよ!』

 

4人の機体が宇宙空間へと飛び出す。その光景は………。

 

『うわあ………。』

 

思わず4人がなんとも言えない声を出す。

辺り一面、様々な世界線のモビルスーツの残骸が広まっており、暴走フェネクスによる破壊の凄まじさを示していた。

 

『CPUのモビルスーツをぶつけているけれど、効果なし。………この先に芳乃のフェネクスがいるから、今のうちに機体特性とか話し合っておいたほうがいいわよ。』

 

マキノの通信を聞いて、忍は美羽達3人のモビルスーツを理解していない事に気付き、順次見渡す。

まず、美羽の機体はガンダム顔であったがレスラーのように赤く太い四肢を持っていた。

次に幸子の機体は赤いモノアイのジオン系。「ヤクト・ドーガ」に似ていたが少し違っている。

千秋の機体は小柄ではあったが白い騎士を思わせる風貌で大量の槍を背負っていた。

 

「美羽ちゃんのガンプラは「ガンダムAGE-1 タイタス」だっけ?「機動戦士ガンダムAGE」の。」

『ハイ!ウケが狙えると思って気に入っちゃいました!射撃武器は持ってませんが、近距離での格闘戦は任せて下さい!』

「フェネクスは遠距離武装が使えるらしいけれどどうするの………?」

『そこは皆さんに任せます!』

「任せるって………。」

『チーム戦は連携ですから!………それにこの空間なら武器には困らないですし。』

 

そう言うと美羽のタイタスは破壊されたヅダが使っていたと思われる「135mm対艦ライフル」を掴み残弾数を確認する。成程、ステージによってはそういう戦い方もあるのか、と忍は内心感心する。

 

「幸子ちゃんの機体は?」

『「ギラ・ドーガ サイコミュ試験タイプ」です。「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の「モビルスーツバリエーション」………通称「CCA-MSV」の機体ですよ。』

「主な特徴は何?」

『ファンネルや「インコム」による遠距離攻撃ですね。………とはいえ、フェネクスはファンネルのコントロールを奪う「サイコミュ・ジャック」があるから有線によるインコムがメインになりますが。』

 

しっかり自分の機体特性と相手の機体特性を理解しているのだな、と忍はこちらにも感心する。幸子はこう見えて勤勉なのだ。

 

「千秋さんの機体も教えて下さい。」

『「ビギナ・ロナ」はゲーム「SDガンダム GGENERATIONシリーズ」のオリジナル機体よ。7本の槍を移出する「バスター・ランサー」が切り札だから覚えておいて。』

「ありがとうございます。」

 

簡潔に特徴を説明してくれる千秋に忍はこの3人は場慣れしていると勘づく。千秋はあまりチームで戦ってないと言っていたが、恐らくメンバー勧誘の過程で個別に実力は磨いていたのだろう。

急に忍は彼女達に頼もしさを覚える。後は、どうフェネクスに対して戦っていくかだ。

 

「アタシの切り札は「妖刀システム」による一時的な高速機動………か。」

 

忍はとりあえず何が起こってもいいように自分が前に出て、3人に後ろからの援護を任せる。しかし………。

 

ズギュウゥゥウウウウンッ!!

バシュゥウウウウウウンッ!!

バシュゥウウウウウウンッ!!

 

「うわッ!?」

 

その妖刀システムはいきなり発動せざるを得なかった。というのも、遠距離からビームが雨のように飛来してきたからだ。

どういう事か、赤いビームと青白いビームが複数入り混じっている。

 

「マキノさん!?」

『赤いビームは「ビーム・マグナム」!青白いビームは2基の「シールド・ファンネル」からの「メガ・キャノン」!』

「3つの砲門から強力なビームが飛んできてるの!?」

 

更に忍は見る。

前方から破壊したモビルスーツを蹴散らして、芳乃からコントロールを奪ったフェネクスがシールド・ファンネルと共に高速で突進してくるのが。

 

「負けられ………ない!」

 

忍達は強大な敵と対峙した。

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